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06 1日目 - 午後(3)

クリックありがとうございますm(_ _ )mペコリ


先ほどミュージックステーションで藍井エイルさんが出演していてテンションMaxになったひとりぼっちの桜ですw 新曲の「翼」もいいですよね~(w´ω`w)ポッ


それではどうぞご覧ください(^^)



 ここに来てから既に30分ほどになるだろうか?

 初めて険しい顔をする皇帝。

 一方マリアンヌは長時間?立ち続けたことによってジワジワと疲れて始めている足をたまに片足ずつ浮かせながら脳を働かせていた。


「………」


 今、父グローリーの考えていることはおそらくわれの頼みを訊いてはやりたい。

 が、しかし!

 女がファゴット際とやらに参加するのは嫌、万が一勝ってしまうのはもっと嫌、といった所だろう。


 つまり、ここでわれが目的を達成するのに取るべき行動、いや、言動は「どれだけカーナという人間に勝ちの目が薄いかという事と、カーナが参加する利益」の説明。


「そういえば言い忘れておりましたが、此度手に入れた戦利品であるこの魔道具」


 マリアンヌはそう言うとムンガルから錫杖を受け取る。

 ズッシリとした重みが細腕にし掛かった。

 自然と下がっていく腕の高度を気合と根性で出来る限り高く、皇帝に見せ付けるようするために胸の前に持っていく。


「この錫杖、10英雄のなんとやら所持してた物でございます」

「なんとやら?」


 名前など覚えていないと、マリアンヌは一切振り返ることなく声だけを背後に飛ばす。


「ムンガル」

「ハッ! 10英雄のシェリーという男でございます」

「そう!そのシェリーとやらが持っていた物になるのですが」


 シェリー!?右大臣のまんまると脂肪が乗ったお腹が驚き飛び跳ねる、左大臣も瞳を丸くする、そして一歩身を乗り出す。


「マリアンヌ様!10英雄のシェリーを倒されたのですか!?」

「ん? 左大臣、お前の部下から報告を受けていないのか?」

「いえ、それは受けておりませんでした。三日月峠のことでいっぱいいっぱいだったという事もあったのでしょうか、申し訳ございません」

「ほう、10英雄をも退けるだけではなく駆逐したとな。さすがだなマリアンヌ、父として鼻が高いぞ」

「いえいえ、大したことではありません。 所詮相手はポッと出の騎士風情です、権威ある皇族の私が負けるなど、万に一すらありえません」


 たぶん、カーナが1人で簡単に殺れたのだからそのシェリーとやら弱かったんだろうしな。

 10英雄とやらもピンきりということだろう。


 マリアンヌは会ってもいないシェリーの評価を勝手に格付けした。

 しかしその評価はシェリーが生きていたら文句を付けたくなるような大変低いものであった。


「話を戻しますが、そのシェリーを倒したのはそこにいるカーナです。彼女が1人で倒しました」

「なんと!?」


 王の間に居た住人全ての視線を一心に受けるカーナ。

 しかし表情は相も変わらず変化無し。

 マリアンヌは続ける


「ですが残念ながらここにいるカーナ、この魔道具を使う素養が全く無く、使いこなせません」

「では御前試合に限っては魔道具の使用をしないで欲しいと申すか?」


 怪訝けげんなその問いに、マリアンヌはいえいえ滅相も無い、と銀の髪を左右に振ってすぐさま否定する。


「長い歴史があるファゴット際、その栄えある2人目の殿堂入り者、御前試合が魔道具無しなんてカッコもつきません。 だから魔道具を使わないのはカーナだけ、そちらは好きなだけ使ってもらって結構。おそらく結果は火を見るよりも明らかでしょうが…。それでもここは三日月峠を単身で打ち滅ぼした私への褒美だと思って、皇帝陛下、どうかお認めになっていただけませんでしょうか?」


