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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第8章】 偽りだらけの旅芸人

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07 潜入開始!マリアンヌ到着2ヶ月前

クリックありがとうございます♪タイガース優勝M5ぐらいまで「本当に優勝するの~('ω')?」って思っていたひとりぼっちの桜ですw 

いや、地元だから応援はしているんですよ。ただ…いっつも逆転されて負けてたからねw絶望的に信用が無いんよ(笑)前の優勝時なんて私学生で宿題やりながらテレビ観てたよ(><)次の優勝はいつかなw?まぁとりあえず目先のクライマックスシリーズを超えるように応援しようかな♪



頑張ったんやけど…無理やった。

いや、全力は出したんや...( = =) トオイメ。。

でも…マリアンヌ到着前のお話、2つに別けざるおえなかった(>_<)


まぁほらマリアンヌ到着からは駆け足だから…ね?いいよね?ね??


って事で、今回がマリアンヌ到着2カ月前、次回が1カ月前みたいな感じにしようかと思っております。ではでは今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪

あ、今回のお話は原稿用紙9ページで、5千文字軽く超えちゃった(^^♪てへ



 サンティエール到着のその夜。

 カラス改め銀線宝歌の面々の姿は領主の屋敷にあった。


 娯楽などほぼ無いこんな田舎に突然やって来た超一流の旅芸人達に領主の機嫌は大変良かった。


「お~素晴らしい!!素晴らしいではないか!!」


 サンティエールという廃れた町とは正反対な豪華な屋敷に豪華な内装。

 美しい音色と歌声の終わりが演舞全体の終わりを告げ、領主の惜しみない拍手が送られている。


「我々、銀線宝歌の歌や演奏、舞はお楽しみいただけましたか?」


 息を整えるようにして領主の御前で跪くラン。

 すぐ後ろで無言で跪くシャルドネ。

 更に後ろで剣を腰に携えたまま跪くオム。


 自然な形でサンティエールへの潜入を果たした銀線宝歌3名全員が礼儀ただしく領主にこうべれる。


「うむ!素晴らしい見世物だった!褒めてつかわすぞ!」

「ありがとうございます。私どももこのような偉大な領主様の前で我らが演舞を披露できた事を心から嬉しく思っておりますわ」

「ん?ワシが偉大…」


 ほんの僅かに眉を潜めるヤン。

 彼自身の心の奥底に眠る認めたくない気持ち”島流し”という感情、それが反応したからこその表情の変化であった。

 しかしランはそれを見透かすようにこう言い切った。


「ええ、もちろんヤン領主様でございます。なぜならこの地はアトラスにも近い、このような危険な地をお任せられている領主様を偉大と称さず、我々はなんと称せばよいのでしょう?」

「おお、そうか!そうじゃな!そちの言う通りじゃ!!」


 この場における最善手。

 相手の不の感情は消え去る事を重きに置いたような言葉選び。

 プライドの塊であるヤンはそれを聞いて、誰の目にも分かるほどに上機嫌になった。

 酒の勢いも進む。


 それを見てランはこう言った。


「つきましては、この地に滞在する許可をいただけませんか?」

「それは一向に構わんが、どれぐらいこの国におるつもりじゃ?」


 と、領主が問うと、顔を上げたランの表情には薄い微笑が浮かんでいた。


「そうですね…。数ヶ月ほどを予定しておりますが、そこに居るシャルドネ。彼女がこのサンティエールの地に来たからこそ作れる曲を生み出せたなら、それが我々の出発する時と考えております」


 事前に予想していた質問に回答。

 この言い分、言い訳なら好きなだけここに滞在できるし、滞在していても不思議ではない。


「ほう、数ヶ月か。構わぬぞ、好きなだけおれ。ワシが領主として許す。そうだ!ついでにここに滞在しておる間はこの屋敷で寝泊りするが良い。そうすればいつでもお前達の演舞を見れるからの。報酬もたんまり用意してやる!よいな?」


