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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第10章】 表と裏の2つの部隊(表)

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22 ある男の50年前の夢(1)

クリックありがとうございます♪7月ぐらいからとんでもない数のエアコンの取り替えをやっているひとりぼっちの桜ですw……地獄や(>_<)暑すぎて次々と示し合わせたようにエアコンがぶっ壊れていくwwまぁそもそも私が取り替えているのは会社とか工場とかにある20年とか経過しているやつが多いから壊れるのも仕方ないのかもだけど、それでもこの暑さで一気に逝ったね( ;∀;)しかも私がやるの天井にあるやつとか、縦長のデカいエアコンが多いから、もう……しんどい(つ_<)休みの日はゲームすら出来ません。寝てます(X_X)え?「オーバーウォッチは?」ですって?……まぁオーバーウォッチはやってるけど(→_→)ちょ、ちょっとだけだよ(^-^;うん!ちょっとだけ!1日1時間ぐらい??…いいじゃん!許せよ!頑張ってるんだから(# ゜Д゜)!



さて急ですが今回のお話は前回のお話から50年ほど遡りますw理由は…まぁ見て貰えば分かるかとw今回のお話の個人的なテーマーとしては読んで頂けている方が『噛めば噛むほど味がする物語』です(^^♪

皆様に楽しんで頂けるように全力で書いたので最後まで読んで頂けると嬉しいです。

では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



 これはマリアンヌが生きている現代から数え、遥か昔。

 50年以上前、プルートとアトラスの間で起こった大陸全土を巻き込んだ大きな戦争、それよりも更に昔のお話である。


 ………

 ……

 …


”人には無限の可能性がある”


 はっ!

 クソくらえだ!

 吐き気がする綺麗事だ!



 プルートのスラム街。

 ゴミが辺りに散らばっている地面に座って枯れた声であくびをしている1人の男が居た。


「ア゛~~~~~もっとスリルのある賭けがしてみてぇな~」


 薄汚れた服に袖を通し。

 全てを恨んでいる目。

 ほどよい筋肉質な身体、身長は少し低い。

 年の頃は20ほど。


 これはそんな青年のお話。



「面白い事ねぇ~かな~?」


 その男はスラム街を牛耳っていた。

 暴力が全てを解決するスラムという治安の悪い場所においてその男は喧嘩が特別強かったわけじゃなかった、けれど男はどんな汚い手でも使い、姑息な性格でそして何より毒物に対して非常に精通していた。


 気に入らない奴は全て毒物で殺す。


 実際、今、男の足元には借金を踏み倒そうとした自分よりも数倍屈強そうな男が潰れたカエルのような声を漏らしながら無残にも転がっている。

 男が調合した毒物で泡を吹きながら。


「ア゛~~~~~俺の賭場で踏み倒せると思うなよアホンダラが」


 周囲を見回しても暴力が蔓延している。

 辺り一面ガラクタや生ゴミが転がっている掃溜めのような場所だ。

 しかも生ゴミなどのせいで鼻につく異臭が漂っている。

 不衛生そのもの。

 これが現在、戦争で勝利を重ねているプルートという国の一部だというのだから笑いが止まらない。


「ボス!もう捕まえたんですか!?」


 自分よりも年上の男が部下を多数引き連れて男の元に走ってきた。

 男はゴロツキ達が多数所属している組織を束ねるボスらしく、舐められないように語気を強める。

 枯れた声はこれ以上ないほど威圧的に部下に向かう。


「ア゛~~~~やっと来たかよ。当たり前だろ、ボケ共が。こいつが賭けの途中からそわそわしてた、金が底尽きたんだろうな。お前らもしっかり見とけ!金勘定ばっかりしてんじゃねーぞ!殺されてぇーのか!!」

