03 積み重ねられた計画(1)
クリックありがとうございます♪僕の心のヤバいやつの2期を見終わって感動に打ちひしがれているひとりぼっちの桜ですw ね?皆、私の言った通り最高だったでしょ?(*^▽^*)
声優さんも1期の時よりもかなり良い感じになってきて、何よりも内容がたまらん!特に卒業式の贈る言葉、あれは…最高やで(>_<)市川カッコよすぎるw私もやったとこあるんだけど、私の時なんて誰も感動してくれなかったし( ;∀;)先生からは卒業式の前に「お前、リハーサルの時みたいに笑いとか、いらん事言わんでええからな。原稿通りに言えよ。分かってるな?」って言われたし(´;ω;`)ウゥゥ
てか、もし見てない不届き者が居るならYouTubeで公式が最終回のラスト5分をアップしてるのでそれだけでも見るんだぞ∠( ̄^ ̄) めっちゃ感動しますよ(笑)
さて今回のお話ですが、遂にここまで来ましたね。と、言っても、そう思っているのはマリアンヌだけですがw
ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ~(^^♪あっ、因みに今回のお話は原稿用紙20ページ超えてたので半分に別けましたw流石に…ねw
遂に…。
遂にマリアンヌが待ちに待ったその日、その時間がやってきた。
高い天井にシャンデリア、大理石の柱、床には赤い絨毯、置いてある装飾品が豪奢を極めている王の間。
そんな王の間では1月に1回ある定例の集まりという事もあり、今日は様々な人間が集まっていた。
皇帝を筆頭に右大臣、左大臣、優秀な軍師や将軍、有力貴族。
そして今日は特別に慰問から帰って来た王位継承権を持つ皇子、皇女たちが勢揃いしている。その中にはもちろんマリアンヌが釘を刺した王位継承権第3位、ロキ第2皇子の姿もある。
因みにロキはマリアンヌから一番遠い場所で忌々しいと言わんばかりに歯軋りしながら自慢の黒い長髪をボリボリと掻いている。
一方のマリアンヌは自慢の銀髪をクスクスと笑い声でなびかせている。
マリアンヌとロキが発生させている険悪な空気の中、まず口を開いたのは皇帝であった。
彼はマリアンヌたちが居る場所から数段重ねた上、玉座の上で王錫を手にしている。
「お前達よく集まった、まず我からお前達に労いの言葉を送ろう。我が息子、娘達よ、慰問ご苦労であった」
たった一言で場がしん、と静まり返る。
60はとうに超えて尚、他者を気圧させる声、雰囲気、カリスマ性。
羽織っている赤く分厚いコートのようなマントが更に人を圧倒させる。
数人を除いて全員が萎縮している。
「この国の次代を担うお前達が見事職務を全うした事を我は嬉しく思うぞ」
何が職務だ!
我以外は現時行って、楽しんで帰ってくるだけのただ旅行だろうが!
ただの旅行に職務の要素なんかあるわけないだろうが!
暴動起こすぞ!コラ!
マリアンヌの怒りの叫びが、心の中だけで木霊する。
そしてそれからも続いた皇帝による形式上の労いの言葉。
若干マリアンヌの慰問の話が他の皇族に比べて少ない、短い気がしたが、この場に居る誰もが背筋を伸ばして聞く中、マリアンヌは終始折れて包帯が巻かれた手をダラ~とさせて「早く終わらないかな?この実のない話」と思って天井を見上げていた。
そして慰問の労いが終わり、皇帝からの貴族や軍師達への申し送りも終わり…。
「我からお前達に言いたいことは終わりだ。それではお前達下がってよいぞ」
大前提として、マリアンヌとロキの賭けの内容を知っているのはもちろんこの場に居る全員だ。
王位継承権をかけた皇族同士の戦い、その結果今日1人皇族争いから脱落する。
ここに居るような有力者や権力を持つ人間たちが話題にしないわけがない。
知らないわけがないのだ。
だからこそ皇帝がその話に触れずに、この場をお開きにしようとしているのに皆の目が泳ぐ。
ただ1人を事前にこの流れを予測していた1人を除いて。。
マリアンヌは黒く塗られた口元に笑みを浮かべて足を前へ踏み出す。
ヒールの音が王の間に響く。
「おやおや、皇帝陛下。お年を召したせいで記憶力に問題が出てきたのでしょうか?私とロキの賭けの話をお忘れですよ♪」
皇帝は苛立ち気に言う。
「別にその話は今でなくてもよいだろう。他の皇族、大臣や軍師、将軍達が居る前でする話ではない」
「何を仰いますのやら皇帝陛下、逆ですよ」
彼女のヒール音は止まらない。
コツコツと皇帝の前まで行くと振り返る。
その足取りに皇帝の圧力に怯む様子は無い。
そしてここに居る全員に向かって説明を始めた。
「今、この場には王位継承権を持つ皇族がせっかく全員集まっているのです。両大臣に有力者、この国の優秀な将軍、軍師達もいる。ならばこの場でしっかりと皇帝争いで誰が脱落したか、それを皇帝陛下の口から示す必要があるのです。曖昧で内々で終わらすのはよろしくない」
