169 6日目② 領主の行方とその推理
クリックありがとうございます♪やぁ8時間ぶりだね(*^^*)ひとりぼっちの桜だよw
いや~~やっぱり、この時間は落ち着くわ~~ε-(´∀`*)
夕方ってなんか私には場違いな感じがしてドキドキしておったのですよwう~ん、例えるのならば有名な屋台が並ぶ通りがあったとして、そこに場違いに存在する【ゲテモノ屋】の気分かなw
ええ(T_T)ゲテモノ屋が私ですね…(T_T)
え?「品ぞろえは?」ですって?
蜘蛛、蛇、コウモリ、さそり…などでしょうかね(笑)皆さん、今他人事みたいな顔をされていますが、、それらを食しているのは他ならぬ皆さまですよ(T_T)
さて今回のお話ですが、8時間前にお話していた通り残りの8ページとなります。マリアンヌの推理も出てくるので読み応えは結構あるかと、でもそれよりも見どころは…。
いや、全てを語るのは無粋ですね( ーー)
ではどうぞ今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪
「こちらです。マリアンヌ様」
「ああ」
寝巻きに薄いカーディガンを羽織るマリアンヌ。
硬い表情のまま先導するコロナ。
この2人が部屋から出て廊下を歩いていると、すぐ前方の部屋の中から言い争う大きな声が聞こえてきた。
「あんたは何をしていたんですか!! あれだけ、ちゃんと見ておけと言ったのに!!」
「知らね~よ!トイレ行って帰ってきたら居なくなってたんだからよ!」
うるさいその部屋こそ領主が24時間カイルによって軟禁されていた部屋。
部屋の前にはカラス達が集まっている。
カラス達がマリアンヌに気付いた。
「あ~マリアンヌ様。んふ♪ 室内は今、大変な事になってますわよ」
「ママ!早くカーナさんを止めないと!」
「おはようございますます、マリアンヌ様。今日もご機嫌麗しゅう」
「お前ら邪魔、どけ。コロナ行くぞ」
「はい、お供します」
寝起きの声質低く、そう言いながらマリアンヌが部屋に入ると領主を軟禁していた部屋の中はさながら台風の通過後のような惨状であった。
「うわぁ~なにこれ?」
マリアンヌは一室を見渡す。
壁には無数の剣の跡、カーテンはビリビリに切り刻まれ、棚や椅子や机は全て倒され、窓ガラスは割れている。
カイルが飲んでいたであろう酒たちは割れて中身が散乱している、そのせいで部屋全体が酒臭い。
「何があった?」
するとカーナがカイルとの言い争いを止め、こちらに急いでやって来た。
そして床に膝をついて必死に頭を下げる。
「マリアンヌ様、申し訳ございません!私のゴミみたいな部下が失態をしたばかりに!マリアンヌ様がお許しいただけるのなら、今すぐにでもカイルの身体をバラバラにして謝罪を!」
「謝罪はいい、言い訳など聞きたくない、時間の無駄だ。何があった?全部話せ」
カーナは一瞬、忌々しげにカイルを睨んだあと語り始めた。
「カイルの話によると、、どうやら1時間ほど前、早朝5時のことだったようです。カイルがトイレに行くためにこの部屋を出たそうです、そしてトイレから帰ってきたら領主が居なくなっていて部屋はこの状態だったと。。おそらくカイルがトイレに行く瞬間を狙って窓から賊が侵入、領主を拉致したようです」
「ふ~ん、1時間ほど前に窓から賊…ね」
そう呟きながらマリアンヌはウトウトと、まだ半分目蓋が開いていない状態で割れた窓ガラスの傍まで近づくと、窓の内鍵近く、叩き割られた窓ガラスを凝視した。
そして足元に視線を移す。
割れた窓ガラスの真下は比較的綺麗であった。
更にボソリと呟く。
「えらく綺麗な床だね」
「たぶん犯人はリックスのように壁に張り付いて隠れていたのでしょう、そしてカイルがトイレに行ったのを確認すると窓ガラスを割ってこの部屋に侵入、事を起こした、、。おそらく領主暗殺を企む反乱軍によって拉致されたのと考えられます。許すまじ!反乱軍です!」
「それはないよ」
「え?」
マリアンヌは言い切る。
そして「ちょっと考えたら分かると思うが」と前置きをしつつ、つらつらと語り始めた。
「第三者が領主を拉致する為に窓からこの部屋に入って来たとしよう。そうした場合、まず犯人は窓ガラスを割って鍵を開けて入ってくるわけだから、室内には窓ガラスが散乱してないとおかしいよね? でもこの部屋、割れた窓ガラスの破片が室内にほとんど落ちていない」
