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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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179 7日目③ マリアンヌは答え合わせをしたい②

クリックありがとうございます♪カップヌードルの麺が昔に比べて、どう考えても不味くなっていると思っているひとりぼっちの桜ですw 

皆さんもそんな気しませんか?(・△・?昔はもっと食べ応えがある麵だった気がするんですよね~でも最近はやけに麺があっさりとしているというか…う~~ん、私の気のせいかな??皆さんはどう思いますか?



さて今回のお話ですが7ページなのですが……5千文字を大きく超えてしまいましたw

ページ数は良い感じなんだけどね~(>_<)まぁつまりは文字いっぱいです(笑)出来る限り読みやすくしたので良かったら最後まで読んで頂けると嬉しいです。

では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



 折れて包帯の巻かれた手は、まるでミイラが呪いをかけるようにゆっくりとヨロヨロと上にゴーツの口元辺りまで持ち上げられる。

 そして告げられる言葉。


「その汚らしい無精髭ぶしょうひげ、それ付け髭だよね?」

「………」


 何も答えない鉄面皮のような無表情なゴーツにマリアンヌは構わず続ける。


「これは本当にわれとしてはマヌケで笑える話なんだけどね。よくよく思い返すとこの6日間、君の髭の長さが一切変化していなかった。君は無精髭、つまり髭の手入れは基本的にしない人間だ。ならば1週間という日数を考慮すれば髭は当然伸びる、使用人やカラスたちにも聞いたが成人男性が1週間髭がまったく伸びない事は無いそうだ。じゃあ剃ったのかな?いいや、そんな事をしたら誰かが気付く、というかわれならお前の変化に一発で気付くだろう。残る可能性は髭の手入れをして”わざと無精髭の状態を保つ”という奇行か、もしくは…”付け髭”だ」


 薄い笑みを浮かべながら絶対の自信を持った言葉。


「いつもは屋敷の者たちにバレないように自然に髭を伸ばしたり剃ったりしているんだろうけど、われが来てからは頻繁に変装する必要が出てきたから出来なかったんだよね? 変装する時、髭は特徴が出るから邪魔だもんね?」

「………」

「変装が必要な時だけ髭を剃って付け髭を付け外しする、それだけの簡単な作業で変装できるなんて便利だね。しかもわれだけじゃない、誰1人としてその事実に気が付いていなかった」 

「………」

「常に不衛生というイメージを出会いがしら我らに付けた君の勝利だよ、素晴らしい。 ねぇねぇ、ところで今の推理は当たりかね?それともハズレ?」


 まるで最初から答えを知っているような口ぶり。

 これ以上の嘘は無意味だと悟ったゴーツはビリビリと付け髭をがした。


「正~解」


 付け髭を剥がしたゴーツ。

 綺麗に剃られた口元や顎、元々のゴーツの印象が汚いというものだったからもあるのだろうが付け髭を剥がしたゴーツはまるで別人のような印象だった。


 感心するマリアンヌ。


「驚いたな、10才は若返ったように見える。それに普段とのギャップもあるのだろうが、付け髭を剥がしただけでここまで印象が変わるなんてね」

「人はどれだけ中身が重要だと高尚こうしょうな言葉を並べても実際は見た目を重視する生き物って事だろうね~」

「言っている事は分からなくも無いが、それはちょっと卑屈すぎないかね?」

「事実は事実として受け止めるべきだね~」


 まぁ一理あるか。


「じゃあ髭はもういいや、次の答え合わせに移ろうではないか。君の虚弱体質で喘息持ちっていうのも嘘っぱちだよね?」

「どうしてそう思ったんで?」

「これも逆算の推理から気付いたんだけどね。 われはここに来てから何回も言ったよね?『そんなに咳が辛いならコロナに診てもらえば?』と、だが君はかたくなに、そして必ずこう返した『これは持病みたいなものなので薬さえ貰えればいいですよ』ってさ。でもさ~よくよく考えてみると、この受け答えはおかしいよね?」


 黒々とした目に浮かんだ笑みは依然として消えない。


「だって診てもらうぐらいいいじゃない? その方がよりよい薬を処方して貰えるかもしれないし、君にとって最新のプルートの医療を無料で受けれるチャンスだ、コロナに診てもらうなんのマイナスも無いんだから」


