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02 好評な旅芸人

クリックありがとうございます♪今期おススメの深夜アニメは『わたしの幸せな結婚』のひとりぼっちの桜ですw 皆、この作品めっちゃいいよ!!(>_<)!私この作品全く知らなかったんだけど、1話目観て即引き込まれたのですよ!一言で言うと全てが美しいの!みんなマジで見た方がいいよ(=゜ω゜)ノ

いや、皆の言いたいことも分かるよ。呪術廻戦の2期も面白いよね、あれ過去編だし私も大好物です!でもね、私的には今期は『わたしの幸せな結婚』一択よw私、小説を買おうかと悩むぐらいハマってるもん(笑)マジで主人公幸せになってほし~い(ノД`)・゜・。



さて今回のお話ですが、なぜマリアンヌがランを旅芸人のリーダーにしたか分かる…そんなお話です。では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



 プルートからサンティエールは片道5日…

 というのはマリアンヌの場合であって、最高級の馬に馬車、軍が使うような道を使え、自分達が常に優先、道ゆく者たちが自分達を避けて通るわけでもない3名の旅芸人にとっては最低でも7日、10日はみないといけない。


 オムの道案内によって偽りだらけの旅芸人である3名は問題なく旅路を進んでいった。

 その最中もキャンプ地で出会った行商人や一般人、その誰もがランたち銀線宝歌を旅芸人として疑わなかった。

 それどころか想像以上のクオリティーで表現される舞や歌に演奏、それは聞くものを虜にさせていった。


 そして旅路もちょうど半分に差し掛かった頃。今日、もとあるキャンプ地で行商人や旅人相手に舞いや歌を披露していた。


「わぁ~!今日もいっぱい儲けたねぇ~!」


 周囲は真っ暗。

 先ほどまで舞や演奏を披露していた行商人達から少し離れた場所で焚き火を囲む3名。

 その中でも一際テンションが高いのはもちろんシャルドネであった。

 彼女は今、これまでの営業で稼いだ金を数えるのに全ての力を費やしている。


「ひーふーみーよー♪ 今日の客も金払いが良くて上客だったし、銅貨に銀貨、金貨もある!これならサンティエールに向かうまでにひと財産築けちゃうかもな~♪ランさんどうしよぉ~?宝石いっぱい買えちゃうよぉ!」

