21 重罪
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一周年です!(ノ´д`ノ。・ゎーぃ・。\´д`\)
一周年パリィ~ですよ!┗( ゜Д ゜) ┛ワッショイ ┗(゜ Д゜ )┛;
と、はしゃぎたくなる心境のひとりぼっちの桜ですww
しかし、なぜよりにもよってこの話の時に一周年なのか…本当に苦笑いが止まらないです( ´_`)トホホ.
でも、これも私らしいのかな?とういうか運命!?なんて、思ってますww
それではどうぞご覧くださいませ(^^♪
マリアンヌの馬車の前で横一列に並べられた死体の山
死んだ者たちに外傷となる傷は見当たらない、ただ皆魂を抜かれたような瞳で息をしていなかった。
ムンガルにはこの現象に心当たりがあった
だから戻ってきた兵士たちの中で一番最初にこのことに気付くことができた。
「どういうことですか!!マリアンヌ様!!」
声を荒げるムンガル
そして敵意と強い疑念に満ちた視線をマリアンヌに向けた。
「何がだい?」
透き通るような瞳でその視線を受け流すように答えるマリアンヌ
上機嫌な鼻歌が馬車の窓から流れていた
「魔道具というのは本来は慣らしていくものです! いかに適正があろうが、いえ!適正があったとしても無理な乱用は命を削る結果しかもたらせません!」
マリアンヌは「やれやれ」とかぶりを振る
「ムンガルよ、お前はこの状況でチンタラ慣らすような時間的余裕がある状況に見えるのかね?」
「彼らはまだ新兵です!」
「命の価値に新兵だろうがベテランだろうが等価であってそこに差異など無い。この魔道具に対しての適正が高い人間が今回”偶然”新兵だった、それだけのことだ」
もちろん嘘だ
素養のある人間はまだいた
そもそも魔道具の素養などと一般的には言われているが、そんなもの我に言わせれば相性が良いか悪いかの差でしかない。
それでも素養という言葉があるのは魔道具自身が好むぐらいの大量の魔力量があるからだろう。
しかし我はあえて新兵から選んだ。
理由?
フフフ
どうせ死ぬならいらない『物』から選ぶに決まってる
「ここで多少の死者は出るだろう、しかしそれは結果多くの命が救われる」
「多少!? 今、目の前に倒れている新兵の数は20は超えます! 多少という数字ではありません!」
「お前たち最前線で戦った人間が死んだ人数に比べたら多少だろ」
「新兵は少し前まで普通の民だったんですよ!死ぬ覚悟など出来ているわけが-」
「新兵だろうが何だろうが一度兵になった者なら死ぬ覚悟を持つのは当然、それがプルートの兵だろうが、違うか?」
「止めないで…ください、ムンガル将軍」
言葉を発したのは新兵の1人だった
彼は命かながら魔道具に命の全てを吸われなかった1人
横になった状態で無理やり身体を起こしながら彼は言う
「マリアンヌ様は…我々のような農民出身の一般兵にお食事を分け与えてくださった方です。そんな皇族、いえ貴族の方など見たことがありません…我々はこの方の為に命をかけたいのです」
我がこの話を聞くのは二度目になるわけだが、最初この話を聞かされた時は「こいつら頭がおかしいのか!?」と思った。
やつらは自ら魔道具を手に取ると言った
たかが食べ物で命を捨てるとは、、、
なんとも軽い命だこと
「フフッ」
この堅物の前では笑わないでおこうと思ったが、つい笑ってしまうな。
本当は皇族の力で強制的にやらせようと思っていたのだが、自分から死地へ赴くとは物好きなやつらだ。
その忠誠心、大いに我が利用してやろう。
これから先、利用できる物は何でも利用させてもらう
なぜ?
