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転生無双  作者: 平朝臣
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第七話「人間の村」


 昼食を終えて師匠と一緒に人間族の村に行くことになった俺はファルクリアの地理について思い出す。


 ファルクリアには五つの大陸がある。真ん中にある中央大陸はデコボコしたジャガイモのような円い形。その南北にそれぞれ北大陸と南大陸がある。この二つは東西に長い形だ。そして東西にあるのが東大陸と西大陸。こちらの二つは南北に長い形だ。つまり円い中央大陸の周囲を棒のように長い四つの大陸が囲んでいる格好になる。


 大陸間の移動で海は渡れない。近海で漁をするくらいならできるが遠洋まで出た者は誰も帰ってこない。誰も帰ってこないので何があったのか、どうして遠洋に出られないのかわからない。海の魔獣にやられたのだろうと大型船で大艦隊を組んで調査に当たった国があったそうだが結局一隻も戻ってはこなかったという話だ。現在ではもはや国家で海の調査をしている国はない。


 ではどうやって大陸間を移動するのか。世界には四箇所だけ大陸同士を繋げる回廊と呼ばれる地続きの場所がある。


 西大陸の北部と北大陸の西部をつなぐ西回廊。


 北大陸と中央大陸をつなぐ北回廊。


 中央大陸と南大陸をつなぐ南回廊。


 南大陸の東部と東大陸の南部をつなぐ東回廊。


 S字を反転させて横に向けたような順でしかつながっていない。西大陸から東大陸まで行くには北大陸~中央大陸~南大陸と全ての大陸を通らなければ渡れないのである。


 またいくら特殊な能力のある世界とはいえ空から大陸を渡るほど長距離、長時間空を飛べるのは渡り鳥かドラゴン族くらいのものである。そして渡り鳥はおろか強靭な肉体を持つドラゴン族でさえ一直線には目的地に飛ばず不可解な迂回ルートをいくつも通ることから空にも何か単純に飛べない問題があると推測されている。


 俺達がいるのは人間族の勢力圏である中央大陸だ。円い大陸を十字に切ったような国境線がある。島津家の家紋のような感じだ。しかし十字の交点は南西にずれているため北東のバルチア王国が一番大きく南西のウル連合王国が小さい形になる。バルチア王国が人間国家最大の領土を誇り国内に聖教皇国という小国がある。聖教皇国は人間族のほとんどが信仰している聖教の中心地であり一都市とその周辺のみの極小さな国だ。地球で言えばバチカン市国が近いのかもしれない。人間国家は十字に区切られた四つの国と一つの都市国家の五つだということだ。


 師匠の家は神山という山の頂上付近にあり神山は南西のウル連合王国の南西地方にある。人間族の信仰する聖教というのは人間至上主義で他種族に対して排他的で迫害しているがウル連合王国は元来自然信仰のようなものがあった地域であり他種族や自然との調和を大事にしている。しかしその信仰のために国家のようなものを作ることをせず、各集落で自然と一緒に暮らす生活が長かったために近年になってようやく国家としてまとまった国である。もっとも師匠にとっての近年であり200年以上の歴史はあるそうだが人間族の五つの国家の中で一番歴史が浅いのは確かだ。


 その神山から南西方面に下りると師匠がよく訪れるベル村という村がある。俺と師匠の移動速度なら全力など出さずともあっという間に村までたどり着く。ついさっき出発したところだがもう着いてしまった。


狐神「ここが私がよく来るベル村だよ。」


 特に柵や門もない森の中の開けた場所に区画整理もされずポツポツと家が建っている。村の中心へ向けて歩いていく。


村人A「おおっ!女神様だ。女神様が来られたぞ。」


 村人っぽい一人が声を上げる。女神とは師匠のことのようだ。


村人B「よくぞおいで下さいました。さぁどうぞこちらへ女神様。」


 わらわらと村人達が出てきて師匠に声を掛けてくる。どうやら師匠はこの村で慕われているようだ。


村人A「それで…その…。そちらの方は?」


 チラチラと遠慮がちに俺の方を見ている。いや、この村人Aだけではない。集まった人達から俺に視線が注がれている。


狐神「こいつは私の弟子のアキラさ。皆仲良くしてやってくれ。」


村人A「女神様のお弟子さんですか。それはさぞすばらしい方なのでしょう。実は女神様にお願いが…。」


村人B「おい。まずは村長のところへご案内するのが先だろう?」


 村人Aは何か言いたそうにしていたが周囲の村人達の雰囲気からまずは村長宅へという空気になり村長宅へ案内される。村人Aに先導されて村の中心へと向かう。村の家々は木造住宅だ。その中で一際大きな家の前にたどり着いた。


