06 奈落の監獄
クリックありがとうございます♪一番好きな琴の曲は【天泣】のひとりぼっちの桜ですw
皆、天泣って知ってるかい?神曲だよ(^ω^)と言うか、なぜ急に私がお琴の事なんて言い出したか気になるでしょ??(・∀・)ニヤニヤ。
今YouTubeで「この音とまれ!」ってアニメが全話一気放送やってるの知ってる?
高校のお琴の部活青春物なんだけど、青春物の全てが詰まった作品なので年末、暇なら良かったら観てみてね(^^♪まぁ全26話だからえぐいけどね(笑)
忙しかったら第25話だけでもいいから見てみて!第25話のサブタイトルは…「天泣」ですのでww意味分かるよね??
ええ、この曲が鳴り終わった時、皆きっと泣いてるで(´;ω;`)ウゥゥ
晴れ渡った空に一粒の雨が落ちて、その後に現れる虹…。それが「天泣」です。
さて今回のお話ですが、今年最後のアップになります(T_T)
ページ数は原稿用紙8ページ、5千文字。
ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ。
監獄の場所はプルートの端、以前は貧民街と呼ばれていた場所にある。
だが、だからといって治安が悪いというわけではない。
むしろ真逆と言っていいだろう。
過去は貧民街。
現在の呼び名は特別区。
洗練された区画にはゴミ1つ落ちておらず、大きな教会や大きな病院、兵士たちの詰め所などもいくつもある事から騎士団の巡回も比較的頻繁に行なわれている。
ある意味、皇族たちが住む王城や離宮を除くと一番安心安全な場所と認識されている。
因みにカーナが昔通っていた忌むべきメイド学校もこの区画にある。
そんな特別区の一角に建造されたのが、プルートの誇る罪人収容所である。
「こちらになります」
目的地に到着した近衛騎士たちの目の前にあるのは、ぐるっと外周を取り囲む分厚い堅牢な壁。
その白い壁は高く、そして首を横に振れば遠くまで続いていた。
この塀の中に入る唯一の手段は、大きな鉄格子のような扉を抜けるしかない。
鉄格子の前には強面の兵士が2名が敬礼して立っている。
「この塀の先が監獄になります」
カーナはメイド学校時代に何度も塀の横を通った思い出を振り返りながら言った。
「あの馬鹿デカイ白い塀の奥にある建物、中は監獄だったのか…。デカイ鉄格子の隙間からチラっと中を見て、てっきり皇族の別荘の1つかと思っていました」
「何か言ったか?」
「いえ、この監獄から脱獄なんてどうやったのかと考えてました」
「あ~確かにな」
ワンチャン、マリアンヌ様の別荘の可能性もあるのでは?と思っていた過去は記憶の端に封じてしまいましょう。
「で、この鉄格子みたいな扉から入るんですよね?」
見上げるよな高い壁の前でカーナが兵士に尋ねる。
すると、
「皆様は少々お待ちください」
案内役の兵士が高高とそびえ立つ塀にある巨大な鉄格子、観音開きの扉を両手でグッと押して開けると中に入って行った。
そして2~3分ほど経って再び出てくる。
「すぐに監獄長が来られます!それでは私は治安維持部隊と合流して脱獄犯の捜索に向かうであります!それでは失礼いたします!!」
背筋をピンと伸ばし、元気良く敬礼して頭を下げる兵士。
そして壁を背にその場から離れようとした。
のだが、
「あの…あなた、私と会った事あります?」
「え?」
急に声をかけたのはカーナであった。
意外そうな表情をして振り返った兵士にカーナは続けて言った。
「いや、移動中、薄っすらですけど私の事を気にしている感じがしたので。なんて言うか…不満?みたいな視線が。だから私と知り合いか、どこかで会ったのかと思って」
訝しげな表情で出された問いに、少し焦ったような挙動をする兵士。
彼は気まずそうに視線を地面に落とす。
「いえ、申し訳ございません!女性初の近衛騎士という事で気にしてしまいました。ですがジロジロ見ては失礼かと思い視線は向けなかったのですが、気を害させてしまい申し訳ありません!」
「あ~なるほど、そうだったんですか。こちらこそ引き止めてすいません」
つまりは、女性の身で近衛になったカーナが気に入らなかった…と。
ノズルが居るから忘れていたが、この考えを持った人間がこのプルートには沢山居ると再認識したカーナ。
引き止めるんじゃなかったと少し後悔して視線を外す。
そしてノズルが眉間にシワを寄せて不満そうに睨む中、急いで逃げるように離れていく兵士。
案内役の兵士の言う通り時間はかからなかった、兵士が去るのと入れ替わるようにして唯一ある鋼鉄の扉から1人の騎士が出てきた。
「お待たせして申し訳ないであります!!」
扉から出てきた1人の騎士が高価な鎧に土が付くのも厭わない勢いで跪き頭を下げてくる。
その男は監獄を取り仕切る監獄長であった。
近衛騎士が”全員で”来ると分かって急いで迎えに来たのだ。
髪型は角張った角刈りでピシっと決まり、一切の着崩しを許さない看守帽、看守服。
平均的な背丈だが鍛え抜かれた肉体。
腰には魔道具の剣。
漂う雰囲気から相当な実力者であることが分かる。
彼はまずカーナを見るなり大声で謝罪する。
「カーナ卿に置かれましては!こんな晴れ舞台の日に、このような事態に巻き込んでしまい慙愧に耐えません!真に申し訳なく思っております!」
「え!?あ!私!?…いや、別に構わないですよ。気にしないでください。私、今日オフで暇なんで」
「おっ、文句言わねぇんだな。偉いぞ~♪ ってきり、『お前のせいでマリアンヌ様のもとに帰るのが遅れただろうが!』とかブチ切れるのかと思ったぜ」
ノズル卿、あなたは私のなんですか?