 そんな提案に乗ったら反乱軍と接触しづらくなるだろうが。

 ついてはマリアンヌ様に報告できなくなる。

 ありえない提案だ。


 後ろでひざまずいているシャルドネとオムがそう思う中、リーダー役であるランは赤い絨毯の上で首を横に振った。


まことにありがたいお話ですが、我々はトゥール村の宿を既に取っております」

「そんなものキャンセルすればいいではないか。あんなボロい村の宿屋など雨風をしのぐが関の山だぞ。それともワシのせっかくの誘いを断るというのではないだろうな?」


 自分の統治する村をボロいと言い放つ領主に、ランはもう一度首を振った。


「いえいえ、そのような事とんでもない。領主様のお屋敷はこれ以上ないほどに過ごしやすく快適でございます」

「ならば拒否する理由が無いではないか」

「ですがそれでは創作意欲が湧かないとシャルドネが言うのです」


 すぐ後ろ、黙ったまま頷くシャルドネ。


「それはどういう意味じゃ?」

「先ほど披露した曲や歌は全てここに居るシャルドネが作っているのですが、彼女曰く、創作物というのは恵まれた環境下では生まれないとの事です」


 黙ったまま頷くシャルドネ。

 彼女は決して喋らない、無言を貫き通す。

 無言のシャルドネ。

 彼女が一言でも喋ったら間違いなくボロが出るから。


 事前にランたちからそう聞かされていた領主も、シャルドネをチラッと見ると渋々だが頷いた。


「そうか…ならば仕方あるまいな。あのような素晴らしい曲の数々に我が地の曲が足されるのだ、ここは堪えて喜ぶべきじゃな」

「深きご配慮、そしてご理解頂きありがとうございます」

「だがここに居る間はその素晴らしい演舞、心行くまで堪能させてもらうぞ」

「それに関しては、こちらからも是非ともお願いいたします。いつでもお呼びください、我々は基本的には宿屋かその周辺におりますので」


 これでこの国を自由に動けるお墨付きを貰ったわけだ。

 つまり、ここでやるべき事は終わった。


 明日からはマリアンヌに任せられた、反乱軍を探るという一番大切な任務に移らなければ。。


「では我々はこれにて」


 3人は再度礼儀正しく頭を下げる。

 そして立ち去ろうとすると、領主が呼び止めてきた。


「ちょっと待て」

「はい。なんでございましょう?」

「これはここだけの話なのだがな、、2ヵ月後にプルートの第一皇女が慰問でここに来る事になっておる。その時の歓迎パーティー、そちら銀線宝歌を呼びたい。構わぬな?」

「え!? プルートの第一皇女様…そんな方が来られるのですか!?」


 心の底から驚いた表情をするラン。

 その反応にまんざらでもない顔をする領主。

 自身の権力欲が満たされているのだろう。


 だがそれを近くで聞いていた若き軍師・フイレルンが声を荒げた。


「領主様!!それはダメです!!」


 気弱そうなその顔に似合わないほど大きな声で領主に駆け寄る。


「それはまだ内密な話で!第一皇女様の事を部外者に話してしまいますと警護の問題にも支障が!」

「うるさいわ!!ワシに指図するな!!」

「っ!?」


 その怒号と共に領主は自身を気遣うフイレルンの横っ面を引っ叩いた。

 凄い平手の音が室内に響く。

 叩かれたフイレルンは地べたに這い蹲る、そしてそれを見下ろす領主ヤン。


「この役立たずのボンクラが!!良いか悪いかはワシが判断する!ワシが一番偉いんじゃ!!」

「す、すいません、ですが…」

「これ以上ワシを怒らすな!もうお前は部屋に戻っておれ!」


 有無も言わせない領主の言葉。

 誰がどう見ても正しいのはフイレルンなのに、彼は力弱くよろよろと立ち上がると「すいません」とだけ口にして自室に戻っていった。


「すまなかったの、見苦しい所を見せて。奴は何の役にも立たないボンクラでの、これぐらいやらねば分からんのじゃ」

「いえいえ、そんな事よりもプルートの第一皇女様が来られるなんて驚きました。しかも、我々銀線宝歌に歓迎セレモニーの大役を仰せつかるなんて光栄の極み、全力を尽くさして頂きますわ」


