ニセモノはお前だ! 勝手に人の居心地のいい場所に入ってくんな!
僕の周りに、僕の安心できる場所を脅かす奴がいる!
コイツは、僕の子供の頃からの幼馴染で、僕の弱みを唯一
知っている男だ。
僕が好きになる女の子や付き合っていた彼女もコイツは
僕から奪っていった。
僕のなりすましをして、嘘のメッセージを会社の同僚に送った
事もある、“完全にイカれたサイコパスが僕の幼馴染だ!”
僕に初めて会わせた女の子と急に付き合うように言ってきたり。
コイツの代わりに、何度も嫌な思いをさせられた。
つい最近も、僕が会った事もない人達に土下座して謝る事もあった。
・・・でも? 何故、ここまで僕がコイツの言いなりなのか?
僕は子供の頃、両親を火事で亡くしている。
僕が家に火をつけたからだ。
当時、僕は8歳で父親と母親は仲が悪く離婚話が出ていた。
僕は両親が離婚するぐらいなら、二人を殺そうと心に決める!
その時、相談して手伝ってもらったのがコイツだった。
あの時の僕は、コイツの事を心底信用していた。
誰にも言わなかった事を、コイツにだけ僕は話していた。
僕は両親のお葬式の後、母方の祖父母に引き取られる事になった。
その後は、家も引っ越して通う学校も変わってしまう。
でも? 僕が18歳の時に仕事でまた戻って一人暮らしを始めた。
住み慣れた街の方が住みやすいと僕も感じていたからだ。
祖父母も、随分と歳を取り老人ホームに二人そろって入る事になった。
その老人ホームも、この住み慣れた街にあった。
僕の一人暮らしのマンションから歩いて10分ほどにある老人ホーム。
僕は二人に会いに、何度も顔を出すようになる。
その時偶然! コイツと僕はまた再開する。
正直、これが地獄へのはじまりになるとはその時の僕は思ってもみなかった。
その後、コイツと再会してからは? また子供の頃のように毎日連絡を
取り合い、会う仲に戻っていく。
最初は、僕も幼馴染のコイツと会える事が嬉しかった。
やっと、心を開く相手が見つかったと思っていたからだ。
でもそんな僕の気持ちは、一瞬で冷める事となる。
次第に、コイツの本性が現れ始めたからだ。
子供の頃に、感じた事のない恐怖をコイツに感じた。
相手を気づつけようが、相手の弱みを握りコントロールする事が
コイツの喜びに変わっていく。
僕もその一人だった。
僕は既に、コイツに逆らえなくなっていった。
『今日、お前にやってもらうのは、“この写真の男を殺してほしい!”』
『・・・えぇ!? 人殺しなんか僕にできる訳ないだろう!』
『何故だ? お前はオレの言う事を勿論、聞いてくれるよな!』
『その男に、何の恨みがあるんだよ!』
『オレの好きな女を取ったからだよ!』
『・・・それだけの為に、』
『それだけの為だと! オレは彼女を心の底から愛してたんだ!』
『じゃあ、その女性に告白したのかよ!』
『・・・いや、』
『お前の事、その女性は知ってるのか?』
『いや、』
『相手の女性がお前の事知らないのに、その相手の男性を
僕が殺すのか!』
『そうだ! 勿論、やってくれるだろう。』
『ふざけんなよ!』
『いいのか? お前の秘密を世間の人にばらしても?”』
『・・・・・・』
『お前に、オレがやってほしい事を断る権利はないんだよ。』
『・・・チッ、』
『今、オレに舌打ちしたか?』
『えぇ!?』
【ド―――ン!】
『・・・ヤ、ヤメロ! 分かったよ、やるよ。』
『それでいいんだよ!』
*
・・・僕は数日後、コイツの命令でその男性を殺した。
ただ、僕はコイツの命令通りに殺した訳じゃない!
コイツを犯人に仕立てる為に、コイツの指紋をつけたナイフで
コイツが普段着ている服を着て、その男性の家に忍び込み
殺害した。
警察は、完全にコイツを疑う。
そして、気が付けば裁判になり無期懲役にコイツはなった。
僕は一切、警察に疑われる事なく今も老人ホームに祖父母に会いに
行っている。
人は、怖い生き物だとコイツで思い知らされた。
人は追いつめられると、自分さえ知らない自分を知る事も。
でも? 僕は反面、愛するという事も手に入れた。
殺した男性の彼女、コイツが好きだった女性と
今は僕が付き合ってるからだ。
運命は? 不思議なモノだな。
最後まで、何が起きるか分からない。
最後までお読みいただきありがとうございます。




