25 3日目 - 午後(8)
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絶賛1人鍋パーティー中のひとりぼっちの桜ですw
いや~大きなタラバガニ最高です♪これが日本のクリスマスの有るべき姿だと私は世界に訴えかけたいw
ではどうぞ今回のお話をお楽しみ下さいませ(^^ゞ
「あ~やっぱりな」
「女じゃ勝てないよな」
「もうちょっとぐらい頑張れよ」
という観客からの冷ややかな声。
もっと盛り上がりたかった、という自分勝手な落胆の溜め息がアリーナに充満している。
でもそんなものは気にならなかった。
他人の評価なんて何の価値も無いことぐらい知っている。
ではなぜに、こんなにも苦しいのか?
答えは誰よりも自分が分かっている。
この情けない私を見たマリアンヌ様の気持ちを考えると…。
折れた骨よりも心が痛かった。
呼吸できないほどに、、、。
数メートル先から聞こえる足音がだんだんと近づいてきた。
服に着けられた軽装の鎧の金属音と足音を立ててきたそいつは勝ち誇った声で言った。
「そんなにこのナイフが恋しいのか?」
自分が与えた一撃によほど自信があるのだろう、ゆっくりと屈んでナイフを拾うラムゼス。
そして、これ見よがしに慣れた手つきでペン回しのように器用に腕の周りを周回させる。
表情は笑顔。
アリーナを埋め尽くすほどの観客たちの声援に笑みで答えるため。
「……っ、はぁ、はぁ」
侮蔑を含んだ「そんなにこのナイフが恋しいのか?」という質問。
その質問に答えず。いや、答える事が出来ず、荒い息を繰り返すのみのカーナ。
ラムゼスは落ち着いたトーンで語りだした。
「カーナ・マキシマム。前近衛騎士団長ストロング・マキシマムの1人娘として生を受けて幼少期は父に騎士の英才教育を受ける。わざわざ騎士の訓練場で小さい女の子に手取り足取り、溺愛とも思える英才教育は幼くしてほとんどの戦闘技術を学ぶ結果をお前に与えた。 しかし父の死後はぱったりと騎士の名の付く場所から姿を消した、まるで神隠しにあったかのようにそこからお前の消息は探れなかった。だがそんなお前が数年前からメイドとして城に入った、そしてどういう手段を使ったのか分からないが、お前はここ最近、第一皇女の専属メイドに抜擢された」
地面に座り込むカーナに気を留める事無く、言葉を紡ぐラムゼス。
「表立った功績こそ残ってはいないが、少し調べたらその頃のお前を知る人間はたくさんいたよ。全員、ずいぶん口を渋らせてたけどな。この魔道具、本来だったらお前の物になるはずだったんだろ?ガキの頃から実の父親から使う練習を教えてもらうぐらい、に。 大方、お前の父親は自分の後を継がせて近衛騎士団長にでもさようとでも思っていたんだろうが、、、、」
手に持つ魔道具を腰へしまいこむ。
目の前にカーナがいるのに。
それはまるで勝利を確信しているかのような行動。
そして鼻で笑った。
「バカな親だ」
「……」
「女が近衛騎士に入れるわけが無ぇ~てのにな。バカな夢を見た顛末は」
「五月蝿い」
続く言葉を遮るように声を出すカーナ。
しかし相変わらず瞳は虚ろなまま。
ラムゼスはそんな視線や罵倒を送られてもそ知らぬ顔で話を続けた。
「そこで俺たちはこう考えた。それほどお前にとってこの魔道具は特別な物、だからお前はいつかこの魔道具を手に入れる機会が訪れないかとずと窺っていた。 そして10英雄を倒した見返りとしてマリアンヌ皇女殿下に頼み込んだ。そう考えればあの場で急に皇族の中でも魔道具に一番関心の無い第一皇女がこれを欲しがったか合点がいく」
この後、ラムゼスは小声で「それでも色々と疑問は残るが…」と付け加えた。
そして言い終わると突然無言になる、その目は何かに感付いたかのように座り込むカーナに視線を向け「まさかお前がっ!?」と口にした、しかしすぐにそれは無いと首を振る。
「いやいや、そんなわけないよな。お前が知るわけが無い」
カーナは眉を寄せる。
思い出したくも無い話の連続。
顔を背けたくなる。
でも、まだ身体がいうことをきかない。
だから聞くしかない、どれだけ聴きたくなかったとしても。
「全てを失ったお前がこの父親の形見を見たらおそらく油断する。だからここぞというときに魔道具を捨ててみることにした、思ったとおりお前は飛びついた…ここまでピッタリ策がハマると痛快だな」
「危険な…賭け、ですね。 敵を目の、、、前…にして、魔道具を手放すな、んて…」
何とか口を動かす。
するとそれを聞いたラムゼスは断言する。
「魔道具があろうがなかろうがお前に負ける気がしない」
そして今までと違ってとても静かな表情で言った。
「俺より強いのはこの世でクルウェイだけだ」
閲覧ありがとうございました(*_ _)ペコリ
実は次のお話は数時間後にアップしようと思っています。
べ、別に、クリスマス予定が無いからペンが伸びたとかじゃないんですからね!Σ(´Д`;)
既に出来ているだけなんですからね!Σ(´Д`;)
ってことで、鍋を食べ終わって、おじやも食べ終わった頃にまたお会いしましょう(^^)/~~