 そう言われるとつられるようにゴーツも笑う。


「へへへ、そりゃ確かに不自然だね~」

「君はこう考えたんだよ。 コロナというメイドは医学に通じている、近くで診察されたら喘息という嘘がバレる可能性がある、そして嘘がバレたらわれにこう思われる『なぜゴーツという男は喘息なんて嘘をついたのか?』ってな。君はそれを恐れたんだ」


 再び黙り込むゴーツ。

 まるでマリアンヌの頭脳と他の誰かを比べるかのように。


われは此度この地に現れた内通者が喘息もちなんてありえないと思っていた。なぜなら、時には闇に紛れ反乱軍と接触する事も可能性もある内通者という立場、その中で喘息という特徴は完全な弱点と言って差し支えない、内通者として行動している時に度重たびかさなる咳なんてしていたらすぐに庭士ゴーツだってバレちゃうもん。だからわれは君を内通者では無いと考えた。でももし、もしもだよ、その前提が崩れたら?喘息が嘘なら?いつでも止められるなら?そう…喘息という特徴は弱点ではなく、内通者にとってこの上ない長所となる。 ね?そう考えると途端に君が内通者だと誰の目にも思えてくるだろ?だから君はコロナに診察してもらう事を是が非にでも断る必要があったんだ。君は喘息でないといけなかった。これがコロナの治療を断り続けた理由だ」

「………」

「ねぇねぇ、そろそろ黙ってないで教えておくれよ。 今の推理は正解?それとも不正解?」


 底意地の悪い笑みを浮かべて問いかけるマリアンヌに、ゴーツは苛立ちを隠しきれずに答える。


「昨晩から咳を一切していないあっしを見て、答えは既に出ているんでしょ?」

「そんな意地悪な言い方をしないでおくれよ~。せっかく頑張って考えたんだから君の口から真実を聞きたいじゃないか。 ね?カーナもそう思うよね?」


 カーナはにっこりと迷わず答えた。


「はい、もちろんです。マリアンヌ様。 …おい、ゴミ内通者、5秒以内に答えろ、でないと本当に殺す」

「チッ、正解ですよ。おめでとうございますよ~」


 なんだ、その舌打ちは?殺すぞ。

 というカーナの殺意がゴーツの顔に突き刺さる中、マリアンヌは無邪気に喜ぶ。


「やった当たりだ♪当たりだよカーナ」 

「え?は、はい!おめでとうございます!流石はマリアンヌ様です!天才です!」

「うむ、まぁな♪ では続けて一気に行くよ。 さっきの2つに加えて不衛生、泥や土が付いたボロボロの作業服、風呂に入らないとか肥料のにおいとか、君はありとあらゆる方法を用いて自分を負の方向に偽ってきた。なぜなのか?なんでそんな事をしていたのか?なんだけどね」


 彼は自分でも嫌だろう強烈なニオイや不衛生を自らに行なっていた。

 その理由は。


「付け髭、喘息、全ては1つに終結する。そう…自身の印象操作をするためだ。付け髭を外して、風呂に入ってボロボロの服を脱ぎ捨て服を整える、そして咳をするのを止めて堂々とした足取りで歩く。この屋敷に住んでいるものなら誰でも行なえている極めて普通の行動。でも君がやったのなら、それは立派な変装になる」


 いたく感心した様子で何度も頷くマリアンヌ。


「これは最早もはや、印象操作の極みと言って差し支えない。そしてそれは実際それは成功している。さっき述べた変装技術をフル活用してわれを騙す為に用いた偽の指令書、その時に君はソウスの部下である騎士に変装してあのクソガキに見られる形で掲示板に偽の指令書を貼り付けた。お前を遠目で見ていたあのガキはこう言っていたよ『自分が見た男は、特徴が無いのが特徴だった』ってね。普段の君が喘息、虚弱でふらふら歩く、ボロボロの作業着に不衛生な無精髭、臭い、特徴のオンパレードのような人間。つまり普通に考えたら君では無いと誰もが考える、われもそう考えたぐらいだからね」

