05 近衛騎士団
クリックありがとうございます♪…皆、ただいま。退院したひとりぼっちの桜ですw
さて今回のお話ですが、入院中に考えました(+_+)前回のお話、このまま進めていいものかと私は悩んでいたのです…そして夜眠れなくて暇つぶしに病院の暗い廊下を歩いている時に結論が出ました。
否!断じて否であると!(゜д゜)!
このままお話を進めては近衛騎士5人の色がまだ付いてないから【カーナ VS 近衛騎士】に皆様が感情移入できない!ってねw
って事で、今回のお話は、前回のお話でカーナが目をつぶってマリアンヌへの忠誠の言葉を呟いていたじゃないですか?その辺りのクルウェイ側の視点です。
ただの近衛騎士団の説明になっちゃうとダメなので、皆様にどうやったら近衛騎士たちを気に入って貰えるかな~?と思いながら入院中に考えた内容になります(笑)楽しんで頂ければ幸いです。
ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ~(^^♪
【プルート近衛騎士団】
欲しい物は全て手に入れる。
そんな欲の権化である現皇帝グローリー・デイ・ファンデシベルが欲望のままに作った最強の近衛部隊。
皇帝が最も信頼を置き、プルートで唯一皇帝を近くで守る事を許された者たち。
全員が爵位を持ち、戦場では部下を数十万従わせ、強力な魔道具を持つ将軍。
アトラスの10英雄と対となすプルートの最終兵器。
そのメンバーは皇帝によって大陸中から集められた最強の5名である。
1人目。
幼い時からいくつもの戦場を経験し、戦場で誰よりも前線で悪魔の大盾を構えて戦い続けた。結果として背後にいる味方を何百万人守り抜き、敵からはプルートの悪魔と恐れられた者。キューリ。
2人目。
プルートの騎士学校を歴代最高の成績を収めて卒業し、今尚誰もその成績を超えることが出来た者無し。軍略・政治においても超一流。貴族の出であり文武両道の体現者、優秀を絵に描いたような者。グロエ。
3人目。
数多くの国をたった1人で渡り歩き続け、この者を味方に引き入れたら戦争に勝てるとまで言われた最強の傭兵。世界で唯一2つ魔道具を使用できる者。ノズル。
4人目。
クルウェイに次ぐ実力を持った近衛騎士副団長、遥か遠い国にて並ぶもの無しと称された世界最強の剣士。フミナガ。
5人目。
そしてそれら4人を率いるのは誰にも負けない最強の武を持ち、軍師よりも策を練り看破する最強の智を持ち、黄金に輝く最強の魔道具を持ち、どんな不利な戦場であったとしてもたった一声で味方の士気を上げるカリスマ性・指揮能力を持つ、最強の申し子。クルウェイ。
以上5名。
これがプルートが誇る近衛騎士団。
皇帝が最も信頼を置く5人。
………
……
…
『グローリー・ディ・ファンデシベルの名を持って命じる。 クルウェイ・キュート並びに近衛騎士全員で赤髪の女を止めよ、ロキに近づけさせるな』
皇帝の命は絶対である。
故にこの国の最強戦力5名はカーナという1人の女に相対する。
そしてここから先、彼女と戦闘になるかは皇帝の実の子である銀線の姫がどう対応するかに委ねられた。
銀線の姫は皇帝まで続く赤い絨毯の上で臆する事無く高らかに言い放つ。
『カーナ・マキシマム。マリアンヌ・ディ・ファンデシベルの名を持って命じる。我が義兄、ロキ・ディ・ファンデシベルの片腕を切り落とせ。それを邪魔する輩は全て敵だ、如何なる者だろうが蹴散らせ』
どうやら戦いは避けられないようだ。
メイド服を脱ぎ捨てて、目を閉じ、己の主であるマリアンヌの命令を心に刻み付けているカーナ。
一方、戦いが避けられない以上、職務を全うする近衛5名。
カーナが目を閉じている間もその特殊な戦闘服に目を細める。
彼らはその卓越した洞察力や、過去の経験則からカーナがどのようなものをいくつぐらいその服に仕込まれているか、その大まかな答えとその対処法を瞬時に導き出す。
足音から通常では考えられない重い金属音が聞こえた。
おそらく鉛か何かを仕込んでいる。
黒い皮手袋に妙な膨らみが見える。
靴同様に鉛を仕込んでいる可能性有り。
両足両腕にかなり同色でかなり見えづらいが黒いベルトのようなものを巻いている、そしてわざわざ黒く塗られたナイフ数本。
正面からでは見づらいが手首や腰にも何か仕込んでいる。
カーナの魔道具の性能も考慮すれば基本的にはインファイト、接近戦をしたいのだろう。
だがいくら速度強化の魔道具があるとはいえ、馬鹿正直にクルウェイ率いる近衛騎士に近づくのは危険。
近づくまでの牽制にナイフを用い、隙を突いて一気に近づいて戦闘を終わらせたいといった所か…。
つまりこの目の前のカーナという女との戦においての模範回答は、こちらは遠距離から魔道具で一方的に攻撃し続ける、近づけさせない。
これが必勝法、それだけで片付く相手だろう。
