167 5日目③ 3人目の来訪者
クリックありがとうございます♪最近YouTubeで昔のアニメ、金田一少年の事件簿を見まくっているひとりぼっちの桜ですw なんか東映のYouTubeチャンネルで6月2日までの限定配信っぽいんだけどね、小さい頃に大好きだったこともあってか、これが1話目を見ていたらハマっちゃってね(笑)
皆さんも6月2日までだけど観れるのでよかったら見てみてね(^^♪めちゃくちゃ面白いぞ☆
さて、今回のお話ですが、とある人物の名が意図的に伏せられています。『それがいったい誰なのか』それを含めて楽しんで頂けると嬉しいです(´▽`*) え?その人物を特定する難易度ですか? う~ん(。mωm) 10段階で3かなw
では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪
「マリアンヌ様、言いつけ通りカイルには暗殺計画の事を伝え、今までよりもしっかり領主を守るように伝えておきました」
「うむ。それは何よりだ」
すこぶる機嫌の良いマリアンヌとは対照的に明らかに顔が曇っているカーナ。
マリアンヌが瞬時に読み取るに、その表情からは『不安、心配、不満』という感情が見え隠れしていた。
「ん~~? 顔色が優れないね、どうした?」
「いえ、あの~その…王印が」
「あ~それね。 まぁ我が手にあればもちろん安心できるが、無いなら無いで仕方ない。 身体検査で出てこなかった以上、どこかに隠しているだろうしね」
「はい、ここに来た日、タコ殴りにしたあの夜に牢屋に入れる前に身体をくまなく捜しましたが、残念ながら…。おそらく絶対に見つからない所に隠しているのだと思われます」
こんなに必死に隠してくるとは思わなかったな。
領主にとって王印とは最後に残されたプライドなのかもしれない。
「拷問などを用いてもいいなら、絶対に口を割らせれる自信がありますが」
「やめろ。拷問なんてして、あの老人の身体が拷問に耐え切れず死んでしまったらどうするつもりだ?」
「流石はマリアンヌ様!あんな裏切り老人にも慈悲深い配慮をなさるとは!」
「え?配慮? あ~うん! フッフッフ、当たり前だ♪拷問などという野蛮な行為は、知性のある生物が行なってよい倫理的な行動ではないのだよ」
「流石は慈悲深い!」
慈悲深い…か。
フフフ。
言い得て妙だな。
「それはそうとカーナ、帰って来た所すぐですまないが、今からランたちに1つ言伝を頼んでもよいかな?」
「ええ、それはもちろん。でも言伝ですか?手紙とかじゃなくて?」
「お前なら内通者だろうが誰だろうが、周囲から見られていたら絶対気付くから言伝で問題なかろう?」
「ああ!まぁ確かにそうですね! 分かりました、すぐにダッシュで行ってきます。内容は何と伝えればよろしいでしょうか?」
「”第2フェーズへ移行しろ”。以上だ」
「それだけですか?」
「うむ」
「因みに”第2フェーズ”って、どういう意味ですか?」
「お前たちは知らんでいい」
………
……
…
「マリアンヌ様、ただいま戻りました」
1時間後、フードを被って目立つ赤い髪を隠したカーナが帰って来た。
周囲は既にカンテラが必要な時間となっていた。
「おお~カーナ、早かったな。どうだった?」
「つつがなく誰にも見られる事無く、ラン、シャルドネ、オムに伝えてまいりました」
「ランたちは何か言ってた?」
「いえ、3人とも『了解しました』とだけ…あっ、あと”魔道具の使い方を聞かれました”」
「そう」
マリアンヌはその後も「そうか♪」と呟きながら機嫌良くベッドに座ったまま足をバタバタと動かした。
カーナには何の事やら全く分からなかった。
「カーナ、時間も時間だ。そろそろ寝巻きに着替える」
「はい、じゃあコロナさんからお召し物を受け取ってきます」
………
……
…
「それにしても今日は1日、何もしていない気がします」
ここに来て5日がもう終わろうとしている。
マリアンヌ様は確か、ここに来た時に1週間ぐらいで内戦を終結させると仰っていた。