そんなのは決まっている。
我は腹が減って死にそうだからだ。
お前たちの命で我の空腹が時間が少しでも短縮されるなら、たとえ全員の命であっても惜しくは無い
「おい、もう休憩は十分だろ。 残りはお前しかおらんのだ、早く魔道具を構えろ、狙いは適当でいい、とりあえずダイアル城塞か門のどれかに当たればよい」
「は…い」
フラフラとふらつく足
それでも魔道具は躊躇無く光り輝いていく
「マリアンヌ皇女殿下!これ以上、魔道具を使う必要があるのですか!? もう我が隊のほとんどは坂を下っています!」
「ダメだ、このまま続けさせる。我は必要が無いならしない、そしてお前の部隊がどれだけ撤退できているかなど知ったことではない。 部下が死にゆく姿が見たくないなら、どこぞに目を向けて真実から目を背けていろ」
「ッ!?」
結局ムンガルはマリアンヌの暴挙を止めることが出来なかった。
そしてそれから1時間ほどすると1人の女がマリアンヌの元にやってきた。
それはカーナであった。
今まで姿が見えなかったカーナはマリアンヌの元にやってくると、何やら耳打ちをした。
つり上がるマリアンヌの口角、爛々(らんらん)と笑う目元
マリアンヌは言う
「おい、そこの兵士よ。 もう魔道具の発動をやめてよいぞ」
既に太陽が完全にその姿を見せていた。
廃人のように虚ろな目をした新兵は役目を終えたと言わんばかりにその場に倒れこんだ。
「おい!大丈夫か!?」
ムンガルのその言葉に反応は無かった。
目、同様に虚ろな声は煙のように漂う
そして漂う声は終着点にマリアンヌを選んだ。
最後まで残っていた兵士が事切れる寸前に言った言葉は
「マリ…アンヌ…様、我々の死は…無駄…では無かったの…ですよね?」
そう言い残して兵士の手から魔道具がガランと音を立てて地面に落ちる
ムンガルはその手をしっかりと握った
しかし兵士の手は既に力を失ってしまっていた
そして死ぬ間際に問われた張本人のマリアンヌは眠たそうな目頭を押さえながら言った
「あぁ~もちろんだ♪ お前たちはよくやったよ」
安心して死に逝くがよい、そしてせいぜいあの世で死人相手に誇れ
お前たちのような使い捨ての命で我が早く帰還出来るのだからな
「さて、寝ようかな♪」
「ムンガル将軍…そいつら…まだ、生きてますよね?」
フラフラとした足取りで新兵の死体に近づいてくる1人の兵士
その兵士は先ほどまで殿として最後まで戦場にいた兵士であった
ムンガルは首を振る
「いや…もう」
「ムンガル将軍!そいつらが死ぬわけ無いんです!」
ムンガルの声を切るように兵士は言った
「こいつらは…俺の…隊に入ったばかりのやつばかりなんです! ムンガル将軍の隊に入れたからにはプルート最強の部隊に自分達がするんだって…そんな志を持っていたやつらなんです!こんな簡単に死ぬわけが無いんです!」
マリアンヌは思った
死なない基準が志の高さで決まるなら、我は不老不死だな、と
まぁどうでもいいけど
「おい、ムンガルそいつ五月蝿いぞ、黙らせろ。 それと我はもう眠るからな、起こすなよ」
ムンガルは見ていられなかった
部下を思って涙を流す自分の部下を
だから言ってしまった
「マリアンヌ皇女殿下、此度の攻めで200以上の兵を失いました」
そ知らぬ顔のマリアンヌ、馬車の中でティーカップを手に取る。
そしてついさっき死んだ新兵のことなど忘れたように、軽く声を弾ませて言った。
「そうか、案外少なかったな♪」
マリアンヌはおかしそうに笑って言った
少なくともムンガルにはそう見えた
そしてその言葉はムンガルにとってあまりにも軽いものだった
それは声質ではなく、命に対しての価値観の重さ
「あなたは」
なぜ私はこの小娘を信じてしまったのか?