自分たち5人の魔道具を上手く使えば造作ない相手。
「結構いい女じゃねぇか、特にあの腰周りがいい。ってのは置いといて、さっきのロキ皇子の護衛をやったあれ。あれって魔道具使ってるよな?」
短い黒髪とあごひげ。
左手に鎖付きの大きなフック、右手には手・腕・肩まで覆いかぶさるようなガンレット、この中で一番野性味溢れる男、ノズルが疑問を口にした。
「ファゴット際の時の女であろう。たぶんあの…名前はラムゼスだったか?あの小僧が持っていた魔道具が確かあれだった」
最年長40代後半の男。
悪魔がそのまま張り付いたような不気味な装飾が施された真っ黒な大盾を持ったキューリが蓄えられた立派な髭を撫でながら言った。
「ええ、間違いないですよ、キューリ卿。私の愚弟の親友をファゴット際でボコボコにしていた女です。試合を見た感じ能力は魔道具のナイフから魔力を発する事による加速のみです。強力ですが…まぁ対処は難しくないかと」
近衛騎士の中で最も高身長、2メートルを優に超える身長。
だが、だからといって高圧的というわけではなくむしろ真逆、生気の感じられない細木のような男、グロエが1本の気品溢れる槍を手に自身の分析を語る。
「グロエ、相手の能力分析なんて詮無き事だ。あの速度なら十分全員が対応可能。問題そこじゃない、問題は皇帝陛下の命とは言え、お嬢ちゃん1人に俺達5人で相手するのは少し気が引ける。それだけだろう。ふぁ~あ」
この中で一番の軽装、手に持った武器もこの辺りでは見ない薄く鋭い【刀】と呼ばれるその一振りのみ。 そんな浪人風の男、フミナガが刀同様に鋭い目をカーナに向けながらもやる気無さな気に吐き捨てる。
ご丁寧にあくびを添えて。
「皇帝陛下の命だ。全員、気を引き締めろ」
声を抑えて喋っていた4名の空気がピリッと引き締まる。
クルウェイは続ける。
「フミナガだけじゃない、全員良く聞け。大前提として今から自分達が戦うのが、ただの女という考えを捨てろ。今から戦うのは誰よりも戦闘の才能のある人間が幼少期から戦闘の英才教育を受けた人物。自分の戦闘の師でもあった死んだ前任の近衛騎士団長、その忘れ形見であり、尚且つ最高傑作。本物の天才だ」
どこか勝利を確信している4名の近衛騎士たち。
こちらの戦力を考慮すれば勝利の確信など当たり前なのだが。
それに対してクルウェイの口にした”天才”という言葉に近衛の4名は疑心の目を向けざるおえない。
まず疑問の口火を切ったのはやる気の無さそうな副団長フミナガであった。
「俺に唯一勝った人間、誰よりも天才なお前がそこまで言う相手か?」
「フミナガ、自分なんてカーナに比べたら凡人だよ」
鋭い鷹のような目がクルウェイに向けられる。
「本気で言ってるのか?」
「事実だ」
次に口を開いたのはグロエ。
「クルウェイ団長が凡人ですか?1の物事から10でも100でも学び取るあなたが?」
「グロエ、自分が1から100学び取る天才なら、カーナは…あくまで戦闘に関してはいう意味で言うが……」
ここで少し考え込むクルウェイ。
過去のカーナという人物を振り返ってこう口にした。
「カーナは1から1000学び取る本物の天才だ」
ただ事実をありのままに語ったクルウェイであったが、今の話は他4人にとってあまりにも荒唐無稽の話だった。
カーナという女をあまりにも評価しているクルウェイ。
確かに近衛4人もファゴット際でのカーナの動きを見ていた、そして見る限りただの女とは思えなかった。
危険な敵だとは思う。
だがそれでも自分達近衛がそこまで警戒する相手とも思えない。
過大評価とも思えるクルウェイの言葉。
最年長キューリが近衛全員が思った事を口にする。
「クルウェイ、さっきお主はあの小娘を自分の師の忘れ形見と言っとったな?吾輩は前団長時代、近衛に入っていなかったからあの娘はチラッとしか見ておらんが。関係性としては、お前にとってあの小娘は妹弟子になるわけだ。妹弟子には甘いだけではないのか?今から戦う相手を前にして、今お主が言った言葉は客観的な意見だと言えるのか?」
その指摘にクルウェイは大真面目に頷く。
「自分はあくまでカーナという女を1戦士として評価したに過ぎません。そこに私情は一切挟んでいませんよ」
そして少し困った顔をして、どう説明したらいいものかと逡巡する。
「そうですね…キューリさん、さっきのロキ皇子の護衛を一瞬でのした一連の動きを見てどう思われました?あなたはあれを見て、彼女は息をするように自然に魔道具を発動しているように見えませんでしたか?」
「ふむ、確かにあの魔道具の発動スピードは素晴らしいものだった。だが、あんなものここに居る近衛なら全員あのレベルで発動可能だろう?」
