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195 裏話 右腕の条件

クリックありがとうございます♪…もう何もする気が起こらない、全てを失ったひとりぼっちの桜です( ;∀;)

もう…終わったんだぁぁ( ノД`)シクシク。うわぁぁぁ~~~ん(。´Д⊂) ウワァァァン!

ん?「何が起こったのか?」ですって? …聞かなくても皆既に知っているんでしょ?

ええ、サクスペが、、私の大好きな実況パワフルプロ野球サクセススペシャルの、、サービス終了のお知らせが来てしまったんですぅぅ(´;ω;`)ウゥゥ

あと半年後12月の4日に終了だそうです。


以前も言いましたが、桃鉄高校が来なかったり、オリキャラ実装が減ったり、鬼滅の刃コラボ第2弾が来なかったり、新キャラ実装が異常な数増えたり…ええ、ソシャゲのサービス終了前の動きが顕著に見られました(涙)でも信じとったんや、、アプリに追いつくためにやってるんやって。。しかし、実際はサービス終了(>_<)

毎週、月曜日と木曜日ガチャ更新を楽しみにしていたのに、、もう生活の一部だったのに、、入院している時ですらサクスペの事を忘れた日は無かった。。

私は今後何を楽しみに生きていけばいいのだ(*ノωノ)まさかチェンクロVに引き続いてサ終を経験しちまうとは。。虚無感だ、圧倒的虚無感!!

今まで手に入れてきたイベントキャラクターをボックス内で観ていると…涙が出てきます。あと半年、どういう心持でサクスペと関わっていけばいいのか、私は答えが分かりません( ;∀;)



さて今回のお話ですが、裏話残りページ数を数えた所14ページなんですがね。で、それを踏まえた上で、今回10ページ、次回4ページでもいい?

…なんでそんな歪な別け方なの?って言いたい気持ちは痛いほど分かるんです。でもね、仕方ないのさ(つ_<)前回と今回の裏話はコミックで言う所の文末のおまけだとすると、次回はカバーを外した下に隠されている4コマ的なやつなのですよ(+_+)ね?つまり仕方ないでしょw

皆様の了解を得た所で、では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



「裏切り者の内通者!ゴーツ・コイルです!」


 瞬間、目の端を鋭くさせるカーナ。

 一方どうしたらいいか分からず焦るコロナにマリアンヌは余裕に満ちた声を口にした。


 そっけなく。

 薄い笑みを浮かべて。


「へぇ~そう、入っていただいて」


 ………

 ……


 ボロい靴が堂々と床を鳴らす。

 殺気だったカーナ、ちょっとオロオロするコロナによって急遽用意された椅子に座るゴーツ。

 彼は付け髭こそ付けていなかったが、いつものように庭士のボロボロの服に袖を通していた。


 カラスも全員勢揃い。

 カラス達はマリアンヌとゴーツを取り囲むようにして立っている。

 まさに針のむしろ状態。

 漂う緊張感、心なしか気温すら下がったかのような一室にてマリアンヌがまずこう切り出した。


「やぁ~我が宿敵、何か用かな?」

「宿敵?……いや、あっしも、もうこの国からおさらばしようかと思ってね~。その前に色々お世話になったのでご挨拶でもと。へへへ」


 いつもの下卑た笑い声。

 だが、それを聞いたカーナは喝采の声を上げた。


「ほぅ、あなたもやっと礼儀というものをわきまえるようになりましたか! 殊勝な考えです!というか、マリアンヌ様のご慈悲によってあなたのような無法者が今生き永らえているのですから当然の礼儀ですね!でも良い心がけです!」