 ゆっくりと信頼を勝ち得た後で、こちらからそれとなく申し出ようと思っていた要求。

 それが思わぬ形で叶った。

 偶然舞い込んできた幸運。

 どうやら今宵の私たち3名は相当ついているようだ。


「うむ、そうだろう、そうだろう。その時は頼んだぞ」


 温和な笑みの向こうに毒蛇のような禍々しい牙を隠し、ランは深々と頭を垂れた。


「はい、偉大な領主ヤン・メイザール様」



 ………


 ……


 …



 今後の領主の屋敷での公演予定を話し終え、トゥールの宿屋に戻ってきた3人の旅芸人。

 ラン、シャルドネ、オム。


 トゥール村、孤児院のすぐ側のボロい宿屋。

 自分達以外の客などもちろん居ない、貸しきり状態の宿屋で先ほどまで居た領主の屋敷の出来事を話す3名。


「あの領主のジジイ偉そうでムカついたねぇ~。言い方がいちいち偉そうでランさんのすぐ後ろで聞いててイライラしたなぁ~」

「ああ、俺も護衛役として少し遠目からずっと見ていたが、あの領主は何の能力も無いプライドが高いだけの男ようだな」


 宿屋の店主であるシスターも夜には居ない。

 それを分かっているシャルドネは今まで黙っていた鬱憤うっぷんを晴らすように声を出す。


「やっぱオムさんも分かる~?て言うかぁ、何が偉大な領主様だよ~、ランさんが可笑しな事を言うから、すぐ後ろで笑いを堪えるのが大変だったんだからねぇ」


 壁に備え付けられたランプの炎が部屋全体を赤くゆらゆらと照らす。

 その窓際で壁に持たれかかったまま深く息をするラン。


「仕方ないじゃない。ああでも言わないとあの老人の機嫌を取るのは難しいと判断したのだもの、でもその甲斐かいあって私たちは怪しまれる事なくここサンティエールでの自由を獲得したわ。しかも予期せぬ偶然とはいえ、マリアンヌ様に違和感無く接触も出来るようになったし、100点の結果だったでしょ? それにしても…」


 開けた窓から入ってくる初夏の風と月明かり。

 溜め息と共にランの長い黒髪がサラサラと揺れ、淡い輪郭を際立たせる。


「オムの言う通りあの領主はダメね。事前にマリアンヌ様に聞いてはいたけど、聞いていた以上にボンクラ。 頭が悪いとかは仕方ないにしても、有能な部下の助言を有無も言わさず切り捨てた。あれじゃ島流し同然にこの地に送られてもなんら不自然では無い。ただの老害よ、老害よ」


 老害というワードがよほどしっくり来たのだろう。キャハハ!と笑い、壊れかけの木製テーブルをバンバン叩くシャルドネ。


「ランさんも辛らつだなぁ~領主が聞いてたら血管ブチ切れて死んじゃうよぉ~ハハハ。それにしても誰1人として、わたしたちがマリアンヌ様の部下だって気付かなかったねぇ~この国の奴らそろいも揃って間抜けばっかり♪」

「ええ、これで怪しまれず自然にサンティエールに潜入するという第一関門は通過ね。マリアンヌ様にも良い報告が出来るわ」

「怪しまれるわけないよぉ~あいつら目、全部が節穴だからさぁ」


 少々、楽観的とも思えるランとシャルドネの会話。

 それをコップに入れた水を飲みながら怪訝けげんそうに目を細めるオム。

 人生を賭けた彼にとっては、この潜入任務において気を抜ける箇所などあってはならない、故に戒めるようにこう言った。


「あの4人の中に内通者がいるなら、そいつは気付いているかもな」


「えっ」

「……」


 マリアンヌから事前に伝えられていた内通者候補の4名。


”軍師フイレルン、兵士長ソウス、庭士ゴーツ、料理長ボラン”


 今日屋敷で見た彼らの姿、その4名を思い浮かべながらシャルドネは首を傾げる。


「本当にあの中にいるのぉ?」

「マリアンヌ様が居ると言ったんだから、お前は信じるんじゃなかったのか?」

「いやぁ~信じたいっちゃ信じたいけどさ、もちろんね。でも今日のアイツら見てどうだったよぉ?軍師のフイレルンなんて領主のジジイに物申そうとして怒られてすぐ謝ってたんだよぉ~情けない男だったよぉ、あんな内通者いないよぉ」