「へ?いや、マリアンヌ様、でもこの辺りにいっぱいガラスが」
「よく見ろよ、それはカイルが飲んでいた酒瓶破片だ、窓ガラスと色が違う。そもそも割れた窓ガラスの真下を見ろよ、床が綺麗過ぎるだろ? おそらくこの割れた窓ガラスの破片たちは外の1階庭に落ちているのだろうよ。後から探してごらん」
「本当だ。割れた窓ガラスの下、すごく綺麗ですね…流石はマリアンヌ様。でも、というとこは…」
「そう。この割れた窓ガラスは外からじゃない、内から叩き割られたことになる、この部屋に居た人物によってな」
「だ、誰が!なんでそんな事をするんですか!?」
「外から来た人物が窓ガラスを叩き割って部屋に侵入して、無理矢理領主を拉致したと思わせたいからだろうね」
「え?あ~なるほど?え、なぜ?」
今まではてっきりリックスが行なったように2階の壁に張り付いて、そこから侵入してきたと思い込んでいたカーナ。次々とマリアンヌから出てくる新事実に意味が分からなくなってきた。
すると、そんなカーナを見かねてコロナが話しに割って入ってきた。
「つまりマリアンヌ様はこの部屋全てが何者かの偽装工作、実際には外からの侵入者は居なかったと仰りたいわけですね」
「その通りだよコロナ。それにカーナ、お前が言ってた壁に張り付いていた…だったけ? そんな芸当、そもそもどこぞのリックスじゃないんだから反乱軍の素人どもに出来るわけないだろ」
「クハハハ」
開いた扉近くで集まっているカラス達。
その中でクスクスと笑っているリックスの声が聞こえてくる。
まるでカーナの言った壁に張り付くという推理を「そんなもん俺しか出来ないだろ」というあざ笑うような、そんな声。
だからカーナはムカッと睨む…カイルを。
「カイル!あなた、トイレに出たときに鍵をかけなかったんですか!?」
「ああ?かけたに決まってんだろ~、それにいつもこの部屋出る時には、領主のジジイには『俺が帰って来るまで内鍵を絶対に開けるな』って言ってたんだから、ここには誰も入れるわけ無いんだよ」
カイルは持っていた鍵をカーナに投げ捨てた。
それを舌打ち混じりに受け取ったカーナ。
急ぎ入り口に移動すると鍵をカチャカチャ、間違いなくその鍵はこの部屋のものであった。
それを見ていたマリアンヌは即カイルに問いかけた。
「カイル~、お前の行ったトイレってもちろん1階だよね?」
「ああ、そりゃ2階にあるトイレはお姫様の部屋にある1つしか無ぇからな」
「どれぐらいかかったね?」
「行き帰りの時間も合わせて5分…いや、10分ぐらいじゃねぇかな」
「カーナ、この部屋の鍵はもちろん壊れてないよね?」
「はい、壊れてません。今スムーズに回りました」
「無理矢理開けられた形跡は?」
「ありません」
「カイル。トイレから戻って来た時、この部屋の鍵は閉まってたの?」
「ああ」
「なら話は簡単だ」
話せば話すほどに口が、頭が冴えてくるマリアンヌ。
彼女は銀髪の髪をなびかせながら部屋を歩く。
「この部屋の惨状、領主が居なくなった事が意味している事とは… ①領主本人がこの偽装工作を行なった後、2階の窓から外に出た。②第三者が領主に扉を開けさせ、偽装工作を行なった後、領主を拉致した。のどちらかだ」
寝起きの人間が行なったとは思えない推理力。
マリアンヌは淡々とした物言いで推理を続け、そしてカーナに言った。
「あの老人である領主が、重い剣を振り回して壁に無数の剣戟の跡を残せるだろうか? 机や椅子だけではなく、重い棚まで倒せるだろうか?」
「厳しいかと思います」
「ということは?」
「マリアンヌ様の仰られる②の第三者が領主に扉を開けさせ、偽装工作を行なった後、領主を拉致した」
「正~解♪」
「でもマリアンヌ様、お言葉ですが、そんな事が可能なのでしょうか?」
「と、言うと?」
「だって領主は暗殺計画がある事を事前にマリアンヌ様に聞いていたわけで、カイルからも危険だから自分が戻ってくるまで扉を開けるなと言われていたわけで…。そんな人間が自ら扉を開けますかね?」
カーナの言う事はその通りであった。
あの領主なら扉を自ら開ける可能性は低い。
「お前にしては鋭い質問だな」
「え、ありがとうございます」
「でもその質問の答えは我らは既に持っている」
「へ?」
