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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第9章】 英雄の必要条件

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16 黒の幹部会(1)

クリックありがとうございます♪未だに自分が【選ばれし子供】じゃないかと思っているひとりぼっちの桜ですw私のパートナーデジモンはいったい何処に(´・_・`)……ちょっと!みんな、私に冷めた視線を向けるのをやめてください"(-""-)"私の世代は皆そう思ってんの!(゜Д゜;)!

そしてなぜ私が急にこんな事を言い始めたかというと、今デジモンアドベンチャーの公式がYouTubeでデジモンの映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』を無料公開してくれているんですね(^^♪夏休みの期間限定公開らしいんですけど、太っ腹やで公式(^△^♪

私、観てたらさ…あの小さかった頃の思い出がフラッシュバックして、ちょっとラスト涙でそうでしたww本当にいい映画だったから皆も観てみ!私世代……泣くよw



さて今回のお話ですが…皆さん!この章のラストのお話になります(裏話はあるけどねw)カーナが命を懸けて戦ったクルウェイ率いる近衛騎士との戦いのラスト、気合を入れて書き切りました(´-ω-`)そして出来ちまったページ数は原稿用紙22ページww

流石にこのままアップはあれだから半分ぐらいに別けようと思いますが、皆さんが少しでも楽しんで貰えたなら幸いです。

ではラストのお話の前半、ページ数は12ページ、どうぞお楽しみくださいませ~♪



 今日、王の間に訪れるまで誰がこんな超展開を予想したであろう?


 突如勃発したカーナ対クルウェイ率いる近衛騎士。

 この国において神と同等な存在、皇族である第2皇子ロキの手首を切り落としたカーナ。

 皇帝とマリアンヌのひりつく交渉。

 そしてカーナの近衛騎士入り。


 そのどれもが予想を超える事態であった。

 だが、ただ1人だけ。

 その「予測していたか?」という問いに対して答えるのであれば、全ての事象を想定していたのはただ1人の少女と答えるだろう。


「ふ~ふ~ふ♪」


 銀線の髪は楽しく踊る。

 黒いドレスは愉快に揺れる。

 謳う鼻歌が廊下で奏でられている。

 鼻歌の主はもちろんマリアンヌ。


 王の間からの帰り道、自分の部屋に戻る道すがら彼女は機嫌良く廊下を歩く。

 そんな中、カーナは心配そうに話しかけた。


「マリアンヌ様、本当にロキ皇子の腕ではなく手を切り落として良かったのですか?」

「いいんだよ、もちろん。逆にお前が間違えて腕の方を切り落としていたらわれは激怒っていたぞ♪」

「え、それって…つまり…最初から?」


 カーナは少し考えるとピタリと足を止めた。

 彼女なりに何か結論を出したのであろう。

 目には大粒の涙を浮かべてプルプルと震えている。


「つまりマリアンヌ様は最初から私の為に考えてくださっていたのですね!」

「え?」

「あんな危険な交渉をお父上様である皇帝陛下としてまで…私の為に!私なんかの褒美の為に!ありがとうございます!マリアンヌ様のお気持ちが何より嬉しいです!!生きていて良かったです!!」


 重い重い重い。


 どうやらカーナはわれが突発的に思いついてカーナの近衛入りを提案したのではなく、ずっと前からわれがカーナの褒美を考えていたと思ったのだろう。

 そして近衛との戦いに挑んだと。


「………」


 マジかよ…。

 やっぱりアレを心から信じてんの?

 真実はまったく違うんだけど。

 そこまで感謝されると言いづらいだけど。

 けど、このまま言わないわけにもいかないだろうな。

 自分の計画を考えた時、いかに鈍いカーナであってもいずれ真実に気付く。

 そうなったら裏切る…とは微塵も思わないが、酷く、物凄くガッカリするだろう。


「う~~面倒くさいな」


 しかし、ここで説明していいものだろうか?