「もうそろそろ寝ないと明日に響くわよ」

「寝るぅ?寝るだってぇ、寝てられないよ!お金いっぱいだよ!オムさんも見るぅ?数えるぅ?楽しいよぉ!」


 呆れたように肩をすくめたオム。

 彼はテントの方に足を向ける。


「結構だ。勝手にやってくれ、俺はもう寝るぞ」

「私ももう寝ようかしら。シャルドネ、火の始末は任せたわ」

「オッケーオッケー!お金の始末は任せて!」

「いや、別にお金は…、まぁいいわ。じゃあお休みなさい」


 そう言ってランはオムとテントに戻ろうとした。

 だがその足は視界外から近づいてくる気配にピタリと止まった。


「来るな」

「ええ」

「さっきの奴らか」

「たぶんね。 シャルドネ、上機嫌な所悪いけど、たぶんさっきの客の1人がこちらのテントに向かって歩いてきているわ。お金をしまって」

「え~?…あ、ほんとだ、しかも後ろに何人か居るね。こっちは最高に凄く忙しいのにぃ~」


 不満気なシャルドネを他所に気配が明確になり足音が近づいてくる。

 護衛である兵士を数人引き連れてやって来たのは丸々と肥えた腹を揺らした中年の商人。

 やや日焼けした肌、富をひけらかすような全ての指に着けられた指輪で護衛の兵士に指示を出す。


「お前達はここで待っていなさい」


「「はい、旦那さま」」


 商人はニコニコとした営業スマイルでランたちに近づくと言った。


「いや~先ほどの舞や歌、それにリュートの演奏素晴らしいものでしたぞ!銀線宝歌の皆さん!」


 しっとりとした流れる黒髪は深々とお辞儀をする。


「ありがとうございますわ、商人様」

「………」


 最大限の賞賛の声に愛想よく振舞うラン。

 一方、視線をチラリと商人に向けた後、軽く微笑み、その後は一切喋らないシャルドネ。

 護衛のオムなら喋らないのも理解できるが、褒められているシャルドネ本人が無言というのはあまりに不自然。


「おや、吟遊詩人殿どうかされましたか?」


 少し戸惑う商人に対してランは言った。


「彼女の非礼をお許しください。彼女は自身の声帯を守るため歌以外ではほとんど喋らないのですわ」

「ほ~なるほど、流石はあれだけの歌を披露される吟遊詩人殿。プロとしての意識がそんじょそこらの吟遊詩人と違いますな!」

「ええ、彼女はプロの中のプロですから」


 素性を隠したい、隠さないといけない3人の旅芸人。

 それは身分がバレたら終わりという意味ではない。

 身分が少しでも疑われたら終わりという意味だ。

 そして、そう考えた時にこの3人の中で一番ボロが出る可能性が高いのは間違いなくシャルドネであった。


 自身の心に忠実であり激情型の殺人鬼である彼女。

 本人はそんな事はないと移動中に豪語していたが、冷静に分析したランとオムが”作戦の失敗”という言葉をチラつかせた為に渋々了承。


 その結果、歌意外では喋らない無言のシャルドネが完成した。


「天女のような舞いを披露された踊り子殿、女神のような歌声だけでなく神々すら魅了するであろうリュートの奏者である吟遊詩人殿。アトラスに帰る道すがら、あなたたちのような超一流の旅芸人に出会うことが出来たこと神に感謝せねばならんですな」

「フフフ、それは流石に褒めすぎというものですわ」

「因みに皆さんは何処まで行くつもりなのですかな?」

「サンティエールまで行くつもりです」


 サンティエール…?

 商人はそう呟くと焚き火の前で不思議そうに目を細める。


「なんであんな何も無い偏狭の地へ行くのですかな?あそこは紛争地帯ですよ。あなたたちならアトラスでも売れっ子になるだろうに。そうだ、あんたたちさえ良ければアトラスに一緒に行きませんか?私どもはアトラスに行くのですが、なんなら私がアトラスであなたたちが興行できるように取り計りましょう」


 ああ、なるほど。

 コイツの目的が分かった。


 コイツは自分達『銀線宝歌』を金のる木だと思って唾をつけにきている。

 いいや、それどころか、もしかしたら取り計らうなんて耳障りのいいことを言って自分達の利益をピンハネする気かも。

 それを瞬時に理解した3名、特にシャルドネは誰よりも早くそれに気付いた。


「………」


 昔、居た。

 売れっ子で劇場で連日歌っていた頃、何もせずに利益を一番取っていた人間たち。

 甘い蜜だけを吸おうとする豚。

 全て駆逐したはずの豚がまだここに居た。


 汚い。

 汚い。

 汚い。


 彼女は自分の利益を何もせずに奪い取ろうとする豚どもに殺気を抑える事が出来なかった。

 ギリ、と歯を軋ませるシャルドネ。

 先ほどまで宝石を見て輝かせていた瞳がどんどん暗くなっていく。

 そしてその手は自然と自身の優雅に広がっている袖の中へ、


「この豚が」

「シャルドネ」


 ランはシャルドネの視線を遮るかのように前に立つ。

 そして商人に対してニッコリと微笑む。


「もちろん最終的にはアトラスを目指すつもりなので、その時は是非とも取り計らいの方お願いしますわ。ですが、その過程でどうしてもサンティエールに寄りたいのです」

「なぜですかな?」


 様々な思惑を抱きながら商人は問う。

 ランは答えた。

 口にするのは先日記憶した内容。


「私の名前がランだからです」

「へ?」


 あまりにも想定外の回答に目を丸くさせる商人。

 その反応を面白がるようにランは話を続ける。


「私たちは旅をしながら金銭を得て生計を立てている旅芸人です、なので大きな町であるアトラスにももちろん寄るつもりですわ。ですが大前提として旅というものには物語が必要だと考えております」

