07 地下通路と戦力外通告は突然に
クリックありがとうございます♪新年あけましておめでとうございます。今年の抱負は料理のレパートリーを増やしたいひとりぼっちの桜ですwやっぱり、慣れてくると似たような料理ばっかり作っちゃうんですよねwだから攻めた料理を作りたいですね(*^^*)ビーフストロガノフ…とか( ´艸`)
さて今回のお話ですが、ページ数が原稿用紙10ページ近くになっちゃいました(>_<)まぁ正確に言うと9ページ半ぐらいなのですがねw
ちょっと多いけど最後まで読んで頂けると嬉しいです(^^♪
ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ~。
黄金シリーズの魔道具。
世界的にも10にも満たない個数しか発見されていない貴重な魔道具を指す。
大陸において一番魔道具を保有しているプルートという超大国でも、その希少な黄金の魔道具の保有数はたったの4個。
魔道具という物自体、手にした者に強力な力を与える。
しかし、黄金シリーズと呼ばれる魔道具は更にそれの上を行く存在である。
手にした者には無条件に通常の魔道具を大きく越える奇跡を与える。
ここで1つ例え話をしよう。
通常の魔道具という存在が兵士の力を3倍にする力があったとしよう、兵士の力が10なら魔道具を持ったその兵士は30の力を手にする事になる。
ではここで魔道具を持ってはいないが50の力を持っている兵士と戦ったなら?
そう、魔道具を持っている兵士が負けてしまうのだ。
実際は能力なんて数値化できるものではないのでそれだけで勝負が決まるわけではないが、要はどれだけ強い魔道具であったとしても兵士の力量が低かったら魔道具を持っていない兵士にも勝てないという事だ。
だが黄金シリーズは別だ。
簡単に言うと黄金シリーズは単純な足し算なのだ。
10の戦力を持った兵士、しかし黄金シリーズの魔道具は使い手の力量など無視するように無条件でまず100の力を与える。
それに先ほどの魔道具を持たない50の兵士が挑んだら…?
使い手が凡愚だろうがズブの素人だろうが関係ない。
ある意味、使えた瞬間に誰にでも平等に驚異的な力を与えるのが黄金シリーズ。
しかも黄金シリーズとは言え、魔道具には変わりないわけだから普通の魔道具と同様に先ほどで例えるなら100を足した後に3倍の力を与える事もあるだろう。
そうなった時の戦闘能力を考えると普通の魔道具と黄金シリーズと呼ばれる魔道具がどれほど違うのか分かるであろう。
どれだけ黄金の魔道具が特別かという事も。。
だが、だからと言って黄金シリーズが、普通の魔道具に絶対に勝てないというわけではない。
カーナのように個人の基本スペックも高く、その魔道具と異常なほど親和性が高くて、戦闘能力を何十倍にも高める例外的なもある。
しかし、そんなイレギュラーな事態を除けば得られる単純な恩恵という意味では黄金シリーズの方が圧倒的に上であろう。
ただし、黄金シリーズの魔道具には欠点もある。
適合者が極端に少ないのだ。
黄金シリーズの保有国に住む国民全員、草の根を捜してもなお誰も適合しないなんてケースもしばしば。
しかし、だからといって敵に使われたらマズイ。
持ち出しのリスクが大きすぎる。
下手をすれば国力にすら影響を及ぼす。
故にこのプルートにおいても何十年も倉庫に隠されるように置かれ続けるケースが最も多いのだ。
他国においても基本は同じ扱い、何年も何年も倉庫に仕舞われるケースが多い。
しかし使えたならば多大な恩恵を得る。
それがこの世界における黄金シリーズの魔道具である。
× ×
巨大な大穴の前に立つ副監獄長と呼ばれた男。
年の頃はカーナと同じく20ぐらい。
パッと見、新兵、好青年のような外見の彼。
超大国プルートの副監獄長という立場と権限を考慮すれば相当に若いが、彼の腕に付けられた黄金の腕輪が彼が副監獄長である事をこれ以上なく証明していた。