直訳するとマリアンヌはこう言っているのだ。
全員の前で誰が勝者で、誰が敗者なのか、それをハッキリさせろ。
曖昧など許さない。
我を称えろ。
ロキを晒し者にしろ。
と。
ロキの苛立った視線が突き刺さる。
「もう俺が皇帝争いから脱落したと決め付けているのか」
マリアンヌは意外そうに目を丸くする。
「え?腕の方が良かったの?」
「グッ…」
マリアンヌの鋭い視線がロキの腕を捉えるとロキはたじろぐ。
腕を守るような仕草で。
それを見て鼻で笑うマリアンヌ。
「そういえばそうだな、確かにお前の言う通りだ、ロキ。我が負けた場合は有無も言わさず王位継承権を失う。しかし、お前は片腕か王位継承権、どちらか失うでいいよ。選んでいいよ♪って我言ってたよな。うん、片腕にする?」
ロキが拳を握った。
「イカサマだ」
「ん?」
「お前、イカサマしたんだろ!!普通に考えたら1週間で紛争なんて解決出来るわけねぇだろうが!じゃなかったらな!俺がお前になんて負けるわけ無いんだよ!このクソ妹が!!」
ロキの口調は激しかった。
目は大きく見開かれ、全身でマリアンヌを非難していた。
事前にある程度このクソ兄貴の回答を予想してたとは言え、実際に聞くとまぁ~イラつく事、イラつく事。
だが、マリアンヌはここはグッと我慢して怒りを腹の底に押し込む。
そして腹の底に押し込んだ憎しみ怒りを重低音に変えて響くような声で言った。
「イカサマしようとしたのはお前だろうが、ロキ」
「っ!?」
ロキの心臓が大きく跳ねた。
マリアンヌの目つきが鋭くなる。
「我がおかしいと思わないとでも思ったか? お前が王位継承権を賭けて我と勝負したいと言って、その後に互いの慰問先が決まった。お前が行く場所は行って帰ってくるだけの紛争とは名ばかりな観光名所。一方、我は何年も何年も恨み辛みが積み重なった本当の紛争地帯。お前が王位継承権を賭けるなんていう言葉を口にした時におかしいとは思ったが…お前、事前に”誰かから”皇族全員の慰問先を聞いていただろ?聞いて自分が絶対に勝てると踏んだから、我に勝負を挑んだんだろ!」
「な、なにを!そんなわけ!!」
まるで自分は誰からも事前に情報を得ていないと周囲に印象付けるように、『正義は我にあり!』と、声高らかにロキを攻め立てるマリアンヌ。
マリアンヌは事前に予想していた。
この状況になる数ヶ月前、サンティエールの紛争解決に赴く前から、自分がサンティエールの紛争を解決した後に第3者がどう感じるか。
劇的な逆転劇。
そう考えるものが多いだろう。
しかし、頭の切れる奴なんてこの国にはごまんといる。
全員がロキと同じように馬鹿では無いのだ、残念な事に。
その頭の切れる奴らはきっとこう考えるだろう。
マリアンヌの今回の紛争解決はあまりにも出来すぎている。
もしかしたらマリアンヌは事前に慰問の情報を知っていたのではないか?
だとしたら誰から?
そいつが紛争解決に手を貸した?
果たしてこの王位継承権を賭けた勝負は適正に行なわれたのだろうか?
こういった思想を持った人間が王の間で不必要な事を口にしないように、今マリアンヌはロキを攻め立てて自分はロキの策にハマった側だと印象付けている。
とどのつまり、マリアンヌとしては紛争解決の難癖を付けられたら困るのだ。
「お前に情報をやったのは誰だ?皇族の慰問先を知る者なんて一部の人間だけだろう。ここに居る者たちの中でも数人のはず……右大臣か?左大臣か?それとも…」
「だから!知らないと言っているだろが!!俺はたまたま…っ!いや、なんでも」
声を張り上げるロキ。
しかしすぐに言葉を切る。
誰の目にも怪しい、嘘をついている事は明らかであった。
だがマリアンヌは分かっている。
「たまたま、なに?」
「………」
分かってるよロキ。
お前は父、皇帝陛下から”自然に”皇族の慰問先を知るように操作されていただけだもんな。
お前は悪くな……いや、情報を聞いて我を蹴落とそうと画策しているわけだから十分悪いか。
悪いな、うん。
でも改めて考えるとこの状況、まるでサンティエールの時の火あぶりにした愚かな男と同じようだな。
だが今回愚か者を裏で操っていたのは庭士の一般人ではなくこの大陸の覇者。
より狡猾で強欲な主。
我が父ながら悪質よな。
ロキよ。
愚かとはいえ、我と同じ血が半分入っている兄。
少しだけお前の為に反撃してあげよう。
感謝しろよ、我は心の広い優しい妹だからな。
「ふ~ん、知らないね~。へ~」
ロキを無視するようにマリアンヌは首を横へ。
赤い絨毯の上、視線の先に居るのは父である皇帝。
齢60を超えて尚、未だ欲望費えぬと子供たちを犠牲にしてでも全てを手に入れようとしている悪鬼羅刹。