親か何かですか?
何目線で喋っているんですか?
「別に…そこまで怒るのも大人気ないと思っただけですよ」
嘘です。
必死に謝っている騎士さんの姿を見ていて、いつも謝っている自分を見ているようで可哀想で責めれないのです。
何てこと言えません。
「誰でもミスはします。ドンマイです」
「お気遣いありがとうございます。他の近衛の皆様にもこんな場所まで来て頂き、お手間を取らせてしまい申し訳ございません。まさか近衛騎士全員で来て頂けるとは…」
グロエは申し訳無さそうに謝罪してくる監獄長の言葉を遮る。
「我々に謝罪は結構、時間の無駄です。要点だけ纏めて聞かせてください。現在死刑囚が逃げているとの事ですが、なぜ逃げられたのですか?この地下牢獄には”アレ”があるはずです。逃げられるとは考えづらい」
グロエに続いて他の近衛たちも「あ~そう言えば」と追従した。
「あ~アレな」
「確かにアレがあって脱獄は厳しいな。俺でも無理だ」
「我輩なら何とかならんでは無いが、アレの突破は魔道具ありきの話ではあるな」
一方の真面目な表情で固まるカーナ。
「………」
アレって何?
何でみんな執拗にアレって言うの?
固有名称を使えよ。
これは新人いびりか?
続けるなら帰るぞ。
監獄長は目を伏せ、暗い表情を浮かべた。
「それが分からないのです。牢獄を統括する監獄長として断言できます、逃げられるはずが無いと。ですが…そのはずなのに…にも関わらず…消えたのです」
プルートの監獄は別名、奈落の監獄―プリズン・アビスと呼ばれ恐れられている。
プリズン・アビスは他国からも有名である。
一度収容されたら脱獄はまず不可能。
看守たちの錬度が一流、全員が騎士としても一流に加えて魔道具持ちも数人居る。
穴の無い24時間、万全の警備体制。
だがそれよりも何よりも、セキュリティー面が超一流なのだ。
この国、この監獄にしかないセキュリティー。
これがあるからこそ、このプルートにおいて犯罪者如きが脱獄なんてありえない。
「とりあえず中へ」
監獄長は腰に携えた魔道具の剣を揺らしながら監獄に近衛騎士6名を招きいれた。
鉄格子のような門を潜るとそこは綺麗に切り揃われている芝生が一面に敷き詰められていた。
日差しもあった事で寝転ぶと気持ち良さそう。
そして、そんな暖かな芝生の先にぽつんとそしてデカデカと不気味に建っている石を組み上げられて作られた6角形の建物。
上から見たらきっと6角形の石の棺に見えるのだろう、それ。
それこそが、
「皆様、どうぞプルートが誇る奈落の監獄、プリズン・アビスへようこそ」
石の棺、もとい6角形の石造りの建物。
どんな巨人でも入るであろう扉が開かれる。
そして足を踏み入れる一行。
「広いですね」
つやのある玄関扉を一歩越えたそこは見通しの良い巨大なエントランスであった。
視界に広がるとても綺麗で清潔感があるいくつかの通路。
監獄、牢獄という名からはとても連想出来ない空間。
「………」
監獄、石の棺、ガラの悪い囚人がいっぱい。
ここに入るまで、これらの関連ワードを勝手に想定していたカーナにとって、この清潔感は驚くに十分であった。
「監獄って、こんなに開放感があって綺麗なんですね。犯罪者が居る場所としてはちょっと意外です」
高い天井を見上げながら、そう口にしたカーナ。
そんなカーナの発言に隣に立っていたキューリが目を細めた。
「何言っておるのだ小娘?この監獄は1階、地上部に居るのは看守たちぐらいだ。罪人が居るのは地下だぞ」
「へ?」
唖然という表情を見せるカーナ。
近衛騎士たちは怪訝そうにカーナの顔を見つめた。
「カーナ、お前、もしかして…この監獄のこと知らないのか? お前ってずっとプルートに住んでいるんだよな?」
「え、いや、まぁ住んでますけど」
「と言うか、カーナ、君はメイド学校に通っていただろう?」
「団長、メイド学校ってこの監獄の近くでしたよね?」
「ああ、すぐそこだな」
「なんでそれで知らねぇんだよ?」
怒涛の質問攻め。
なんとも居心地の悪い空気感だろう。
胸が詰まりそうです。
カーナは言う。