「ええ、そりゃそうですよ。へへへ。それでお話をさしてもらってもいいんですかね?」

「いいよ。われも最後に君と話しておきたかったところだった」


 連続殺人犯の集合体であるカラス達、その全員から敵意を向けられて尚、一切臆する事無く堂々と座るゴーツ。


「………」


 マリアンヌは思う。。


 カイルのように命知らずなわけでもないゴーツ。

 彼は分かっているのだ、自分の価値を。

 ここで自分は殺されないと。


 まずゴーツがこう切り出した。


「まずはおめでとうと祝辞を述べさせてもらおうかね~。あんた様は当初の宣言どおり1週間でこの地の紛争を治めた。おそらく、もうこの国では紛争は起こらないだろう。いや~本当に有限実行とは素晴らしいね~」


 本当にそう思っているのか怪しい拍手ではあったが、それでもマリアンヌは大いなるふところの広さを見せつつ微笑みを返す。


「こちらこそ謝意を表そう。君があのシジモルーナという人間の完成形を作ったと言っても過言ではない。彼が居なければわれの計画はここまで上手くは遂行出来なかっただろう」

「別にあっしが奴を作った訳ではないんだが…ね。まぁ~いいかね~今となってはどうでも。 それはそうと、あんな残虐な紛争を終わらせる方法、良く思いつきなさった。まるで悪魔が思いついたかのような所業・策、そもそも思い付いてもそうそう実行には移せないだろうね~。昨夜のマリアンヌ皇女殿下には驚かされっぱなしでしたよ。へへへ」


 多量の嫌みが含まれた言葉、周囲の者たちが窓の外のセミが黙り込むような殺気を放つ。

 だが当のマリアンヌは目をパチクリさせるだけ。


「残虐?」


 この時マリアンヌは本当に一瞬何を言っているか分からなかった。


 これまでも残虐な行為を繰り返してきたマリアンヌ。

 彼女にとって昨夜のアレはさして残酷とも思ってはいない。


 それどころか、そもそも残酷とは?


 そう…それほどに彼女の心は既に壊れていた。

 良心の呵責かしゃくを感じる事の無いほどに。。


「昨夜…あ~あれね。君にはあれがそんなに残虐な行為に見えたの?」

「天まで昇ろうかと思う死体の山。あれが残虐な行為で無いなら、あんたは今後どれだけのごうを背負うつもりなんだかね~」

「村1つ焼いた程度で大した業など背負えないだろ?それにわれの取った行動は長い目で見ればこの村にとって、この国にとっては多大な利益となろう。 この紛争が続いていたら、本国プルートから魔道具持ちの将軍が来たかもしれない、3つの村すべてが全滅していたかもしれないよ」

「そりゃ~まぁそうかもしれないが」

「だろ?われの今回の英断で村1つは滅んだが、プルートから敵視されなくなり、無能な老害は領主でなくなり、多額の金を得て悠々自適名生活。最高のハッピーエンドだ。村人達に感謝されこそすれ、うらまれるわれはない」


 あの血の夜の惨劇を笑顔でハッピーエンドと言い切る少女。

 嘘を言っているようにはゴーツの目には映らなかった。


 自身の血が凍りつくようだった。

 ゴーツは暑さのせいではなく頬を伝う汗をバレないように拭いながら次なる質問を投げかける。


「その死体の山で作られた業の先、マリアンヌ・ディ・ファンデシベル、あんたは何を目指している?」

「皇帝の座」


 即答、短くそう答えたマリアンヌにゴーツは首を傾げる。


「あんた様は王位継承権第一位だろ? 放っておいても次代の王座は勝手に転がってくるんじゃないか」

「ゴーツ君。事はそう簡単な話ではないのだよ…」

「どういう事だい?」


 するとマリアンヌは今、自分がプルート内でどのような立場に立たされているか、つまびらかに語り聞かせた。

 その場にいた全員がそこまでこの男に話していいのですか!?と心配になるほどに。


 そして10分ほどの話を聞き終えたゴーツは「ほぅ」と声をあげ、薄く笑いながらしばし考え込み、熟考。


「ふ~ん、なるほど。女だから皇帝になれない…ね。なるほど、なるほど。 でもその言い分は素直に納得できないね~。もし最初からそういう心積もりなんだったとしたら女性皇族に王位継承権なんて与えなきゃいい。わざわざマリアンヌ皇女殿下が16になってから伝える意味が分からないね~急に言われりゃ、マリアンヌ皇女殿下であろがなかろうが誰でもごねるし異を唱える。なんだか…この話にはとんでもない裏がありそうだね~」


