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10 2日目 - 午前(3)

クリックありがとうございます(^.^)

今日が誕生日で先ほど割引になったケーキを買ってきたひとりぼっちの桜ですw

後はこのお話をアップした後に、鏡に向かって言うだけです。


「ハッピーバースデー、自分」


………


じゃあ、2日目午前のラストです(T_T)

どうぞ。



「…マリアンヌ様に会わせる顔が無い」


 カーナは腫れ上がった顔で横たわるシアを見下ろしながら呟く。


(どうしてこうなった?)


 他の囚人達よりもこいつには時間をかけたんだ。

 殴って蹴って、蹴って殴って、頭突いて、殴ったんだ。


 それを何セットやったかは記憶の片隅に置いておくとして

 期待していた二重人格者、シアは今回も現れず不発

 それが揺るぎない結果であることだけは確かであった。


「うふふ。最後のシアの実力を見るのはもういいのかしら?私達のかわいいボス」


 その声は自信と余裕に満ちていた。

 カーナは沈んだ気持ちと同じく俯いていた顔を上げる。


「舐めた口はきくなと言った私の言葉をもう忘れたんですか?」

「舐めた口、私が? うふふ、『可愛い』が悪口に聞こえるのだとしたらボスは女としての自分を捨てたということかしら?こんなに可愛いのに」


 不用意に伸びる長い腕

 そしてその先にある細そ長い指はカーナの警戒網をくぐるように顔に伸びる。


「触れるな。もうこの話はいいです」


 体全体から出ている雰囲気は妖艶。

 鼻も高く、顔立ちは綺麗に整い、艶やかな黒い髪が肩辺りで1つに束ねられ胸元に向かって流れ落ちている。 


「それでボス、明日外に出れるのは誰と誰になったのかしら?」


 手加減したとはいえ、目の前のこいつは私の攻撃を全て避けて見せた。

 その質問の回答がわからないわけがない。

 とうの本人ならなおのこと


「それは嫌みで言っているんですか?」

「いいえ、本心と興味心よ」


 カーナは消化不良気味の顔で答えた。


「…カイルとあなたです」


 この結果自体がカーナにとって驚き以外の何ものでもなかった。

 体中の傷が己が力を示しているようなカイルが2人の中に残ることは安易に予想がつく

 しかし、この目の前にいる女がこんなにやるとは思わなかった。


 カーナはこんなに強かったか?と首を傾げながら視線を戻す。


「え~と、あなたの名前は…」

「蘭と申しますわ」


 血圧の低い喋り方で女は言った。


「蘭、変わったイントネーションの名前ですね。このあたりの生まれではないのですか?」


 さぁ~どうだったかしら?、と呟きながら作り物のような笑顔を向ける女。

 オリーブ色の瞳が全てを見透かしたかのようにクスッと笑う。


「呼びづらかったらランでいいわよ」


 以前この目の前の女の経歴を初めて見て時、驚いたことをカーナは思い出した。

 ランと名乗ったこの女、自分とまったく同じ歳だったのだ。

 しかし目の前の女はカーナと違って艶っぽく、妖艶であった。

 それはこの2人のこれまで歩んだ道の違いであろう。


 真っ赤な唇がうっとりと音を紡ぐ。


「じゃあ久しぶりに外の空気を吸えるということかしら? うふふ、嬉しい」


 囚人たちは昔と違って各々好きな服を着ている。

 取分とりわけ個性的なメンバーが揃っているからか、着ている服も百花繚乱ひゃっかりょうらん、ラフな服を好むやつもいれば上から下までキッチリ決めているやつもいる。

 その中でもこの目の前でなまめかしく腰をくねらせている女は個性的といわざるえない。


「………」

「あら、何かしら? そんなにずっと見られると興奮してゾクゾクしちゃうわ」


 とにかく露出の多い、まるで城下町の夜に出没する娼婦のような異性を誘惑する露出度。

 しかもその露出の多い服をこの女は着崩していた。

 一体、何のために?と聞きたくなったが、どうせくだらない答えしか返ってこなそうだったからやめた。


「念のために言っておきますが、単独行動などは控えておくように。あくまでマリアンヌ様の護衛のついでに外の空気を吸えるとい―」

「わかっているわ、安心して頂戴な。 ちゃ~んとお姫様の近くから付かず離れずお守りもうしあげる、か・ら♪」


