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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第10章】 表と裏の2つの部隊(表)
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01 悲しみと喜びの大行進

クリックありがとうございます♪日清のCM、YouTubeで公開されている日清のどん兵衛「裏どん兵衛わかんないよ!篇」を見てゲラゲラ笑ったひとりぼっちの桜ですw 皆、観てみ…絶対に笑うから( ^ω^ )そして食べたくなるよ、普通のどん兵衛以外をねw個人的には肉うどんがオススメ♪


さて皆様、2カ月ぶりですねwいや~前回アップから少しして「さて1月ぐらい休憩するかな~(^w^♪」って思ったらPSプラス・エクストラの割引セールが来てね、、楽しかったよw【クライシスコアFF7リユニオン・カルトオブザラム・ドラゴンボールz カカロット】…良い思い出です..( = =) トオイメ。


って事で新章だよ!今回の章は以前やった3日物語に似た構成になります(まぁ厳密に言うと結構違うんだけどw)つまり今回の章と次回の章が2つで1つという感じです。

頭を沸騰させながら「あ~でもない、こ~でもない(=_=)でもこの時コイツはここに居るから裏では…」みたいに頑張って書きました( ..)φw

そしてこの章のタイトルでも分かるとは思うけど、この章と次の章で2つの部隊が出来ます。

皆様が2つの章が終わった時…表と裏、どちらの部隊が強いと思うのだろうか…(・∀・)ニヤニヤ。


ではどうぞ表の最初のお話、今回のお話もお楽しみくださいませ~(^^♪



 その日は雲1つ無い、晴れ晴れとした天気の1日であった。


 時間は正午前、季節は秋に差し掛かろうとしている中、燃えるようなカーナの赤髪がふわりと風に揺れて、ドン!という西洋太鼓の音が真っ青な空に響く。

 そして先頭の騎士が大声をもって合図の狼煙を上げると何万もの精悍せいかんな顔立ちの騎士たちが号令に合わせて石畳の上を歩き出した。


「行進始め!!」


 国全体がまるでお祭りのように盛り上がる中、地面を揺るがすほどの行進が始まった。


 道を進むパレードの頭上ではひもに通されたプルートの旗が風に揺れ、数百メートルはあるであろう大行進は外から見たら圧巻そのもの。

 また歩幅すら連動している一糸乱れぬ行進の所作はプルート兵の錬度の高さ、誇りの高さを表していた。

 その中心、最も目立つ白い馬にまたがる人間こそ、この日の主役であり今日近衛騎士と爵位を同時に任命される人間。

 長いプルートの歴史上誰も成し得なかった、大英雄と呼ばれたマリアンヌの母リーシャですら叶わなかった初の女性近衛騎士。


 それこそが、


「あ~暇すぎて死にそうです」


 天下に名高いプルートの騎士、その最高地位に相応しい特注の鎧に身を包んだカーナである。

 彼女が動きやすいようにあらゆる箇所に工夫がこなされている鎧、肩には真紅のマント、腰には宝剣。

 マリアンヌが相当口を出してきたのもあるが、きらきらと太陽を反射させる鎧が美しいし、その派手な赤髪に似合っていた。

 だが特注の鎧に身を包んだ当の本人に喜びの感情は無い。


 有るのは虚無。


「もうこれ、メイド学校時代の授業ぐらい暇です。あの存在理由の分からない授業たちと同じぐらい…いや、もしかしたらメイド長の話ぐらいの暇レベルかもしれません」


 まだ行進が開始して10分程度だというのに、止まることのない生産性の無い不満の呟きの数々はくらを通じて馬の背中に染み込み続ける。

 心なしか馬の表情からもやる気が削がれていく。

 しかも周囲の騎士達にもため息などが伝染していく。


「ハァ~~あ」


 そんな誰の目にも余る態度、状況を見かねてカーナの横で馬を引いていた1人の騎士、カーナより遥かに年上の男が静かに、だが重く口を開いた。


「カーナ・マキシマムさん」


 年齢相応の渋い声だがよく通る声だ。

 カーナは反射的に背筋が伸びる。


「え?あ!はい?なんでしょうか?」

「もっと背筋を伸ばしてください」

「は、はい!」

「…あなたは今日、爵位と近衛騎士という名誉を得る主役です。不満そうに下を向くのはやめてください」

「え、あ…いや、あの~、不満なんて別に」


 尚もいぶかしむ表情のカーナ。

 渋い声は怒りを心の奥にしまい込みながら淡々と言葉を投げかけ、カーナの鼓膜を揺らし続ける。