 すばらしい。

 現状における100点の回答を導き出したか。

 しかもこの短時間で。


「皇帝の座を得るため、その目的にあんたが言っていた”暗殺部隊”とやらが必要だと?」

「まぁ必要と言えば必要なんだけど…名称自体は暗殺部隊と名乗っているが、秘密部隊って言うか~特殊部隊と言うか~要はわれの目的を裏から達成する部隊だとでも思ってもらった方が早いかな? 例えばわれに敵対する誰かが居たとして、その人物が溺れて事故死するとか、病死するとか、火の不始末で火事で死ぬとか、見に覚えの無い不祥事が急に明るみに出るとか。まぁ、そういった偶然や不幸な事故をプロデュースしたりする、要はわれの願いを叶える素晴らしいお仕事だ」


 更に考え込むゴーツ。


「まさか暗殺部隊の最終目標は王位継承権を持つ兄弟すべての暗殺?」

「それが出来ればベストなのだが、流石にそんな安直な手は使えぬよ。理由も無く皇族に手を出せばわれとて無事ではおれん」

「暗殺じゃない…? じゃあ、裏から手を回して王位継承権を持つ人間達を失脚させる」

「まぁそういう手も使えたらいいよね♪」

「こいつらを使って?」


 不満か?

 という、カラス達の視線。


「一応こいつ等は凶悪殺人犯達だから戦力的には問題ないと思うんだけど」

「正面切って皇族とやり合うならちょっとは戦力になるだろうけどね~話を聞く限りこれから、あんた様がしたいのは暗殺もそうだが諜報活動や偽装工作にも重きをおきたいって聞こえてくる。ちょっとこのメンバーだと戦闘能力に極振りしすぎ感があるね~」


 先ほどからマリアンヌに心を読ませないように自然な無表情を作り続けるゴーツ。

 マリアンヌは、


「ではカラスのメンバーに関しては、今後誰を使うか、誰を使わないか、また新たに登用するんか、登用するならどういった人物を選ぶのかに至るまで君に全権を任せよう。君が望む部隊を作り上げてくれ」