「5日目なのにこれでいいのでしょうか? いや、マリアンヌ様がそうされている以上、何もしないのが正解のはずだ。いや!”正解に違いない!”です」
いつものように、そんな自己暗示にも似た事を口ずさみながら1階の廊下を歩く。
手にはさっきコロナから預かったマリアンヌの寝巻き。
マリアンヌの白く決め細やかな肌を覆う為に特注で作られた、薄く羽衣のような黒色の高級ネグリジェ。
この布切れ1枚でいくらぐらいするんだろう?…なんて事を思うわけが無いカーナはその寝巻きを握り締めていた。
そんな時だった。
カーナは窓ガラス越しに”何か”の気配に気付いて足を止めた。
「………」
視線の先には屋敷の裏門。
常時、内鍵がかかっていて開く事が無い裏門。
その遠く離れた裏門の逆側に。
「何か居ますね、あの扉の奥、ずっと裏門からこちらに敵意を向けている感じがする。 この気配、相当の使い手ですね、しかも感じる気配から1人じゃない、たぶん複数人居る…。まさか、反乱軍か!?また食料なんかの襲撃を企てているのですか!だとしたらふざけています!マリアンヌ様の居ぬ間に寝床を荒らす不逞な輩、四肢を切断して頭を潰さないと気がすまない!」
カーナは靴音を立てず窓から外へ、そのまま気配を消して裏門に近づいていく。
そして自分の身長の2倍ほどある塀に手でそっと触れると、足に目いっぱい力を込めて一気に塀を駆け上がった。
軽やかに塀を飛び越えながらカーナは思う。
体力は万全、武器である魔道具は持っている。
この塀の先どんな強敵が待ち受けていようが、どれだけの人数の敵が待ち受けていようが瞬殺してみせる。
いつの間にかその手から消え失せたマリアンヌの寝巻き、代わりに手に持っているナイフは主の敵を殺せと殺意に燃える。
そして塀の裏、裏門の反対側に隙無く降り立つカーナ。
彼女は素早く襲い掛か―。
「えっ?」
するとそこに居たのは。
「フフ、やっぱりボスなら視線を送っているだけで気付くと思ったわ」
………
……
…
「夕方まであんなに眠かったのに、なぜ我は夜になるといつも目が冴えるのであろうか?」
さて、そろそろ着替えようかな。
なんて思い始めているマリアンヌの前に、カーナは足元に視線を固定しながら言った。
「あの…マリアンヌ様、大変申し上げづらいのですが…」
「なに?っていうか、その前にお前が持って来た寝巻き。これさ…我の寝巻き汚れが付いてない?」
「あ、それはさっき庭に投げ捨てたときに土汚れが付いたんです。そんな事よりも」
「何してくれてんだよ!!ふざけんなよ!!今すぐ取り替えろ!!」
「え、、でも、ちょっと落としただけですよ」
「………」
この時のマリアンヌの目は。
そうはもう、恐ろしいものだったと。
後のカーナはそう語った。
「あの!すぐにコロナさんに!あの!コロナさんの所に行ってきます!」
「当たり前だ。それで?」
「え?」
「申し上げづらい事ってなに? お前の反応を見るに寝巻きの土汚れ以上の何かなのだろ?」
「あ~その、、何を思ってか、ランがとある人物をつれて裏門に来てまして、どう対処すればいいかな~と」
「ふ~ん、誰を連れて来たの?」
「え~とナント村の×××です」
その人物の名を聞くとマリアンヌは口元を綻ばせた。
「ほ~なるほどね~」
「昨日の反乱軍たちが行なった屋敷の襲撃。その謝罪がしたいと…」
「そう、じゃあお前の先導で内通者に見られないようにこの部屋に連れて来い」
「え!?」
「え!?ってなに?」
「謝罪を受けるんですか!?」
てっきり門前払いを命じてくると思っていたカーナ。
マリアンヌは意地悪そうにクスクスと笑った。
「当たり前じゃない。 自分の罪を認め、謝罪をしたいと言っている相手に対して謝罪を受け入れないなんて、自身の器の小ささを流布するのと同じだ。そのような事、我がするわけないでしょ?」
「あ…はい」
今日の昼頃の反乱軍リーダー、シジモルーナの一件はいったい…。
あれは私の記憶違い?