 マリアンヌにしては中々もって自分を抑えた頼み方であった、これならあるいはと周囲の人間も思ったであろう。


 だが皇帝は違った。


「身分をわきまえよマリアンヌ」

「…………」


 突き刺さるような眼差しを実の娘に向ける皇帝

 そしてそれを真正面からひるむことなく受けるマリアンヌ。

 瞳の奥に強い怒りを込めたまま見返す


「其方の願い訊いてはやりたい。しかし!知っての通り、歴史あるこの大会に女が出るのは、それ事態が国の歴史への冒涜でしかない! われにそのような」


 そんな無価値で無意味な歴史などわれが知るかよ。


 マリアンヌは皇帝の言葉尻をバッサリと切るように、しかし怒りだけは悟られないように再び口を開く。


「女は女でも10英雄を倒した女との戦い、民衆もこれ以上ないほど盛り上がるのではないでしょうか? 今こそ問われているのです、陛下のふところの広さが、それにどうせ試合が終わった後の御前試合です、公式には認められていないものではないですか」

「………」


 よし、黙った。

 ここからが勝負だ。


 マリアンヌは畳み掛ける。


「それに陛下、そのような弱気な事をおっしゃられないでください、歴史とは強者が作っていく物でございます。父上、あなた以上の強者がこの世におりましょうか?」

「……お前はなぜそこまで御前試合にこだわる?」


 もっともな質問、それと同時にマリアンヌにとっては自分の真意を悟られる可能性があるもっとも恐れていた質問。

 答え方を間違えるわけにはいかない。


「一言で言えば興味本位です」

「興味本位とな?」


 ええ、と深く頷くマリアンヌ


「私も毎年のファゴット際を楽しみにしていた1人として、そこの男の殿堂入りは是非とも見てみとうございます。 しかしその後のクルウェイとの御前試合、これに関してはいささか首を傾げずにはおれません」

「どういう意味だ?」

「そこの男とクルウェイが戦えばどうなるか、それは私は元より聡明な皇帝陛下ならお察っしのはず。そのような決まりきった戦いに誰が喜びを覚えましょう?誰が心を沸き立たせましょう?それに引き換え」


 マリアンヌは大袈裟おおげざに振り返ると、カーナに向かって「この女を見てください!」と手を差し伸ばす。


「カーナであればどうでしょう? 確かに魔道具のことを差し引いても女の彼女では相当に分はかなり悪い。しかし!彼女はマグレでも10英雄を倒した”もしかしたら”そうは思いませんか? そもそもアリーナとはどちらが勝つか分からないから愉快な場所ではないのでしょうか?そして民衆達には必要なのです、新鮮な驚きが」


 ここまで芝居がかるともはや演説、しかも巧みな言葉選びに全員が反論する気が失せたかのように口を閉ざす。

 そしてマリアンヌは言った。


「ただ、やるにしても彼女にも何か旨みがないとやる気も十分に上がりますまい」


 あっ!そうだ!とワザとらしいまでの表情と手をパンッ!と叩くマリアンヌ。


「もしもカーナが魔道具無しでそこの男に勝った場合、その魔道具をよこ…」


 いや、一方的に「よこせ」は流石にマズイか?

 この男も嫌だと反論する可能性…は

 まぁ無いにしても

 渋られても面倒だし


 さて、どうするかね?