「あの…皆さんには分からないでしょうけど、私はメイド学校があって大変で、座学だけでも3年、しかもその後まだ5年以上実務経験を積むというアホみたいなカリキュラムがあってですね。つまり、この国のメイド学校は厳しくて実技に勉強に忙しくて、周囲に気を配るとかそれ所じゃなかったんですよ」
しどろもどろでこちらを一切見ずに明後日の方向を見ながら吐かれたこのカーナの言葉を聞いて近衛騎士全員は思った。
”何年も厳しい勉強や実務経験をした割にはお前、アレだよな…”
と。
溜め息1つ吐きながら命令するクルウェイ。
「監獄長、カーナ卿にも分かるように説明しろ」
「ハッ!了解であります! カーナ卿、この監獄が奈落と称されるには理由があります」
ピカピカに磨き上げられた石材の床を歩きながら説明を始める監獄長。
「他国における罪人の収容所は基本的に地上階に建設されているであろうと思われます。しかし我がプルートにおいては収容所は”地下に建設されております”」
「地下ですか?」
「はい。この建物の1階にあるのは看守や拷問官たちが休む為の部屋だけであります。罪人達はこの建物の地下に収容される事となっています」
敬礼する兵士たちを脇目に一行は更に奥へ。
目的地にはすぐ着いた。
「論より証拠、実際に見ていただいた方がいいでしょう」
室内に広い道幅の場所が現れたかと思えばそこからの下り坂。
なだらかな下り坂を降りていくと、そこは一面の壁であった。
「ここが地下へと繋がる唯一の扉です」
「これが扉ですか?ただの土壁ですが…」
今から掘り進めるのか?とも思えるとても硬そうな土壁。
空気穴のような手1本すら入りそうに無い不自然な四方形の穴があるだけの土壁。
カーナは硬い土壁に触れながら首を捻る。
「あの…扉無いですけど?ただの土壁ですよ。この土壁のどこかに抜け道的な隠し通路があるという意味ですか?」
いいえと首を横にする監獄長。
「カーナ卿の仰るとおり扉が無いんですよ。だからこそプルートの監獄は難攻不落と言われています」
扉が無いから難攻不落?
何を言っているんだ、この男は?
そりゃ入れないんだから出れないよね。
これはとんちか何かか?
「じゃあ、どうやってこの先にあるっていう地下牢獄入るんですか?」
「この監獄が出来て以来、ここの副監獄長になる為の条件はただ1つです」
そう言うと監獄長は硬い土壁に不自然に出来た四方形の小さな穴に顔を近づける。
「副監獄長、私だ、開けろ。近衛騎士の方々をお連れした!」
「ハッ!」
穴の置くから聞こえた男性の声。
すると程なくしてカーナの目の前の土壁がぐにゃぐにゃと飴細工のように動きながら、その姿を変えていく。
そして数秒経たずに周囲の土に溶け込むように消え去った。
現れたのは巨大な洞窟の入り口。
佇む男の腕には黄金の腕輪が輝く。
監獄長はカーナの方を向いて言った。
「この監獄の副監獄長に就任される絶対的な条件。それは触れた土を自由自在に操る黄金シリーズの魔道具を使える事であります」
閲覧ありがとうございました( ^ω^ )信じられるかい?毎日毎日通っていた通学路、そこにあった建物を監獄と認識していない人間が居るなんて…。それがカーナ・マキシマムですw
たぶん今回のお話でカーナがどんな学生生活を送っていたかが何となく感じて貰えるかな~?と思うのですが、ちょっとでも皆様の想像力を搔き立てられたなら書き手としては幸いです(。-_-。)
ではまた次回お会いしましょう♪
さてさて、今年の私の年越し予定を発表しますん(=゜ω゜)ノ
今年の私の予定は……
『コロナで地獄を見る!』
です(>□<)!!
「ん?どういう事だい??コロナに感染したの??」
ですって?
はぁ~~(*´Д`)聞きたい??
実はさ~~今、私の住んでいる地域ではインフルエンザではなくコロナが大流行しているのね(><)
で、父親が数日前に地域の集まりがあって行ったわけさ…そして数日後にその集まりに行った人がほぼ100%コロナになったと分かったわけさ。
そして昨日父親が具合が悪くなりました。近くの診療所に見てもらった所コロナでした。
さて、ここで問題です。
『私は何日後にコロナが発症するでしょう(。´・ω・)??』
……はい!そこの君!正解(≧◇≦)!!
たぶん、年末年越し、私は地獄を見るでしょう!!
ひゃっほー( ^)o(^ )ー!!
じゃあ皆さん、
よいお年を……。




