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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第10章】 表と裏の2つの部隊(表)

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28 裏カジノ(2)

クリックありがとうございます♪いつも夏は伊藤園の麦茶パックを買ってずっと飲んでいるひとりぼっちの桜ですw個人的にこの麦茶は水出しがオススメです(^^♪お湯出しよりもあっさり飲めるので皆も飲んでみてね(^0_0^)容器の中にパック入れて冷蔵庫で2時間ほど放置、簡単♪



さて、今回のお話ですが近衛騎士であるグロエとノズルが出てきますよ♪皆さんの中では近衛騎士=カーナに負けた奴らって思っている方もいるかもですが、本来どれだけ規格外に強い人たちなのか、っていうのが伝われば嬉しいな~(^_^)v


では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



「店の者及び客、誰1人動くな!!」

「おい!!そこの従業員動くな!!」


 カジノ内に雪崩なだれ込む武装した騎士たち。

 何事かと目を大きくする店内に居る従業員および客。

 先頭の騎士の1人が声を荒げる。


「我々は誇り高きプルート騎士団である!!現在、この建物に居る人間には国家反逆罪の容疑がかかっている!!捜査が終わるまでこの建物から出る事を禁ずる!!また店内の物に勝手に触れる、許可無く客同士または店の者たちが喋る事も禁ずる!!守れぬものは皇帝陛下の名の下、この場にて粛清する!!」


 そしてなだれ込んでくる騎士たちの最後に堂々と店内に入って来たのは気品溢れる槍を持ったこの場に居る誰よりも長身の騎士。

 生気を感じられない細木のような体型で男は淡々と言葉を紡ぐ。


「皆様、お楽しみの所お邪魔して申し訳ございません。私は近衛騎士を務めさせて頂いておりますグロエと申します。今しがた部下が申し上げましたが、現在ここに居る方々には国家反逆罪の容疑がかかっております。素直に調査に協力して頂ける事を願います」


 近衛騎士グロエ!?

 何でこんな所に!!


 突然の騎士たちの登場。

 しかもプルート最高戦力の近衛騎士の一角が直属の部下を引き連れて、国家反逆罪という名目を引っさげて。

 驚きと困惑に満ちたカジノに居る面々。


 支配人の男はファルヴィを背にして歩いていきグロエと対峙する。


「俺はこの店を任せられている者だ。近衛騎士グロエ、ここが誰の島か分かって来ているのか?」

「もちろん理解しております。ここが治外法権である裏カジノである事も。そして皇帝陛下はしなくていいと言ったにも関わらず長きに渡ってあなた達が自主的に多額の税をこの国に収めていることも。皇帝陛下もその敬虔な態度には大変満足しておられます」

「ならば、なぜ来た?ボスからは必要以上にお互いに関わらない盟約だと聞いている」


 グロエはいつものように無表情、無感情で周囲を見渡す。

 値踏みでもするように。


胴元どうもとの男は居ないようですね。呼んでいただけますか?この建物に居るのは分かっています」

「ボスはお忙しい。俺が聞く、何の用だ?」


 一切媚びない、何なら喧嘩腰の支配人の姿勢。

 無礼極まりないとグロエの部下達が殺気立つが、グロエは相変わらずの無表情。

 少し間を置いて、


「先日お亡くなりになったプロフェン様の件です」


 ピクリと反応する支配人の男。

 グロエは部下に対して手で合図する。


「例の物を」

「はい、グロエ卿」


 そう言うとグロエの部下の1人が手に持っていた麻袋の口を開いてひっくり返した。

 ゴロゴロと絨毯の上に転がる生首。

 その数8個。

 既に数日重ねた事で色が変色し、血の気はもちろん無く、異臭も凄い。

 そんあ生首の1つをグロエは拾い上げると支配人の男に向けて差し出す。


「このガキ共は恐れ多くも皇族であるプロフェン様を殺害した主犯の8名の首です。調べた結果、あなた方が飼っていた人間である事が判明しました。ですので来ました」


 支配人の男はグロエから差し出されている生首の受け取りを拒否しつつ、その首の顔をまじまじと見る。


「そんなガキは見たことも無い。もしも我々に所属しているのだとしても末端の末端だろう」


 自分達に関係ない、そう口にする支配人に対しグロエは恐ろしいまでに鋭い眼差しを向けた。


「皇族が殺害されたのにも関わらずそんな言い分が通るわけ無いでしょう?末端だろうが幹部だろうが問題はそこじゃない、こいつらが何処に所属していたかです。分かったら今すぐ責任者である元締めを呼べと言っています。皇帝陛下からの許可は頂いております」


