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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第9章】 英雄の必要条件

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10 カーナ VS 近衛騎士(4)

クリックありがとうございます♪洗濯は大好きだけど、アイロンは存在価値が分からないひとりぼっちの桜ですw …だって、いらんやろ、アレ(^_^;)



では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



 再び猛スピードでカーナに突っ込んで来るグロエ。

 手に持った槍に殺意がこもる。


「シッ!」


 滑るような突きを繰り出す。

 やはりグロエという人間の槍捌きは基本的に予備動作は少なく、隙が無い。


 最短での突き。

 最短での横薙ぎ。

 槍に伴う体術も隙が無い。


 グロエは切れ目のない攻撃を仕掛け続ける。

 キューリも大盾で迫ってくる。

 カーナはそれらの攻撃を最小限の動きで的確に避け続けた。


 だが今回は先ほどまでと違って魔道具を使う事が可能なノズルも攻撃してくる。


「ほらよ!」


 キューリとグロエの絶え間ない攻撃の合間に飛んでくるノズルのフック。

 当たれば即ゲームオーバーの鎖。

 嫌でも神経を使わざるおえない。


 しかも、ノズルの攻撃参加によってグロエとキューリの動きもさっきより冴えているようにすら思える。

 3人の攻撃は例えるなら、まるで放流されたダムの水のような攻撃であった。

 最早、魔道具を使わないと回避は不可能なレベル。


 カーナは魔道具を迷わず使う。


 確かに3人の波状攻撃はじょうこうげきは素晴らしかった。

 しかし、魔道具を使用したカーナは瞬間移動のような高速移動で3人の攻撃をかわし続ける。

 そして1分ほどだろうか、カーナが避け続けるその過程で3人の内1人の隙が出来た。


 槍の達人であるグロエ。

 彼が3人での連携で攻撃している時、キューリがカーナと自分の前に出たことでカーナの姿を一時的に見失ったのだ。


「………」


 1人は敵を減らしたい。

 出来れば早めに。


 そう思っているカーナは瞬時に魔道具の出力を上げて発動、グロエへの背後に移動した。

 流れる赤い髪と共にナイフを逆手に力を込める。

 が、


「やっぱ、そこに移動するよな!このボケが!」

「っ!!」


 カーナは驚愕した。

 自分がグロエの背後に回りこんだ、その時。

 目の前にはノズルが投げられたフックが迫っていたのだ。


 カーナが魔道具を使って移動した先、到着場所を事前に予想していたかのように投げられたフック。

 まるで矢のような勢いで飛んでくるそれは鎖のジャラジャラという音を取り残すような速度で飛んできていた。


 カーナは素直に驚いた。


「事前に私が移動する場所を予測して投げてくるなんて頭イカてますね」


 最大限の敵への賞賛の言葉と共に上半身を逸らして鎖に繋がれたフックを回避。

 即座に横薙ぎでカーナの足を払おうとするグロエの槍をそのままバク転をして回避。

 間髪いれずに大盾が突っ込んでくる、またあの大盾が意思を持って掴んでくると厄介だ。

 カーナは魔道具によって大盾で突っ込んでくるキューリの背後に高速で回りこむとクルンと半回転しながら蹴りをお見舞いした。


「よっと」

「ぐっ!?」


 一歩二歩とカーナは間合いを取るとすぐに構えなおした。

 そして言った。


「これ以上、後手に回るのは得策ではありませんね」


 そう言って一方的な攻撃を嫌うかのようにカーナがナイフを投げる。

 数にして8本ほど。

 だが今回はその全てを3人の敵に対して分散するのではなく、大盾を持ったキューリにだけに向けて投げた。


”なぜ一番効果が期待できないキューリに?”