「す、すいません!」

「すいませんした!!」


 部下達には強い言葉を使い、恐怖で心を縛りつける。

 特に大した教育も受けていない男が自分よりも年上の荒くれ者たちが闊歩かっぽするスラム街でのし上がっていく過程で学習した処世術しょせいじゅつである。


「ボス!こいつはどうしましょうか!?もう金は無いみたいですが」

「新しい奴隷だ。死ぬまで使い潰す、首輪付けとけ!あと表通りは近づくなよ、騎士共に見つかったら面倒だ!この国で奴隷を買えるのは貴族だけって決まってるからな!」

「へい!」


 これを使い始めてから部下が思い通りに動くようになった。

 命令系統が一本化出来た。

 組織がデカくなった。

 良い事尽くしだ。

 まぁ、もちろん歯向かう奴を毒や闇討ちで殺したという裏作業は必要だったわけだが。

 それでも概ね成功と言っていいだろう。


 本当に、


 最高に腐ってる世の中だ。


「おい!!お前ら先、帰っとけ!!」

「へい!」


 誰かが助けてくれるわけでもない、そんなものに期待している人間はここプルートのスラム街では生きていけない。

 この国にはスラム街と貧民街が有るが、違いと言えば貧民街は戦争孤児である子供が多い、スラム街は大人…いや、ゴミみたいなチンピラが多いって事だろう。

 何にしても頼れるのは自分だけって所は共通である。


「ア゛~~~~つまらないな。スラム街は俺の作った賭場でデカくなったが俺がやってる事は小さい事ばっかだ」


 男がスラム街から見上げた空はいつも曇って見えた。

 視線を少し下げる。

 憎しみのこもった視線、曇った先に見える王城。

 長きに渡って他国から侵攻されない難攻不落の城であり、この軍事大国プルートの象徴の1つ。


「ア゛~~~~気に入らねぇぜ。あの城の中では贅沢三昧なんだろうな。俺達の事をゴミみたいに扱いやがって、スラム街の住人を見下して存在しないと思ってやがるんだろうな。お前らはプルートの国民じゃないってよ。チッ、全てを奪ってやりたいぜ」


 しかし軽口とは裏腹うらはらにそんな略奪行為が出来ない事ぐらい男にも分かっていた。

 あの城の中では化け物たちがゴロゴロ居る。

 例えスラムの人間が一丸となって戦いを挑んだところで惨敗するのが目に見えていた。


「ア゛~~~~なんでこの国の騎士は誰もかれもがあんな強ぇんだよ」


 マリアンヌが生きている時間軸から数えて50年前、その頃からプルートの騎士は他国よりも強かった。

 自分たちのようなゴロツキなど束になっても太刀打ち出来ないほどの錬度。

 しかも他国に戦争を仕掛けては連勝していたので恐いものなどない状態。

 反乱軍として人をもっと集めようにも、格差はあれど国民達は基本豊かであった事と宗教国家であったことから不満はそこまで無かった。

 もちろん自分達、スラムという敗北者たちは除いてだが…。


「ア゛~~~~このままクソ汚ねぇスラム街で俺の一生は終わるのかね。大きな事、国が引っくり返るような事がしたいぜ」


 どれだけ男がスラム街から手を伸ばしても届かない王城。

 全てが別次元の裕福で優雅な日常が繰り広げられているであろう王城。

 国民の誰もがそう思っていたその頃のプルートの王城。


 だが男は知らない。

 実はその時期のプルートの王城内は優雅とはかけ離れたものであったのだと。

 そう、50年ほど前、プルートの皇族内で血で血を洗う皇帝争いが勃発ぼっぱつしていたのだ。


 なぜ50年前そんな悲劇的な事になってしまったかというと、50年前現在のマリアンヌの置かれている状況と同じく王位継承権を持った皇族たちの間では次期皇帝争いが混迷を極めていたからである。


 戦争で連勝していた皇帝が急な病に伏してしまったという緊急事態が起こってしまった。

 本来なら皇帝が次の皇帝を指名すればそれで済んでいたのだ。

 しかし、もう喋る事すらできない危篤状態の皇帝。

 先がそう長くないであろう皇帝は事前に次の皇帝を指名してい無かった。


 だからこそ王位継承権が最も高い皇族が次の皇帝にというしきたりに対して、皇族の中から続々と異議の声が上がったのだ。

 皇族たちが口々にこう唱える「自分こそが次の皇帝に相応しい」と。

 国を支える忠臣たちも権力抗争に加わり混迷が深くなり、しかもプルートという国が戦争に勝ちすぎた結果、いつ起こってもおかしくない宿敵であるアトラスとの大きな戦争を前に強い皇帝を求めていた。


 結果、必然的に起こったのが血で血を洗う皇帝位をめぐる争い。


「ア゛~~~~~俺達みたいなドブネズミが関与できないあんな高い場所で今後のプルートの行方が決まっていく。俺達は従うしかない、俺達が知らないところで、関与できない所で。まるで雲の上で神が世界のルールを定めるみたいだな」


