05 手紙とその背後にいる人物
クリックありがとうございます♪毎日ヤクルトを飲んでいるひとりぼっちの桜ですwでもおなかの調子が良好かと問われると…あまり(´-ω-`)私は乳酸菌絶対正義教会に騙されているのでは…?
さて今回のお話ですが、気が付いたら原稿用紙14ページ超えておりました(>_<)まぁ例のごとく半分に別けるつもりですが、でもその理由は仕方ないのです。だってやっと来たんだよ!(^^)!私がこの章で描きたかった箇所、その第1位が(☆v☆)!まぁ厳密にいえば次回がその箇所なんだけどwでも今回のラスト部分もちょっとだけ被ってるから、今回のお話も実質で同率で1位なのだ!
という事で、今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪あっ、因みに今回は大体5千文字ほどです(^^♪
それはサンティエールまで残り1日と迫った距離で起こった出来事。
夏の日差しが遮られた深緑深い森の中、ランとオムはサンティエール到着前にマリアンヌへの報告書を書いていた。
一方シャルドネは偶然通りかかった商人の中に宝石商が居た事を知って高鳴る気持ちを抑えつつ少し離れた所で急いで何かを書いていた。
オムはランに問いかける。
「マリアンヌ様への報告書は出来たか?」
「ええ、今回は全部で4枚書いたわ。これでいいかしら?」
確認お願い、と言われ手の平半分ほどの大きさの紙に書かれてた報告文に視線を下ろし1枚1枚確認するオム。
「…ふむ、いいんじゃないか」
「それは良かったわ」
するとランは鳥かごから伝書鳩を1羽取り出した。
「ここに来るまで2回使ったけど、この伝書鳩たち本当に優秀ね。毎回毎回、迷い無くプルート方向に向かって飛んでいくもの」
言葉通り暴れる事無く素直にランに従っている伝書鳩。
オムも自身のアトラスでの記憶を思い返しながら同意する。
「ああ、確かにな。アトラスでも伝書鳩を使ったりもするがここまで優秀なのは中々お目にかかれない。これだけ優秀な伝書鳩を皇族と言えど自分勝手に使用できる、つまりは大量に所持しているという事になるんだろうが、これもプルートが強国と呼ばれる所以なのだろうな。ところで、伝書鳩はあと何羽居るんだ?」
「今から飛び立たせる子を除くとあと5羽よ」
「ふむ、まぁ妥当な数だな」
「じゃあいつもの筒に文を丸めて入れるわね」
伝書鳩の足に取り付ける為の小さな筒、当然プルートの印なども無いとても簡素な物、その筒の中に小さな紙を丸めて入れる。
後はいつものように待つだけ。
彼女を…。
「ランさ~ん!わたしも書いたから待ってぇ~!」
甘ったるい声が森の中に響き渡る。
そして心底楽しげな足取りでやって来たシャルドネ。
彼女の手にはランたちと同じような小さな筒が握られていた。
「早くしてくれるかしら、奥に居る商人達に気取られたくないわ」
「大丈夫だよぉ~あいつら向こうで野営の準備してるもん。ランさんは心配性だなぁ」
キャッキャと笑いながらシャルドネはいつものようにランたちが付けた伝書鳩の足、そのもう片方の空いたほうに同じような筒を取り付けた。
オムとランは自然とその筒に目をやる。
外見から見た感じ自分達が付けた筒と差が見られない。
「よし!完璧!これでマリアンヌ様への報告完了♪」
わざわざ2人に聞こえるようにマリアンヌという言葉を口にするシャルドネ。
だが当の2人は無表情。
それを面白くないと思ったのかシャルドネは続ける。
「あっ、分かってるとは思うけどぉ~中身は絶~対に見ないでね、あとすり替えたりするのも無しだからね。その筒をマリアンヌ様以外が開けたらすぐ分かるようになってるから」
ランは猛暑の中、身体に溜め込んだ暑さを吐き出すように溜め息を吐く。
「何度も言うけどそんな事はしないわ。あなたの目をすり抜けてすり替えなんて芸当は現実的とは思えないし、そもそもあなたからの手紙だけがマリアンヌ様に届かなければその時点で私たちはどう思われるか分からないでしょ」
「ランの言う通りだ、別に俺達はそれを見るつもりはない。その議論は時間の無駄だ」
「え~~そう?わたしなら気になるけどぁ~まぁいっか、、。じゃあ、わたしは野暮用があるからちょっと商人達の居るほうに行ってくるぅ!あとの伝書鳩は任せたぜ!」