本心からムンガルはそう思った
だから言わずにはいられなかった
「マリアンヌ皇女殿下! あなたの無謀な策のせいで200人以上の兵が死んだのです! どう責任を取られるおつもりですか!?」
その時、マリアンヌの持つティーカップがピタリと動きを止めた。
「責任だと?」
そしてその視線は鋭くムンガルへと向いた
「っ!?」
あの夜と同じ
まるでデジャブのような感覚
さっきまでは小娘のような雰囲気がガラリと変わり、周囲を圧迫するような威圧感
その鋭い視線に押されるように言葉に詰まる
「いや、あの…」
まずいと思った
ムンガルは忘れていた
自分の前にいる人間は『皇族』だったということを
すぐに謝罪を
しかしその時には既に遅かった
ティーカップは目の前に飛んできていた
「貴様!!誰に向かって口を聞いている!!!」
勢いよく馬車の窓から投げつけられたティーカップ
それはムンガルの頭に当たった
鈍い痛みが脳内に直接伝わる、そして中に入っていた熱湯のような紅茶も顔にかかったが、その痛さ、熱さすら忘れるマリアンヌの剣幕にムンガルの厳つい顔が硬直する。
「たかが爵位を持つ貴族風情がっ! 誰が我に歯向かっていいと許した!?」
辺り一帯にマリアンヌの大声が響く
本陣にいる人間全ての背筋に電流を流されたような怒号だった
マリアンヌは周りの兵士たちの心臓が一瞬止まったかのように反応して身体を強張らせたのを意に介さない
「兵士の命の責を我に取れだと!?」
マリアンヌは頭に血が上ったように顔を真っ赤にさせ、険しく尖った瞳で更に怒り狂う
「今まではお前の実力を鑑みて大目に見てやっていたが、ムンガル! お前如きがこの我に意見する、それが何を意味しているか分かっているのか!? しかも異議まで唱えるなど、思い違いも甚だしい! 我の崇高な考えがお前如き人間に推し量れるわけがあろうものか!身分をわきまえよ!」
マリアンヌは本来のあるべき立場を、いや、格差を思い知らせるように馬車から下りてくると跪くムンガルの前に立った。
「お前の命、いや!お前たちの命がなぜまだあるのか!?首がなぜ繋がっているのか!それは我が助けてやったからだ!」
突きつけるように、そして矢継ぎ早に言葉を紡ぐ
「それを、いけしゃあしゃと責任を取れだと? お前たちの命は我の気持ち1つだということ、それすらも分からん阿呆とは! おい!そこの兵士!」
先ほどまで部下の死体の側で悲しんでいた彼であったが、既にそれどころではない状況であった。
「お前の直属の部下が死んだわけだが、お前は我に対して責任を取れと言うか?」
兵士は怯えるように目を伏せた
そして震えた唇を動かす
「いえ…その…そのようなことは…けっして…」
「ほらなっ」と視線をムンガルに戻すマリアンヌ
「この兵士ですら身分を分かっているというのに貴様ときたら…」
そこまで言い終わるとマリアンヌは自分の気持ちを落ち着かせるように一度大きく深呼吸をした。
吐かれた息は目の前にいる男に見切りをつけるようであった。
そして呼吸の間隔がだんだんと戻っていくとマリアンヌは言った。
「ムンガル、お前から爵位を剥奪する。おい、そこの3人」
マリアンヌは視界の端っこに映った爵位を持つ3人を指差す
急に指をさされた3人は背筋にピンと力を入れてすぐにマリアンヌの側までやって来た。
「「「はい!!何でしょうか!!」」」
「お前たちが爵位を持っている3人だったな」
「そのとおりです!マリアンヌ皇女殿下!」
「名前は?」
年の頃は3人ともムンガルより10ほど若い30代半ばといったところ。
「シグレです!」
「ヒナタです!」
「アプリです!」
他の兵士たちと違って小奇麗な出で立ちの3人、気を張り詰めた声で返答する。
3人は分かっていた返答を間違えると自分たちもムンガルと同じ目にあうということを
「お前たち3人がムンガルのあとを引き継げ」
「「「はい!了解しました!」」」
「カーナ!」
「はい、何でしょうか?マリアンヌ様」
