23 3日目 - 午後(6)
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今年の私の流行語大賞は「チェンクロVオリジナル要素(笑)」、こんにちはひとりぼっちの桜ですww
1年間、同じイベントを繰り返すだけでオリジナルとはこれいかにw
今回は10ページ近くになってしまいましたがどうぞご覧くださいませ(○^∇^)_旦
攻撃を物ともせず突っ込んでくるラムゼス。
回避とカウンターに重点を置くようにフットワーク軽く、常にラムゼスの周りを回るように動きながら戦うカーナ。
両者の激化した戦いの中、その時は唐突に訪れた。
チャンスを得たのはカーナ。
魔道具を使われたタイミングに合わせて鎧の覆っていない側面、ちょうど横腹を強打!
感触は会心の一撃。
しかしラムゼスは一瞬ピクリと眉を反応させただけで、顔面の時と同様、かまわず打ち返してきた。
カーナはバックステップでそれを回避、そして軽く自身の拳を見る。
分厚い筋肉の感触、筋肉の付き難いわき腹を狙ったにもかかわらず結果は芳しくない。
ついさっきの顔面へのカウンターよりも完璧なタイミングでこれ。
コイツに対してはそう簡単にはダメージは与えられない。
そのカーナの一抹の不安を感じ取ったのかラムゼスは微笑しながら言った。
「軽いな」
その挑発にカーナは、あなたはトロイですね、と思った。
まぁ、もちろん無駄だから口に出して言わなかったが…。
しかしラムゼスが言ったこと事も一理ある。
武器を使わない以上、このままでは有効打は与えられない。
カーナは自身の足元にチラリと目をやると呟いた。
「やるか」
前の戦いでは”これで”何人もの強者を沈めてきた。
例え相手が分厚いフルフェイスのヘルムを被っていたとしても、全体重をかければ問題なく殺れる。
初陣からまだ時間はたっていないにもかかわらず、既に数多くの命を刈り取ってきた死神。
石畳をうつ硬い音。
足に馴染んだブーツ。
それがカーナに囁きかけてくる。
『敵の血を吸わせろ』、と。
ジャブ、アッパー、ジャブの順で振り払われる流れるようなコンビネーション。
カーナはそれら2つの動作を前後左右のステップで華麗に回避、だが最後の左ジャブが右斜め上から放たれた瞬間、身体を捻る様にしつつ避けつつ、その場で丸まる様にして一回転、足が上空を指した辺りで片足だけ伸ばしてそのまま振り下ろした。
今までのカーナの攻撃には無かった大振りな一撃。
ラムゼスの頭をめがけて大振りで放たれたカカト落とし、これを避けることなどラムゼスにとって造作も無い、それほど大振りであった。
だがラムゼスは考える「これを腕で受ければ決定的なチャンスが訪れるのでは?」と
次の瞬間、ラムゼスは腕を上げようと決意した。
光沢輝く両手の甲に着けられたガンレットを胸から上に上げていく。
だが、その所作は途中でピタリと止まった。
これはラムゼスの意思では無い。
ラムゼスの本能が命令したのだ。
この攻撃はヤバイ。絶対に避けろ。と
振り下ろされた黒いブーツを視線で追いながらも大きく背後に飛び退くラムゼス。
空を切ったカカトはそのまま地面へ降下した。
すると硬い石材で出来たリングの床がまるでやわらかい土をえぐるかのように掘り起こした。
「っ!?」
空中を舞い上がった石ツブテがパラパラとカーナの周囲に散らばる。
「このクソが、やっぱり靴に何か仕込んでやがったか」
「なぜ分かった?」
「あえて言うなら勘だ、俺の勘は昔から当たるんだ」
「…素晴らしい勘ですね、称賛に値しますよ」
腕で受けてくれてたら面白いことになったのに、という続く言葉を飲み込んでえぐれたリングから視線を上げるカーナ。
「うるせぇよ、卑怯もんが、殺されたいのか!このアマぁ!」
「………」
あなただって手にごついガンレット着けてるじゃないですか。
いちいち五月蝿いですね。
こっちこそ殺すぞ。
闇夜は背後に気おつけろよ、と睨み返すカーナに対して、ラムゼスは引きつった目で使うのをやめていた剣に再び手をやった。
「もう、お前の動きはだいたい分かった。これからは本気でいかせてもらう、武器も遠慮なく使う。いいな」
「どうぞ、ご自由にして結構で…っ!」
「いくぞ!!」
吼えると同時に地を蹴り、魔道具を発動させたラムゼス。
火花が弾けるような猛烈な加速で一直線に向かって来る。
先ほど殴り合いが始まる前、自分がやった奇襲と同じ手。
おそらく意趣返しのつもりなのだろう。
怒りに身を任せたその表情から来るスピードは今までで最速。
魔道具の全能力を解放したからこその圧倒的スピード。
だがカーナは内心でほくそ笑む。
余裕からほくそ笑む。
だってこんな単調な突進、今さら当たるわけが無いのだから…。
(さて避けようかな)
でもその時、カーナは一瞬、躊躇った。
ある事が頭を過ぎったのだ。
――もしも当たってしまったら?