 一瞬の思案、マリアンヌはチラッと現在歩いている王の間の廊下に目を移す。

 廊下に居るのは等間隔で警備している兵士たち、そしてカーナ、シグレ、カラスたち、ムンガル。


 呟く。


「ここではマズイな」


 念には念を。

 立ち止まり頭を下げるカーナにマリアンヌは言った。


「それについては部屋に帰ってから話す」


 ………

 ……


 そして城の皇族たちが住まう居住区である自分の部屋に戻ってきたマリアンヌ。

 カラス達は先に帰らし、主の趣味を前面に押し出されたぜいを尽くした調度品が並んでいる黒い部屋に居るのはマリアンヌ、カーナ、ムンガル、シグレの4名。

 と、あと1名。


「マリアンヌ様、部屋に入ってきてすぐに質問もなんですが、そこのカラスと同じくフードを被っている怪しいやから、そいつはいったい何者なのですか?」


 マリアンヌたちが部屋に入ってくる前から部屋に居た人物。

 壁に持たれかかってマリアンヌたちを待っていたそいつは、カラスと同じ黒いフードを被って薄っすらと見える口元で笑う。


「へっへっへ。あっしの事はどうぞお気になさらず、ムンガル卿」

「なぜ私の名を」

「そいつの名はヤン、此度の慰問先で見つけたカラスの新たなボスを任せようと思っている男だ。性格は捻じ曲がっているが今後、お前達と同じくわれの右腕として働く者だ。信用してよいぞ」

「初対面が居る中で平然と性格批判なんざをなさるマリアンヌ様は素晴らしい主だね~。模範的な人物紹介、あっしは良い主に巡り合えたね~」

「と、このように大変憎たらしいので皆気をつけるように」


 そう言うとマリアンヌは黒い豪華な椅子に腰掛ける。


「お前らも座ってよいぞ」


 マリアンヌから言われると同時、いや、ちょっと早く椅子に腰掛けたカーナ。

 言われてからどっしりと座り心地の良いソファーに腰掛けるムンガル。

 私は執事でもあるあるので立ったままでいいです、と言うシグレ。

 ヤンは相変わらず壁を背に預けたままだ。


 改めて見ると座る動作だけで人間性が出るな…。


 そう、マリアンヌは思った。


「さて、カーナ。お前の近衛入りだが、別にお前の褒美の為に提案したわけではない」

「っ!?!?!?」


 そんな絶望的な顔しなくてもよくない!?


「いや、あの…まったくその気が無かったわけではないよ。ちょっとはあったよ、褒美の意味合いも。うん」

「あ、そうだったんですか」


 まさかこのわれがカーナ相手にひよってしまう日が来ようとは。

 そもそも、そんなにショックを受ける事柄か?


