26 平穏な日々・アトラス編
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中学生の時、国語の授業が大嫌いでテストでは国語を捨てていたといっても過言でないぐらいだった私ですが、中でも「この時の○○の気持ちを答えよ」みたいなのが特に嫌いでした(>_<)
正直、毎回「知らんがな」って思ってましたww空欄で提出したこともしばしば…、でもそういうのに限って配点が高く、いつも苦々しい思いをしてました。
そんなある時、いつものようにテストを解答していき最後の問題に行き着いた時、やはり決まったボスキャラのようにそいつは現れました。しかもその時の配点は非常に高かったのです。゜(゜´Д`゜)゜。
その時ばかりは空欄というわけにはいきません、しかし中学生の時の私には答えはチンプンカンプン(・∀・;), 追い詰められた私はこう書きました。
「簡単に人の気持ちが分かるというのは人間のおごりではないだろうか?」……もうやけくそですよね(笑)
しかし数日後の帰ってきた答案用紙を見て私はビックリしましたΣ(゜Д゜)
皆さん(×)だと思いますよね?私も帰ってくるまでそう思っていました。
しかし、なんと帰ってきた答案用紙には赤ペンで「先生、すごく考えさせられました」と書いてあって、(△)となっていたのです!半分の点もらっちゃいましたよ(^・^)っていう伝説を起こしたことのあるひとりぼっちの桜ですww
あっ!でももし今見ている方の中で学生の方がいらっしゃったら気をつけて下さい、2回目に同じことをすると「調子のんな」って書かれ、容赦なく(×)にされるんで(>_<)
今回は前回の別視点、敵であるアトラス編になります。
ではどうぞご覧ください(^^♪
1日目 - 疲労困憊の晴れ
この日、アトラス軍に青空を見上げる余裕すら無かった
敵が撤退して森の中に退いていったのは朝方のこと、その後は再度の進行に備えた城壁の修復、それに伴って三日月峠にある6つの門も修復、もちろん怪我人への治療も同時に行う。
幸いこちらの人数や修復機材は十分というほど余力があったため、そういう意味では困難はなかった。
しかし、アトラス軍全体に広がった「プルート軍がいつ攻めてくるか分からない恐怖」という存在のせいで想定よりも作業は難航していた。
そして決定的に作業効率を落としたのは昼前だっただろうか、作業の最中にダイアル城塞から見える森の前にズラーと並べられた木製の長机のような台座存在だった。
そこにぞんざいな扱いで作業的に並べられていく生首の数々
プルート軍はあろうことか森の中にいたアトラス軍の兵士の首を切り落として台座に置いていったのだ。
そしてその中の1つの生首の前にはわざわざ魔道具を突き刺すように置かれた
ここに魔道具使いシェリーがいると言わんばかりに…
憎しみで頭がどうにかなってしまいそうになるほどの300もの仲間の首
これを見て怒りを覚えるなというほうが難しい
「プルート軍め!よくもこんな辱めを!」
作業を止めて次々と怒りのこもった目で剣を鞘から取り出す兵たち
そして今にも三日月峠を出て行きそうな剣幕だった
このままではマズいと元副官は素早く鎮火に赴く
「落ち着きなさい、これは我らを挑発する罠だよ、こんなバレバレの挑発に乗ってはいけない」
「しかし!シェリー様まであのようなっ!」