過ぎった疑問は心を蝕む疑心暗鬼の種となる。
神は言った「完膚なきまでに敵を倒せ」、と。
それは敵を終始圧倒するのは前提という意味、致命傷をこちらが受けるなど論外、勝って当たり前、負ける可能性のある行動などありえない。
つまり安全マージンを取るならいつもの倍以上は必要。
例え連続で魔道具を使われても自分なら避けれると確信できるだけの距離。
「死ね!」
それをカーナは真横に大きく飛びのくようにして避けた。
その行動を取った瞬間、観客の何人が分かっただろう?
対面しているカーナですら気付かなかったラムゼスの微少な口元の変化を。
その時、ラムゼスの口元は確かに。
笑っていた。
「当たりませんよ」
視線のすぐ横を高速で通り抜けていくラムゼス。
「動きを見切っているのはこちらも同じです。単調なんですよ、あなたなの動きは」
避けれるだけの十分な間を取ったのだから当たり前の結果。
通過する暴風に髪をなびかせながらもカーナはこの後の展開を予想する。
この後はおそらく地面に着いたらすぐにもう一度魔道具を使用、私の背後を挟撃。
でも残念がら不意打ちなんて成功しない、私なら地面に着地すぐに振り返ってカウンターに持っていける。
その驚異的なスピードが仇になることを教えて差し上げましょう。
カーナは心の底で笑う。
しかし違った。
予想が外れた。
再び空気を密集させて小さく爆発させたような破裂音が聞こえた。
「えっ?」
カーナの予想よりもコンマ数秒は早いその音。
するとラムゼスはまるで空気を蹴るかのように再びカーナに向かって進行方向を逆転させたのだ。
そして次の瞬間、ラムゼスが足を触れるはずだった場所にその姿は無く、空気の輪っかだけが余韻のように出来ていた。
それはもちろん魔道具という奇跡が無ければ不可能な事象。
そして高速でカーナとの距離を詰めてくるラムゼス。
一方、カーナはまだ振り返るために必要な軸足が地面についていなかった。
魔道具の使用を途中でキャンセルしてからの連続発動。
それは特定の魔道具に愛された者のみが、多大な修練の末に行き着く到達点。
咄嗟に顔だけを背後へ。
視線の先、ラムゼスはすぐそこまで迫っていた。
「っ!」
正直、カーナにもどこか相手を舐めていた所があった。
自身初めての殺し合いをしたアンジェラのお抱え騎士には圧勝。
マリアンヌの初陣で単独での10英雄撃破、その後の300人を相手にした戦いも難なくこなした、それは彼女に自分への過剰なまでの自信を与えた。
もはや世界において自分とやり合えるのは父の弟子であり、兄弟子にあたるクルウェイぐらいしかいないと高を括っていた。
そして今回の敵は1つ、2つとはいえ自分より年下。
所詮はあの雑魚のカイルが準優勝できた程度の大会に出場している人間。
父の遺品である魔道具の性能は知り尽くしていた、しかもマリアンヌの話だと相手はほとんど魔道具を使えないという情報を得ていた。
これで相手を侮るなというほうが無理な話だ。
そしてカーナの決定的とも言えるミス。
王の間で初めてラムゼスと他3人を見た時のぎこちない歩き方
それを見て、たいした使い手ではないとカーナは判断してしまった。
だが、それもあの時の状況を考えれば早計過ぎる判断だったと言わざるえない。