そう言って伝書鳩をランに返すと、前2回とは違いシャルドネは足早に宝石商達がいる方向へ駆けて行った。
いつもは伝書鳩が飛び立った後まで見ているのに。
オムは心底呆れ果てた目で、
「野暮用なんて大仰な事を言ってもどうせ宝石だろ」
お金の入った小袋片手に商人達がいる方向へ駆けて行くシャルドネ。
今回マリアンヌから託された”先行してサンティエールに潜入するという任務”その重要性を理解しているとは思えない後ろ姿だった。
「あいつは今回の任務を遊びの延長とでも思っているのか?」
だが呆れた言動とは裏腹にオムはシャルドネが森の奥から戻ってこないかを注意深く見ていた。
そして帰って来ない事を確認するとまるで試すような視線をランに向ける。
「それよりもラン、今ならシャルドネの報告書が見れるぞ」
鼻で笑うラン。
即座に首を振る。
「しないわよ」
その白く滑らかな手は伝書鳩の頭を優しく撫でる。
「なぜだ?おそらくだが出発前にボスが言っていたマリアンヌ様から密命、その内容が書かれているぞ」
「ならあなたが自分の責任でもって開けてくれるかしら?この伝書鳩の足に付けられた筒を」
「フッ…冗談だろ。もしもシャルドネが言っていた通りその筒に仕掛けがあったら、開けてはいけないと念押しされていた物を開けた俺は反骨の相ありと判断される。ボスが粛清に来かねない」
なら私にそれをさせようとさせるなよ。
そう思いながらランはずっと感じていた疑惑を口にする。
「でも私も思うことはあるのよ。だって毎回毎回シャルドネが”マリアンヌ様以外の人間が筒を開けたら分かるようになっている”って口すっぱく言っているのだもの。あそこまで念押すと逆にブラフで嘘って可能性もあるんじゃないかしら?てね」
「確かにな。だが…その真偽をどうやって俺達が確認する?」
「不可能ね」
おそらくシャルドネが言っている事は事実だろう。
あのシャルドネという女、暗器をいくつも自作する女ならこの小さな手紙を入れる筒にすら何かしら細工を施すだろう。
いや、それが出来るだろう。
例えば所定の手順を踏まずに筒を空けた瞬間、筒の中が燃える仕掛けとか。
例えば一度でも開けたら消えない印が筒に付くとか。
でも。
「私たちにはそれを確かめる術がないわ」
そう、別に本当に筒に仕掛けがあろうが無かろうが構わないのだ。
シャルドネという女ならそれが”簡単に出来る”この認識が私とオムの間にあるのが大事なのだ。
「どうやら俺達は相当にマリアンヌ様から不信を買っているようだな」
「誰のせいよ」
「俺の不信は俺のせいだが、お前の不信に関しては俺のせいではないだろ?お前の不信の理由が分からないなら自分の胸にでも手を置いてみろ」
「………」
それに関してはプルート出発前から、、いや、ずっと前から考えて、どれだけ考えても分からない問題。
不信を買うようなマネは一切していないはず。
「さぁ~ね。ただ私はシャルドネみたいに忠誠心を表立って見せる事はないから、そういう所で判断されたのかもね」
「それだけで俺と同じ待遇か?そりゃ、不遇も良いところだな」
「独裁国家であるプルートなら仕方ないのかもね」
そう考えるしかない。
だってそれぐらいしか理由が思いつかないのだから。
「じゃあ自業自得だな」
あっさりと言うオム。
こちらの気も知らないで…と苦々しい顔つきのラン。
「言ってくれるわね」
「俺はもう嫌われてるからな。嫌われ仲間が増える分ウェルカムだ」
「あなたと同じなんて虫唾が走るわ。それにしてもマリアンヌ様は本当に恐ろしいわね、筒を開けたら分かる…か、私たちがどう考えるかを遠くプルートの地から事前に予測している」
シャルドネが毎回伝書鳩に文を取り付ける際に口にする文言。
まるでただの木箱を言葉1つで厳重な鍵付きの鉄の箱に変える魔法の言葉。
しかも、その一言を言うだけで私とオムが使っている優秀な伝書鳩を一緒に使えるようになりその分の伝書鳩を減らす事も出来、安全にかつ私たちの手紙と別ける事無くプルートに手紙を送る事が出来るようになる。
”その筒をマリアンヌ様以外が開けたら分かるようになってるから”
そのたった一言。
それだけで私たちの行動を縛っている。
「マリアンヌ様?シャルドネじゃなくて?」
「あなただってシャルドネがあんな言葉を自分で考えて言っていない事ぐらい分かってるでしょ」
この方法を考えたのはシャルドネか?