 その時マリアンヌが思いついたのは住居不定無職の魔道具。

 マリアンヌは鼻でクスッと笑う。


 ではここは…使い道の無い物の処分といこう。


 錫杖を横目でチラッと見ながら言った。


「交換していただきたい、今回敵から奪い取った魔道具と。 もちろん、もしも、万が一、億が一、兆が一、魔道具を持つそこの男に魔道具も持たぬ女如きが勝ったらですが」


 マリアンヌの話を聞き終わると皇帝は少し俯き手を額に宛がう、悩んでいるのか?と、思ったら次はうって変わってガッハッハ!と大声で笑い出した。


「いいだろう! 認めてやろう! マリアンヌ、其方の願いを叶えてやろうではないか!」


 父はそこの男が勝つと確信しているのだろうな。

 バカめ、勝つのはカーナだ。


 皇帝はすぐ横に居る右大臣に顔を向ける。


「右大臣よクルウェイに予定の変更を伝えておけ、ラムゼス、お主もよいな」


 皇帝の絶対的な命令とも思える問いに、指定された男は「えっ」と言い淀んでいた。


 一方、先ほどからそれとなく周りを見渡していたマリアンヌ。

 もちろん首の移動は最小限に留め、自身の黒目を最大限動かすことによって。


「………」


 現在、この部屋にいるのは目の前、1番上座で座っている父上、それを挟むように立っている両大臣、小さな段差を十ほど隔ててわれ、すぐ後ろにムンガル、遥か向こうの扉に兵士が2名、その側にカーナ、4人は皇帝と扉その中間地点でひざまずいている。


 いける、小声なら誰にも盗み聞かれる心配が無い。

 しかし、おそらくラムゼスとやらに話しかけるのは一言か、多くて二言。

 考えるんだ、どんな言葉を選択すればいいか。


「ん?なんだ、その反応は?」


 マリアンヌは振り返る。

 そして4人の若き騎士に向かって足を踏み出した。


「こちらは魔道具無しで戦うと言っておるのだぞ、断る理由はあるまい? それに万が一負けたところで、こちらが用意するのはアトラスの10英雄が持っていた魔道具だ、お前に損はない。まぁ、お前が使いこなせるかは知らぬがな…それによもやお前はわれの願いが訊けぬと申すか?」


 眉1つ動かさず自然に距離を詰めていくマリアンヌ。

 彼女の声は4人の心を睨みつけ視線を外させない、態度は傲慢不遜ごうまんふそん、雪のように透き通った柔肌の腕を組んだままかしずくく4人のちょうど中央まで足を進めると、その歩みをピタリと止めた。

 そして黒く塗られた唇は思考した至高の一言をそっと呟くようにささやく。



 ―― っ!?



 瞬間、4人の呼吸ピタリと停止した。

 大きく見開く黒目

 そして同時にマリアンヌを中心に半径1メートルほどだけが空間ごと切り離されたかのように静止した。


 じわりと4人の若き騎士の顔から滲み出る汗、平衡感覚へいこうかんかくを保てなくなってグラリと倒れそうになる身体、それはかしずく為に肩膝を地面に付けていなかったら倒れてしまうほどにのものであった。

 言葉を飲み込むように一度、唾をゴクリと飲み込む若き騎士たち。


 それでも4人の内の1人、ラムゼスと名乗った男は次のマリアンヌの言葉が出る前に無理やりにでも口を動かして皇帝に向かって言った。


「恐れながら皇帝陛下!私からもお願いいたします! 此度のマリアンヌ様の素晴らしきご功績!その褒賞に私などが関われるのであれば光悦至極でございます!どうか!どうかぁ!!」

「ああ、だからそうしろとわれも言っておるのであろう」


 決まりだな。


「それでは皇帝陛下、私はこれにて、大会楽しみにしております。ムンガル、行くぞ」


 そう言い終わると、マリアンヌは未だ面を食らったかのような表情をしている4人の横を通り抜けて王の間を後にするのであった。


 口元は”計算どおり”と綻ばせて…



閲覧ありがとうございました!(^^)!



カルドセプト・リボルトがヤバい(○゜д゜)

楽しすぎるですよ!さすがは10年ぶりの完全新作だ(^.^)

ひとりぼっちの桜の神ゲー認定です( ^)o(^ )♫♫


ただ、それは私がカルドセプト経験者だからだと思うです、今作は新規ユーザには敷居が高すぎる(>_<)

私でも何回がゲームオーバーするほどの難易度、これでは初心者がすぐに「こんなの運ゲーだろ!ヽ(`Д´メ)ノ」って怒るのも時間の問題です。

う~ん、なぜ大宮ソフトはこんなに難易度を上げたんだ??

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