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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第10章】 表と裏の2つの部隊(表)

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12 チラつく銀色の影(2)

クリックありがとうございます♪久しぶりにGUに行ったら、欲しかったGU×プレイステーションのコラボ服を発見してウキウキで購入したひとりぼっちの桜ですwまさか去年の年末に発売したやつがラスト1着しかもサイズが私のサイズであるLが残っているとは…運命かな?

白い生地、背中に大きく『PlayStation』これは…最高か?

皆さんもGUに行ったら探してみてね♪




さて今回のお話ですが、ページ数が原稿用紙12ページ超えちゃったwでもどうしても、今回のラストは皆さんに一気に見てもらいたいからそのままアップします(>_<)文字数的には8千文字超えちゃったけど、ゆっくりでもいいので最後まで読んで頂けると嬉しいです。

では今回、皆様のマリアンヌへの疑惑を晴らすために書いたお話もどうぞお楽しみくださいませ~~(^^♪



「私が左大臣様から聞いた話ですと、確か…星の巡り合せが今日じゃないと悪いとか、という感じの事を言われておりました」

「え?すまないが、今、なんと?」

「星の巡り合せが悪い、であります」


 あまりの衝撃的な言葉に大英雄クルウェイの声が動揺して震える。


「え?ほ、星の巡り? 星の、、あ~そ、そう…そうか。それならば仕方ないか」


 星の巡りって何だ?

 マリアンヌはそんな運命論者だったか?

 そんな事を気にするタイプだったか?

 もっと運命などとは真逆の理路整然とした現実主義者だと思っていたのだが。。


 そんな事を思いながらもあまりの事態に動揺を隠せないクルウェイ。

 どんどんと進む話に付いていけず、「あ~疲れたな~」と首を傾け、ポキポキと音を鳴らしているカーナに視線を向ける。


「カーナ、つかぬ事を聞きたいのだが。マリアンヌ皇女殿下はそういった…あの…星の巡り合せなど占星術、占いのたぐいを気にされる方なのか?」


 問われたカーナは思い返す時間を必要としない速度で首を横にした。


「いえ、私の知る限りそういった占い的なものは嫌ってらっしゃいましたけど。でもマリアンヌ様が言われるなら星の巡りは大切な事なはずです。実際、ほら、今日晴れてますし」

「まぁ確かに…晴れてはいるな」


 マリアンヌが言うなら正しい。

 この一言には非常に強い力があった。

 なぜならマリアンヌは皇族なのだから。

 皇神教の敬虔な信者では無いが、この国にいる1人として、近衛騎士という権力を持つものとしてクルウェイはここは黙るしかない。

 星の巡りと天気の関係性について考えながら。


 そんな中、近衛騎士の中ではカーナに次いで新参者の元傭兵ノズルは首を傾げる。


「じゃあ囚人の死刑日を早めたらいいんじゃねぇのか?」

「ええ、左大臣も最初そう言っておられたであります」

「なら、なんでしなかったよ?」

「そう言われた左大臣にマリアンヌ皇女殿下は『カーナの晴れ舞台の前に囚人の死刑など縁起が悪い!カーナの叙任式の後にしろ!』と、仰られまして…」

「それはまぁ…なるほどな。分からんでもない理由だな」


 確かに女性初の近衛騎士、その晴れ舞台の前に囚人の処刑は縁起が悪い。

 1週間前だろうが2週間前だろうが気分は良くないだろう。

 マリアンヌが怒るのも頷ける。

 少なくともさっきの星の巡りとやらよりはだいぶ納得出来る回答である。


「マリアンヌ様…私の為にそこまで気を使って頂けていたとは…」


 自分の知らない所で行なわれていた主人の気遣いを知り、感動のあまり目に涙を溜めて今にも溢れ出しそうになるカーナ。

 それを横目に監獄長は今日という日がカーナ・マキシマムの叙任式が重なった事を呪わずにはいられなかった。


「本来ならここの看守たちの数がそこまで減ることは無かったのですが、マリアンヌ様のご要望でカーナ卿の式典の規模が大きくなった事で私を含めた魔道具持ちの副監獄長と、もう1人、そして警備に特化した実力者から順に人員が割かれまして…」