 今まであやふやだった会話内容。

 マリアンヌは一気に踏み込む発言をした。

 カーナの「えっ!?私は!?」という驚愕の顔を横目に、完全無視を決め込むマリアンヌは続ける。


「どうだ?暗殺部隊カラスに興味が出てきたんじゃないか?」

「だからあっしは軍師になりたいのであって暗殺部隊を率いたいんじゃ」


 それを聞くとマリアンヌは盛大な溜め息を漏らした。


「では先ほどからこちらを探るような回りくどい聞き方をするのはそろそろ止めたらどうだい?」


 まるで全てを見通しているかのような物言い。

 この時、表情には決して出さなかったがゴーツの口調に焦りが覗いた。


「その言動、まるであっしの考えを読んでいるかのように聞こえるね~」

「読めているからな」


 断言する。

 そして「虚勢じゃないよ」、と言わんばかりにマリアンヌはゴーツの瞳を真っ直ぐと捉える。


「あんた様が頭が良いっていうのは知ってる、推理力が飛びぬけていることも。でもだからって、あっしの考えがそう簡単に…」

「君はアトラスにはもう行けない、おそらく軍師になる道はもう途絶えているから」

「っ!!」

「当たり前だよね~。アトラスの不気味な刺青男、彼の目的は定かではないが、間違いなくこの地への関与は入っているだろう。そしてそれに必要な要素は領主のジジイと紛争状態の反乱軍、それは外せない。それらの事柄に君を利用しようとした、でも君は失敗した。われに見つかり鹵獲ろかく、領主は死んでしまった、しかも反乱軍は壊滅、紛争は終わり平和が訪れてしまった。 今、アトラスが何かした場合、例えそれが物資の提供であったとしても、それは内政干渉の重大事案、アトラスのせいで戦争すらもありえる。村人達にシジモルーナを見殺しにするしか道が無かったのと同等に君にも道が無いんだよ。つまり保守的で病的な慎重さを持つ君がわれに本当に聞きたいのは、われが何を目指しているのか?とか、そんな抽象的な事ではなく、ただわれの下に来た場合の”自分の待遇”だけだ。利己的な君らしいよね♪だがそれを露骨に出して質問したらわれに足元を見られると思った君は、自分を最大限高く売ろうと画策している。。以上だ」


 少しだけ強張るゴーツの顔。

 しかしマリアンヌは気にせず続ける。


「因みにもちろんだけど、君はもう軍師は諦めてるでしょ?だから君はここに来たんだ。この部屋、ここは君からしたら完全な敵地だ。われが防波堤として身をにして止めているとはいえ、君に対して怒りの感情を持っている奴らが沢山いる。良くて半殺しのリンチ、悪かったら拷問の後に殺されるだろう。じゃあ君のような慎重な人間が命をとしてここに来る理由、丸腰でここまで来る理由、言わなくても分かるよね? 質問しに来た?挨拶しに来た?ノンノンノン♪ありえない。1日空け、君の答えは決まっているからだ、覚悟が決まったと言い換えてもいい。 ようこそゴーツ・コイル、われは君を歓迎しよう」


 長い沈黙。

 1日時間を空けたことで、彼の中にも何か思うことがあったのだろう。

 やがて根負けしたかのようにゴーツは言った。


「あんたの推理力はもう嫌って程分かった、そしてどうやらあんた様の前では隠し事が出来るとはゆめゆめ思わない方がいいって事もね~。でもあんたは異常なほどあっしを高く買ってくれているが、理由が分からないんだよね~。正直詐欺にあっているんじゃないかと思うほどに疑ってしまうね~」


 眉をひそめながら疑い続けるゴーツに返答代わりの今までで一番長い溜め息。

 だってそれはマリアンヌにとって呆れる質問だったから。


われはゴーツという男になる前の君を知らない、どれだけ君が軍師になるために努力したかも知らん。だが君の努力は無駄じゃなかった、なぜなら君が努力したからこそわれは君を見つけることが出来た。君はもっと自分の価値を正しく理解するべきだ、そうしないと君は一生迷い続けてしまうから」


 黒色に塗られた唇は人の価値を音を紡いだ。


「君はたった1度、われを騙しただけでわれが評価していると思っているかもしれないが、それは違う」


 最終的にはわれの罠にかかりその正体を現したが、それでも最後までわれを騙し切り、隠れ切った。

 その病的な慎重さこそが最大限評価されるポイントだ。


われはね、ずっと考えていたの、自分の右腕にどのような人物がいいのか…。協調性・調整力に秀でた者、慈愛に満ちた者、人たらし、われと他者との架け橋となる外交能力を有したもの。確かにどれも欲しい」


 客観的にわれに無いからな。

 そして考え抜いた結果、自分の足らない”何か”を有した人間。

 それがわれが欲しい右腕の条件。


「でも同時にこうも思う、われの傍で常に慎重に事を構え、物事の裏を読み続ける存在、決して油断しない存在、闇に隠れ住みコソコソと動き回る事を是とし、それが天職の人間、存在自体が影の部隊を率いるという意味でこれほどの適任者はおらん。そう、君だよゴーツ・コイル。それが君を評価した点だ」

「つまり、あっしにあんたの右腕として一緒に地獄に落ちろと?」


 今更嘘なんて言う必要は無い。

 迷い無く『その通り』とマリアンヌは頷く。


「地獄? ああ、地獄も案外と住めば都やもしれんぞ」

「あんた様に付いて行ったら、あっしは一生、日の光は浴びれ無さそうだね~」

「日の光ね~確かに君の言う通り、われに付いてきたら君という存在はのちの歴史には語られないであろう。だが間違いなく君は存在し、裏の歴史に暗躍するであろう。そっちの方がかっこよくないか?」