「ならば視線を上に、胸を張ってください。事前の演習も長かった事、あなたのような若い女性がこのような式典を暇に思うのは仕方ないのかもしれませんが。あなたが今回、皇帝陛下からうけたまわる近衛騎士とはプルートに住まう全ての騎士が目指し、だが届かない存在です。騎士達はあなたに憧れや羨望の眼差しを向けるでしょう。それが下を向いて不満そうにするなど、全ての騎士に対して失礼極まりない行為です。それに何より今回の式典には皇帝陛下及びにマリアンヌ皇女殿下が期待されております、その期待を裏切るなどあってはならない。胸に刻んでいただきたい、この式典はそれだけ大きな式典なのです。気を抜いていい時間だと1秒たりともあってはならないのです。民衆達もそれが分かっているからこそのこの大喝采、それなのにあなたがそんな表情をしていては周囲にも示しつかない。皇帝陛下に、国に失礼です」


 別に皇帝陛下とか国とかどうでもいいんですけど…。

 私はマリアンヌ様の為にここに居るのであって、他の事なんてどうでも。


 なんて事を言えそうな空気ではとてもありません。

 このくらいの高そうな騎士さんもそうだし、周囲に居る騎士さんたちも同じ事を思ってそうです。

 真面目にやれ!っていう視線が痛いです。

 つらい。


 カーナは馬の上で揺れながら視線を左右に彷徨わせたが、すぐに逃げられないと観念したようにうな垂れてしまった。

 そしてマリアンヌの為だと割り切るように上を向いた。


「上向きます。はい」

「分かって頂けて何より。そして分かったなら、民衆達の声にも答えてください」

「え!?何か言うんですか私!?ありがとー!みたいなの?大声で?」

「手を振るとか、そういう意味です。軽くでいいので、馬上から振ってください」

「あっ、そっちですか。なるほど。はい、手を振ります」


 カーナは民衆の声援に手を軽く振って答える。

 すると民衆達の歓声が更に大きくなった。

 そして軽く動いたことで赤い髪の毛がふわりと舞い、太陽光を受けて美しく煌めく、その様が更に民衆の目を惹きつけた。


 長く続くパレードの先、まだその姿が見えない叙任式の会場。

 民衆から投げ込まれる花びら、大歓声。

 カーナはそのどれもに喜びを覚える事無く、この暇な道のりがどれだけ長いか絶望感を覚えながら手を振るのであった。


「それにしても何処に行ってもメイド長みたいな人っていますよね。。いちいち人の所作に目くじらを立てて指摘する意味が分かりません。性格悪すぎでしょ、シグレさんは優しかったのにな…」

「何か言いましたか?ブツブツ何か聞こえるのですが」

「いえ!何も!はい!手を振るの頑張ります!」

「ええ、是非そうしてください。笑顔も絶やさないように」


 顔をしかめるカーナ。


「面白いことなんて何も無いのに笑顔なんてどうやって」

「何か?」

「いえ!笑顔頑張ります!」



              ×             ×



 超大国プルートを縦に割るような大行進、その中心がそんな不真面目な事になっているとはつゆ知らない民衆達、パレードは大いに盛り上がる。

 そして、大行進がプルートの中心部を抜けていく、そんな光景を遠く高い場所、王城の一室にて発せられる無邪気な声。


「絶景かな♪絶景かな♪」


 日光に満ちたテラスから優雅な立ち振る舞いで町並みを、パレードを見下ろし眺めている寝巻きのマリアンヌ。

 横に控えていた執事服のシグレが声をかける。


「流石はマリアンヌ様コーディネートのパレード。歴代のどの近衛騎士就任時よりも豪奢な大行進でございます」

「まぁ~な。当初の予定では、左大臣が父上に要らぬ気を使っていたから質素な感じだった。なのでわれ自ら出張ってやったかいがあったというものよ」

「きっとカーナさんも今頃パレードの真ん中で喜んでいますね」

「それは…どうかな?」


 マリアンヌはパレードの長い列に視線を落とす。


「カーナの性格を考えれば今頃、暇で馬上で衰弱死んでいてもおかしくはないぞ」

「流石にカーナさんとはいえ晴れの舞台でそんな事は…」

「本当にそう思う?お前はカーナに叙任式の作法などを教えていたわけだけど」


 シグレは背筋を正し、直立不動のまま脳内で振り返る。

 あのカーナに教え続けた忍耐の日々を。

 そして振り返った時、一度も真剣な表情を崩さなかった表情に影りが見える。


「…確かに事前のパレードの予行演習も私が見ましたが、やる気はあれでしたね」

「たまにその光景を遠目から見てたけど、よくお前、怒らずに忍耐強く教えていたよね。ムンガルに聞いた話だとお前は部下に対しての指導は非常に厳しい人間だと聞いていたのだがな。われならカーナのあの態度見たら5~6回ブチ切れているよ」

「いえ、あの…思うことは多分にありましたが、カーナさんはマリアンヌ様の窮地を何度も救い、誰よりもマリアンヌ様に昔から付き従い続け守り続けた忠臣中の忠臣なので…はい」


 忠臣なので…なに?