そんな皇帝をチラッと見る。
動揺1つ見せず、微動だにしない皇帝と視線が交わる。
なんとわざとらしい仕草だっただろう。
その結果、マリアンヌのわざとらしい仕草に周囲の人間たちも皇帝を見た。
集まった大臣、将軍や軍師、有力者達は瞬時に理解した。
口には決して出さないが、今回のマリアンヌとロキの皇帝争いの裏で誰が暗躍していたのか。。
そして頭の切れる者の中には更に先、皇帝の真なる目的も理解し始めていた。
マリアンヌはそれらの反応を視線の端でしっかりと確認。
喉の奥に笑みを押し込んで、
「まぁ、いいや。 我がイカサマしたかは…左大臣、お前なら知っているな?我が本当にサンティエールの紛争を解決したかどうかを答えなさい」
マリアンヌが訊ねると、左大臣は少しして、口を開いた。
努めて冷静に言葉を選ぶようにして、
「はい、確認いたしました。サンティエールの紛争は間違いなく解決されたと考えられます」
黒いドレスはまるで自分の闇を映し出すかのようにはためく。
「だ、そうだ。ロキ、何か反論は?」
「………」
「無いよね」
そしてマリアンヌは少し呼吸を整えてから、止めを刺すようにまた口を開いた。
「この手を見てみろ」
静かな、とても静かな声で、骨折して包帯が巻かれた痛々しい両手をロキに見せ付ける。
「この手はな、この度の紛争を解決するにあたって負った怪我だ」
マリアンヌはまるで自身の信念を現すように真正面からロキの目をしっかりと見つめ返す。
今までと全く違う妹の雰囲気。
気圧され思わず後ろずさるロキ。
「我は本気で紛争をどうにかしたいと思って行動していた。 一方、お前はどうだ?」
そして、まるで母親が子供に対して優しく諭すような口ぶりであえてマリアンヌは溜めを作った。
「観光…楽しかった? 我が必死に国の為に領主と国民達の紛争を解決していた時、お前はどんな気持ちで慰問先で観光してたの? 好きなものを食べて、好きなだけ女でもはべらしていたのか?」
黙りこむロキ。
折れた手はもちろん。言葉、仕草、声の強弱、全てを用いて場の空気を掌握していくマリアンヌ。
「ロキ…、妹として聞くのではない、同じ皇族として1つ聞かせてくれ。お前は次の皇帝になる資格があるのか?」
「………」
答えられるわけが無い。
周囲のロキ向けられる目。
誰もが言っている。
あなたに皇帝の資格はない。
「お、お、俺は、俺がお前なんかに…負けるわけがぁ」
そこで父親である皇帝が大きな溜め息を吐いた。
「もうよい。もう分かった。ロキよ、もう黙っていろ。今後この件は我が引き受ける」
マリアンヌのように色々な手段を使って場を掌握するわけではない、小ざかしい手段など不要、たった一言で場の空気を全て持っていく皇帝グローリー・ディ・ファンデシベル。
彼の言葉は全ての人間を有無も言わさず黙らせる。
生まれ持ったカリスマ性、纏った雰囲気、圧力によって会話が完全に止まった。
静まり返る王の間、誰も彼もが言葉を失った。
場の緊張が更に高まったせいか、王の間に居る人たちの衣擦れ音すら届いてくる。
「よいな?マリアンヌ」
だが忘れてはいけない。
マリアンヌとて、この皇帝の子。
しかも、おそらく兄弟間において一番色濃く皇帝の血を受け継いでいるといってもいい子供。
彼女は自身もまた生まれ持った他者を圧倒する雰囲気を纏い皇帝に相対する。
「もちろんです、御身の望むままに、お父様♪………なんて、言うわけないでしょ? ふざけるのも大概にして頂きたい」
閲覧ありがとうございました(^O^)/皆様なら会社の上司、学校の先輩、圧倒的に上の立場の人間から反論を許さないような、また押さえつけられるような言葉を投げかけられた時、どのように反論しますか?
私なら…嫌みと皮肉を言います。はい、嫌われます(^〇^♪
次回、マリアンヌがどのように反論するか、楽しみにして頂けると嬉しく思います♪ヒントは今までのお話の中に隠されていますよ~w
ではまた次回お会いしましょう♪(^_-)-☆バイバイにゃ~。
前書きでも言ったんだけど、本当に『僕の心のヤバいやつの2期』最高だったよね~。まだ語り足らないよ~wてか毎回神回過ぎて、このアニメに神何人居るんだよ!状態ですw
因みに卒業式の贈る言葉も良いんだけど、卒業旅行の告白シーンも良いんだよね~。漫画で読んでいた時も感動したもん。自分の事だけ考えて告白するんじゃないんだよ、山田の事も最大限考えて言うんだよ。あれが市川らしいっていうか…カッコいいんだ:;(∩´﹏`∩);
カッコいいキャラって男性キャラだと他のアニメでもいっぱいいるじゃないですか。でも、私的には一番カッコいい男性キャラは市川だねwちょっと、また漫画を最初から読みたくなってきたわ(笑)




