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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第4章】 初陣!三日月峠の戦い
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11 カーナvs魔道具使い(2)

clickありがとうございます(人´∀`).☆.。.:*


皆様の心の中に住まいを設ける「ひとりぼっちの桜」です(笑)

ではどうぞご覧ください(*´▽`)♬


 木のみきの上でカーナは自分でも分かるほどに激しく混乱して焦っていた。

 激痛に耐えるように頭を押さえる。


”どっちだ!?”


 2人の内のどちらかだ


 それは分かっているんだ


 だって甲冑かっちゅうを着ているのはあの2人だけなのだから


 自分自身の心を安心させるように静かに空気を吐き出す。

 今出来ることは考えること

 どんな小さなことでも注意深く観察して見逃さないこと

 そして落ち着いてカーナは分析する


 まず甲冑かっちゅうを着ていない他の2人は普通の兵士の格好

 鎧と言っても心臓を守る胸当てや、足を守るグリーブ、手や手首を守るガンドレット、見るからに軽装備、実力にもよるが殺すのは容易いだろう。


 だがしかし全身を銀色の甲冑を着た2人は別だ、巨大な岩石を着込んでいるようなムンガルほどとは言わないまでも、体のほとんどが守られている。

 唯一守られていないのは首部分ぐらいか。

 本来ならあの位置にはラッパーと呼ばれる喉を守る防具が取り付けられるのだが…

 しばらくは戦闘が無いと高をくくってすぐにフルフェイスのヘルムを脱げるようにしているといった所だろう。


 あの2人を殺すのならば喉部分、首が手っ取り早いだろう。

 不意打ちならばなお簡単だ。


 そう、あとはどっちが魔道具使いか

 それが問題だ


 一度本陣へ帰ってムンガルに更に詳しい人相を聞くべきか?

 いや、マリアンヌ様の私を送り出したときの急かし方を考えると、一度戻るという行動こそが一番の愚考。


 何かヒントは無いのか?


 カーナは目を凝らす

 そして聴覚を尖らせる

 今こそ全神経をかけるとき


 体格、声から2人とも男。

 年齢は全身の甲冑から不明、しかし声質から若いだろう。

 2人とも顔まで隠れる甲冑を着けている。

 だがムンガルが普段着けている物よりも数倍強度は低そう、しかしその分動きやすそう。


 カーナの中にふつふつと怒りの感情が湧いてくる。


 あのムンガルのおっさんめ!

 何がフルアーマーの甲冑だ!

 2人いるじゃないか!

 しかも同じ甲冑で背格好もほぼ一緒!

 こんな間違え探しがあるなんて聞いてなかった!


 今、目の前にムンガルが居たら切りきざんでいたであろう衝動を抑えるように、再び大きく息を吐く。


 いや、ダメだ、落ち着こう。

 ここで今、居もしないおっさんのことをとやかく言ったところで仕方ないのだ。

 でもこれ以上情報なんて…


 歩き方は2人とも慣れている、足運びから実力を測ろうにも甲冑を着ているから分かりづらい。

 2人は比較的、敬語を周りから使われている。

 比較的とぼかしたのは、1人、軽装備の若い兵士の存在があったから。

 若い兵士は全員に対してタメ口だった。

 まぁそもそも、位が高い=魔道具使い、というわけではないのでこの考察にも意味は無いか。

 利き手は1人は不明だが、もう1人は右手に錫杖しゃくじょうを持っていることから右利きの可能性があり…ん?


「っ!?」


 そこでカーナはとんでもないことに気付いた


 そうか!魔道具を持っている方に決まっているじゃないか!

 なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだ

 よかった~

 こんなことで帰っていたらマリアンヌ様を失望させてしまうところだった。


 ホッと胸を撫で下ろすカーナ


 よし、そうと分かれば…


 カーナは目の前に広がる青々とした葉っぱの匂いのする方に手を伸ばし、その中でも一回り大きな丸々と太ったどんぐりを手に取ると、押すようにして堅さを確かめて、どんぐりを1つむしり取った。