「あっしみたいな小物にそんな事が出来るとは、とてもとても」

われの見る目を信じろ、君は可能性の塊だ。ただし…その光り輝く可能性も、宝石となるかただの石と成り果てるかは君次第だけど」

「どういう事で?」


 マリアンヌはのちに自分が手に入れる特殊部隊の姿を想像し、恍惚とした表情にて語る、響かせる。


「下らない軍師の夢を完全にここで捨てろ、残酷を極めろ。正々堂々なんてクソくらえだ、君らしく慎重に、陰険いんけんに悪を極めろ。そうしたらわれが君を闇から引っ張り上げてあげるよ…更なる闇にね」


 一瞬、言葉を失うゴーツに淀みなく彼女は続ける。


「アトラスの刺青男、われでは勝てないんだったよね?ならばお前の力で勝たせろ、われを皇帝にさせろ。そうすれば金・権力・女、全てを与えてやる。それに今まで誰も君の言う事なんてまともに聞いてこなかったんでしょ?人に認めさせると言う事は突き詰めていけばそういうことだ。 でもこれからは違う、君にはわれの次の権限をあげよう。どの国の軍師よりも、どの国の有力者よりも君に権力をあげる」


 最後にマリアンヌは悪戯っぽく微笑み、からかうような声色で言った。


「これがわれが君に与えられる全てだ。 どう? しかも今なら三食昼寝付きだ♪」


 一方のゴーツは顔を伏せ、額を押さえていた。

 長いため息が聞こえる。


われといたら世界一の軍師にはなれないだろう。でも君が言う世界一の頭が良いであろうアトラスの刺青男を倒す事は出来るかもしれない。喜べ、否定され続けた人生は間もなく終わりを迎える、君の人生はやっと報われる」


 マリアンヌは全てを言い終えると「どうする?」と首を傾げる。

 ゴーツはニヤリと笑って見せる。


「あっしの答えなんて聞く前に分かっているんでしょ~?」

「ほぅ~?ということは…」

「やってやろうかね~。元より三食昼寝付きなら、あっしに断る理由が無い」

「それは何よりだ♪ では行こうかゴーツ、こんな暑い場所はもう嫌だ。馬車が待っているよ」


 マリアンヌは立ち上がる。

 そして部屋を出ていく時、肩越しに言った。


「そういえば今後、君を何と呼べばいい? ゴーツ・コイルという人間はもう居ないのであろう?そのままゴーツでいいのか?」

「名前…?あっしには本当の名も戸籍も無いんで、何でもいいけどね~。あ、でも、い、でも…。いや、どうせなら…」


 ゴーツは室内にある噴水、その流れる水を手の平で掬い上げると、今までかぶり続けた庭師という仮面を完全にここで投げ捨てるように自身の頭にぶちまける。

 そして垂れ流されている前髪を上げてオールバックにした。


 印象がガラリと変わる。


 マリアンヌに影響されたかのように冷たい表情、ジトッとした瞳に狡猾そうなイヤらしい光が宿る。


「ヤン・メイザール」

「は?」

「これから、あっしの事はそう呼んでくださいよ。へへへ」

「ヤン・メイザール、なんで領主の名を?」

「気に入っている名なんですよ。意味は無い」


 意味は無い…。

 本当にそうか?