村人A「村長。女神様がおみえになられました。」


 村人Aが家の外から声を掛けると家の中からドタドタと走る音が近づいてくる。乱暴に引き戸が開かれ人が出てくる。出てきた人は顎に長い髭を生やし頭は一本の毛もないツルツルだ。顔中に刻まれた皺や肌の質感からは相当な年だと見て取れる。


村長「おおっ、おおっ、女神様。よくぞおいでくださいましたな。おや?そちらは?」


 村長とおぼしき老人は俺に目を留める。


狐神「弟子のアキラだよ。今日はこいつと挨拶に来たのさ。」


アキラ「アキラ=クコサトです。」


 師匠とはよろしくやっていきたいが今のところベル村とやらとよろしくやっていきたいとは思っていないのでそこで言葉が止まる。社交辞令でよろしくと言うのは簡単だが俺にそのつもりはない。俺が言葉につまり黙っていると向こうが言葉を返してきた。


村長「ようこそおいで下さいましたアキラ様。わしは村長をしておるベルと申します。女神様もお美しいがアキラ様も勝るとも劣らぬほどお美しい方ですな。わしもあと三十年若ければ。」


 村長は目を細めて、いや、頬を赤く染めてそんな気色悪いことを言う。


アキラ「気持ち悪いことを言うなクソジジイ。」


 しまった。つい本音が出てしまった。師匠は苦笑しながら俺を見ている。


ベル村長「ほっほっほっ。アキラ様は元気なお方のようですな。」


 村長は特に気を悪くした風もなく笑っている。実際にほっほっほっなんて笑う奴は初めて見た。さすがは異世界。侮れない。いや、それはいい。思い返してみれば村長だけではない。ここへ来るまでに遠巻きに見ていた村人達も皆似たような視線を俺に向けていた。頬を染め呆けたようにこちらを見たり手を合わせて拝んでいる奴までいた。それは師匠に対してのものだと思っていたが違ったのだ。俺はもう鏡で自分の姿を見ても違和感を感じなくなっているし、師匠と二人きりの生活では自分の姿を意識することはない。だが今の俺の姿はその美しい姿で人を惑わすと言われる妖狐の例に漏れない絶世の美少女だ。美少女であることを鼻に掛けたり変なプライドや自信を持つことはないが、今後も今回のような目で見られたり場合によってはトラブルに巻き込まれかねないということは覚えておいたほうがいいだろう。


アキラ「…ん?ベル?それは村の名前じゃないのか?」


ベル村長「アキラ様はウル連合王国は初めてですかな?この国の村や町の長は代々その村や町の名を受け継いでおるのです。わしの次の村長になる者も村長の座とともにベルという名を継ぐのです。」


狐神「アキラは人間族の村は初めてなんだよ。そういうことも色々教えてやってほしいのさ。」


ベル村長「おお、そうでしたか。それではわしの知る範囲でよければお話しましょう。こんな所で立ち話もなんですのでこちらへどうぞ。」


 村長の家の中へと案内される。客間か居間かよくわからないが一室に案内されて席を勧められてソファーのような物に座る。どこにでもいそうな普通のおばさんがそれぞれに飲み物の注がれたコップを出してくれた。


おばさん「どうぞ。」


アキラ「どうも。」


 中の飲み物を見る。お茶のように薄い緑のような色をしている。他の人が飲んでいるのを見て俺も飲んでみる。ちょっと癖のある苦味がするが日本のお茶にもこういうものがありそうな味がする。師匠の家では酒か水しかないので茶葉があれば持って帰りたいと思った。


ベル村長「それでは何から話しましょうかな。」



  =======



 それから村長に人間族について色々聞いた。基本的な常識は地球とそれほど変わらない。だが他種族という者がいるこの世界ではやはり色々と種族間の軋轢があるようだ。魔人族と人間族は昔から何度も戦争を繰り返しているらしい。人間族は他種族を差別しているのでウル連合王国以外ではあまり人間と接触しないほうがいいかもしれない。


ベル村長「とはいえ獣人族とは同盟を結んでおりますので北東のバルチア王国と聖教皇国以外は獣人族とは友好的でしょう。」


 そこまでで一度会話が途切れた。すると待ってましたと言わんばかりに、なぜか同席していた村に着いた時から案内役をしていた村人Aが口を挟んできた。


村人A「村長。今日女神様が来られたのも天の配慮ではないでしょうか。例の件をお願いしてみてはどうでしょう?」


ベル村長「これ!なんということを言うんだ。あのようなことで女神様の手を煩わせるわけには…。」


狐神「うん?何かあったのかい?」


村人A「はい。実は森に見たこともない魔獣が棲み付いたようでして村人が森に入れず困っているのです。」


 ゲヘゲヘッとでも言い出しそうな困り笑いのような顔で村人Aがしゃべる。虫酸が走る。


狐神「そうかい。それじゃあアキラと一緒に見てみようかね。」


ベル村長「このようなことを頼んでしまって申し訳ありません女神様。」


村人A「ありがとうございます。」


 師匠が了承すると村長は申し訳なさそうな顔をする。村人Aは満面の笑顔だ。村が大変なことになるかもしれないのだ。村長も俺達に頼むつもりはあったのかもしれない。だが例え演技だとしても仕事を押し付けるのに申し訳ないという気持ちはもっていそうな雰囲気は纏っているし、まずは俺達をもてなし話もして物事の順序というものを守ってきた。この後そういえば困っていることがあると切り出したかもしれないが頼みごとをするにしても筋は通したやり方だろう。