「それでも午後には土壁が地下への道が塞がれていたから安心だと思っていたと」

「…はい」

「魔道具使いは?」


 グロエは問う。


「この監獄にはあなたと副監獄長以外にも魔道具の使い手が複数人居るはずです、確か全部で5~6名居たはず」

「はい、この地下監獄には魔道具使いは6名いました。ですがその殆どは警備に」

「風の噂で2人組みで戦闘能力もある相当優秀な拷問官がこの地下牢獄に居ると聞いた事があります。加えて拷問官であれば今日の式典の警備には参加していませんよね?…その人たちはどこに?」


 そう問われて気まずそうに監獄長は額に手を当てる。


「名無し兄妹の事ですね。確かに彼らは性格には多少問題がありましたが、拷問官としては超一流、しかも戦闘能力だけじゃなく頭も切れます、彼らが居ればこのような事にはなってなかったかもしれません」

「居れば…?」

「おい、ちょっと待てよグロエ、名無し兄妹ってなんだ?そいつらには名が無いのか?」


 話の腰を折る様に興味津々のノズルが問うとグロエが少し眉間にシワを寄せて言った。


「名無しとは貧民街出身者の蔑称べっしょうですよ」

「貧民街なんてこの国にあったけか?」


 ノズルが傭兵を辞めてプルートに来たのは3年ほど前。プルートという国はもう殆ど知っているはずなのに、彼には貧民街なる場所に心当たりは無かった。


「いえ、もう今はありません。この地下牢獄がある辺一帯の地区が以前そうだったのですが10数年前に無くなりました。ですが貧民街出身者は戦争孤児も多く親も無く名も無い事が通常でしたので、そこの出身者は未だに”名無し”と呼ばれるのです」

「へ~お国の為に死んだ親から生まれた子供に名無しという名称をプレゼントね~最高に粋な国だな。で、その名無し兄妹は今日ここに居なかったのか?」

「彼らは少し前にここを辞めました」

「辞めた?」

「少し前にカーナ卿にし抱えられました」


 ここで近衛騎士全員の目がカーナに向いた。

 だが、当の本人は…。


「ふぇ?」


 まったく何も知らない、知らされてない彼女はきょとんとした表情をしている。


 実際はカラスのボスは既にカーナからヤンに完全に移行しているので、カーナが新加入のカラスの情報を知らされていないとしてもなんら不自然ではないのだが、カーナがそこまで頭が回るかというとそうではなかった。

 故に彼女は目を点にするしかないのだ。


 一瞬の沈黙の後、カーナは困惑しながらも小さく心の中で呟く。


”これはマリアンヌ様の何らかの策でしょうか?”