「でも、そうならそうと事前に言って頂ければ私も迫真はくしんの演技してマリアンヌ様の補助をしながら皇帝陛下を騙すのに協力しましたよ」


 言うわけないじゃん。

 お前、演技ザルだもん。

 でも、まぁ演技できないなら出来ないなりの利用方法もある。


 近衛入りを聞いた直後のカーナの戸惑った表情、あれは真に素晴らしいものであった。

 あの表情を見て演技だと思う人間はいないであろう。

 だって演技してないんだもん。

 まぁそれを言い始めるとそもそも演技してないから素晴らしいもないんだけどな。


 つまり演技出来ない人間、それを上手く利用するわれ素晴らしいのだ。


 フフフ、父上のあの悩んだ表情、面白かったな~。

 おそらくカーナの演技をしている形跡が無い事から、われのカーナの近衛入りには裏がないと判断したはず。

 急に思いついただけ、って。


 馬鹿な男よ。

 敵を騙すならまず味方から。

 当たり前の手段だろ。


われは以前からカーナという人間の活用方法について考えていた」


 ここで小さく「メイド」という言葉を吐いたたわけ者がいたが、あえてスルーした。


 マリアンヌは高らかに言った。


「英雄だよ」


 そしてカーナの目を真っ直ぐ見て、もう一度言う。


「カーナ、お前は英雄になれ」


 カラスという暗殺部隊を率いるには目立ちすぎる外見に性格。

 そもそも人を率いる才覚を一切持ってないから人の上に立てない。

 使用人に必要な才覚なんて誰よりも無いから、メイドなんてもってのほか。

 残されたカーナの道はなんちゃってメイドをしながらわれの護衛。

 つまりは現状維持。

 でもそれでは勿体無いのがカーナという規格外の戦闘能力を保持した存在。


「私…英雄になっちゃうんですか?」

「うん、なるよ。っていうかわれがさせる」


 これだけの戦闘能力を持っている人間を隠し通すのは無理だ。

 ならば横に立ったとき最大限利用しよう。

 戦闘以外ダメなら、戦闘をしていない時はわれの横に立ってるだけで価値のある存在にすればいい。


 なんと素晴らしいカーナの活用方法。

 無駄が無いのが美しい。

 ゴミに命を与えるというのはこういう事をいうのだ。

 爵位を手に入れてからの近衛騎士入り、これは英雄への第一歩だと考える。


「まずは国内に知れ渡らせる。プルートにカーナ・マキシマムあり!とな。そして実績を積み重ねていってわれが皇帝になった時、カーナも英雄となっていれば万々歳だ。父上がクルウェイを置いているように、われの横にもカーナという英雄が欲しいからな」


 ムンガルが話に割って入ってくる。


「1つお聞きしたいのですが、マリアンヌ様の横に置く英雄はクルウェイではダメなのですか?彼なら人格も頭脳もカリスマ性も申し分なく、既に英雄と呼ばれる存在なのでわざわざカーナを英雄に仕立て上げる必要もないのでは?」


 カーナはキッと睨みつける様な表情でムンガルを見た。

 マリアンヌは断言する。


「信用できん」


 確かにクルウェイなら性能面で語るなら問題ない。

 おそらく現状、クルウェイという男はカーナに負けているところが1つも無い。

 だがわれの側に置くという意味では不安が残る。

 奴に関してはわれを裏切らないとは断言できない。

 あのアンジェラですらわれを裏切ったのだ。


「今、われが信用しているのはここにいる4名だけだ。だからカーナを英雄にする話も人前ではするな、お前らだから喋った。お前達も今後ここに居るメンバー以外は信じるな、全て敵だと考えろ」


 この言葉に関しては別にマリアンヌが何かを意識して口にしたものではない。

 自然と思っていた事を口にしたに過ぎない。

 だが、長くマリアンヌに付き従うカーナやムンガル、シグレに関しては胸の奥でグッと来るものがあった。

 そして今後も変わらずマリアンヌに従おうと心の奥に火がついていく。


 そんな3名の従者の表情を見ながら「これを自然とやってのけるとは、お姫様は相当な人たらし…いや、人を言葉1つで縛り付け、魅了しているんだから呪いかな?」なんてフードの奥でクスクス笑っていた。


「ヤン、何を笑っているの?」

「いえいえ、別にお気になさらず」


 そして間を少し置いてからカーナが尋ねる。


「あの…根本的な疑問なのですが、私が近衛騎士になる事が英雄になる事に近づくのですか?なんて言うか、近衛になっても英雄にはなれないと思うのですが…」


 カーナの言う通り、近衛騎士の中で英雄と呼ばれているのは現状クルウェイだけ。

 他の近衛は誰1人として英雄とは呼ばれていない。

 近衛に入ったら英雄になれるというのがいかんせんピンときてなかった。


 マリアンヌはニヤリと笑って見せる。


われは英雄になる為の必要条件を色々考えていた、しかし書物を色々あさった結果、明確な答えには出会えなかった。それでもあえて共通点を述べるなら過去の英雄達は皆”自力で他者に真似できない偉業を成した”ってぐらいだ」