 なんで話し切ちゃうの?

 聞きたいのはその先なんだけど。


「まぁいいか。カーナがパレード中どんな態度であろうがこのパレードが始まってしまえば肌で感じる雰囲気と目から入ってくる視覚情報、その2つで心を掴まれた民衆は熱を帯びた目でカーナを見ていることだろう、そして民衆はカーナを特別視し始める。それさえ叶えばわれは満足だ」

「確かにこの規模のパレードは偉大な指導者であるマリアンヌ様にしか成しえないものでございます。民衆達も一層マリアンヌ様を崇めることでしょう」


 マリアンヌは口元を僅かに歪ませ、底意地そこいじの悪い笑みを浮かべながら言葉を続ける。


「民衆というのは空気に流される愚かな生き物なのだよ、真実を見ようとする人間など殆どおらん。見たいものしか見ない、頼れるものにはすがり、すぐ考えを放棄する、それが民衆だ。ならば民衆が見る劇は盛大にするが必須、つまり劇の台本は大袈裟に書いてこそ舞台を盛り上げ役者を引き立て、民衆を魅了するのだ。覚えておきなさい、シグレ君」

「は!マリアンヌ様の深淵なる思考、心に刻み付けておきます!」

「うむ♪よろしい。ではそろそろわれも会場に行く準備をしようか。シグレ、着替えるからコロナを呼べ」

「コロナさんなら部屋の前で既に待機させておりますので、いつでも」

「ほぅ~。相変わらず仕事が早いな。お前に任せればこれから行なわれるカーナの受任式も安心して見れるというものよ」

「お褒めの言葉、ありがとうございます。準備は万端にしてございます。カーナさんは間違いなく近衛騎士の受任式を完璧に完遂されることでしょう。どうかマリアンヌ様におかれましてはご安心してご覧下さいませ」

「それは安心だね」


 シグレの言葉を受けテラスから室内へ入っていくマリアンヌ。

 だがふと疑問が浮かび一度、テラスを振り返った。


「…因みに受任式の文言とか作法とか結構複雑だけど、それは何回ぐらい練習したの?」

「少なく見積もっても50回以上でございます」

「お前の忍耐力凄いな!?」



閲覧ありがとうございました(__)いかがでしたか?次回はカーナの叙任式←皇帝が騎士の肩に剣をポンって置く、あの儀式です。

あのカーナが遂に近衛騎士です(つ_<)あのボンクラメイドが…遂に…。涙無くしては見れませんねw


ではまた次回お会いしましょう♪( ´Д`)ノ~バイバイ







皆さん、今月のPSプラスエクストラのカタログに『龍が如く 維新! 極』が追加されましたね(^v^)

私は嬉しくて嬉しくて、だってずっと気になってたんだもんw

いや~今から楽しみ過ぎて……(。´・ω・)ん?何ですか?皆さん。

何々?


「楽しみ過ぎてってやるつもりかい?2カ月も小説ほっぽって遊び惚けたのに?」


ですって?

いやいやいや!(;''∀'')!ずっと遊んでた訳じゃないよ!

毎日仕事から帰ってきたら、ちゃんと構想を膨らましながらゲームしてたから(>△<)!無駄じゃないから!あの時間!アイデアのインプット時間だよ!


そ、それに…【龍が如く 維新! 極】は、や、やらないよ(→_→)

ただ念のためにダウンロードだけは!しとくけどね!あくまで念のためにね!

そんな、まさか「50ページ以上書き溜めあるから2つ、いや、3つゲームのクリアーいけるな('_')」なんて考えている訳ないでしょ!私は皆さんの笑顔が一番大切なのであります!ええ!

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― 新着の感想 ―
待ってました~やっと続きが読めて嬉しいです! 新章楽しみです。 裏どん兵衛私も見ました笑
お久しぶりです!! 更新ありがとうございます(≧▽≦) 「表と裏の2つの部隊」すごく気になるタイトルですね!!表の部隊、裏の部隊がどんな部隊を表しているのか、どれぐらい強いのか、気になることばかりです…
>カーナ『別に皇帝陛下とか国とかどうでもいいんですけど…』── ──皇帝を神と崇める国で、そんな不敬な思考が出来るのはカーナ位だろうね笑。カーナ的に現皇帝は、この国の真の皇帝(神)であるマリアンヌ様…
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