「副監獄長、私がここを出てから数分であったが誰も通していないな?」
「ハッ!もちろんです!蟻1匹も通しておりません!」
「よろしい、では私たちはサボンの居た独房に向かう。君は再び土壁を形成しておくように」
「ハッ!了解しました!」
監獄長の命令通り副監獄長はカーナたち近衛が通過、それを確認すると黄金の腕輪を付けた手を地面へ。
すると巨大な洞窟の穴が再び閉じられていく。
そしてほんの数秒で大穴は強固な土壁となった。
「では皆さんこちらへ。カーナ卿、お話の途中になってしまいましたが、この監獄が難攻不落の理由は分かっていただけましたか?」
論より証拠。
目の前でこれ以上、説明不要な状況を見せ付けられたカーナ。
奥に進んでいくと外はまだ昼頃だというのに背後に土壁が出入り口を塞いだせいで光が断絶、現在この地下路通路は暗闇の中に松明の灯りだけが等間隔で揺れている。
歩きながらそんな背後の壁の前で立っている副監獄長をチラッと見ると言った。
「触れるだけで土を操る魔道具ですか?」
「はい、その通りです。彼が居なければ、いえ、あの魔道具が無ければこの監獄から脱する事は出来ません」
「なるほど、確かにここは難攻不落の監獄ですね」
触れるだけで土を操る。
使い手の錬度にもよるが下手をすれば地面すら操る可能性もある魔道具。
「クルウェイさんと同等クラスの強力な魔道具ですか。。しかもあの副監獄長の男性、相当な使い手ですよね?たぶんあなたと同じぐらい、いや、あなたよりちょっと弱いでしょうか?あの歳で大したものです」
「軽く立ち姿を見ただけでお分かりになられるでありますか?」
この監獄長の質問の意味は、副監獄長は表立って戦った記録は無いのでなんでそう思うのかという意味であったが、カーナは平然と答える。
「え?まぁ…そりゃ…立ち姿を見れば何となく分かりますが」
「っ!?ああ、流石は近衛騎士の方々というわけでありますね!」
それを聞いてノズルが苦笑う。
「監獄長、間違ってもこれが近衛の普通だと思ってくれるなよ。足運びとか多少動きを見ればある程度の力量は分かるが、立っているだけで正確に力量を測れる奴はコイツぐらいだよ。なぁ?団長」
「自分は監獄長を含む副監獄長の実力を事前に知っていたが…。だがもしも知っていなかったと仮定するなら、立ち姿だけでカーナほど正確に力量を測れなかっただろうな」
「な?監獄長、これがうちのカーナだ」
「やめてください。あなたたちのじゃないです」
地下通路は地下特有の少し冷たい空気が帯びていた。
また地上階とは違い、通路自体は広いのだが非常に複雑な造りであり、数多くの通路が蛇のように交差し、同じ通路を繰り返し通っているのではないかと錯覚を催してくる。
「こちらです」
大きな洞窟のような通路。
頭上が高いこともあり自分たちの声や足音が曲がりくねった通路に響いていく。
「この地下通路、横幅、縦幅共に随分大きいですがこんなにも大きい必要があるのですか?」
「はい。それはこの通路を荷車が通ることもあるのでこのサイズ感が必要なのであります」
「荷車…ですか?」
「私たちが使う備品、囚人たちの備品、はたまた囚人たちの食事を運ぶにも荷車を利用して地上階から運ぶのであります」
「あ~なるほど」
「次はこちらです」
監獄長の案内が無かったらとっくに迷っていただろう地下通路。
カーナは言う。
「まるで迷路ですね」
「ええ、ここの勤務が決まった人間がまず覚えるのは作業内容ではなくこの地下通路の図面を暗記する事であります」
そして歩く事、数分。
いくつかの左右を選ぶ道を進んだ先、十字路に行きついた。
立ち止まる一団。
右の道は緩やかな上り坂、中央の道は平坦、左は緩やかな下り坂。
カーナが気配を探るように通路の先に目をやる。
そして自然と開く口。