 その迫力に息を呑む支配人の男。

 グロエは「フーー」と静かに息を吐き出した。

 握っている高貴な槍が呼吸に反応するようにぞくりと邪悪な圧を放つ。


「出て来なさい」


 魔道具によって何かしらの動物を召喚するというのは特段珍しいというわけではない。

 だがそれが希少種と呼ばれる複数の生物が合わさったキメラなら別である。。


 何も無い空間の一部が歪む。

 そして目の前に現れたのは正体不明の獰猛な合成生物。


 頭部は凶悪な牙を持った獅子、大鷲のような羽はまるで鋼の刃のようであり、尾は意志を持ち毒ガスを放つ3匹の毒蛇、獣の4つの足は命を刈り取るために存在するかのように鋭い爪で武装されている。

 尻尾まで入れて全長5メートルはあろうかというキメラ。


「グルルルルルルゥッゥ!!!!」


 何処までも紅く血のような獰猛な目つきが店内にいるの人間達を睨み威圧し、今にも襲い掛かりそうな獰猛な鳴き声。

 客たちは恐怖から身動き1つ出来なくなった。


「支配人さん、これは最終通告です。いいですか?今すぐ、元締めの男を呼んできてください」


 槍の達人であるグロエと相対するだけでも大抵の人間は格の差を見せ付けられる。

 武をたしなんでいたら尚の事。

 現に支配人の男も正面切ってグロエと対話していたが、戦って勝てるとは思っていない。

 それでも裏カジノを仕切る1人として何とか立っていた。

 だが現在それに加えて召喚されたキメラによって立場は決定的なものになった。


 怯えを誤魔化せない圧倒的恐怖。

 支配人の男は唇を噛んだ。


「分かった…。今から呼んでくる」

「よろしい」


 支配人の男はそう言うと裏に下がっていった。


 一息つくホール内。

 と、言いたいところだが実際、客達の前には今も尚グロエ、その部下、そして最強の召喚獣が居る事によって落ち着きようがなかった。

 そして、そんな皆が押し黙っている中、1人の若者は詰まれたチップの山の前で思案にふけっていた。

 グロエによって召喚されたキメラを目の前にしても、ただ冷静に周りを観察しながら考える。


「う~~ん」


 やっぱり嫌な予感が当たっちまったよ。

 来なきゃよかった。

 オイラは一応貴族だからな。

 こんな所に出入りしている事をあんまり近衛騎士に知られたくないんだよな…。

 まぁ知られた所でそこまで痛いという訳じゃないけど、知られて得する事も無い。

 1金貨にもなら無い事は嫌だな。


 どうしようか?

 いっその事、逃げるちまうか?


「……チラッ」


 正面入り口は…完全に押さえられてる。

 グロエとその部下に対して強行突破はまず不可能。

 でも裏口ならまだ手が回っていないかも?

 いや、近衛騎士グロエがそんなミスするとは思えない。

 数人は部下を置いているはず。

 しかし、それでも目の前に居るグロエやキメラよりは数百倍マシの戦力。

 幸い、オイラは魔道具を持ってきている。

 突破はまぁ可能だろう。

 無理矢理にでも魔道具を使えば、だけど。

 でも危険を犯すよりもさっきのグロエの発言を聞く限り近衛騎士の目的はこの場に居る客ではなく店側である事が予想できる。つまり一般人としてジッとしている方が賢い選択か。


「………」


 実際に行動を起こすかは置いといて、ファルヴィは念のために座っていた椅子の肘掛ひじかけ、そこに乗っている自身の腕を魔道具である三つ又の槍に向かってゆっくりとずらしていく。

 視線は変えずにゆっくりと手だけを伸ばす。


 だがファルヴィは槍を手にすることは叶わなかった。

 なぜならそれは気配無く、音無く、ファルヴィに起こったのだ。


「おい、兄ちゃん。ヘンな真似すんな」


 咄嗟に視線を真横に動かす。


「っ!?」


 近衛騎士ノズル!?

 い、一体いつの間に!?

 まるで気配を感じなかった!

 こいつまで来てるのかよ!?


