恐魔譚快進撃☆
素人の与太話にお付き合い下さい
青い空、輝く太陽に、きらびやかにその光を跳ね返すビル、品の良い家々は程よくそれぞれの主張をしつつ、且つ、街の風格を損なわない程度に胸を張って建っていた。
賑やかな繁華街を抜け、少し閑静な景色が広がる。そこから続く道をしばらく行くと、都会の中に突如として森が現れる。
都会のおおよそ真ん中にあるその森は、言わずと不自然なまでの存在感を醸し出していた。長年の土地開発で少しずつ周りを削られたような形であった。
その歪な森の真ん中に、これまた歪と呼べるような大きな学舎が聳え建つ。
学舎の名前は私立「鬼ヶ島」学院。
学科は、化/科学、工学、光学、音学、地学、天文学、人体学、医学、数学、国学、戦学、そして、「魔学」の12学科から成り、在籍生徒総数12000人という大規模学校である。高等部を卒業した後は学院側で研究を続けるものがほとんどであり、都市内外の支部に配置される者が多い。
学院内にとどまれる者は100人程度で、その倍率は決して低くはない。
そんな学院で異彩を放つ「魔学」
この学科は「潜在能力」の認められたものだけが入学を許可される特殊な学科である。
この「潜在能力」とは、生まれ持ったセンスであり、才能。つまり、その発現する能力は人様々で何が発動するかわからないし、中にはセンスはあっても発現しない者もいた。
潜在能力を有する人が生まれる確率、5千万人に1人という確率である。
基本は生まれ持っての、つまり先天性のタイプ「アルファ-Α-」と、極めてごく稀に何らかの原因で突如としてそのセンスを発現させる後天性タイプ「シグマ-∑-」の2タイプが存在している。
潜在能力を有するものたちは総じて「イノセンス」と呼ばれ、能力を発現し、実戦にて戦力としてなる者を「コネクター」と呼ばれている。
一人の学徒がこの鬼ヶ島学院の正門をくぐる。
今日はこの学院の高等部の入学式である。