 そんな疑問が浮かびながらもキューリは大盾を構える。


「小賢しいナイフなんぞ今更効かんわ!」


 全て弾かれたナイフたち。

 それらは無残に空中で舞う。


 当たり前過ぎる状況。


「なんで大盾持ってるおっさんに投げてんだ? 狙うなら俺かグロエだろ。そんな馬鹿してると俺の鎖に捕まっちまうぞ!」

「知ってます」


 そしてカーナはノズルに向かって魔道具を発動。

 超加速。


 既にノズルはフックを投げている。

 そのフックと空中ですれ違うような形でカーナは鎖を避けながら、連なる鎖の一部分にナイフを投げた。

 針の穴を突き刺すのように床と鎖を突き抜けるようにナイフが突き刺さった。


「うぉ!?」


 結果、鎖に引っ張られるように体制を崩すノズル。


「最初から狙いはお前ですよ、ノズル卿」


 カーナはここで今日一番の速度を見せた。


 最大火力を出したような魔道具での二段加速。

 そして加速途中、今しがた投げてキューリに防がれた宙をくるくると回転するナイフの1本、カーナはそれを器用にキャッチするとノズルの鋼の拳が自分に到達する前に懐に飛び込んだ。


「っうぉと!?」


 だがノズルも体制を崩しながらも高速で突っ込んでくるカーナに応戦すべくガンレットに包まれた鋼鉄の拳を打ち込んでくる。


「舐めんなよ!」

「その行動は予想済みです」


 魔道具である大型ナイフはノズルの打ち出される鋼のガンレッドを受け流すために使う。

 そしてカーナは先程キャッチした投擲用小さなナイフを左手に振り抜く。


「まずは1人目だ。神の御前で華々しく散りなさい」


 その切っ先がノズルの喉に触れー、


 る、そう思われた瞬間だった。

 風の壁が割って入って来たのだ。


「!?」


 風圧によって手に持った小さな投擲用ナイフが押し返される。

 一時の猶予、その隙にノズルは一歩後ろに引いた。

 カーナはその場で大きく舌打ちをする。


「もう少しだったのに…腹がたちますね、何度も何度も、もう少しなのに」


 ノズルの首元に襲い掛かるカーナの小さいがそれでも確実に相手の息の根を止める凶刃は一陣の風によって防がれた。

 投擲用の小型ナイフとはいえ魔道具の加速によって突進能力を増加させたカーナの1撃をいとも容易く防いだ風。

 そんなものが偶然の風がこんな閉め切った王の間で起こるはずも無い。


 風の出所は言うまでもない。


「危ねぇ~危ねぇ、助かった」


 カーナはゆっくりと忌々しい風の出所を見る。


「………」


 クルウェイ・キュート。

 4つの能力を自在に操る男。

 今、使ったのはカーナが一番警戒していた”風”の能力と考えてまず間違いない。


 風の能力。

 風を巻き起こして飛ばす斬撃はフミナガの飛ぶ斬撃には威力速度共に程遠い。

 風を押し出すことでの速度アップはカーナの超加速の足元にも及ばない。

 風の壁にしても、今しがたカーナが使ったのが使い捨て用の小さな投擲用ナイフだったから防げたが魔道具の大型ナイフなら防げなかっただろう。


 だがそれでもカーナはクルウェイが持つ魔道具の能力で1番この能力を警戒している。

 理由は1つ。


 火、硬質化、超回復と違って”応用力が高すぎる”のだ。


「助かったぜ、団長」

「油断するなノズル」



閲覧ありがとうございました(/・ω・)/

ではまた近々、数日後にお会いしましょう♪(@^△^)ノ




皆さん!『死神坊ちゃんと黒メイド』の最終回観ましたか!?最~高でしたね~!!

私は1期の最初から観ていたんだけど、もう最高の最終回でした(ノД`)・゜・。「触れたもの全てを死なせてしまう」そんな呪いを受けた主人公だからこそ辿り着いた大団円。これ以上の最終回無いよ(ノД`)・゜・。

そしてエンディングの結婚式で流れた1期のオープニング「満月とシルエットの夜」しかもそれのウエディングバージョン。。もう私泣きそうだったよ(><)

皆も観てみ!YouTubeで「満月とシルエットの夜のウエディングバージョン」公式がアップしてくれてるから!

皆も泣いちゃうぜw

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― 新着の感想 ―
[気になる点] よくよく考えたら、2話前に騎士達が、カーナの事を卑怯だの姑息だの言っていたけど、一人のメイド相手に4人掛かりで襲い掛かるのは騎士道として卑怯ではないのかな笑。 [一言] プルート最強の…
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