表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/392

20 3日目 - 午後(3)

クリックありがとうございます(^^)皆様の優しさの上に成り立っている存在、こんにちはひとりぼっちの桜ですww


今回は予定より少しだけ長くなっちゃったけど、切りたくなかったのでそのままアップすることにしました。ではどうぞご覧くださいませ(^_-)-☆



 驚愕が客席を満たしていた。

 観客達が飲み込む生唾の音だけが妙にはっきりと聞こえるほどの戦いが繰り広げられているアリーナ。

 間違いなく午前中にやっていた決勝戦よりもレベルの高い戦い。


 それは2人の短い会話が終わるや否や、すぐ再開して更に激化してしていった。

 数十の斬撃は互いに致命傷を与える事無く、今尚その数を増やし続けていく。


 観客は目を白黒させ「信じられない」と、口々に声にする。

 そして、そこにいる全員が改めて実感した。

 試合前に司会の女が言ったことはまことであったと。


 リング上で戦っている女は本当にラムゼスと同等の実力を持っていると。


 人々は思っていた。

 どれだけの功績を重ねた輩が現れようが、それでもラムゼスと並び立つのはもうプルートではクルウェイぐらいしかいないと。

 そしてそれはVIP席の中でも更に特別な席でリングを見下ろしている皇帝も同じ。

 だが観客たちと違って、驚きよりも怒りが勝っていた。

 震える唇は怒りとしか言い表せない。


「マリィアンヌゥ」


 先ほどまでの笑みはすっかりりをひそめ、その目は娘マリアンヌにたばかられた事への憎しみで満ちていた。

 一方、皇帝のVIP席から斜めに位置するVIP部屋では、無邪気なまでの悪意のこもった指先が肘掛を愉快に叩いていた。


「フッハッハッハ、われが負け戦などするわけなかろうが。 カーナよ、その虫けらを大衆の面前で完膚なきまでにひねり潰してやれぇ」


 頭の中で組み上げたマリアンヌの計画は淀みなく進んでいる。

 それは一切のイレギュラーなく。

 盤上の駒はこれ以上ないほどの予定調和を奏でていた。

 自然とつり上がる口元。


「どうだ、ムンガル。カーナの戦闘を初めて見た感想は」

「正直な所、驚きがこのムンガルの中を駆け回っております。ラムゼスとあそこまでやり合えるとは…」

「フフフ、今からもっと凄い事が起こるぞ。よく目を見開いて楽しみにしておけ」

「ハッ」



            ×              ×



 だが2人に疲れの色は未だ見えず。

 僅かに生まれた戦いの間のインターバルとも呼べる時間。


 先に動いたのはラムゼスだった。

 手首はブラブラとさせ剣の軌道を読ませないように、足はステップを左右に打ちながら徐々にカーナの間合いへ入っていく。


 そこまでは先ほどまでと同じ。


 ただし、今までと違って剣を片手で持ち、空いた方の手は別へ。

 いつでも全力で切りかかれると言わんばかりの構えの先を辿っていく、空いた手は魔道具に添えられていた。

 だがまだ大型ナイフの柄の部分に触れているだけ、そんな状態。


 しかしカーナは最大限、警戒する。

 まるで今から敵の最大の必殺技が来ることを想定しているように。


 気持ち少し腰を落として、斜に構えてガードを高く、いつでもカウンターを打てる、そんな体勢を取った。

 全ての攻撃を中断、回避、防御、に重点を置いた構え。

 その意図が相手に悟られたのか、ラムゼスは臆する事無く地面を蹴った。


「いくぞ!」


 放たれる2連突き。

 胸と右肩を狙ったそれを距離を開ける事無く回避。

 だが、未だ突きが有効な距離。

 1発でも当たれば致命傷を与えれる距離。


「シッ!」


 ラムゼスは突きを選択した。

 だが、またカーナは先と同じように回避。


「シッ!」


 4度、5度と何度も繰り返された頃、自分の周りをグルグル回るようにして回避し続けるカーナに痺れを切らしたラムゼス、少しだけだがいつもより大きく剣を振りかぶった。


 それはカーナのような素早い敵の前で行う接近戦では最大の悪手であり、隙。

 もちろん、こうなるように仕組んだ上の距離の取り方だったのだが、ラムゼスはまんまと乗ってしまった。

 それをこの飢えた獣が見逃すはずもなく、ラムゼスの居合いのような抜刀が放たれるより先に素早く背後にクルりと回り、首めがけて鋭利な手刀を振り抜いた。


 無駄な言葉などもちろん無く。

 手刀が当たるギリギリまで殺気も消した。

 敵はおそらく当たるコンマ数秒で気付く、そんな一撃であった。


「フッ」


 しかしラムゼスは当たる瞬間、笑った。

 そして笑いきる頃にはカーナの手刀は空を切っていた。


 人間…。 いや、人間に限らず、生物にとって走り出して己の最高スピードに達するまで数秒かかる。 現にそれは並外れた反応スピードを持っているカーナであっても1秒弱要する。

 だがあの魔道具を持つ者だけはそのかせから解き放たれる権利を得る。

 そう…初速から最高スピードを叩き出す事が出来るのだ。


 魔道具を使ったラムゼス。

 その重量感のある身体は遥か先、自分の射程距離の届かぬ場所へ。


「………」


 瞬間移動したかのような見栄えのする絵に沸く歓声。


 カーナは舌打ちしながらも視線の先にラムゼスの姿を捉え続ける。

 敵は20メートル先でこちらを見ていた、しかも涼しげな顔で。


「腹ただしいですね」


 最初から分かっていたことだ。

 あの魔道具を持つ人間相手に簡単に勝負が決まるわけが無い。

 しかし、そんなどうでもいい事よりも、カーナにはある1つの事の方が重要で重大であった。


 驚きと戸惑いが頭の中で纏わりつく。

 小さくだが、呟くように口走る。


「マリアンヌ様のお話ではあの男はもうほとんど魔道具は使えないはずでは?」


 だが次の瞬間ハッと目を見開いてブンブンとその赤い髪を振った。


 何を疑っているんだ私は?