 だがこの村人Aはどうだ?今口を挟む前から、俺達が村に着いたその時から何度も何か言おうとしていた。友好的だの女神様だのと口では言っていてもこいつらは所詮師匠のことを都合の良い用心棒か雑用係とでも思っているのだろう。


狐神「ああ、いいんだよ。ってアキラ!なんて顔してるんだい?!」


村人A「ヒッ!」


 今の俺の顔はきっと怒りに染まって村人Aを睨みつけているだろう。村人Aが椅子から転げ落ち床に蹲る。俺はゆっくりとソファーから立ち上がる。


狐神「そんなに嫌だったのかい?」


アキラ「師匠。そういうことじゃありません。」


 俺の体の周りにあまりにも高純度、高密度の強大な妖力が纏わりつきバチバチと放電している。


アキラ「おい。キサマ。」


村人A「ヒィィッ!」


 村人Aは恐怖に顔を歪めて俺から離れようとずりずりと床を這いずる。


アキラ「何が女神様だ。キサマら、師匠を便利な番犬だとでも思っているんだろう?自分達の厄介事を押し付けてあとで貢物でも贈ってご機嫌を取ればいいと思っているんだろう?」


狐神「困った時はお互い様だろう?私だって色々助けてもらってるんだよ?」


 師匠が困ったような顔をしている。その原因は俺だ。こんな顔をさせたくはなかった。だがここは引けない。


アキラ「俺だってこの程度の頼みごとに不満があるわけではありません。この後折りをみて村長も頼むつもりだったんでしょう。その時村長から頼まれたら俺も素直に受けたでしょう。」


 驚きに目を見開いている村長。


ベル村長「え?わし、いつの間にかアキラちゃんのフラグ立ててた?」


 頬を赤く染めてふざけたことを言う。


アキラ「黙れジジイ。」


 即座に黙らせる。ていうか何でそんな言葉を知っている?


アキラ「村長は礼を持って師匠を遇した。まず誠意を見せた上で頼みごとをするというのは相手を尊重している証です。ですがこの男はどうですか?師匠も気づいていたでしょう?この男が俺達が村に着いたその時から何か頼みごとをしようとしていたのを。」


狐神「ふむ…。」


アキラ「あとで貢物でもくれてやるからまずは自分達の頼みごとを聞けと言わんばかりのこの男の態度は師匠を軽く見ているからできることです。例え村が大変な時で一刻も早く解決してもらいたいとしても、尊敬している、尊重している相手にこんなことはできません。」


村人A「そそそっそのような…ことは…。」


 青褪めた顔でそう言い繕おうとする村人A。


アキラ「ではキサマはこの国の王に会った瞬間に村に出ている魔獣を討伐しろと言うのか?」


村人A「…それは…その…。」


アキラ「魔獣の心配など二度としなくていいように俺がこの村を塵一つ残さず消し去ってやろうか。」


 俺の纏う妖力がさらに密度と量を増し小さな嵐のように渦巻く。


村人A「おおっおっおゆる、お許しを!」


狐神「アキラが私のために怒ってくれたのはわかったけど、もう許してやりなよ。」


 師匠にそう言われて妖力を鎮める。


アキラ「出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありませんでした。」


 俺もやりすぎたとは思ったから素直に謝る。元々本気で何かしようと思っていたわけでもない。だが師匠を小間使いのように使って当然と言わんばかりのこの男の態度にどうしても我慢できなくなってしまった。


狐神「いいんだよ。アキラが私のために怒ってくれたんだからね。」


 そう言う師匠はポーカーフェイスをしようとしているのだろうが、照れ笑いのような顔になっている。


アキラ(ん?耳が?)