「だからこそだよ、シェリー殿の首をわざわざ並べるほどにあちらは攻めあぐねている、そう見るべきだ。さぁ早く作業に戻ってください、いつまた敵が攻めてくるか分からない」
元副官の落ち着いた言葉に眉1つ動かない表情
普段の状況ならばそれは兵たちに安心を与えただろう、しかしこの異常事態では真逆の効果しかなかった。
声を荒げた兵士
「あなたはこちらの軍の人間ではない!だからそんなに冷静でいられるんだ!」
それを皮切りに怒涛のような不満が元副官に押し寄せた
「そもそもドドリス隊長が攻めたとき、なぜすぐに増援を出さなかったんですか!?そうすればドドリス隊長も死ななかった!」
「なぜ一番強いシェリー様とその部隊をあんな森の中に配置したんですか!?」
「あなたの言う通り行ったが結局プルート軍の攻撃は朝方まで続いたじゃないですか!あれはどういうことだったんですか!?」
すき放題な浴びせられる辛らつな言葉
元副官は「こちらの気も知らずに」と心の奥で呟く
しかし、この場でそんなことは言えない
言った所で何も生まれない
だから自分の気持ちを平静に保つため大きくため息を吐く
「ここにいれば負けは無いんだ、報復は援軍が到着した後にいくらでも出来る。不満があるのは理解できる、だから私は君達に約束しよう。1週間以内にアトラスからの援軍が来る、その援軍到着後にやつらに同等以上のめにあわせると」
約束・報復、必要な言葉だけを機械的に選び出す元副官
もちろんこの発言だけで全員の不満が全て解消されるなんて思っていもいない
だから不本意であったとしても頭も下げた
この一食触発の状況は押さえ込めると信じて
「だから今は各々、思う所があるのだろうが、ここは我慢して私の言う通り動いてください」
目論見どおり騒動はゆっくりと鎮静化していった
ホッと胸を撫で下ろす元副官
結局1日を通して気を休めるどころか、ほとんど空を見上げる余裕すら無かった。
2日目 - 心ざわめく曇り空
「今、少し揺れた?」
少し落ち着きを取り戻した城内で元副官と部下の新兵は立ち話をしていた
新兵は振動が収まったことを靴の裏で確認すると
「そういえば昨夜も何度か地震がありました」
と言った
元副官は首を傾げる
「本当に?」
昨夜は疲れきっていた
また、いつプルート軍が攻め込んでくるか分からなかったから早めに就寝したのだが、不覚にもそのまま熟睡してしまった
「まぁ、そんなにすごい揺れでは無かったでしたからね。でも何かどんどん頻度が上がっていってる気がします」
「ふ~ん」
地震が頻発している?
古い文献でもこの辺りでそういったことが多いなんて記されていなかったはずだけど
視線を城外、プルート軍が潜んでいる森へ
よく地震の前触れとして動物達の異常行動などが言われているが、今現在も森は穏やかそのものであった。
「もし地震なんだとしたら、あの非道な行いをするムンガルだけが被害にあう前触れじゃないですか?」
「フフフ、そうだね」
それだ
そこが私の頭の片隅で燻るようにして不安として居座っている元凶だろう。
はたしてムンガルがあのような真似をするだろうか?
300以上の兵士の首を切り落として晒し者のように並べる
非人道的な行動
私の知っているムンガルは決してしない
この数日で考えが変わったか?
いや、人間はそんなに簡単には変わらない
私が裏切ったことで考えに変化が?
いや、そもそもあの堅物がそうそう変わるとは思えない
ということは別の可能性
あの晒し首を行った人間はムンガルではない別の第三者
ではその第三者とはいったい誰だ?