「警戒する領主であろうが言葉巧みに扉を開けさせる事が可能な人間、そんな人物を我らは既に知っているだろ?」
マリアンヌの問いに対して考えを巡らす、そしてハッと思いついた。
「……内通者!?」
「その通り。ここに来て6日、我に存在を一切悟らせず、1度だけとはいえ我を謀れるほどの頭脳を持った人間、そいつがもし今回自ら動いたのならば…領主を部屋から出すぐらい造作も無いであろうな」
マリアンヌはその場で少し目を閉じた後、まずはカーナとコロナに視線を向けた。
「方針を伝える。まずはカーナ、コロナ」
「「はい」」
「お前達は屋敷の中を探せ、内通者が領主の拉致に関与している可能性が高い以上、まだ領主はこの屋敷内に居る可能性が高い。念のために領主の部下全員に領主の心当たりがあるかも聞け」
「「はい」」
次に扉前に居るカラスたちに顔を向ける。
「カラス達はカーナとコロナが見回れない天井裏、庭などを徹底的に調べろ。そして既に1時間経っているから無駄かもしれんが、その後、屋敷の外も探せ。まずは屋敷内を徹底的にだ。以上、行け」
「お任せくださいませませ」
「我ラがマリアンヌ様、ゴ命令ならバ」
「捜索行ってきま…クフフフ」
「んふ♪ リックス、あなた本当に殺されるわよ」
「ママー!僕頑張るね!」
「あ~だりぃ。ん?ああ、分かってますよ。やりますよ、ちゃんと」
カラス達は先に部屋を出て行った。
カーナとコロナは頭を下げる。
「それでは行ってまいります」
「マリアンヌ様!絶対に領主を捕獲してきます!」
この後カーナとコロナは内通者候補の容疑者4人も含め、領主の部下達全員に聞き込みをしながら屋敷内を捜索した。
だが…。
残念ながら領主の発見は出来なかった。
朗報の知らせが届いたのは1時間後。
全員でローラー作戦のように屋敷の敷地内を探し回ったカラス達が何も発見できず、屋敷の外に出て行ってすぐのことだ。
「領主が見つかりました!!」
その声は屋敷内を調べた後、外に調べに行ったカラスの1人、ウィノの声であった。
既にいつもの黒いドレスに着替えたマリアンヌ。
そして屋敷内に居た人物にも話を聞き終えたカーナとコロナも横に居る。
彼女達はウィノの先導で馬車に乗った。
「ウィノ、行き先はどこですか?どこに領主が居たのですか?」
焦りの表情が前面に出ているカーナにウィノは冷静に言う。
「領主が居たのはサンティエールの…」
………
……
…
何度も訪れたサンティエールの広場。
そこに大急ぎの馬車が止まる。
すると大きな花壇の横、古びた掲示板の前には周囲の村人達も集まっていた。
「すごい数ですね」
「そうだな」
その集まりかたたるや、マリアンヌが初めてここにやって来たときと同じぐらいの数。
カラス達も居る。
嫌な予感がするカーナ。
馬車からいち早く降りると民衆を掻き分ける。
「邪魔です!どきなさい!」
「どケ!マリアンヌ様ノ邪魔ダ!」
カーナやカラス達がわらわらと集まった村人達を掻き分ける。
そうしてマリアンヌたちは目撃する事になる。
焼け焦げたニオイ。
長年に及ぶ村人達への圧政。
その結果生み出された村人達の憎しみ。
それが呪いとなって一気に領主の身を飲み込んだかのように、木製の掲示板に鎖でぐるぐる巻きに貼り付けられていた”真っ黒なそれ”こそ。
「「っ!?」」
美しい夏の朝日に照らされていたのは数時間前まで屋敷でマリアンヌと話していた、屋敷から忽然と消えた人物。
見るも無残に燃やされ黒コゲになった領主の成れの果ての姿であった。
閲覧ありがとうございました('◇')ゞ いかがでしたか?驚かれましたか?それとも皆様におかれましては、色々な推理を繰り広げられておられるのでしょうか?
そのどちらであろうが、少しでも皆様に楽しい時間を提供できたなら私としては嬉しい限りです。
ではまた次回お会いしましょう♪( ☆Д☆)ノ~バイバイ
皆さん!先週の『可愛いだけじゃない式守さん』観ましたか!?
文化祭編でなんかいつもの空気と違うな?って思っていたけど、狼谷さんの和泉くんへの想いを描いた所で一気にこのアニメが輝いたよw 特に屋上の式守さんと狼谷さんの会話…あれはウルっときた( ノД`)シクシク…
皆さん、まだ観ていない人はマジで見たほうがいいですよ!胸が張り裂けそうになるからw
今期の1位は式守さんかもしれないww