「お前が本当に何も関係ないただの客なら大人しくしておけば怪我しねぇよ」


 冷たい汗がファルヴィの首筋を伝った。

 肩に軽くポンと置かれた手が、まるで大岩が置かれているかのような圧力を感じる。


 動けない。

 動けば殺される。


 そして次の瞬間にノズルの部下達が裏口からホール内になだれ込んだ事によって、一瞬で客と従業員の数より上回る騎士たち。


「大アニキ、扉は全部押さえやした!」

「おう、ご苦労さん」


 一方、大して興味無さそうなノズル。

 あくびをしては首を傾けてボキボキと鳴らす。

 だがその目がテーブルの上に置かれたチップの量を見て色が変わった。


「兄ちゃん。お前、これ1人で稼いだのか?」


 瞬時にファルヴィは考える。

 この大男に興味を持たれない答えを。

 自分は天才賭博士ではなくただの一般客である。

 そんな模範解答を。


「え~~まぁ~今日は運が良かったんですよ。でもこんな場面に出くわしたわけだから本当に運が良かったのかは怪しいですけどね。ハハハ」


 そんな時、呼んでもいないのに先ほど席を離れた常連の男が戻ってきた。


「いや、近衛騎士様!こいつはギャンブルの天才なんですよ!あんまりに強すぎて出禁喰らうレベルでさぁ!」


 黙れ!お前!余計な事を言うんじゃない!

 さっきまで逃げてたくせによ!!

 ノズルに興味を持たれたらどうするんだ!?

 こっちは一応貴族だからあんまりこういう場所に出入りしていると思われたくないんだぞ!


「へ~~」


 うつむきかげんのファルヴィの顔を覗き込むようにしてくるノズル。


「お前どっかで見たつらだな」

「他人のそら似じゃないですかね?何処にでも居るつまんない面なもんで、ハハ」

「う~~ん、あっ!ファゴット際!お前、出てたろ?」


 やっぱり思い出しちゃうよな。。

 コイツが脳筋野郎なら忘れている可能性に賭けたが。

 オイラたち4人の中でラムゼスが特に目立ってたからオイラの印象はだいぶ薄くなってんじゃないかな?と期待したけど、そもそもオイラ、ファゴット際で戦ってるからな。

 しかも皇帝陛下に魔道具を貰った時ノズル居たし。

 ここから先、他人の空似そらにで押し通すのは無理だな。


「オイラはすぐ負けちまったんで。ハハハ」

「いや、結構良い線いってたろ?って事は、、それ魔道具か?」


 椅子に立てかけられた三つ又の槍。

 考えが纏まらないファルヴィ。

 しかし、ゆっくりと思案している暇は無かった。


「魔道具…っすかね」

「そうか。触れないようにしとけよ。俺と俺の部下なら見逃してやるが、グロエとその部下が使っているのを見たら問答無用で殺されるだろうから」

「なるほど」


 するとグロエがノズルに向かって言った。


「ノズル卿。予定よりも遅いですよ」

「まぁそう言うなよ、グロエ。言われたとおり裏口を含め、この建物は完全に包囲した。アリ1匹出れねぇよ」

「それは何より。直、元締めがここに来るでしょうから準備は抜かりないように」

「はいはい」


 そして待つこと数分、

 床をつく杖の音と共にそれは枯れた声だった。

 カジノに響く声。


「ア゛~~~~~何か御用ですかな?皇帝陛下直属の近衛騎士方々が2人もこんな所に来られるなんて」



閲覧ありがとうございました(^_^)v皆さん、どうでしたか?近衛騎士の凄さをちょっとでも伝わったかな?伝わったなら嬉しいです。そして…遂に出てきましたねw「ア゛~~」この言葉を聞いた時、皆さんは思ったんじゃないですか?「ああ!あのキャラだ!!へ~皇帝との取引の後、そこまで偉くなったんだな(-_-)」ってw

この感情を持ってもらいたかったからこその過去編だったのです!だって過去編無かったら皆さん「へ~裏カジノの元締めってそういう感じのキャラね(T_T)」って無感情に思うだけでしょ?それがこのキャラのバックボーンが語られた後だとあの後の時間経過を頭の中で想像できるじゃないですか。

私は皆さんの中で私が生み出したキャラクターが生きている、そういうのを大切にしていきたいのですよ(^v^♪


ではまた次回お会いしましょう♪





皆!大変じゃ!大変じゃ!!('Д')!!

今って言うか7月の終わりぐらいから毎週木と金曜日、1話ずつダイの大冒険のリメイク版がYouTubeでアップされてた(>_<)!めっちゃ面白いから一緒に見よう(゜Д゜)ノ

もっと早く気づいてあげたら皆に教えてあげられたのに…と、思うと涙が止まらないです( ;∀;)

既に20話ぐらい放送されちゃったんですけど、100話まで放送されるからこの後は一緒に追いかけましょうね(^△^♪因みに各話、2週間で消えるのでダッシュで観るのです!!

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― 新着の感想 ―
私の家も麦茶は水出しで飲んでますね!最近は黒烏龍茶にも手を出してみたりしてます。油っこいもの食べたあとは必ずこっち飲んですね。 それはそうとどうにもこの胴元がプロフェンをやる指示を出すとはあまり思えな…
グロエは、何で対カーナ戦でキメラを召喚して戦わなかったのだろうか。
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