 そんな国の内情なんて知らない20そこそこの男は汚いスラム街の中で夢を見る。

 遠くに見える城を見ながら口の中で密やかに呟いた。


「ア゛~~~~~~国を動かすってのはどんな痛快なもんなんだろうな」


 だが自分がどう頑張った所で、チンピラのまとめ役が良い所。

 というか現実、今がそうなわけだが。

 それだって目立ちすぎれば、これ以上大きくなり過ぎれば、先ほど述べた騎士たちによって粛清される事は目に見えている。


 そう、全ては叶わぬ夢。


「ア゛~~~~つまらないな。もう今日は飲みにでも行こうかな?」

「ボス!!さっきの男が目覚めました!暴れてます!!」

「ア゛~~~~ちくしょ、分かった。今行く!」


 残念ながら小さな賭場とばをいくつも経営する子悪党こあくとうが自分の終着点のようだ。

 夢も希望も無いな。


 ………

 ……

 …


 そして更に1ヶ月ほど経過したある日。

 それは雨が降りそうで降らない曇り空の日だった。


 その時期になるとプルート国内の人たちも現皇帝が危篤きとくで先が長くない状態であり、次期皇帝の椅子を賭けて皇帝の子供たちが争っている事をなんとなく知っていた。

 しかし、だからと言って国民達に何が出来るわけでもなく、人々は現皇帝の病が治る事を祈りながらも変わらぬ日常を過ごしていた。


 そしてその頃からだろうか、皇族たちがたまに城下町に降りてくるようになったのは…。


 現皇帝は「皇族は高貴であれ」とうたい、王位継承権を持つ子供たちが城下町に降りる事、関わりを持つ事を良く思っていなかった。

 そしてその意向に従っていた子供たち。

 だがその皇帝が病に伏した事によって今は自由に動き回る皇族たち。


 国民達は皇族を生で見れて喜んだ。

 信仰している神が降りてくるのだから当たり前の反応なのかもしれない。

 しかしスラム育ちの男は逆に不満ながらに唾を吐く、金持ちの物見遊山ものみゆざんなんてクソ食らえであると。

 いっその事、闇討ちでもしてやろうかと。


 でも残念ながら不可能なので今日もネコに怯えたネズミの如く、国から目を付けられないようにビクビクしながら生きる毎日である。

 そんな不平不満の毎日を生きる折、スラムを牛耳る男にとっての転機が訪れた。


「マスターきついの1杯」

「はいよ」


 その日、男は新たに借金漬けにしたカモを部下に引渡し、そのあと城下町にある酒場で1人飲んでいた。


 組織はゆっくりだが順調に大きくなっている。

 金も集まってきている。

 このままいけばもっと大きな賭場が作れるだろう。

 …国に目を付けられなければだが。

 そうはいっても表面上は順調そのもの。

 にも関わらず男はこの日常に嫌気が差していた。


「ア゛~~~~~~~つまらねぇな」


 酒がまずい。

 最近はずっとそうだ。

 満たされない。


「変わらない毎日に頼みになんてねぇよ。もっとゾクゾクする命を賭けた賭けがやりてぇぜ」


 それでもこの渇きを埋める方法が分からなかった男はグラスに入った度数の高い酒を胃にかっ込む。

 胃は熱くなるが心は冷える。

 気分を変える為に温かい飯でも食うか。

 そんなオーダーを頼むために手を上げようとした、その時だった。


「店主よ、邪魔をするぞ」


 そこにやって来たのは皇族の中でも次代の皇帝として最有力視されていた人物。

 欲望のおもむくまま全てを欲する皇族。

 マリアンヌの父でもある若き日のグローリー・ディ・ファンデシベルであった。



閲覧ありがとうございました(`・ω・´)ゞどうですか?色んな考察が捗ったでしょw今まで私が書いたお話の色んな部分の謎が解けるお話です♪

ではまた次回お会いしましょう♪(^_^)/~





ちょっと前の事になりますがくら寿司に行きました。

くら寿司の株を買っていて優待でタダ飯を食いに行ったのですが、みんな知ってる?「くらだんごずんだクリーム」なる串団子を。

まぁ私は無料だから試しに食べてみたんだけど……あれヤバイw口がとろけるww思わず美味しすぎて笑ったもん(*`艸´)ウシシシ

私は寿司はスシロー派なんだけど、デザートはくら寿司派になっちまうかもしれんwくら寿司が万博に出店するのを聞いてちょっと前に買ってたけど、これは買って正解だった株だったね(^^♪今後はデザートを食うために私はくら寿司に行くぞい( ^^) _旦~~

皆も超~オススメだから無くなる前に1回食ってみ!マジで飛ぶぜww

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― 新着の感想 ―
まさかの過去編!!急に雰囲気が変わりましたね! ある男が誰か気になります!!次の話で誰かわかるかな? 続きが楽しみです(≧▽≦)
まさかのカーナ劇場のお預けからの過去編ww。 若き日の現皇帝グローリーの華麗なる暴虐かな笑。 『欲望の赴くまま全てを欲する皇族』 この一文から判る、マリアンヌ様と同じ性質w。やっぱり同族嫌悪というか…
更新待ってました! この作品全体の感想なんですが、なんで小説化してないのか疑問なほど面白いです!これからも更新楽しみにしてます!
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