 どれだけ調べても分からなかった…、だがそれでもマリアンヌは悲観していない。

 まるで難解なパズルを目の前にした子供のように言葉を続ける。


「繰り返しになるが英雄になるのはいくつか条件があるとわれは考えている。だがその詳細な条件が分からない、人によって英雄と呼ばれた経緯やタイミングもバラバラであったからな。そして悩み悩んでわれは考えた。分からないなら偉大な先人の軌跡を辿ればよいと。 幸いプルートにはクルウェイを筆頭に今までの歴史で多数の英雄と呼ばれた人間達がいた。そしてカーナを英雄にするにあたってわれが参考にしたのは同じ女でありわれの母上であるリーシャー・ディ・ファンデシベル。母上だ」

「マリアンヌ様のお母様ですか?」

「ああ、女でプルートで英雄は母上しか居なかったからな。母上は皇帝、皇族の次に権威がある4大貴族であったが自力で実績を積み重ねて英雄と呼ばれるに至った。カーナ、お前には母上の軌跡を可能な限り辿ってもらおうと思っている」


 カーナは手を口の前にやる。

 何か思うことがあるのだろう。

 凄く考え込んでいる。


 マリアンヌは首を傾げる。


「カーナ、どうした?まだ何か疑問でも?」

「いえ、あの…私がマリアンヌ様の大切に思っているお母様と同じ功績を得ていっても良いのでしょうか?私のような者が並び立って、よしんば勝ってしまってもよいものか。。本気は出さない方がいいのでは無いかと思って…」

「え、、いや、同じとか並び立てとは言ってないよ。可能な限り辿るって言っただけでしょ?」


 てか、なに自然に並び立つ以上の勝てる前提で話しているの?

 お前には母上と同じことなんて出来ないでしょ?

 お前の基本スペック分かってる?


 人望0。

 統率力0。

 知力0。

 交渉能力0。

 気遣い0。

 部下を育てる能力0。

 他者を包み込む包容力0。

 敵を味方に引き込む程のカリスマ性はもちろん0。

 戦闘能力だけは無駄に100みたいな尖りきった性能にどうやって母上に勝つつもりなのさ?

 前からずっと思ってたけど、お前はどれだけ自分に自信があるんだよ!


「母上は皇帝、皇族の次に権威がある家、4大貴族の1つに生まれた。だが女であった事から最初は戦場に出ることなど叶わなかった。だから母上は4大貴族という立場を利用して皇帝である若き日の父上にこう願い出た『私が近衛のメンバー1人に模擬試合で勝ったなら部隊を1つお預けください』と、そして母上は勝利して戦場に出ることになった」


 マリアンヌは最後に言った「これが華々しい母上の戦歴の第一章だ」と。

 メガネをかけた生真面目そうな執事服の男、シグレが言った


「なるほど…だから近衛騎士にカーナをぶつけたのですね。全てはマリアンヌ様の手の火の平の上ということですか。素晴らしい、まさに神の描いた策ですね」

「フフフ、ありがとうシグレ」


 でもね近衛にカーナをぶつけたのは様々な理由があるのだよ、1つでは無い。

 1つの行動にどれだけの意味を持たせられるかが重要だ。

 果たしてわれの行動の全てを読み解く人間などいるかな?