 ただ単に式典の事前の練習が大変そうで知らされていないだけなのに、カーナは深読みし、自分に何が出来るか考える。

 今、マリアンヌはいない。

 だからこそ彼女の脳細胞は未だかつて無いほどに高回転をし始めた。


「元からあの兄妹はマリアンヌ皇女殿下を崇拝しておりましたので、カーナ卿からの申し出があったその日に止める間もなく喜んでここを出て行きました」

「おい、カーナ。そうなのか?」


 しかし高回転しようとしている最中、カーナの脳細胞を現実に引き戻すノズルの力強い声。

 それによって思考は急停止する。

 そして一度止まればカーナの脳細胞は再び動き出すまでに時間を要するのだ。

 故にとりあえず口を開く。

 そして何か喋る。


「え?あ…はい」

「カーナ卿、あなたは確か金貨500枚と屋敷に仕える使用人、領土を放棄し、代わりに皇帝陛下から魔道具と魔道具使い2名を頂戴する事になったんですよね?」

「え~~、はい、そうなり…ますね。はい」

「そして、その魔道具使い2名がここの監獄に居た人間という事ですか?」

「え~?とぉ、、」


 最早、脳細胞は限界に達していた。

 だから彼女は懸命に言葉を捜し胸を張ってドンと構えた。


「ええ!思い出しました!あの2人兄弟ね!兄と弟、すごく優秀だったのでずっと前から私の部隊に欲しかったのです!いや~素晴らしい2人です!」


 今、この場を乗り越えられればそれでいい!

 後の事は後の私が考えればいいのだ!


 カーナは全力で話に乗る事にした。

 だが監獄長は申し訳無さそうに首をすくめた。


「すいません。兄と弟ではなく、兄と妹です」

「あっ、そっちの兄妹ですか」


 鉄格子に背を預けていたノズルがポンとカーナの肩に手を置くのであった。


「強がらずに、知らないなら知らないって言った方がいいぞ」


 うるさいよ!

 強がって無いよ!

 こっちは必死にマリアンヌ様の為に考えているんだよ!


 グロエはそんなカーナの反応を見ながら冷静に自身の考えを述べる。


「おそらくマリアンヌ皇女殿下のお考えで、後からカーナの部隊に配属されるか、マリアンヌ様の暗殺部隊でしたか。アレに配属されているのでしょう」

「いや、あの!」

「なぜ当の本人であるカーナに知らされてないんだ?」

「その説明が必要ですか?ノズル卿」


 冷たい視線がカーナに向けられる。

 カーナはアワアワと焦り散らかしていた。

 近衛たちは各々納得する。


「まぁ式典あったから仕方ないか」

「ああ、カーナだからな」

「お嬢ちゃんだもんだ」


 次々と白日はくじつの下にさらされていくマリアンヌ陣営の情報。

 既にグロエと同じ答えに行き着いていたクルウェイが話を纏める。


「カーナの脳細胞のキャパシティーを考慮すれば、要らない情報を過度に与えて式典で大ポカをされるのを防ぎたかったという所だろう。皇帝陛下や来客が大勢いる前で失態などそれこそマリアンヌ様の顔に泥を塗るようなものだろうしな。そして、そもそも言っても仕方ないと思ったのだろう」

「いや!あのですね!」

「と言う事は、団長のお考えでは拷問官の2人は…」

「おそらく2名は暗殺部隊の方に配属されたのだろう」

「だから!あのちょっと!」

「なるほど。元拷問官、暗殺部隊、しっくりきますね」


 あくまで勘なのですが…

 この2人が言っている事、たぶん当たりです。


 万策尽きたと、我が身の不幸を嘆きつつ、カーナは力なくうつむいた。


「………」


 マリアンヌ様、私の力が足らないばかりに申し訳ございません。

 私では情報は守りきれないようです。

 無念です。

 もう、コイツら全員を殺して埋めるしか情報を秘匿ひとくする方法が思いつかないです。


「つまり当時の監獄内は魔道具使いも居らず、あなたを含め優秀な看守たちはカーナ卿の式典に行っていた。ここの看守たちは必要最低限しか居なかったと」

「はい。繰り返しになりますが確かにあの兄妹が居ればこんな事にはなっていなかったかと。魔道具を持った拷問官はもう1人居ますが彼は戦闘能力は決して高くありません、それに引き換えあの名無し兄妹は拷問官とは思えないほどの戦闘能力を有していました」

「つまり脱獄時にこの地下牢獄に居た魔道具使いはたったの1人か」

「はい。ですが彼は名無し兄妹と比べると戦闘能力は高くない、、主席拷問官なので能力は誰よりも拷問向きなのですが」

「因みに拷問官の3名の能力は…言えませんよね?」


 グロエの視線を受けて監獄長は申し訳無さそうに肩をすくめる。


「はい、出来ればご容赦頂きたいです。もちろん絶対にその情報がサボン確保に必要ならお答えしますが、看守の魔道具ならともかく、拷問官の能力はこの国にとって機密性が高いので」


