163 4日目③ コロナパニック
クリックありがとうございます♪今期オススメの深夜アニメはぶっちぎりで【SPY×FAMILY】のひとりぼっちの桜ですw皆さん…悪い事は言わない(´・n・`)今すぐ1話から観ることを強くオススメします。マジで!面白いから!特にアーニャがめっちゃかわいいのでw
さて今回のお話ですが、、皆さん心して聞いてください"(-""-)"。
主にペンが止まらなかった事が原因なのですが…気が付いたら原稿用紙18ページになっていましたwそしてそのままアップする事にしたので、皆様におかれましてはゆっくりでもいいので読んで頂けると嬉しいです♪
……いや、皆の言いたい事も分かるねん(>_<)「それ4つぐらいに別けたら週2本アップを2周連続で出来たじゃんw」って言いたいんでしょ?
そりゃそうなんだけどさ~今回のお話はいつも以上に別けることが出来ないお話なんですよ(;''∀'')って事で、今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪
因みに今回のサブタイトル「コロナパニック」←これ、色んな意味で私史上1番の渾身のタイトルだと思いましたw
コロナが全力疾走しながら馬車に向かって大声で叫んだ、
『マリアンヌ様!!屋敷が反乱軍の襲撃を受けました!!!』
という発言。
今回の話はそこから時間は少しだけ巻き戻る。
そう…。
マリアンヌが反乱軍に会いに馬車で出かける寸前まで。。
× ×
「では真に不愉快ではあるが、低脳のゴミ共との会合のような集まりに行ってくる」
「はい、因みにお帰りはいつほどになられますでしょうか?」
「たぶんそう時間はかからんと思う、向かうのはナント村だけだからな」
「では今日のご夕食はいかがなさいますか?」
「ん~何でもいいけど、ボランの料理飽きてきたな~。連れて来た料理人に何かあっさりした物を用意させろ。献立はお前に任せる」
「了解致しました。それではお時間を取らせて申し訳ございませんでした、行ってらっしゃいませ」
「うむ。カーナ、行くぞ」
「はい♪」
マリアンヌ様とプラスαの乗られている神々しい馬車。
後ろを追従するカラスのお面を付けた面々が乗る馬車。
その2台の馬車を見送った私は少しだけ目を伏せ、これから自分が行なうべき事柄を呟きながら脳内で整理整頓していった。
「掃除洗濯などは午前中に終えているけど、マリアンヌ様のお部屋を重点的に掃除するメイドは別途必要だからそこには2人充てて、残りは平常どおりの作業、私は料理担当の使用人とマリアンヌ様の夕食の献立を考える…って感じかな」
脳内予定も順調な計画を約束してくれている。
ぐーとその場にて背筋を伸ばす。
真上の浮かぶ太陽が今日も温かい。
「うん♪今日も太陽が気持ちいい、洗濯物がよく乾くってもんだ♪」
でもこの温かさ、暑さは、昔から外を走り回るのが大好きだった私には割と適温だけど、神の移し身である繊細なマリアンヌ様には厳しいだろう。
これは今日も帰られたときに冷たいにお飲み物が必須。
「にしても今日はナント村か…」
昨日は確か3つの村を回ったはず。
今日は1つの村でいいのかな?
おそらく先ほどマリアンヌ様が仰られた”低脳のゴミ共”とは反乱軍の事だろうけど…。
「いったい今、この国で何が起ころうとしているのだろう?」
神が何をなされているのかは分からない。
そもそも私程度が神のお心を推し量ろうなどと不遜極まりない。
私は私に課せられた仕事を全うすればいいのだ。
私は誇り高き、由緒正しいプルートのメイド。
何処かのなんちゃってメイドとは違うのだ。
そして私は屋敷に目を向けようとしていると、マリアンヌ様が先ほど出かけて行った正門付近にいつもの抗議をする村人達が集まってきていた。
「領主が気に入らないのは分かるけど、ここは今マリアンヌ様が寝起きしている場所でもあるのよ。だというのに、この失礼極まる抗議活動、本当に不愉快な奴ら」
…………
………
……
――1時間後。
メイドや使用人達に指示は出し終わった。
脳内で組み立てた予定は順調そのもの。
私はプルートから連れて来た使用人のシェフと共に食堂にてマリアンヌ様の夕食の献立を話し合っていた。
「では今日は私がマリアンヌ様のお食事をお作りすればよろしいのですね?」
「はい、よろしくお願いします。で、献立ですが、最近は芋料理が多かった事を考慮すると…」
その時だった。
「「「領主はプルートに帰れ!!!」」」
「「「帰れ!!!」」」
「「「帰れ!!!」」」
「今日はいつもに増して抗議の声が凄いですね」
「そ、そうですね。今、マリアンヌ様がこの場に居なくて本当に良かった」
もし居たら、これだけの抗議の声にマリアンヌ様のお心を悩ませてしまう。
「では夕食の打ち合わせを再開しましょうか」
「はい」
そして10分ほど打ち合わせを終えた頃、1人の人物がニコニコとした表情で私に話しかけてきた。
【料理長・ボラン】
「やぁコロナさん、ご機嫌麗しゅう。今日もお美しいですね」
話しかけてきたのは料理長のボランさんでした。
後ろには数人の料理人である部下を従えている。
マリアンヌ様のお食事をボランさんが担当するようになってからというもの『これでマリアンヌ様の料理はいいのか?』その最終確認として私が見ているのですが、この馴れ馴れしい感じが少し苦手です。
「ああ、ボランさん、ありがとうございます。それはそうと今日の…」
そう言いかけた私にボランさんは意気揚々と腕をまくった。
「今日の夕食の献立なのですが、今日はいつもと趣向を変えて」
「申し訳ありませんが、今日はこちらが連れて来たシェフに料理させますので」
「えっ!?そ、それはどうして!」
「マリアンヌ様のお達しです」
「っ!?な、納得しかねます!私の料理に何か問題が!?」
この人は何をそんなにうろたえているんだろう?