 オムは記憶を辿るように顎に手をやる。


「演技かもしれないぞ」

「そうかなぁ~?本気で怯えている感じだったけど。。それにわたしたちを案内した兵士長のソウスなんてランさん見て衣装見て鼻の下伸ばしてただけだよぉ。あれ内通者?」

「まぁ馬鹿そうには見えたな」

「でしょ?」

「演技かもな」

「え~~~! じゃあゴーツだっけぇ?あの小汚くて臭い庭士、たぶん肥料か何かのニオイだと思うけど、アイツなんてわたしたちの演奏を聴いていて途中でどっか行っちゃったよ!死んだ魚みたいな目をして興味無さそうな感じで!内通者がそんな目立つ事するぅ~?」

「そういう演技かも」

「え~~~~~! じゃあ極めつけに料理長のボランなんて料理の説明してた時、ずっと何か自分はもっと凄い所で料理を振舞うべきだ!みたいな事を永遠に言ってたよぉ?料理は美味しかったけどマジで鬱陶うっとうしかったよ!あんな自我を前面に押し出してくる内通者いるぅ?」

「という演技かもな」

「えぇぇ~~~~!?そんな事を言い始めたらさぁ」


 シャルドネは口をとが刺せ自分の不機嫌を見せつける。

 パンパン。と手を叩くラン。


「その辺にしておきなさい。でもオムの言う通り確かに油断は禁物ね、ただ私たちの仕事はあくまで潜入、内通者の正体を突き止める事では無く、反乱軍に近づいてここサンティエールの情報をマリアンヌ様に送る事。それ以外の事は今は捨て置きましょう、あれもこれも何てやっていたら全てが中途半端になってしまう。私たちはただ淡々と与えられた任務をこなせばいい」


 確かにな、と頷くオムとシャルドネ。

 ランは凛とした口調で言った。


「明日から反乱軍に接触するという私たちにとって最重要任務が待っている。今日はもう寝ましょう、明日は早いわ」

「ランの言う通りだな。俺達はマリアンヌ様に命じられた事を完璧にこなせばいい」

「そりゃそうだね。私たちじゃ誰が内通者かなんてちんぷんかんぷんだけど、マリアンヌ様ならここに来てアイツら4人の顔を見たらきっとすぐに誰が内通者なのか分かっちゃうだろうしね♪」


 シャルドネの確信染みた発言。

 それを聞いてランとオムも同意する。


 確かにあのマリアンヌという少女なら、きっと内通者をすぐに見つける事だろう…。

 と。


「ではマリアンヌ様が来られる2ヵ月後までに出来る限り情報を集めましょう」

「ああ」

「おーー♪頑張るぞぉ♪」


 それから一月ほどかけて3人は反乱軍を徹底的に調べ上げた。



 ………


 ……


 …



 そして1ヵ月後。


 マリアンヌ到着1ヶ月前。



覧ありがとうございました(^^)生きているヤンを見ていると…こいつこの後、死ぬんだぜ( ー`дー´)キリッ。って思っちゃいますねw感慨深いものです( T_T)

ではまた次回お会いしましょう♪ヽ(^o^)丿






さて、今期の深夜アニメもそろそろ終わりを迎えてきましたね。

ではそろそろ発表せねばなりませんね。


そう!私が観た結果、最終的に今期一番面白かった深夜アニメは……


((┗(^o^ )┓三ドコドコドコ┗(^o^)┛三┏( ^o^)┛))


バン!!


『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』です!!


いや~中盤までは以前私がオススメした『わたしの幸せな結婚』だったんだけど、終盤まで見た観たら無職転生がダントツでしたねw私がシルフィ好きというのもあるのかもしれませんが、1期の時よりも今期の無職転生が好きすぎる(^^♪毎週がめっちゃ楽しみな作品です。


いっつもは皆さんに「もっと早くに皆さんにオススメしたかった~(つ_<)」って嘆いている私ですが、まぁ今回に関しては事前に皆さんにおススメしてなかったけど、ここに居る皆なら当然無職転生観てるよね?

だって無職転生はなろうの必須項目だもんね(^△^♪


って事で、やっとシルフィが自分の正体をルーデウスに言えたので次回が楽しみすぎるw

皆さんも一緒にシルフィの今後を見守りましょうね♪

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― 新着の感想 ―
[一言] 敵国の近くだから警戒しなければいけない筈なのに、自国の皇女が訪問する極秘情報を赤の他人に態々教える無能ww。まさに、老害だわww。この後、居なくなって(シんで)良かったね!!。
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