 ただその人を喰ったような話し方や雰囲気は、亡き友…いや、友であったアンジェラを彷彿とさせた。

 もちろんそんなことは口が裂けても声に出したりしなかったが少し、本当にほんの少しだけ、懐かしい気持ちにカーナはなった。


「分かっていればそれでいいです。さてと…ん?」


 カーナは近くにあった椅子に腰掛ける。

 そして机の上に目をやる。

 机の上にあったのはマッチのようだった。


「これは…?」


 無造作に手を伸ばす。


 珍しいブックマッチだ、表紙にはアルファベットのDが刻印されている。

 親指と人差し指を使ってそっと開ける

 すると中には使われた後のマッチ1本、未使用が4本。


「じゃあボスは明日に備えて今からもちろん対戦相手の研究でもされるのかしら?」


 カーナはその問いに視線をマッチから外して鼻で笑う。

 そして「馬鹿にしているのですか?」と言いながら振り返った。


「たかが模擬戦、私に勝てる人間が出場するわけないじゃないですか。相手も私より2つ3つ若い、それともあなたは私が負けると思っているのですか?」

「フフフ、いいえ滅相も無い。私達のボスは最強であってもらわないと困るわ」

「分かっているならそんな無駄な質問を私に…えっ?」


 カーナがそう言って再び机の上に目を落とすと先ほどまで触っていたブックマッチが無くなっていた。


 ―― えっ?


「どうかしたのかしらボス?」

「いえ、ここに今まで有ったはずのマッチが」

「マッチ?そんなもの無かったかしら」

「は?」


 流石に馬鹿にしているのか?と視線を鋭くするカーナ。

 しかしランはその突き刺さる視線を受け流すように言った。


「ボスはお疲れなのではないかしら?もう休まれたほうがいいのでは?」


 強く心の中にざわつく違和感。

 それは確かにあった。

 だがこの女の眠くなるようなゆったりとした声に仕草、それを目の前にするとその違和感事態が徐々に薄れていったことも事実。


 考えることを半ば放棄したカーナは眉間を軽く押さえた。


「そうですね、そうさせてもらいます」


 確かにこのところ疲れる事が多かった

 マリアンヌ様にも今日1日は英気を養うために休めと言われている。

 そして明日は模擬戦の本番。

 負けは万に一無いにしても何か不手際が有っては困る


「私は明日に備えて、上の屋敷で休ませてもらいます。明日の今ぐらいの時間帯にはカイル、ラン、あなたち2人を迎えに来ますが…」


 そこまで言うとカーナは立ち上がり、囚人達に背を向ける。

 そして元来たドアに向かって一歩、踏み出した。と、同時に肩越しに一本のナイフをほうった。


 ナイフは軽く手首だけで投げたとは思えないほど鋭利に風を切り裂いてランの足元数センチの溝に直立するように突き刺さる。

 突き刺さった場所、それを確認することは無い。

 カーナはドアノブを回した。


「引き続きここからは”絶対”出ないように」

「…おっ、おう」


 目を丸くするカイルの横でゆったりと微笑んでいたランの口端だけがゆっくりとだが徐々に吊りあがっていく。

 そして彼女はカーナの背中に不気味な笑みを向ける。


「ええ、かしこまりました、私達の偉大なボス。ウフフフ」



閲覧ありがとうございました(^^♪


最近暑いですね~、皆さん体調には気をつけてくださいね♫

そんなことを言ってる私は夏バテ気味(笑)

それではまた次回お会いしましょう(@^^)/~~~



チェンクロVで浴衣イベントが始まりましたね(^^)

ひとりぼっちの桜はいつも自前特効無しで挑んでおりましたが、もう欲しいキャラを全て4凸出来たので今回の浴衣フェス、引いてみました。


結果はなんと!1発でSSR浴衣ユニをゲットしましたよ\(^o^)/

しかも、もう1枚ぐらいガチャろうかな~と思って、風呂上りに時間を置いてガチャった所…

1発でSSR浴衣ヴェルナーゲット\(◎o◎)/!


流石にもうこれ以上は続かない気がしたので撤退しましたが、チケット2枚でSSR2枚、7%を2回。

どうやらガチャの神は私の誕生日を祝っているようですw

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