「………」


 やはり黙っているゴーツ。

 マリアンヌは蜘蛛の巣が所々張っている天井を見上げ溜め息をついた。


「ずっと黙ってるけど、これは?」

「もちろん正解ですよ。素晴らしい頭脳をお持ちで」

「そりゃ、どうも」


 当たり前だろうが。

 この程度の推理、われには造作もないわ。

 というか、お前は未だにわれの目的が答え合わせだけだと思っているのだろう。

 フフフ、馬鹿な男よ。


「あの…マリアンヌ様」

「なに?カーナ」

「1つだけお聞きしてもいいですか?」

「構わないよ。どうせゴーツ君は正解か不正解しか答えてくれないしね」

「ありがとうございます。では早速ですけど、あの時、あの少年は掲示板に偽の紙を貼り付ける兵士を見て特徴が無いと言っていました。でもノアールが”あの強烈な悪臭はちょっとぐらい離れた所で消えるものではない、風呂でも入らない限り悪臭は消せない”と言っていました。でもその日、そんな屋敷の風呂に入る時間はゴーツに無かった。彼はどうやって短時間でニオイを消したんでしょうか?」

「ふ~ん、ノアールがそんな事を言ってたんだね」


 あのデカイ女、そんなには頭が回らない方かとも思ったが。

 中々どうして理論的じゃないか。

 われの前でも言えばいいのに、そうすれば評価を上げてやらんでもないのに。


「ノアールが言っていたニオイに関してはわれもずっと考えていた。でもね、答えは案外ずっと我らの近くに転がっていたのだよ」

「近くですか? やはり屋敷の中の風呂場ですか?」

「いやいや、屋敷に戻る時間的余裕が無いのはノアールも言っていたのだろ?屋敷まで戻っていたらあのクソガキ掲示板の前から居なくなってしまうし、それにおそらく屋敷に戻れば玄関に居たコロナが気付かれてしまう」

「でもそうなると、屋敷以外に風呂なんて…」


 やはりカーナは首を傾げてしまう。


「カーナ、覚えている?漁師の村オート、そこの川沿いを歩いていた時、住民達が川で水浴びをしていた事を。我らのような高貴な国出身の人間には理解しかねるが、この地域の人間は川を風呂代わりにしているそうだ」


 カーナはその言葉で思い出す。

 昔、小さかった頃に父に連れられて遠征などに行った際は川や池で水浴びをしていた事を。


「まさか」

「そう、同じ事をしたんだよ。 川で水浴び、もちろん石鹸などを用いてね、夏だから気持ちよかっただろうね~。そして隠していた兵士長ソウスの部下の服に着替えて付け髭を取って例のガキに見られている事を確認しながら掲示板に例の紙を貼り付ける。これで移動時間を短縮&変装の同時完成だ」


 マリアンヌは自信満々に「実に単純だね」ゴーツに顔を向ける。


「正解かね?ゴーツ君、これは結構自信がある推理だぞ」

「もちろん正解ですよ~」

「それは良かった。因みにこの屋敷で起こった暴動で小さな女の子が死んだ一件なんだけどね。自分の部下をボウガンで撃って反乱軍のせいにする予定だったソウス、しかしボウガンは壊れていた。結果、領主の計画が頓挫したわけだけど、もちろんボウガンを事前に壊してたのはお前だろ?」

「………」


 相変わらずこちらが推理を終えるまで何も答えようとしないゴーツではあったが、マリアンヌはそれに意を解さず言葉を紡ぎ続ける。


「そう、庭士のお前ならソウスが事前に庭に隠したボウガンに細工するぐらい造作もなかろう?もしかしたら領主をそそのかしたのもお前かも?まぁいいけど。 そしてお前は本番、ボウガンが壊れている事に右往左往しているソウスを横目に屋敷にあったソウスの部下の剣を手に屋敷になだれ込んだ村人、その中でも反乱の火が更に燃え上がりそうな人物であるか弱いか弱い女の子を刺し殺した。あっ、もちろん付け髭を取って変装して。ほんと便利だよね~君の場合、事前に風呂に入って付け髭を取って服を着替える、咳をしないヨロヨロと歩かないだけ同僚である兵士長ソウスすら分からないほぼ別人になれちゃうんだけらさ。因みにこれは…」

