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あなたにだけ、本当の私をあげるね!

作者: 七瀬





___私は、今までの人生の中で“男”に不自由したことがないわ!

私は、3歳の時から男の人の心を掴むのが上手いから。




私の母親は?

男癖が悪く、私の父親は未だに誰なのか?

母親は教えてくれないし! 

引っ切り無しに私の家では、男性ひと

出入りしていたの。




毎日のように、母親は違う男を家に招き入れたわ!

まだ、幼かった私も、、、。

やっぱり、母親の血を引いているのか?

男性ひとを、手懐けるのが上手いみたい。




___どんなに年上の男性でも。

私が、彼を見つめれば! 簡単にオチるのよ。

そう! 母親の男から私の男へと変わった瞬間だったわ。





・・・それでも?

母親は、ゲームを楽しむように私に男を取られても。

新しい男を見つけて!  また家に連れてくるのよ。





___まるで、母親は私の成長を確かめているようだった。

私が、“女として立派に成長しているか?” 母は自分の目で

確かめたかったのかもしれないわ。






___母親が連れてくる男性は?

年齢も様々で、一番下は? 13歳の少年から上は?

92歳のおじいちゃんまで、何処から見つけてくるのか?

私には、分からないのだけど、、、?

母親は、しょっちゅう男を家に連れ込んでいたのよ。





___私のファーストキスは?

母親が、連れてきた男性の1人だった。

彼は、当時24歳で私はまだ12歳だったわ。




___甘酸っぱい、ほのかな彼の優しいキスが

初めてのキスだったと思う。



___初体験の男性ひとも。

母親が、連れてきた男性ひとの1人だった。

彼は、30歳の会社員の男性ひとだったの。

母親とも、何度も体の関係を続けている人だったのに、、、。

私も、その彼と一つになったのよ。





 *




___でも、ある時ね。

私は、心の底から初めて好きだと想える男性ひと

出逢ってしまったの。




その彼も、また母親が連れてくる男性ひとの一人だったのよ。

私は、一瞬で彼を好きになってしまったわ。

だけど? その彼は母親の事が本当に好きだったみたい。

若い私じゃなく! 中年女性の母親を選んだのよ。




・・・それでも、

私は、彼を諦められなくて! 

遂に私は母親にこんな事を言ってしまった。



『___ねえ、ママ?』

『___何よ! 真波がワタシに話があるって? 珍しいわね!』

『___ママの恋人の、文君! 私にくれないかな?』

『・・・えぇ!?』

『___ママは、他にも男の人たくさんいるじゃん! でも? 私は

文君しかダメなの! いいよね、ママ?』

『・・・真波、』

『___私、初めてなのよ! こんなに男性ひとを好きになった

事なんてなかったから! 自分でも、驚いてるんだけど? でもね!

こんな私も嫌いじゃないなって! こんな気持ちになれたのも文君の

おかげだって! そんな風に想えたのよ。』

『・・・そう! 真波も、やっと大人の女に目覚めたって事なのかな?』

『___うん。』

『___仕方ない! ママが今回は、引いてあげるわ! 可愛い娘の為

にね! そこまでやる母親は、ワタシだけよ! 覚えててちょうだい!』

『___ママ! ありがとう!』

『___まあ、いいのよ。』






___その後。

母親は、彼に何を言ったのか分からないのだけど、、、? 

私とちゃんと付き合ってくれると彼の方から私に言ってきたの。





___私は、ずっと好きだった人と付き合えて嬉しかった。

しかも? 彼の方から私とちゃんと付き合いたい! なんて

言ってきてくれた事も、凄く嬉しかったわ。





・・・だけどね?

彼は、何処か? 私と一緒に居ても。

他の女性ひとの事を考えているような、そんな遠い目をするの。

私じゃない! 他の女性ひとを彼は見ている。





___きっと、

彼が好きな女性ひとは? 私の母親だと分かっていても。

私は、彼とは別れたくなかった。

いつか? 私が母親の事を忘れさせてあげれると信じていたから。




【___あなたにだけ、本当の私をあげるね!】





___だから、私の事を見てほしいの!

ママじゃなく! 私だけを見て。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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