「左右の道の奥に相当人数が居ますね。右の通路の先の方が人の数は多いけど、左の通路の先の方が強い人が多そうな気がします。中央は…強そうな人は居ますが数人って所でしょうか?」
勘で言っているとは到底思えない確信を持った言葉であった。
その言葉に近衛5名もそうだが、何より案内役の監獄長が一瞬だけ固まる。
「驚きました、その通りですカーナ卿。右の道が軽微な犯罪を起こした死刑囚以外が収容されている場所に続いています、この地下牢獄で一番広い空間になります。中央の道は拷問室に続いています、現在居るのは拷問官でしょう。そして左の道が死刑が確定している凶悪犯が収容されている牢に続く道となっているであります」
ノズルが「マジかよ」と呟く。
「何で見てもいねぇのに、そんなに的確に分かったんだよ?カーナ」
「何でって…空気感で分かるでしょ?普通」
ふん、っと、さも平然と答えるカーナ。
「空気感…」
さっきの副監獄長の実力を立ち姿だけで判断した事といい、明らかに普通とはかけ離れた異常な発言。
それは実力者になればなるほど分かるカーナの異常性。
「空気感か…」
カーナ同様、暗闇の先に目をやるノズル。
眉をしかめて洞窟の奥に目を走らせる。
不安を煽る暗闇の先、しかし何も感じられない。
「分かんねぇ」
ノズル以外の流石に近衛たちもカーナの異常さを感じ取っている。
グロエがクルウェイに顔を向けた。
「団長、これは」
「だから言っただろう?自分は天才じゃないと。本物の天才はこういう者を言うと」
「フミナガ、お主なら感じ取れるか?」
「ふぁ~あ、無理だな。ある程度近づけば気配で感じ取れるが、ここからまだ結構な距離があるんだろうよ。まったく何も感じん」
近衛たちは次々に肩をすくめて諦める。
そして、暫しの沈黙があった。
やがて監獄長は下る左の道に手向ける。
「皆様、サボンが捕らえられていたのはこちらになります」
一行は凶悪犯が収容されている左の道へ。
地上階から地下へと向かう時と同じような緩やかな下り坂。
だがあの通路よりも暗く怪しく不気味な下り坂。
怪しく揺れる赤い灯りも不気味さを更に演出していた。
「ここに収監されているのは死刑が確定している重罪犯のみ。軽微犯たちの房と違って死刑囚達の房は全て独房の形式を取っているであります」
「まぁ死刑囚って言うぐらいだから血の気が多そうな奴が多そうだしな」
開ける視界。
監獄長の言った通り緩やかな下り坂を進んだ先にはいくつもの独房が軒を連ねていた。
そしてその空間に入った瞬間、鉄格子の中から向けられるのは肌にひりつくような殺意の篭った視線の数々。
それは鎖に繋がれながらも衰えない憎しみ、怒り、腕っぷしの強そうな囚人たちであった。
こ気に引いたように青ざめて視線を落とした。
「んだぁ?てめぇら~喧嘩売ってんのか?」
「ノズル卿、止めて下さい。輩のような発言をすると私たち近衛の品位が損なわれる。今はもう傭兵ではなく誇り高い近衛の一員という事を忘れないようにしてください」
「ふぁ~あ、眠ぃ~。弱者どもしか居ない場所で俺に何をしろと」
「フミナガ、我輩たちがここに居る事に意味があるのだ」
「…どんな意味よ?」
「それは知らん!」
「カラスのメンバーも以前はここに居たのでしょうか?」
「何か、言いましたか?カーナ卿」
「いえ!別に!」
のどかな会話とは真逆に震え上がる死刑囚達。
圧倒的強者ゆえなのか凶悪犯に対しても全く緊張感の無いメンバーを横目にクルウェイは監獄長に視線を向ける。
「監獄長、まだ先なのか?」
「サボンは皇族の方を狙った最重要凶悪犯です。この先、一番奥の牢になります」
暗く、揺れる赤い灯りの先に最奥。
そこにポツーンとある牢。
その大きな鉄格子の扉は半開きになっていた。
「あの牢です」
「監獄長、一応、牢に入る前に聞いておきますが、中の物には触りました?」