「これでいいだろう」


 そして窓ガラスに視線を向けると狙いを澄ませて大きく振りかぶった。

 次の瞬間、耳を塞ぎたくなる、まるで雄たけびのような窓ガラスが割れる音が周囲に響いた。


「ぇっ?」


 予想以上の結果に投げた本人が一番びっくりして目を丸くした。


 どんぐりが矢のような速度でガラスをぶち抜く

 そこまではよかった。

 問題はその後


 一点集中で打ち抜かれたどんぐりが窓ガラスに綺麗な蜘蛛の巣を形どった。

 そしてその亀裂きれつがどんどん深くなっていって、一かけら、二かけら下に落ちていった、そこからは実に早かった。

 一気に大音量を響かせて、窓ガラスはただの窓になった。


 風通しがよくなってよかったね♪

 なんてポジティブな思考になれないぐらいの音だったため、カーナは木の上から人が来ないか心配そうに周りを森の中を見下ろす。


 すると小屋の扉がきしむ間もないほどの勢いでバーンと開いた。


 出てきたのは1人の兵士

 こいつも軽装どころか装備1つも着けていなかった。

 まぁ、室内にいたのだから当たり前か。

 ただその手には剣はしっかりと握られていた。

 兵士は目の前辺りにいる4人に開口一番、大声で問いかけた。


「何ですか!?今の音!」

「いや、わかないよ!ガラスじゃねーのか、そっちから鳴ったぞ」

「きっと敵じゃね? よし!俺が行ってくる」

「おい、モルス!勝手な行動をするな!」


 ちょうど目の前、いや、正確に言うと前方、真下辺りに集まってくる5人。

 5人は割れたカーナが後方の真上から見ているとも知らず、窓ガラスに目を向ける。


「窓ガラスが無ぇー!!」


 風通しのよくなった窓に食い入るように見上げる若い兵士。

 後ろからやってきた4人の内の1人が周囲を警戒するように視線を配る


「プルート軍の襲撃ですかね?」

「窓ガラスを割るだけの襲撃って子供のいたずらレベルだろ」

「じゃあヤシロ、お前はなんだと思うんだよ?」

「鳥が当たった」

「この大きさの窓ガラスをぶち抜くって、どんな巨大な鳥だ…」

「魔獣的な」

「この辺りに魔獣はいねーよ」


 あーだ、こーだ言っている兵士たち

 甲冑を着た2人の内の1人が甲冑越しに言う


「プルート軍だとすると到着が早過ぎる。おそらく次にプルート軍が攻め込んでくるときは最低でも1万以上、3万すらありえるらしい」

「ダイアル城塞を取り戻すのに3万ですか!?」

「ああ、どうやらプルートの現皇帝はそういう性格らしい。1万以上の隊列を組んで10日やそこらでここまでは来れないし、それだけの数がこの森に入り込んだらこの物見やぐらから分かる。だからプルート軍ではない」

「じゃあ、盗賊かなにかですかね」

「う~ん、コリッチ、お前はどう思う?」


 その問いに甲冑を着たもう1人、魔道具を持った人間が割れたガラスの破片を地面から手にとってマジマジとかざし見る。


「その可能性はありますね。つい10日ほど前、ダイアル城塞をめぐる攻防がありました。それは周辺諸国にも情報がいっているでしょう、死んだ兵士から身ぐるみを剥がす目的でこの森に入って来ていることは十分に考えられます。ただそうなると、なぜ昼間に、しかもこんな大音量が鳴る窓ガラスを割ったのか…その意図が掴めません。この物見やぐらに近づいた時点で、誰かが中にいる可能性は高いことは考えたはず、盗賊なら夜中を待つ、もしくは窓ガラスを割ったと同時に室内に侵入するはず、しかしこの踏んだあとの無い窓ガラスの破片を見る限りそういった形跡が無い。これではまるで誰かをここに呼び寄せるのが目的と言っているとすら思えます」

「誰かというのは?」

「消去法で考えるのであれば、今集まっている我らでしょう」


 ゴクリと音を鳴らして唾を飲み込む兵士達。

 緊張感が漂う

 その中、一際ひときわ若い兵士が落ちているガラスを強く踏みつけた。


「何ビビッてんだよ!敵だったら俺達で蹴散らせばいいだけじゃねーか!」


 カーナは手に忍ばせていたもう1つのどんぐりを、背後に広がる暗闇の森の中に投げ入れた。


 ――コツン


「「!?」」


「…あの森の中に何かいますね」

「獣かも」

「その可能性は捨てきれないが、この状況だと人間と考えるほうが適切だね」

「俺が行って来る!」

「待て、モルス!」


 意気揚々と足を森に向ける、若い兵士。

 他4人もそれを止めるように後に続く

 そして5人の内の1人、若い兵士が森の中に足を踏み入れた

 すると今までは気配を絶って木々と擬態ぎたいする様に動かなかったカーナ

 身体からすっと力を抜いた

 そしてそのままカーナの身体は落下していった。


 ちょうど真下を歩く5人組みの輪の中へと向かって――



閲覧ありがとうございました(*ゝω・)ノ アリガ㌧♪


そういえば先日、焼肉の食べ放題に行ったんですよヽ(゜∀゜)ノ

1990円で元を取ってやる!と意気込んで行ったのですが、最初はガンガン食べてたんですけど、最終的にはデザートばっかり食べてましたww(。′д`)。o限界○

敗因は…ちょくちょくよそった、ごはんかなww

えっ?誰と行ったかって?

……一人でですけど (・_・)


で、その後カラオケ行ったんですよ(∩´∀`)∩

楽しかったな~、えっ?誰と?

……一人でですけど (・_・)


それではまた次回、お会いしましょうヾ( ´ー`)ノ~ばーい

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