魔道具使いであるシェリーが倒されたことを考えると、他のプルートの将軍クラスが複数人、随伴している可能性はある
いや、だとしてもあのような非道な真似をムンガルは許さない
目の前で行われようとしたならば、まず間違いなく相手が誰だろうが是が非にでも止めるだろう。
ということは爵位を持つ中でも将軍の地位にあるムンガルを力ずくで黙らせるには、もっと上の権力者でないと不可能
しかしそうなると大臣クラスかその上に位置する”皇族”ということに
そこまで考えると元副官は含み笑いながら思考を止めた。
「…ありえないな」
自分で考え始めておいてなんだが、ありえなすぎる
このような戦場に皇族は絶対に来ない
あの皇帝の年齢を考えると自ら戦場に来るとも到底思えないし
「私は疲れていますね、バカな考えが頭をよぎるなんて」
すでにアトラスへの増援も要求している。
増援要求から逆算すると到着まであと5日かからないだろう
なのになぜだろう、不安が消せない
「上官殿?」
そう背後から声がした
ハッと物思いから我に返る副官
振り返ると自分の直属である若い兵士が佇んでいた
「大丈夫ですか? あの…自分が言うのもなんですが、このままここにいれば負けは絶対に無いと思います」
その一言で今まで肩に力が入りすぎていたのだと実感した
「いや、君の言う通りだよ。あとはアトラスからの増援を待てばいいだけ、私は肩に力が入りすぎていたようだね」
昨日の晩に攻めてこなかったことを見る限り、もうプルート軍が攻めてくることはあるまい、あとは篭城していればいいだけだ
ムンガルの変化について考える時間は十二分にある
元副官は念を押すように曇り空を見上げる
「そう、私達はもう”勝っている”んだ」
3日目 - この世で見る最後の晴れ
事態は急に動き出した
最初、森からぞろぞろとプルート軍が出てきた時はいったい何事かと思った
城内がざわめき立ち、皆は乗り出すようにして森の方向に目をやる
もちろん元副官も例に漏れず同じように行動する
「上官殿、まさか今からプルート軍は攻めて来るつもりでしょうか?」
「そんな無謀な策を取るとは思えないけど…念のために防備を固めましょう」
元副官は目を凝らす
するとプルート軍の先頭には誰かがいた
ここからでは小さくて誰がいるのかまでは見えないが
誰かが…
そして続いて出てきたのは複数の投石機
「投石機を用いてダイアル城塞を攻めるつもりか?」
ありえない策、無謀な策にもほどがある
投石機の飛ばせる高さを優に超えている場所に位置しているダイアル城塞
いかに強力な投石機を用いようが届きはしない
「いいとこ、下、数十メートルの岩肌に当たるのが関の山」
そんなことも分からないのか、ムンガル?
「どうしますか?こちらも矢を放ちましょうか?」
「放っておいていいですよ。矢を放ったところで此処からではさすがに届かないですし、所詮はプルート軍の最後のあがきにすぎない。 なに、少し揺れる程度ですよ」
次々、飛んでくる岩石
元副官の予想通り、最高到達地点ですら視点としては相当下のほうだった。
想像以上に衝撃が足元に届いた
城内はざわめき、皆、倒れそうになるのを足で踏ん張る
「上官殿!こんなに揺れるものなんですか!?」
「いや、こんな揺れるわけが―」
この時もっとおかしいと思うべきだった
いや、思ったところで逃げる時間は無かったので無意味だっただろう
数多く投げ込まれる岩石
当たるたびに強くなる揺れ
そして10を超えた辺りの岩石が当たった瞬間、目の前にいた集団の兵士たちがまるで落とし穴にはまったかのように姿を消した
「「うわぁぁぁああああ!!!」」
酷い叫び声だった
しかし元副官はその叫び声に反応する間は無かった
それは間をおかず嫌な音がした自身の足元の存在があったから
「っ!?」
体勢が崩れ、まるで片足だけが”何か”に飲み込まれたような感覚だった
変な汗が頬を伝う
視線だけを下ろす
視線の先は
………
塗りつぶされたような暗闇だった
「えっ?」
あまりの事態に考えが追いつかない
思考の停止が身体の動きを停止させたように指1つまともに動かせなかった
そして次に感じたのは宙に浮いているような変な浮遊感
「???」
意味が分からない
なぜ足が地面に飲み込まれた?
なぜ足の先には何も無い?
いくつものなぜが脳内を支配する
頭では回答を捻り出そうとする
しかし、時は待ってはくれなかった
次の瞬間、叫び声すらかき消す激しい揺れが目の前の世界の全てを飲み込んだのだ
そして私は身体は完全に地面から見捨てられた
闇に喰われながら見えた空
それは雲1つ無い晴天であった
閲覧ありがとうございました(^^)
次回の最後のマリアンヌの台詞…スゴイですよww
まぁ最後って言うか~全体的に凄みを増していく台詞なんですが(笑)
ではでは♫また~o(゜▽^)ノ