 監獄長がここで言うサボン確保に必要なら答えるというのは、つまり拷問官達の魔道具がサボン脱獄と関係あると今ここで証明しろという意味である。

 出来るわけがない。

 証拠はおろか、ヒントすら1つもここには残っていなかったのだから。


「その関連性を証明するのは厳しいですね」


 拷問というのはその性質上、拷問官の情報を知られるわけにはいかない。

 もしこちらがどんな拷問をするかを先に知られたら対策を取られる可能性がある。

 対策を取られ、情報を引き出せなかったらそれはイコール国益の損失。

 拷問官の魔道具情報とは国家機密に匹敵するのだ。

 だからこそ監獄長は言わない。


「グロエ、諦めろ。国益に損害を与えかねない」


 もしも脱獄に適した魔道具を拷問官の誰かが持っていたなら、そこを切り口に推理できるかも。

 という、そんな淡いグロエの希望は完全についえた。


「…はい、クルウェイ団長。監獄長も無理を言ってすまないな」

「ご理解頂きありがとうございます」


 グロエも魔道具の情報がどれだけ大事か、それは分かっていた。

 だからちょっとでも情報が欲しかったが諦めた。

 でも、そんな折、今まで話に入ってこなかったフミナガが口を開いた。


「ちょっと待ちなよ御三方おさんかた


 やる気の無さそうな声に口元には不適な笑みが浮かんでいる。


「この監獄に現在在籍している奴らはその魔道具の性質を秘匿されるべきなのかもしれないが、既に離脱している奴らは別だろうに?」

「何が言いたいんだ?フミナガ」

「いや、なにクルウェイ、俺はこう言いてーわけなんだよ。お嬢ちゃんの部下である名無し兄妹だっけか?そいつらは今はお嬢ちゃんの部下なんだろ?じゃあ直属の上官であるお嬢ちゃんの許可さえあれば、魔道具の性質を教えても問題無い。違うか?監獄長殿」

「それは…まぁ、形式上はそうですが…」


 戸惑いながら同意する監獄長。

 フミナガは続けた。


「どうだろう、女性初の近衛騎士に任命されたカーナ・マキシマム卿。ここは1つ、主であるマリアンヌ皇女殿下の無実を証明する為にも許可してくれねぇか?」


 いつものやる気の無い口調の中に垣間見える攻撃性。

 カーナと1対1で戦えなかったフラストレーションが今尚堪っているのは明らかであった。

 だがそんなフミナガから向けられる敵意よりもカーナにとっては急に出てきたマリアンヌという名称の方が驚愕に値した。


 カーナの表情が徐々にぼんやりしたものから変わっていく。


「えっ!?マリアンヌ様って疑われているんですか!?」


 そして視線は近衛たちに向いた。

 表情に焦りの色が出たのは少しの疑惑を持っていたグロエ、そしてクルウェイ。


「えっ!?いえ!そ、そんな!滅相も無いですよ!!」

「………」


 焦り慌てるグロエの近くで少しの沈黙後、クルウェイは鋭い瞳をフミナガに向ける。


「フミナガ、この国で皇族に歯向かうというのは神につばを吐く事と同意だ。はっきり言おう、死という痛みを伴う。カーナをからかう為にやっているのだろうが、例えお前でも皇族を疑うというのなら冗談ではすまなくなるぞ。最悪、貴様の本国が滅ぶ可能性すらある発言だ」