 師匠の耳は恥ずかしいと言っているかのようにペタンと前に倒されて閉じていた。尻尾も忙しなく動いている。そういえば今までも耳や尻尾が感情を表すように動いていた気がする。いや動いていただろう。目は口ほどにものを言うというが師匠の場合は耳と尻尾がそれに当たるんだろう。これからは注意してみておくことにする。何よりかわいらしいし見ていて和む。


狐神「それじゃその魔獣とやらのところへ行ってみるかい。」


アキラ「はい。」


 村長に魔獣の詳細を聞き、村人Aのことを任せて森へと向かった。



  =======



狐神「これはどういう状況だろうね。」


アキラ「わかりません…。」


 村長に聞いた場所の近くの森の奥へとやってきた俺達の目の前には奇妙な光景が広がっていた。見たこともない魔獣という物の特徴は光り輝く四足の獣ということだった。目の前には村からやってきた俺達の方に背中を向けた銀色に光り輝く狼のような獣がいる。その向こう、狼が対峙している方には魔獣の群れがいる。あちこちに対峙している魔獣と同じ物の死骸が転がっているところをみると戦っているのだろう。


狐神「向こうにいるのはミニオークの群れだね。」


アキラ「ミニオークというのは?」


狐神「オークの小型の亜種で名前の通りオークを小型弱体化させたような魔獣だよ。」


 前に会ったゴブリンより少し大きい程度の豚鼻の魔獣だ。ゴブリンよりはよさそうな装備をしている。金属製のように見える鎧と槌、さらに個体によっては木材を張り合わせたような盾を持っている。


アキラ「あっちの銀色に光っている狼の方は?」


狐神「そっちはわからないね。私も見たことがないよ。」


 師匠でも知らない魔獣のようだ。狼はあまり大きくない。元から小型なのか子供なのかはわからない。


アキラ「狼の方が村を守っているように見えますね。魔獣同士はよく争うんですか?」


狐神「この状況だけ見ればそう見えなくもないね。魔獣同士が争うことは滅多にないよ。弱い方が強い方に譲るからね。でも村を守っているのかどうかはわからないよ。」


アキラ「どうしますか?」


狐神「う~ん…。」


 悩んでいる間に戦況が動いた。周囲に大量のミニオークの死骸があることからかなり長い間戦っていたのだろう。疲労困憊の狼についに致命的な隙が出来てしまった。このままでは狼はミニオークの槌の餌食になるだろう。


アキラ「ッ!」


 脚がもつれた狼に槌が振り下ろされた瞬間、俺は狼の元まで行き抱きかかえて師匠の所まで戻ってきていた。自分でも何故そんなことをしたのかわからない。


狐神「その子を助けるのかい?」


アキラ「…そう…ですね。一先ずミニオークは処分しましょう。」


 俺に抱きかかえられている狼は驚いて固まっている。突然瞬間移動して俺に抱きかかえられた状態になっていることに気づいたようなものだ。驚くのも無理はない。ミニオーク達はさすがに俺達の方に気づいたようだ。こちらに向かってくる以上相手をするしかない。


アキラ「…招雷しょうらいの術。」


 早速師匠に習った妖術を使ってみる。雷を扱う術だ。敵が多く広がっているので少し強めに撃っておこう。


 俺達より少し離れた場所、ミニオークの集団の中心と思われる位置に巨大な光の柱が落ちてくる。目も開けられない光の奔流。そしてその直後に轟く大爆音。空気を切り裂くかと思うような雷の音が鳴った次の瞬間には激しい地響きと共に地面の爆ぜる音が鳴り響く。


 ……


 光が収まり周囲に舞い散った砂埃が晴れてくる。師匠と俺は妖力で身を守っている。もちろん俺に抱えられている狼も俺の妖力に守られている。俺達は埃一つ付かずに妖術で宙に浮いている。そう「宙に浮いている」。それは何故か…。


狐神「ここまでやらなくてもよかったんじゃないかい?」


アキラ「いえ、あの、ここまでするつもりはなかったんです…。」


 砂埃の晴れた周囲には何もなかった。森の奥深くだったこの場所は半径300mはありそうな巨大なクレーターになっていた。当然俺達の足元の地面もなくなっている。これが俺達が浮いている理由だ。ミニオークの残骸どころか消し炭すら残っていない。


狐神「アキラは力の制御は完璧だけど、力加減はまだわかってないようだね。」


 1m刻みの目盛りしかない物差しで1mm単位で正確に線を引くことはできない。1m単位で線を引くか、あるいはほぼ0に近いという線しか引けないのだ。俺はまさにそれだ。師匠に術を教えてもらっていた時は練習なので発動さえすれば良い、ほぼ0に近い妖力で術を使っていた。今回初めて敵を倒すために妖力を使った。俺がこれくらいかなと思った妖力は多すぎたのだ。1cm引けば良い線を1m引いてしまったようなものだ。だが俺には今まで比べる物がなかったのでどれくらいが良いのかわからなかったのだ。と言い訳しておく。


アキラ「どうしましょうか…。」


狐神「いつまでも浮いてるのも何だから向こうまで行こうか。」


 一先ずクレーターの外まで飛んで行き地面に降りる。まだ固まったままの狼も降ろしてやる。


狐神「どうしたもんかねぇ。」


 二人でまだ固まったままの狼とクレーターを交互に見ながら何度目かになる同じセリフを口にした。



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