「いちいち聞かなくても正解ですよ」

「いちいち聞かないと答えてくれないのは君だろ?」


 少し場の空気が重くなる…と思った瞬間、すぐさまパァとマリアンヌは再び笑顔を作る。


「総括すると君の凄い所はその病的な程の慎重さな気がするんだ♪」

「………」

「確かに君の全てを騙す演技力は素晴らしかった、われを騙す狡猾さは圧巻、存在感の消し方は幽霊並み、肝の据わった精神力は驚嘆に値する。でもね、それらは君という人間を構成する小さな要素の1つ1つでしかなかった。一番凄かったのは髭の件もそうなんだけど、この屋敷の人間はたまにではあったとしても君が髭を剃っているその顔を見たことがあったはずなんだ。でもそれでも兵士長ソウスすら変装した君をゴーツと認識できなかった、それはひとえに君が作り上げたゴーツ・コイルという人物像が【不潔、臭い、せき、虚弱体質からよろよろ歩く】などの特徴を長い時間をかけて屋敷の住人達の脳に擦りこんでいった”慎重さ”の成果と呼べるだろう」


 本当に素晴らしい才能だよ。


「しかし演技も完璧な君だったが、そんな君にも懸案事項が存在していた。プルートから来た人物、マリアンヌ・ディ・ファンデシベルという皇族は『1週間でこの紛争を解決する』と言ったのだ。君はきっとこう考えただろう…”このお姫様の言葉が本気なのか皇族の酔狂なのかは分からないが、もしも本気なら内通者という自分の存在は絶対に隠さないといけない”ってね」


 眉1つ動かさないゴーツ。


「ふ~む」


 核心は突いているはずなのだが、相変わらず表情が読めない男だな。

 これでは事前に正解か不正解か分からないではないか。

 まぁいい、ここまで来たら表情から正解を読む必要などは無いのだからな。


「急だけど、カーナ」

「はい?」

「もしお前が内通者ならわれに何を見られたら一番困る?」



閲覧ありがとうございました(`・ω・´)ゞ今回のお話でいくつかの嘘がマリアンヌによって暴かれていきましたが、皆さんはどれぐらい分かりましたか?個人的にはゴーツがコロナの治療を断る場面は、当時凄く気を使いながら書いた覚えがありますwこれ断るのおかしくない?って皆に思われたらどうしよう。ドキドキ(*゜д゜*)みたいなww

次回は更に大きな嘘が暴かれます、ではまた次回お会いしましょう♪(@^△^)/~ば~い~ばい♪






皆さん、遂に始まりますね…。4年に1度のサッカーワールドカップ、日本の初戦は23日の強国ドイツ戦。

もう私は楽しみで楽しみで今からコーラとポップコーンを用意して待機していますよ~(^^♪

皆さんも私と一緒に日本が予選リーグを通過する事を祈って応援しましょうね♪

ではまたねー♪



……(。´・ω・)ん?なんですか?皆さん?



「応援…ってさ~、日本の対戦国ってドイツ・コスタリカ・スペインですよ。……勝てるわけ無いでしょw」

「ドイツとスペインは優勝候補だよw 予選敗退に決まってんじゃんw」

「応援なんて無駄無駄、敗北決定だドン!(^^)!」

「くじ運が悪すぎワロタ((´∀`))ケラケラ」



ですって?

ど、どうしたんだよ皆!急にそんなに口数が多くなって(゜д゜)!?

確かにドイツとスペインは優勝候補ですよ!でもね!勝負の世界に絶対なんて無いよ(>□<)!私は思うの!ドイツやスペイン…100回やれば1回ぐらい日本が勝つって……(。-`ω-)キラッ!

その1%が連続で起こるかもしれないでしょ!皆さんだってソシャゲで1%のキャラを2回連続で出したことあるでしょ!?

だからまずは23日のドイツ戦、私と一緒にテレビの前で応援するんですよ!分かりましたね!?ね!?マイナス思考禁止ですよ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 次々と答え合わせが始まる!。 まさか、モブを装って工作してたなんて読めないよ~ww。 [一言] >あのデカイ女─頭が回らない方かとも思ったが─理論的じゃないか─我われの前でも言えば─評価…
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