 人を押し潰してしまいそうなほどの圧を感じる。

 それだけ本当のこと。

 危険な発言と言う意味であろう。


 だがフミナガは飄々と椅子に腰掛けると、


「話をすり替えるなよクルウェイ。俺が疑ってるんじゃないだろ?」


 そのやる気の無さそうな瞳は気圧される事なくクルウェイとグロエを捕らえて離さない。


「俺みたいな馬鹿に推理なんて上等なもんは出来ねぇわな、だがそんな俺でもお前達が皇女殿下を疑っている事ぐらい分かるぞ」

「そうなんですか!?」


 マリアンヌ様がそんな事をするはずがない!という気持ちで声を高めるカーナ。

 再びクルウェイとグロエは言葉に詰まる。


「………ぬぅ」

「え、いや、そんな事は無いですよ、カーナ卿。それにもし!もしも!ですが。この件にマリアンヌ皇女殿下が関与していたのならば、それは神である皇族が必要だから行なった事柄で我々が罰して良い事では無いですし。。それに…そう!脱獄を手助けなんてしなくても、直接皇帝陛下にお頼みすれば済む問題です!」

「皇族であるプロフェン様は息子2名失ってる、交渉でどうにもならないと思ったんじゃね~のか?なぁ?グロエ?」

「それは!…マリアンヌ皇女殿下なら交渉で…なんとでも!」

 

 脱獄の手引きなどしなくても皇族なら皇帝と交渉して免責させられると言うグロエ。

 交渉した所で当の被害者であるプロフェンが許さないと言うフミナガ。

 若干フミナガが優勢な空気が漂っていた。

 そんな中でも「これ以上、喋るな」というクルウェイとグロエの意を介さないフミナガはカーナに視線を向ける。


「な、不安だろ?お嬢ちゃん。だから俺はマリアンヌ皇女殿下の一番の忠臣として主の疑いを晴らしてみてはどうか?って言ってんだよ」


 口元を上手く隠し、フミナガが声を殺して笑っている。

 カーナは思う。


「………」


 確かにマリアンヌ様の一番の忠臣の私がここで何も行動を起こさないのは神に対する冒涜ではないか?

 晴らさねば、この疑い。

 こいつの態度はムカつくし。


「大した実力も無いのに副団長をされているフミナガさんのいわれの無い濡れ衣。そこまで言われるなら、晴らしてさしあげましょう。まぁ別に兄妹の魔道具の性能ぐらい教えても全く問題無いと思いまー」

「ちょっと待てよ、カーナ、副団長」


 ノズルの大きくゴツイ手がカーナの肩に触れる。

 そして声が僅かに小さくなり、言葉を選ぶように語り掛けてくる。


「おい、カーナ、ちゃんと考えてものを言っているのか?分からないなら止めておいた方がいいぞ」

「え?いいんじゃないですか?」


 魔道具の能力ぐらい知られた所で何の問題があるのか分からない。

 そもそも武器に頼るという根性がもうダメだろ。

 魔道具なんて大層な呼び方をされてはいるが、武器なんて所詮は道具、破壊されれば終わり。

 大切なのは道具じゃない。

 最終的に頼れるのは鍛え抜かれた己の肉体と任務を全うするという鋼の心だ。

 どんな強力な能力の魔道具であったとしても、知られて戦闘能力が落ちる程度なのであれば、それはそもそもマリアンヌ様の力になれないゴミという事だ。

 ゴミを間引くという意味ではここで知られた方が良いまである。

 そしてここで何よりも一番大切なのは根も葉もない空論くうろんでマリアンヌ様に濡れ衣を着せようとしてくるこのうつけ、フミナガにマリアンヌ様の完全なる無罪を証明する事。