「物語ですかな?」

「サンティエールのあるバ・ラン地方は紛争地である事は重々承知しております。ですが、私の名はランとバ・ラン地方は運命的なものを感じます。運命に興じなくて旅をする意味などありません。また、運命的なストーリーの無い物語は聞いていて飽き飽きします。だから我々はバ・ラン地方にあるサンティエールに行かねばならないのです」


 ランが言い終えると少しの沈黙が訪れた。

 しかしすぐに営業スマイルは破顔し「ガハハ!」と盛大に笑う商人。


「確かに!確かに運命的なストーリーのない物語はつまらないですな!」

「ご理解いただけたようで何よりですわ、商人様」

「いや~あなたたちは本当に面白い!商売抜きでもあなた達の事を気に入りましたよ!アトラスに来た際は是非とも我が商会にもお寄りください、できる限り融通いたしましょう」

「ありがとうございます」

「あ~あと、サンティエールに向かうならこの先の森は突っ切らずに遠回りして行ったほうがいいですよ」

「なぜでしょう?」

「山賊が出るんですよ」

「山賊…」


 聞きに徹しているシャルドネとオムの目の端もピクリと反応する。


「ええ、三猿といいましてね、ボスをはっているのは昔からこの辺りで凶悪な3人兄弟の奴らなんだが、どうやら3人兄弟の1人は魔道具を手に入れたみたいでね」

「魔道具ですか、それは怖いですわね」

「私の商売仲間も何人も襲われまして、そちらの顔をフードで隠している護衛のお兄さんも相当腕利きなんだろうが、悪い事は言わない遠回りのルートを選ぶ方がいいですよ」

「なるほど確かに山賊は恐ろしいですわね。助言心から感謝いたします、商人様」


 感謝の言葉に笑顔を添えてランはお辞儀をする。

 去っていく商人たち。

 その姿が完全に見えなくなると、ランはぐるりとシャルドネとオムに向き直った。


「で、どうする? 少し遠回りだけど山賊が出ない安全なルート。凶悪な山賊が出るけどサンティエールまでの最短ルート。私たちはどちらのルートを選ぶべきかしら?」


 問われた2人の回答は決まっていた。


「「もちろん…」」



閲覧ありがとうございました((*´ω`))b 果たしてランの問いに対してシャルドネとオムはどう答えたのでしょうか(/ー▽ー)/フフフ 山賊が出る最短ルートか、安全だけど遠回りのルート、その答えは案外前回の章である7章に隠されているかもしれませんよw


ではまた次回お会いしましょう♪(^v^)/~




天穂のサクナヒメを買いました(T_T)

ええ、結構前に話題になっていたとはいえずっと抵抗感はありました。

だって実際に稲作やっている身で、なんでゲームでまで稲作なんぞせにゃならんのだ(゜д゜)!ってねwでもやってみて思ったわ。これは面白いwキャラクターも全員愛着持てるし、戦闘も結構面白い、しかも稲作で良いコメを作ると主人公のサクナの能力が上がる(^^)

初めて稲作楽しいと思ったwそれに実際に毎年やってるから稲作の攻略本が私の頭の中に事前に入ってるからサクサクとサクナが強くなっていている(笑)

いや~稲作やってて良かったと初めて思いましたw


よ~~し!良い米さ、いっぱい作ってやっぞ(。◕ˇдˇ◕。)/

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[気になる点] 無言のシャルドネw  シャルドネは信用できるけど、バレる可能性があって、ランは裏切りそうだけど、しっかりとしていてバレる心配がないってことか!(ランはしっかりいるから裏切ったら厄介なこ…
[気になる点] >山賊が出る最短ルートか、安全だけど遠回りのルート、その答えは案外前回の章である7章に隠されているかもしれませんよ── ──う~ん…、前章の事は何となくしか覚えてないな~(笑)。たぶ…
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