 少なくともこの中にはいなそうだ。

 ヤンも色々と考えてそうだけど答えには行き着いていなそうだしな。


「フフフ」


 ムンガルの重厚な鎧がガシャリと鳴る。


「因みに英雄は分かったのですが、爵位の方はどういう意味があったのですか?」

「爵位が有った方が出来る事の幅が広がる。自分の部隊が有ると無いとでは雲泥の差だろ?」

「部隊なら皇族であるマリアンヌ様がお与えになったらよいのでは?このムンガルの部隊を使えば錬度も高いですし」

「それだとわれ、ないしお前の部隊をカーナが使ったと第三者から映るだろう。先ほども言ったがカーナには自力でやって貰わないといけないのだよ」


 自力で偉業を成さないと英雄にはなれないが、カーナにはその自力が無い。

 戦闘に特化しすぎている。

 良い所、このままカーナが1人で突き進めば国民からバーサーカーと呼ばれるのがオチだろう。

 だが部隊さえあれば、われやヤンが裏からサポート出来る。

 裏から手を回してカーナが自力でやっているかのように見せる。

 カリスマ性のある知将のように見せる事も可能。

 カーナの近衛入りはその第一歩。


「民草にはカーナが自力で近衛に入って爵位を手に入れ、部隊を得たと思わせる」


 例え真実がロキを人質に脅すような交渉の末に得た地位だとしても、民草は生涯に渡って知らぬことよ。


われは今回ロキを皇族争いから脱落させつつ、その後の複数の望みを叶えるきっかけとしてとしての第一歩、カーナの近衛入り、その為にカーナを近衛にぶつけたのだよ」


 すると、今度はシグレは問いかけてきた。


「あのお話の腰を折って申し訳ないのですが、マリアンヌ様はロキ皇子を許したのではなかったのですか?片手こそ失いましたが、皇族争いからまだロキ皇子は脱落していないのでは?」


 マリアンヌは銀髪の頭を左右に振って微笑んだ。


「ロキはもう終わってるよ」


 マリアンヌは断言する。

 シグレは再び問う。


「確かにロキ第二皇子は現在、片手を失った激痛でそれどころではないでしょう。しかし時が経てばその痛みも退き、ロキ皇子は更に怒りを燃やしてマリアンヌ様の前に再び立つのでは?」

「ふむ、確かに喉元過ぎたら暑さ忘れるという言葉がある。ロキの単細胞は人よりも喉元が短い、故に此度こたびの事を根に持ちわれに憎しみの刃を向けてくるのではないか?と言いたいんだね、シグレ君」

「いえ!そこまでボロカスには言っておりません!皇族の方に対してそんな!」


 必死に否定するシグレ。

 彼にとってマリアンヌは皇族の中でも特別な存在。

 最早、神と言ってもいい。

 だがだからと言って、他の皇族の人間をゴミ扱いしていいわけではない。

 神であるマリアンヌほどではないにしても、やはり彼にとって皇族は特別な存在なのだ。


「フフフ、冗談だよ♪ お前の言いたいことも分かるが、それはロキという人間を分かっていないと言わざるおえない」


 奴は誰よりも小物だ。

 同じ皇族というのは腹正しくなるほどにな。


「父上もお前と同じでロキがまだワンチャン皇帝争いに挑むと思っているのだろうが、奴にそんな根性はない。われにもう一度挑もうと思った時、ロキの無くなった右腕が疼く」


 そしてそこから訪れる恐怖。

 アイツの頭にはわれとカーナが恐怖の対象になっているはず。

 それを退ける方法や度胸をロキという人間は持ちえていない。

 ゆえに完全に脱落だよ。


「長く義理であれ兄弟をやっていると分かるものなのだよ。奴の性格ぐらいな」

「では父親である皇帝陛下もロキ皇子がもう立ち上がれないのを分かっていて、それでも尚、ロキ皇子の立ち上がる可能性に賭けているという事ですか?そしてそれが分かって尚、皇帝陛下はロキ皇子を助けるため、これ以上傷つかないために交渉に応じたわけですか…」


 確かにそれもあるだろうな。

 損得勘定以上の感情。

 父上は他者には容赦が無いが、自分の子には比較的甘いからな。

 われには少しキツい気もするが。


「それもあるだろうけど、それ以上にロキに皇帝の座についてもらいたいんだろうな。人間というのは少しでも希望があればすがりたくなる生き物だ。それに賭けた時間が長くなればなるほどに」