 どこぞのムンガルと違ってマリアンヌ様の言葉に嘘偽りなどあろうものか!

 これは……

 そう!

 最後の悪あがきに違いない!

 きっと私の攻撃を避けるために力を振り絞ったんだろう、だからあんなに”滑らかに”魔道具を発動できたんだ!



          ×               ×



「なぜあの男は魔道具が使えるんだ!?」


 カーナが疑問を持ったまさにその時、特別席の一室では目を大きく見開き、驚愕するマリアンヌの姿があった。


 予定と違いすぎる展開に身体は時を止めたように硬直するしかない。

 口なんてあんぐりと開いたままだ。


 それもそうだろう。

 脳内で思い描いた『祝・マリアンヌ、幸せ未来予想図』では、魔道具をほとんど使えないラムゼスがカーナに一方的にやられるという展開…のはずだったのに。


「バカなバカなバカなバカな」


 マリアンヌは椅子に座り直すと、その銀の美しい髪を押さえ込むようにして思考を巡らす。

 此度の議題は、何か見落としがあったか?だ、その一点のみ。

 目を細め、呼吸を整えながら記憶を2日前に逆戻す。


「………」


 ラムゼスと呼ばれているあの男は魔道具に見放されている。

 魔道具は既にカーナを新たな主と認めている。

 そうわれは判断した。

 今でもあの時の判断に間違いがあったとは思っていない、それほどハッキリしたものだったんだ。


 にも関わらず、なぜ。


「なぜだ、なぜなんだ」


 なぜあの魔道具はカーナの不利益になることをする?

 カーナに勝って欲しくはないのか?

 カーナの元に行きたくないのか?


 魔道具ではなく、ただの一振りのナイフとして黙っておればよいだけではないか。

 そうすればおのずと勝利は舞い込んでくる。


「いや、待てよ」


 どの魔道具に対しても言えることだが、魔道具というの”物”は如何いかんせんが強い、そして変わり者ばかりに思える。

 少なくとも今まで出会ってきた奴らはみなそうだった。

 それがわれが魔道具が嫌いというのにも繋がるのだが、、まぁ、それは置いといて。


 あの時、溜め息をつく魔道具の中でも突出してやる気の無かったあの魔道具。

 嫌々、付き従っているだけ。

 最早、力を貸す気も無し。

 そんな雰囲気しかない魔道具。

 おそらくだが、ラムゼスというあの男、ここ最近は魔道具を発動すら出来なくなっていたはず。


 しかし今、目の前で見るあの魔道具の姿はやる気に満ちている。

 性格が変わった、ここまで来るともはや別人レベルだ。


 われの計画がいかに完璧であったとしても、その上で動く駒たちが出来損ないなら話は別。

 取り分け、あの魔道具がわれの考えが及ばぬほどの阿呆あほうならば…


 と言うことは問題は、偏屈な変わり者の思想がわれに分かるか?、という点になるだろう。


 果たしてわれに分かるだろうか?

 いや、無理だ。

 なぜならわれほどの常識人、他にいるとは思えぬからな。

 ならばわれの考え以外の意見が必要か?

 取り急ぎ、そこにいる第三者の意見を聞いてみるか。


「ムンガル、つかぬ事を聞くが」

「はい」

「もしお前が新たな主人を決めたとして」

「そのような事はありえません」


 きっぱりと言い切るムンガル。

 マリアンヌは、まぁ聞けと、手で言葉を遮る。


「決めたとして、それがわれの敵であったとしよう。 そして戦場でその敵がわれに勝ったらお前は新た主人の下に行く。そういった場合、お前個人としては当然、もちろん、その戦いで手を抜くよな? 勝って欲しいもんな? な?」


 なんで急にそんな話を?と、思いながらも、そのたとえ話を真剣に聞き入り、噛み砕くように何度も頷くムンガル。

 しばし間を置いて自身の断言を下した。


「いいえ、むしろ全力で新たな主に戦いを挑みますね、本当に自分が仕えるに値する人間なのかを見定めるためにも」


 それを聞いたマリアンヌ。

 大きく髪を振り乱して叫ぶのであった。


「バッカじゃねーの!!」



閲覧ありがとうございました(´∀`




精霊石とチケットを貯めよう。

そう、決意したあの頃の私は若かった...( = =) トオイメ


皆さん、海外の使いまわしキャラから、とんでもないキャラが実装されちまったよ。

その名も「ペネロペ」……うん、てへぺろ、みたいですよね(笑)でもその実力が凄かった、、、

銃使いなんですが、能力がえげつない(>。<)

チェンクロをやってない方も大勢いらっしゃると思うので、簡単に説明すると、

そいつの能力は…


敵を倒した際に銃弾が貫通して後ろの敵にも当たる、銃使いの攻撃力をアップさせる結束、戦闘開始直後から自分自身が透明になって必殺技以外は近づかれない限り無敵、更に消えている間に攻撃力が増加し続ける、そして敵を倒すとキルアップ効果で自分の攻撃力アップ。


もう自分で何言ってるか分からんなくなってきたww

とりあえず1つだけ言える事は、、攻撃アビリティの総合デパートや~!(^^)!


幸い、今回は60回ガチャれば例えSSR0枚でも…4凸出来る可能性が出てくる勢力イベント、、、

うん、やるっきゃない( `ω´)y

てことで、ひとりぼっちの桜は行ってまいる!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