「いえ、私たちが半開きになった扉を確認して中を見回して、その後は監獄内の捜索に順次しておりましたので殆どそのままのはずであります」
「よろしい」
近衛たちは脱獄した大男の牢に入っていく。
監獄らしい錆びた鉄の匂いに混ざって新品の椅子と机、ベッドの匂い。
地面にはゴツイ錠が捨てられているように無造作に転がっている。
一番最後、カーナもキョロキョロとしながら牢屋の中へ。
彼女の目に映ったものは。
大き目のベット1つ、簡易的な椅子1つ、木製の机1つ、天井は割と高い、窓はもちろん無い、奥にはトイレがある、あと地面にでかい錠が転がっている。
「団長、何から調べますか?」
「そうだな、自分は室内を調べる。グロエ、お前は鉄格子を調べろ。でもその前に…」
皇族を襲うという凶行に及んだ最重要凶悪犯サボン。
この大きな牢の扉をギリギリ入れるかどうかという身長2メートルを軽く越え、体重は100キロを優に越えの大男。
そんな巨体の彼がいかにしてこの地下牢獄から姿を消したか、、
それを調べるために今から頭巡らせようとしているクルウェイとグロエの目に映るは、子供の社会見学のようにこれからやる目的も指針も分かっていない近衛騎士4名の姿であった。
「こんな事を言っては申し訳ないのですが、これだけ厳重な監獄、しかもその最奥の牢屋に入れて逃げられるなんて冷静に考えるとマヌケ過ぎな気がしてきますね」
「まぁそう言ってやるなよ、カーナ。にしてもここが牢の中か、結構広いな。快適そうだ」
「ええ、私の昔の住処より快適そうです」
「え?お前、今なんつった?」
「いえ、別に」
「ノズルよ、馬鹿は休み休み言え。ここの何処が快適なのだ?暗くてジメジメしていて気が滅入るというものよ。我輩たちには縁遠い掃溜めのような場所だ」
「ちょっとそれは言い過ぎじゃないですか」
「なぜ小娘が食って掛かってくるのだ?」
「いえ、別に…何となくですよ」
「この鉄格子、本気出したら切れそうだな。暇だし、やるか」
クルウェイは額を指先で押さえながら眉間にシワを寄せる。
そして4人の方を向いて言った。
「キューリ、ノズル、フミナガ、カーナはこの地下牢獄の中を捜索しろ」
「ええ、そうですね。30分ほどしたら帰ってきてください」
「「「え?」」」
既に現在、この地下牢獄の中は相当人数の看守たちが血眼になってサボンを探し回っている。
そこで戦闘あるならまだしも、牢獄の迷路のような地理に疎く右も左も分からない近衛4名が探す意味があるのだろうか?
いや、普通に考えたら無いだろう。
つまりクルウェイとグロエが言いたいこととは…、
「俺たち、体よくいらないからどっか行けって言われてねぇか?」
「気づくのが遅いぞノズル」
「だからよ~ここに来る意味なんて無いって思ったんだよ、俺は」
「私が来た意味って…」
彼らは入って間もない牢から回れ右して外に出て行く。
そして『フミナガ、キューリ』『ノズル、カーナ』の2人組みに別れて当ても無く牢獄内の探索と言う名の散歩を始めるのであった。
閲覧ありがとうございました(`・□・´)ゞ!
また次回お会いしましょう♪(^^)/
結論から申し上げますと…コロナ、大したこと無かったよw
親と比べて年が若かったからってのもあるかもしれないけど自力で治したわw持病持ちだからビクビクはしてたんだけどね(笑)
因みに私の発症は2日、熱が38度5分まで上がっていったから焦ってカロナールを服用(;´▽`A``寝て起きたら完治(∩´∀`)∩
3日、鼻が利かなくなる。非常に焦ったが(;´▽`A``寝て起きたら完治(∩´∀`)∩
4日、喉が痛いので焦って「のどぬーるスプレー」を使う(;´▽`A``寝て起きたら完治(∩´∀`)∩
5日以降…元気ですw
う~~ん、私に関してはどうやらコロナは寝て起きたら完治するらしいw
皆もコロナには気を付けてね、インフルエンザも流行ってるし、マスクは必須だぞ(*'▽')