 だってその名を使うという意味は。


「………」


 マリアンヌは少し考える。

 そして答えを導き出すとこう言った。


「君も本当に良い性格をしているよ」

「ダメですかね?」

「ハァ~~、よかろう。その程度のワガママ聞いてやるぐらいの器量が無いなんて、下々の人間に笑われてしまうわ」


 扉の前でマリアンヌは腕を伸ばした。


「君に似合うのは栄光輝く軍を指揮する役職ではなく、暗く冷たい雨が降り注ぐ中、死の部隊を率いる事だ。 表はわれ、裏は君に全て任せる、改めてヤン・メイザール、君を歓迎するよ」


 以前、アンジェラとした時のような握手は出来ない。

 手が折れているから。

 でもこの2人は間違いなく握手を交わした。

 そして彼らは部屋を後にした。


 誰も居なくなった領主の部屋。

 マリアンヌたちが出て行くと、部屋は再び窓の外から入ってくるセミの鳴き声と室内にある噴水の音だけとなった。



閲覧ありがとうございました(^O^)いかがでしたか?今回のお話。皆さん的にはマリアンヌの右腕が意外に感じたのかもしれませんねw


私はこのマリアンヌの物語をエロゲ…じゃなくてノベルゲーみたいな感じに考えていてね、要はルート分岐なんですよ('ω')ノ。例えば今は亡きアンジェラの裏切りにあわず、アンジェラがマリアンヌの右腕となり話が進んだ場合それは王道ルート。敵となる人物たちと敵対しつつもアンジェラが上手くマリアンヌとの仲を取り持ったりしつつマリアンヌが良い王様になっていくルートですね(^^♪皆が幸せ、マリアンヌの母が望んだ平和の訪れですな♪

じゃあこの姑息で邪悪なゴーツ、いや、ヤンかwヤンが右腕になった場合はどうなるでしょう?……その通り!( ゜Д゜)!!それこそが〇〇ルート。この○○は言わなくても分かりますよね?だってタイトルに書いてあるものw

ではまた次回お会いしましょう♪





折り入って皆さんにご相談がございます(T_T)私が最初に書いた1話目プロローグに書き足したい事があるんです。その文言は


「そう言えばヤンから連絡はあった?」

「はい、先ほど使いから知らせが届きました。問題なく事は進んでいる…と」


という文面です。

よかですか?追加しても?l・ω・)チラッ


これを入れることで1話目からヤンという正体不明の人物を物語に参加させることが出来ます。そしてその効果は非常に大きいと考えております。

皆さん、初見の方が読み始めたと想像してみてください。ヤンという正体不明の名がマリアンヌの口から出て『誰?』って思うでしょ?そして話が進んでヤンが出てきます。ええ、ジジイの方のヤンがw

勘のいい人は思うでしょう『どこかで出てきた名前だな。あれは確か最初の…まさか!このジジイが仲間になるのか!?』ってさw

そして更に読み進めて真実に辿り着いた時に、この小説ちょっとは伏線回収凄いな、読み応えあるな、ってなるかもしれないでしょ♪


って事で追加しておきますね~(^〇^♪いや~皆も納得してくれているようで良かった♪

ではまたね~(^^♪



…ん?なに?『追加するのは良いけど、本心は?まだ理由あるんじゃね?なんか下心が見え隠れするんだよな~(T△T)』ですって?

…な、なにを言ってんの(+_+;)そ、そんなのないよ~……いや、本当に、、(;´Д`)


す、すいません(><)出来心だったんですぅぅ!(´;ω;`)

プロローグの時から伏線を貼っていて、それを綺麗に回収する作者だと新規の読者に思わせる事が出来るんじゃないかな?私って凄いでしょ?(・∀・)ニヤニヤ。ってドヤれると思いました~~(ノД`)・゜・。ごめんなさいぃぃぃ!!

……って言うか、皆そんなに責めなくてもええやんか!( ゜Д゜)何なん!皆はコナン君なん!?金田一少年なん!?真実を知らな気がすまへんの!?酷いよぉぉ!見て見ぬふり覚えようよ~~(゜д゜)!


って事で追加するね♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] マリアンヌ様、己の御眼鏡に適う右腕を得る!。 [気になる点] ゴーツ改めて新ヤンって、自分を偽り誰かに成り変わる様が、何かシェイプシスターみたいだね。その存在そのものを影に潜ませる様な在り…
感想一覧
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