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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第4章】 初陣!三日月峠の戦い
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14 カーナの決死行(1)

クリックありがとうございますm(_ _ )m


小学生の時

「この木なんの木~気になる木、見たこともない木ですから、見たこともない花が咲くでしょう」

の、誰も見たことの無い木になる花を描きましょうという授業で白紙で提出して

「何で白紙なの?」

「誰も見たことの無い、見えない木になった”見えない花”を描きました!」

って言ってガチで先生に怒られた思い出を持つ、ひとりぼっちの桜ですww


今回は別けるつもりが無かったのですが、少し長くなったので2つに別けることにしました。

ではどうぞご覧ください(^^)




 煙が上がっている場所に近づくに連れてアトラス軍の規則正しい足音が乱れていった。

 そして先ほどまで戦闘が行われていた空間に足を踏み入れると100人ほどの兵隊たちはその場に立ち尽くし愕然とした。


「こ、これは」


 怪獣が暴れまわったように原型を留めていない周囲の環境

 ゴミが捨てられたように散乱する死体の数々

 スッと兵士たちの血の気が引いていった

 以前ここに来たことのあろうが無かろうが、兵士たち全てがこの場の状況の把握が出来なかった、そして同時にキャパを超えたことによって脳細胞の動きを止めた。


 しばしの沈黙、そしてその後に交わされた言葉の数々

 それはもはや収集がきかない怒号の連鎖のようなものだった


「プルート軍の奇襲か!?」

「バカな!早過ぎる!」

「本国からの援軍はまだ1週間はかかるぞ!」

「シェリー様の部隊が負けるわけ無いだろ!」

「現に死んでるじゃないか!?」

「とりあえず落ち着け!敵がまだいる可能性がある!」


 カーナはそれを近くで聞いていた


 そう…本当に近くで


「生存者を探せ!」

「いるのか!?」

「まずはシェリー隊長だ!隊長を探せ!」

「そうだ!シェリー隊長が死ぬわけがない!」


 兵士たちは各々走り回って生存者を探す。

 100人で探せば早いもので、1人、また1人、発見されては倒壊したやぐらの前に重々しい空気感と共に横一列に並べられていった。

 損害の激しい死体を発見するたびに兵士たちは見えない敵に怯えるように周囲の森に目をやる。

 探し始めて2分ほど、しかし残念ながら発見した4人全ては紛れも無い亡骸ばかり

 残るは魔道具を持つ隊長のシェリーのみ

 そして1人の兵士が積み木のように折り重なったガレキの裏側にうつ伏せで寝そべっている1つの甲冑を見つけて声を上げた。


「シェリー隊長、いました!!」


 ぞろぞろとその場に集まってくる兵士たち、皆それを見て息をゴクリと飲んだ。

 視線の先の魔道具使いシェリーはその手に魔道具を握り締めたまま、甲冑の首元から大量の血が流れ落ちて血溜まりの上に倒れていた。

 その血液の水たまりを見て、誰もが口から「うそだろ」と呟く。


「シェリー様…」


 そしてゆっくりと仰向きにすると首部分は血で染め上がり、そこが首なのか分からないほどだった。


「おい、お前は足のほうを持て」

「あ…あぁ、分かった」

「そこのお前、お前は頭をお持ちしろ」

「はい…分かりました」


 3人がかりで慎重に持ち上げると、そのままゆっくりと移動、最後の亡骸であるシェリーを4つ並んだ死体の横に丁重に置いた。

 今までは凛として部下達の動きを見張っていた上官らしき男、実際に並んだ5体の死体を見てガックリとうな垂れる。


「まさか、こんなことが…」


 シェリーを発見した兵士が問いかける


「これからどうしましょう? ダイアル城塞にこのことを報告に行きますか?」

「いや、軍師であるコリッチ副隊長が亡くなっているから、まずは本部へ報告だ」

「軍師って…ダイアル城塞にもいますけど」


 その言葉に上官らしき人間は怒鳴った。


「馬鹿やろう! あんなプルートからの裏切り者を俺は軍師なんて認めやらん!」

「すっ、すいません!じゃあ森の中にある本部にいったん遺体を持って行きます」

「当たり前だ!」


 アトラスの兵隊たちはタンカに5名の亡骸を乗せていく。


「では急ぎ本部に戻る! 周囲の警戒を怠るな!」


 よかった。

 とりあえず、この場はしのげた。

 あとはどうやって


「あの…一応報告しておきたいのですが、シェリー隊長の甲冑が外れません。本部に戻るまでこのままでいいでしょうか?」


 ――やばい!


「亡くなっているのは確実なのか?」

「はい、さっき脈を取りました」

「あれ?シェリー様、魔道具を放さないです。まるで生きているみたいにがっちり握ってます。一応ヘルム部分を剥ぎ取ってみますか?」


 ――やばすぎる!


「止めろ!シェリー様をはずかしめる様なことをするな。 この方はきっと敵から魔道具を奪われまいとしたのだぞ。それにがっちり握っているのは死後硬直…いや、シェリー様の高潔な信念が成せる技に違いない。そもそもこれだけ血を流して生きていられる人間がいるわけがないだろ」

「そ、そうですよね。さっき脈もとりましたし」


 ホッと胸を撫で下ろすカーナ

 そう、彼女は”魔道具使いシェリーの甲冑の中”にいた。

 息を潜めてカーナはほくそ笑む。


 ふふふ、バカどもめ

 装備の甲冑は取れないように全てのつなぎ目を破壊しておいた。

 これで簡単に甲冑は取れない…たぶん。

 ちなみにどうやって脱ぐかは…考えていない。

 そして甲冑の右手の手首部分だけをわざと取り外すことによって、敵が脈を取りやすくした。

 極め付けに右腕の脇に転がっていた石を挟むことによって脈を一時的に止めた。

 これでやつらは私を死んだ魔道具使いと錯覚するだろう。


 ふふふ、、、


 完璧だ!!


 ……何が??



 兵士たちが甲冑をタンカに乗せる際に仰向あおむきにしたせいで空しか見えない。

 つまり、どこに行くのかも分からない。

 ダイアル城塞でないのはさっきの会話から想像できたが、その先は分からない。

 せめて横向きに乗せてくれていたなら場所の把握も出来たが、、、致し方ない。

 死体が勝手に仰向きから横向きになるわけにもいかないのだから。


 道すがらアトラスの兵たちに交わされる言葉は無く、静かなものだった。

 まるで葬式のような雰囲気

 そしてのん気にさえずる鳥の鳴き声をBGMにカーナの脳細胞は今の状況に1つの結論を出した。

 それは…


”もう…どうにでもなれ”


 という投げやり気味な結論だった。

 だって、もうどうしようもないからさ。

 では、なぜ甲冑の中に隠れてしまったのか?

 他に選択肢は無かったのか?

 この状況をマリアンヌ様にどう説明したらいいのか?


 カーナは流れるまま、乗せられるまま、春先のぽかぽかした陽気な日差しを浴びながら自問するのであった。



 それはそうと日差しが直すぎて眩しっ!


最後まで閲覧ありがとうございました)^o^(!


前回の「カーナvs魔道具使い」の4つを1週間に纏めてアップしたかいもあって、なんと週間ユニーク数が100を越えましたヾ(〃^∇^)ノわぁい♪

これもひとえにクリックして頂いた皆のおかげです(^^♪

まぁ、貯めてたストックは全て吐き出しちゃったんですけどね、、、でも180超えたから私は大満足です\(∂∇∂ )/


それでは次回もよかったら読んで頂けると嬉しいです(*´∀`).。


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