いくら実力があるとはいえ、王の御前。
まだ歳若い4人が緊張しないわけが無い
いつも通りの歩き方を出来るわけが無かったのだ。
「チッ!」
この状況から避けることは不可能…とは、言い切れないまでも難しい。
一か八か回避行動を行い、万が一失敗、取り返しの付かない攻撃を受けるよりも防御に徹しよう。
そう判断して瞬時に防御視線を取り始めるカーナの身体。
カーナの足が片方だけでも地に着くまで1秒。
ラムゼスがカーナの元まで到着するまで1.5秒。
時間的猶予はカーナに分がある、そう、これは最善の行動であった。
しかし、次の瞬間ラムゼスは予想外の行動を取った。
なんとカーナが防御姿勢をとり始めるや否や、自分の魔道具であるナイフを足元へ投げ捨てたのだ。
「えっ?」
完全に虚を付かれたカーナ。
防御姿勢も忘れて視線は完全にラムゼスからナイフへ
表情は大切な宝物を投げ捨てられて動揺しきった子供のようであった。
もちろん普段のカーナなら戦闘中にそんな無駄を見ない。
だが今日、この時は見てしまった。
しかも敵が自分に向かって突っ込んでくる危機的状況で、だ。
その一瞬をラムゼスは見逃さなかった。
突風のように突っ込んで来たラムゼスの正面に見えたのは、がら空きになったカーナの胴体。
その時、時間的猶予は完全に失われた。
0.5秒を完全にひっくり返された。
そして今まさに鍛え上げられた腕を振りかぶられていた。
「くたばれっ!ボケェ!!」
鉄の塊が乗り移ったような拳がカーナの腹、みぞおち部分を完全に捉えた。
「ウグッ!?」
身体を貫くような一撃、その衝撃はすぐさま脳にまで届き、鈍痛な音がアリーナ中に響く。
宙を舞うカーナ。
その身体は数メートル吹き飛び、一度大きくバウンドし、無残なまでに何度も石畳の上に打ち付けながら転がった。
そして、うつ伏せになった身体はピクリとも動かない。
先ほどまでの熱気が嘘のように静まりかえるアリーナ。
横たわったカーナの意識が段々と遠くなる。
薄れていく意識の中、頬から伝う太陽に熱せられたリングだけが妙に熱いと感じた。
× ×
一方、アリーナを見下ろすような形で笑顔でニコニコとしているマリアンヌ。
そして今まさに吹き飛ばされたカーナ。
ああ、まるでゴミのようだ。
そんな感想を持ってしまう。
そして横に居るムンガルに
「ムンガル、これヤバイ系?」
ムンガルはじーと動かないカーナの倒れた姿を見た後、考えてから深く頷いた。
「まぁ、、はい」
「マジで?」
嘘だよな?嘘だろ?嘘と言え!。という、マリアンヌの潤んだ瞳に囁くような弱弱しい声。
ムンガルはハッキリともう一度。
「はい、間違いなくヤバイ系です」
大きく開いた口元を手で覆うマリアンヌ。
ひと筋の冷や汗が頬を伝ってぽとりと床に落ちたそうな…。
閲覧ありがとうございましたm(_ _"m)ペコリ
あのカーナが(◎o◎)!みたいに思ってくれると、嬉しいです(笑)
ではまた次回お会いしましょう。
いや~「イース8」楽しいですね♪ファルコム最高傑作の名は伊達じゃねぇ.(゜Д゜ノ)
今、中盤ぐらいなのですが、これは久々に冒険してるって心から思える作品ですね↑↑
オススメなので皆さんもよかったら是非プレイしてみてね♪♪