 おそらく父上も心の奥底では気付いているだろう。

 ロキが二度と立ち上がれないであろう事に。

 だが既に父上はロキを皇帝にしようと考えてから相当時間をかけ、手を回し、頭を使ったであろう。

 われのサンティエール行きの話もしかり。


「皇帝陛下はそこまでロキ皇子に皇帝の座を譲りたいのですね。このような事を言っていいのか分かりませんが…」

「なに?言ってごらん、シグレ」

「あの…私のような皇族の方々の敬虔けいけんな信者であっても、ロキ皇子は皇帝という座には向いていないように思うのですが…」


 そりゃそうだろうな。

 本当は皇帝がその座から退いた後も傀儡かいらいとしてロキを使いたいだけなんだから。

 まぁでもそれは今、シグレやムンガルに言わなくてもいっか。


「皇帝も歳をとって老害化して見る目が無くなったんだよ」

「そ、そんな恐れ多い事を!」

「フフ、事実だよ」


 話が一区切りついた空間。

 ヤンが出て行こうかと扉に視線を向ける。

 すると今まで比較的、聞き役に徹していた野太い声がマリアンヌへと投げかけられた。


「マリアンヌ様の仰りたいことは分かりました。目的も。それでもこのムンガルは言いたい事があるのです」



閲覧ありがとうございました(*ノωノ)果たしてマリアンヌの考えているように物事が進みカーナは英雄になれるのか?それとも失敗してバーサーカーになっちまうのか?皆様、楽しみにしておいてねw

ではまた次回お会いしましょう♪(*^^*)ばいニャー♪









皆さん、この世の中は平然と騙し合いが横行している汚い世ですよ(;一_一)私は霹靂しております。


え?「急に何の話をしているのか?」ですって?

決まってるでしょ(一_一)

【DMM JCBカード夏祭りキャンペーン 今なら1万ポイントプレゼント!】ですよ。

わたしはさ、とある事情からJCBのクレジットカードを持とうかずっと考えていたのでこのキャンペーンを知って「え?今、無料で1万円貰えんの!?Σ(・ω・ノ)ノ!これは1万円分買いもん出来るで!申し込むしかあらへん!」ってなったのね。

でもそこは慎重が服を着て歩いているでお馴染みの私、詳細情報を穴が開くほど観ました。

するとね…


【1万ポイントは取得から1ヶ月以内に使用しないと消失しちゃうぞ♪】


って書いてあった。


……いやいやいやいや( ゜Д゜)!1か月で1万円も買い物せぇへんて!なんで無期限じゃないの!?ってなったから現在保留にしてます(涙)

私思うの、、せめて3か月なら…ってさwだって欲しい物があるか分かんないし、要らんもん買ってもしゃあないし、セールが絡むとやっぱりセール待ちたいしさ~、マジで酷いよ~~( ;△;)


え?何ですか、皆さん?


『悩んでるとこあれだけど、あなたならFANZAで1か月で1万円ぐらい余裕で買うんじゃないの?』


ですって?


……なんでFANZAだと思うの?. |゜ω゜`)):

あの…別にそんなサイト知らないし、

そもそも!皆さんは本当に私の事を何だと思っているんですか!そんな買わないよ!ヽ(`Д´)ノプンプン

これはちょっと、皆さんとは一度腹を割って話し合う必要がありそうですね(; ・`д・´)私がいかに真面目な人間かをね!


って事で、今んところは持ってるVizaでいっかな~。欲しいものが最低でも何作品かある時なら…ね?8千円ぐらい買いたい物があったなら…ね?

だから私、今からちょっと調べ物をしに行ってきます(`・ω・´)ゞ皆、止めてくれるな。これは調べ物という名の自分自身の心と対話する大事な作業なのです。ええ!

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― 新着の感想 ―
[一言] >たゆたゆさんってカーナ押しだったの──マリアンヌ押しだと思っていた── ──返信してくれて有難う。いや、どちらも好きだよ。というより、マリアンヌとカーナは、二人で一つだと思っているよ。頭…
[一言] >カーナだけが話に付いていけてない・取り残されている >日々積み重ねきたカーナの行動、その結果がマリアンヌのこの評価── ──作者御墨付きのポンコツメイド笑。 元々、カーナというキャラが好…
[良い点] >まさかこの我がカーナ相手にひよってしまう日が来ようとは── ──何だかんだでマリアンヌ様は、カーナの事を気に入っているのが判る一幕だね笑。 [気になる点] >マ「カーナ、お前は英雄にな…
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