「別に問題ないですよ。監獄長さん、どうぞ」


 自信満々に胸を張るカーナ。

 嫌な予感がすると不安そうに見ているノズル。


「まぁカーナ卿がそこまで仰られるなら…」


 と、監獄長が言うとまず名無し兄妹の兄の方の魔道具の性能を語りだした。


「兄の能力は人間の身体に時限性の爆弾を取り付けてタイマーが0になったら爆発するという能力です」


 それを聞いてグロエ、キューリが能力に対しての見解を述べる。


「殺傷性が強い能力ですね」

「人体に直接と考えるとほぼ即死って所であるか」


 頷く監獄長。


「はい、グロエ卿とキューリ卿が仰られるとおり非常に殺傷能力は高いであります。ただし、爆弾の取り付け方が少し特殊でありまして。。指先に付けた爪のような魔道具の尖端から出てくる特殊な液で人体に直接魔方陣と何秒で爆発するかのタイマーを書かないといけないので戦闘中に使用する事はほぼ不可能であります」


「確かにそれは戦闘中には出来ない芸当ですね」

「そんな悠長な時間が戦闘中には訪れぬ」


「兄の方はその能力を持って凶悪犯への拷問に日々臨んでいたであります。いえ、実際には拷問にすらならなかったと言うほうが良いでしょうか。。爆弾を取り付けられた凶悪犯たちはそのカウントダウンが0に近づいていくにつれ、怯え、恐怖し、自然と情報を話しておりました」


 あくまで拷問官としての優秀さを語る監獄長。


「なるほど、そういう使い方であるか。うむ、どれだけ凶悪な犯罪者だろうがカウントダウンと共に口を割る姿が目に浮かぶであるな」

「拷問前に1人適当に目の前で爆殺させれば大抵の犯罪者は喋るでしょうね」


 そして監獄長はもう1人の名無し兄妹の説明を、


「妹の能力は…」


 だがそこで言いよどむ監獄長。

 少し変な空気が場に漂う。

 やがて意を決したように口が開かれる。


「彼女の魔道具は仮面であります。。」


 監獄長が手に持つランタンの火が薄暗い地下牢でゆらりと揺れる。


「のっぺらぼうのような不気味な仮面なのですが、その仮面を手に持った状態で人間の顔に触れる、すると仮面がその人物の顔になるであります、そしてそれを被れば顔、体格、声すらもなりたい人間と瓜二つになるであります。。自由自在に姿を変えられる魔道具。彼女はそれを…」


 地下牢でその言葉は低く反響し、耳の奥に絡みついた。


百面相ひゃくめんそうの仮面と呼んでおりました」



閲覧ありがとうございました(`・v・´)ゞ…ん?どうしたの皆?なぜ犯罪者を見るような目でマリアンヌを見てくるんだい(・n・??さ、先に言っておきますが、そういういわれのない決めつけ捜査が冤罪事件を生むんですよ!(゜Д゜;)!推定無罪の原則って知ってる!?状況証拠だけで犯人を決めるのは危険な行為ですよ(;''∀'')!疑わしきは被告人の利益ですよ!


ではまた次回お会いしましょう♪ヽ(´・ω・`ヽ)バイにゃ~♪






皆さん、私はまた見つけちまったよ(=_=)ぶっ飛んじまう例アレを…..( = =) トオイメ


皆さんも知っての通り最近私はYouTubeでボイスコミックを漁って悦に入っているわけだけど、凄いの見つけちゃったよw

KADOKAWAが公式で出してるんだけど「志乃と恋」という作品のボイスコミック。。これ…ヤバイw

私の好きな百合作品なんだけど、、皆、聞いたらぶっ飛んじまうぜww

てか、私この作品全部買うかもしれんぐらい好きだわ(笑)

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― 新着の感想 ―
カーナ、情報は大事なんだよ… 情報はとっても大事… マリアンヌがこのこと知ったら怒り狂いそう… 恐ろしいことになる… ༼⁰o⁰;༽コワイ これから更にマリアンヌがカーナに重要なことを言わなくなるなw …
今回、カーナさんが知恵熱で思考がショートしそうだね笑。 嗚呼~…。カーナさんが、後でマリアンヌ様から叱られる未来しか見えないよ…笑。 皇帝の座を狙うマリアンヌ様にとって、将来の障害になる現皇帝の近衛…
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