いいや、あの女にこんな事を思いつく頭は無い。
この狡猾で人の思考を読み、心を弄ぶような手法、間違いなく背後にマリアンヌが居る。
マリアンヌが事前にシャルドネに入れ知恵したのだろう。
「連絡手段にまさか私たちと同じ方法を用いるなんてね」
「この方法なら両方届く、両方届かない、の2つしかないからな」
「ええ、素晴らしい方法ね」
私ならどうするだろう?
信用している人間とそうでない人間、その両方からの報告を送らせないといけない場合。
大前提として一緒には送らせないだろう。
一緒に送らせた場合、今回のケースなら私とオムがシャルドネの手紙の内容を読んだあと改ざんする可能性があるからだ。
信用されてないとはこいう事だ。
私なら…例えば各々に伝書鳩を持たせる。
でもこれだと優秀な伝書鳩が倍必要になる、皇族なのだから用意するのは簡単だろうが、それでも片方だけが届いたり届かなかったりするケースはあるだろう。
大変コスパが悪い。
そもそもそんな大量の伝書鳩を持っている旅芸人は他者から怪しまれるリスクがある。
「文を届かせる方法を別ければ両方届く、両方届かないに加えて、Aは届くがBは届かない、逆にBは届くがAは届かないというケースが発生してしまう」
マリアンヌは私たちに伝えているんだ。
”お前達の行動は常にシャルドネの目で監視しているぞ”と、そして”シャルドネの身に何か有ったらすぐに分かるぞ”と。
私に思いつかない方法で最大限の費用対効果を手に入れて、信用していない私たちの行動を縛り、一番信用しているシャルドネを私たちに守らせるウルトラCの方法。
これをサラッと思いつくマリアンヌという少女、そんな彼女を恐ろしいと称する他無い。
ランは自分がなぜ疑われているのか?その理由を考えながらも、この話をもう終えて伝書鳩に視線を落とした。
「じゃあ伝書鳩を放つわよ」
「ああ」
「お行きなさい、マリアンヌ様の元へ」
そう言ったランの手元から飛び立ったハトは木々の間をすり抜けて迷う事無くプルートの方角へ飛んでいった。
やはり優秀なのだろう、そう思いながら見送るラン。
一方、オムは伝書鳩など興味なく森の奥、商人達が居るであろう方向を見ていた。
そしてシャルドネが絶対に戻ってこない事を確信し、改めてランに顔を向ける。
「シャルドネは戻って来ないようだな。。よし、これでお前と2人っきりで話が出来る」
「あら、どうかしたの?もしかして愛の告白でもしてくれるのかしら? フフフ、でも残念ながらこぶ付きは好みじゃないの、諦めて―」
「なんでお前はここに居るんだ?」
「?」
何を言っているのか分からないラン。
予想外というか、意味不明というか。
目を細め、疑問の声を口にする。
「何を言ってるの?暑さで頭がおかしくでもなったのかしら。私はカラスの一員なのだからマリアンヌ様の命でサンティエールに潜入を―」
「違う、俺はカラスのお前に聞いてるんじゃない。 ”アトラスの10英雄、その第2席であるお前がなぜここに居るのか?”と聞いているんだ」
閲覧ありがとうございました(^_-)-☆ ね?ラスト部分、最高だったでしょ?wドキドキワクワクが止まらないでしょw次回、今までベールに包まれていた”ラン”という人物の正体…今まで散りばめていたランの伏線が一気に回収される…こういう展開たまらんなw
ではまた次回お会いしましょう♪( ´Д`)ノ~バイバイ
インボイス制度、もう少しで始まりますね。私の家も自営業なのでどうするのかな~(。´・ω・)?って思ったので父に
「うちインボイスどうすんの?」
って聞いてみた所
「あんな面倒くさそうなのやるわけないやん。金も余分にかかるしな」
と答えたので、
「そうなったら相手方がうちの分も払わなあかんのちゃうん?」
「そうやな(T_T)」
「相手側嫌がらへんか?」
「嫌ねんやったら他に仕事頼めば?って言うから問題なし(!・`д・´)」
…なるほど。我が家のインボイス問題はどうやら「嫌ねんやったら他に仕事頼めば?」でまるっと解決したようですw