「何をしている? お前との問答は終わりだ。早くランたちを連れて来い」
「はい!すぐに!」
急いで扉から出て行くカーナ。
開けっ放しになっている扉を見ながらマリアンヌは笑う。
「フフフ」
そしてこの後、マリアンヌはランが連れて来たその人物に会うことになる。
周囲を取り囲むカラス達。
その人物は怯えながらも昨日の反乱軍の屋敷襲撃を詫びた。
プルートの皇女に対して行なわれた略奪行為。
それが何を意味しているか、その人物には分かっていた。
だから許してもらえるとは思えなかったが、その人物は必死に頭を下げた。
その結果、
マリアンヌは優しく語りかけてきた。
「いいんだよ、君が悪いんじゃないのは分かってるから。にも関わらず君は1人勇敢に謝りに来た。だから許そう、すべてを許そう。昨日の襲撃を含めすべてを許そうではないか♪」
実に朗らかに表情から出てくる会話。
「君こそ我と会話するに相応しい。疲れてるだろうし、これを飲みなよ」
そうして5日目の夜は更けていった。
閲覧ありがとうございました(__)これで5日目が終了になるわけですが…いかがでしたか?前書きで言っていた、とある人物の名前は分かりましたか?
…うんうん、なるほど、なるほど(#‥# )
どうやら皆さんには簡単すぎる問題だったようですねw ではそんな聡明な皆様に10段階中9の問題を(-_-メ)
【今回、マリアンヌがある箇所で言った”たち”これはいったい誰と誰を指しているのでしょう?】
今までのお話の中でもこういった問題はいくつも隠されていましたが、これはその中でも結構難易度が高いですよ(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
ではまた次回お会いしましょう♪(゜ω゜*)ノ バイバイ♪
前書きの続きのお話なんだけどね。。自分が大人になった今、昔の金田一少年の事件簿を見ていて、ふと思うことがあるの(-"-)
だいたい金田一少年の事件簿とかで、主人公のはじめちゃんは孤島とか山奥に閉じ込められたりするじゃん?そしてそこに集められた人たちの中で1人、また1人殺されていく…。そこは電波が通ってない、唯一の連絡手段である電話は犯人によって電話線を切られる、助けを、警察を呼べない。
この状況こそが推理漫画のド定番なわけだけどさ~~(。-`ω-)
今の時代ってそれ難しくない??
だってそもそも昔と違って1人1台携帯、スマホ持ってんじゃん?しかも犯人が電話線を切ったとしても、そこら中に携帯の基地局があるから、集められた人たちの中の誰かの電波は通るかもしれない。なんたって5Gの時代だし、、ぶっちゃけ、10人ぐらいの人数を集めてその誰にも助けを求めさせずに数日間閉じ込めて、犯人が目的の人物全員を殺すというのは難しい気がします(;一_一)ほら、すぐにTwitterとかYouTubeに『誰か助けて!殺人鬼に殺される!もう2人も殺された!警察を呼んで!』とか、バズりそうなタイトル付けられて動画アップされそうだしwそうしたら今の時代、警察がすぐに来るよ(つ△⊂;)
そんな事をされたら殺人犯もたまったもんじゃないですよ(>_<)
そんなメタ的なことを考えれば考えるほど、最近の殺人犯は昔よりも大変なんだな~って思わずにはいられませんw 皆さんもそう思いませんか??