「ええ、その通りです。ですが、あのレベルの自然な魔道具発動に行き着くまで普通なら数年はかかります。自分でも1年かかりました。だが彼女はファゴット際であの魔道具を手に入れてから数ヶ月でこのレベルに行き着いている。あなたなら可能か?キューリさん」
「残念だが吾輩は2年以上はかかったな。なるほど…警戒に値するな。だが、ならばその天才様に我らが団長は手も足も出ない、勝てないという事かね?」
「フッ、それは無いですよキューリさん。自分は彼女に対し、才能で勝てないと思った事はあっても、実戦で戦って負けると思ったことはただの1度も無い」
するとノズルが元傭兵らしく、話に割り込む形でクルウェイに詰め寄ってきた。
彼が聞きたいのは戦う相手の戦力のみ。
「どれだけあの女が天才かだなんて講釈は興味ねぇよ。クルウェイ団長、1つだけ聞かせろ。あの女の能力は加速だけでいいんだな?」
「…ああ、ノズル。自分の知っている限り、あの大型ナイフの魔道具の性能は加速だけだ」
「お~け、了解した」
「傭兵崩れが、団長に失礼な物言いをするな」
「グロエ、言いたい事があるならこっち見て言ったらどうだよ?」
「やめろお主ら。皇帝陛下の御前だ」
直、始まるであろう戦い。
その前にしてクルウェイ、
「………」
この時、クルウェイは自分で今しがたノズルに答えた言葉を吟味しながら妙な違和感を覚えていた。
自分の戦闘における師であるカーナの父親、彼とは何度も幼い時に手合わせしてきた。
今カーナが持っている大型ナイフの魔道具の能力は誰よりも知っていると言っても過言ではない。
だからこそ今ノズルに言った自身の言葉に間違いはないはず。
でもなぜだろう。
あの天才カーナ・マキシマムなら、自分の師以上にあの魔道具を使いこなして、”別の使い方・戦い方を編み出していても不思議ではない”そう思ってしまう。
不安が腹の中で顔を出しては引っ込める。
「ノズル、もしかしたら…」
そう呟いたクルウェイ。そしてその違和感を近衛全員で共有しようと再び口を開こうとした、まさにその時、今まで目蓋を閉じマリアンヌの言葉を胸に刻みつけていたカーナの瞳が再び開かれる。
『全てはマリアンヌ様のお心のままに』
視線は真っ直ぐこちらに向けられた。
その瞳に近衛全員がゾッとした。
カーナがこれまで立ち合った誰と比べても格が違う相手、最強の近衛騎士団に対して一切萎縮しないだけじゃない顔つき。
恐怖心も無く。
臆する事無く。
ただ無感情な目。
その口から紡がれる言葉に恐怖は無い、有るのはただ静かに自分が信じる唯一神への忠誠だけ。
『この身、この命、流れる血の一滴に至るまでマリアンヌ様の為に。任務開始』
カーナの手に持たれた魔道具が皮手袋の中で強く握られた。
空気が変わった。
張り詰めた糸のように。
カーナは無感情に言った。
「お待たせして申し訳ありません、近衛の皆様。さぁ始めましょうか。では私は今からロキ皇子の片腕を切り落としにかかります。邪魔するならどうぞご自由に、全員蹴散らしますので」
今から命を賭けた戦いが始まるというのに感情のこもっていない事務的な言葉。
そして軽く、その場でステップを踏むカーナ。
戦闘が始まる前にクルウェイは言った。
「カーナ、戦う前に一応聞いておく。彼我の戦力差は歴然だ、お前が勝てる見込みは万が一にも無い。退く気は?」
「ありえませんね」
「だろうな、お前ならそう言うと思ったよ」
そしてクルウェイは小さく呟く「それでこそあの人の娘だ」と。
手に持つ黄金のハルバートをクルリと逆手から正手に持ち替える。
「ならば全力でいくぞ」
「全力ですか…出せるならどうぞ」
近衛全員がその言葉に反応する。
クルウェイが首を傾げる。
「どういう意味だ?」
「クルウェイさん、あんたともあろう人が気付いていないのですか?」
閲覧ありがとうございました( ^△^) _U~~
いかがでしたか?近衛騎士5人、色々と色を付けたわけですが、、ね?今回のお話を追加して良かったでしょw皆様にとって好きなキャラが1人でも出来たなら嬉しい限りです♪…まぁカーナの敵。つまりマリアンヌの敵キャラになるわけですがww
因みにカーナが最後に言った「全力…出せるならどうぞ」←この含みのある言い方、その理由は次回明かされるの楽しみにしておいてくださいね~♪
皆様、ゴールデンウイークはどうお過ごしですか?
私はと言うと…人がいっぱいは苦手なので、スシローで寿司を持ち帰り注文して家で食べてました(^^) なんか本マグロが100円っていうキャンペーンやってたから「ほんまにやってんの?前みたいに景品法事違反で用意してないんちゃうん(;一_一)?」って思って電話注文したら、普通に注文できたのでいっぱい注文して家で食べてました♪
凄く美味しかったので皆様もオススメですよ~
え?「お寿司って事は流石に誰かと食べたんだよね?家族とかと」ですって?
……部屋で、
……1人で食べましたけど。
……何か?