斜め後ろに佇むように立っていたカーナは静かに答えた。
「ムンガルの身を拘束しろ」
「了解」
その異常事態とも思える発言にムンガルの部下3人は「えっ!」と目を丸くする
「場所は…そうだな、敵から奪った洞窟の牢屋にでも入れておけ」
「マリアンヌ様の仰せがままに」
「マリアンヌ様!さすがにムンガル将軍を牢に入れるのは―」
そこまで言ってアプリと名乗った爵位を持つ男はその後に出てくるはずだった言葉をぐっと飲み込んだ。
それほどの瞳だった。
恐怖、圧迫感、息苦しさすら覚えるほどの威圧的な視線
自然と頭を下ろしたくなるような視線
まさに蛇に睨まれた蛙状態
マリアンヌはゆっくりと問う
「お前も、何か我の行う行動に異議があるのか?」
「いえ!滅相もありません!」
「マリアンヌ様、では私は今からムンガルを牢屋に連れて行ってまいります」
マリアンヌは吐き捨てるように言う
「ああ、早く連れてゆけ。 そいつの顔を見るのは不愉快だ」
ムンガルは深々(ふかぶか)とマリアンヌに頭を下げた
そして後ろめたさを覚えるようにカーナに連れられて牢屋のある方向へ向かっていったのだった。
× ×
「おいメイド、名前はカーナとかいったな。 私は間違っていたのだろうか?」
盛大な火事とその後の消火活動のせいでジメジメとした湿気の篭った洞窟内でムンガルは言った。
お目付け役としてムンガルの跡を着いてきたカーナ
それまでは一言も発しなかったが、その時は違った
「あなたとは喋るなとマリアンヌ様に言われている。だからこれはただの私の独り言です」
鍵を閉めたギャチャリという音がやけにはっきり聞こえる
「その質問自体ありえない発言です。あなたはどこまでマリアンヌ様をガッカリさせれば気が済むんですか? 死にかけたあなた方の命を助けたのはマリアンヌ様の温情です。 そのことを恩にも感じることなく、あなたは自分のことばかり…恩を感じることぐらい犬にでも出来るというのに」
カーナは役目を終えた鍵の束をポケットに入れると出口に足を向けた
「お前は犬畜生にも劣るよ。 マリアンヌ様に感謝するんだな…あの場でマリアンヌ様がお前の拘束を命じなかったら」
その時、振り返る瞬間
一瞬だけだったがカーナは鋭い眼光がムンガルと重なった
「あの場で私がお前を殺していた」
カーナは頭の芯がチリチリと焼けるような怒りを力づくで押さえつけるように言うのであった。
閲覧ありがとうございました!
思い返せば1年と1日前「本当に書きたいものを書こう!」と思って、2月5日の夕方に書き始め、その日の晩、2月6日になってアップしたのがこの物語でしたが、まさかこんなに続くとは…思いもしなかったです。
ここまで続けてこれたのも、皆さんのおかげです(^_^)
皆さんのおかげで総合点も2桁になりました。
もちろん数字だけが全てでは無いと思っていますが、それでもやはり目で見える形で皆さんが評価してくれているんだな、と思うと寝る前の小説を書く日課にも力が入りました_〆(`・ω´・)・゜・本当にありがとうです!
最後になりますが、このような王道から完全に外れた作品にも関わらず、皆さんの貴重な時間を割いて読んでいただきありがとうございますm(_ _"m)ペコリ
この章もそろそろ最終局面になっていきますが、よかったら次回も読んでいただけると嬉しいです(人'w'●)
それではまた~(^^♪
ちなみにチェンクロVなんですけど、現在、引退者を増加させた魔のイベント、通称「壁ドン」が行われていますね。
…なぜ運営はこんなユーザーから不評のイベントの3回目をやろうと思ったのか、もはやユーザーこと嫌いなのか?とすら思ってます(>_<)
まぁ何はともあれ、私も数え切れない壁ドンをやった結果、何とか報酬キャラの2名を4凸できました・(・´ω・`)ゞ・
もう一生分の壁ドンしました(>_<)もう2度と壁ドンしたくないよ(+o+)
まぁ現実にはやったとこ無いんですけどねww…やりたいなぁ~(ボソッ)