マリアンヌ様に自分を一生懸命売り込んでいるのは知っているが、たかが1回の食事で何がどう変わるというのか?
それとも彼はもう二度と自分がマリアンヌ様に料理を振舞う事は無いのではと焦っているのでしょうか?
…まぁマリアンヌ様の性格を考慮すればその可能性は0とは言わないけど。
「真に申し訳ございませんが、神がお決めになった事柄です。つまりそこに私やあなたどうこう介入する余地はありません。因みに言っておきますが、マリアンヌ様は決してあなたの料理を完全に飽きたわけではありません」
たぶんですけど。
「今日はたまたま違うシェフの料理を所望されているだけです」
そう説明すると、彼は無理矢理にでも自分を納得させたのか少し引きつった笑顔で首を縦にした。
「了解しました…皇女殿下がそれを望んでいるのであれば私としては何も異論はありません。ですがお気をつけ下さい。食材の置いてある蔵、そこは反乱分子達の狙うたくさんの食料がありますので」
「ええ、それはもちろん気をつけます」
この男は何を言っているでしょうか?今この屋敷はただの田舎者の領主の屋敷ではなく、次代の皇帝、マリアンヌ・デイ・ファンデシベル様が寝起きされている場所なのだ。
その場所を襲撃なんてありえない。
だってそれはプルートにケンカを売るのと同義。
するわけがない。
「何か調理場や食材の置いてある蔵で分からない事があったら、気兼ねなく私に言ってください。反乱軍に関しても私がその気になったら追っ払ってさしあげます」
「それはそれは、とても頼もしい」
愛想笑いもそこそこに私は連れて来たシェフとの打ち合わせを再開しようとした、その時。
「「「「「帰れ!!!!!」」」」」
「「「「「帰れ!!!!!」」」」」
思わず身体がビクッと反応するぐらいの凄い大声だった。
ビックリして私とボランさん、そしてここに居る全員が食堂の大窓から正門に目を向けると、明らかに抗議をしている人数が増加していた。
それも1人や2人なんて生易しいものではなく、10名そこそこだったのに今は100は越えている…。
それに何と言うか、より屈強な男性たちが集まっているような?
「ボランさん、あれ危ないんじゃないですか? 門番2人だと対処できないような」
「………」
「ボランさん?」
「…え?ああ、はい」
彼は真っ青な顔をしていた。
「?」
そうこうしている内に、私とボランさんの心配したとおり、たった2人しかいない門番はあっさりと反乱軍の人波に飲まれた。
鉄で出来た門は反乱分子によって乗り越えられ内側から開錠、突破。
屋敷前になだれ込んでくる反乱分子達。
「え? え? え?」
どういうこと!?
乗り越えてきた!?
攻め込んできた!?
「正気なの!あの人たち!? ここは今マリアンヌ様の住まわれている場所なのよ!?」
確か今マリアンヌ様は反乱軍と話しに行っているはず。
にも関わらず、攻めてくる?
トップが交渉している時に攻め込んでくるとかありえるの!?
まさかマリアンヌ様との会話自体が、マリアンヌ様をこの場から遠ざける為の反乱軍の陽動作戦かなにかなの!?
「と、どうしましょう!?」
動揺しながらも私はさっき追っ払ってくれると私の前で豪語した料理長ボランさんの方へと顔を向けた。
「ボランさん!どうすればいいですか!?」
するとそこにはボランさんの影も形もありませんでした。
居たのはボランが連れて来た自分の部下であるシェフ数名。
彼らは言った。
「料理長は部屋に戻りましたよ」
「はぁ!?!?!?」
「あの…驚かれたかと思いますが、料理長はいつもこんなのですよ」
あの男、口だけ過ぎでしょ!?
「ボランさんの部屋は何処ですか!?」
「え?部屋ですか? え~と、こちらです。。でも無駄だと思いますよ」
「いいですから!早く!」
私は速攻でボランの部下の案内でボランの部屋の前までやってきた。
そして思いっきりドアを叩く。
「ボランさん!!ちょっと!!出てきてください!!」
応答なし。
隠れて部屋から出てこないボラン。
奴は本気でここに立てこもるつもりらしい。
「むぅぅぅぅ!!」
この世にカーナ以上にイラつく存在がいようとは。
苛立ちで拳を震わせる私を見かねてか、ボランの部下の1人は溜め息混じりに言った。
「だからあの料理長はこういう人なんですって」
そんな一言で片付けられても…。
「いったいどうしたら…」
カーナ!?あいつなら!
いや、今マリアンヌ様と一緒なんだから居ないんだ。
そして同時にあいつの部下、カラスの仮面を被った奴らも。
冷静になって考えよう。
今、頼れる人物は?
………。
はっ!?そういえば、あいつの部下の1人、2メートルを超えた大男。
カラスの仮面を被った中でも、特にあの強そうな大男は今この建物の中に居るはず。
彼なら。
ダメだ!
一番ダメな選択だ!それは!
あの大男はマリアンヌ様のご命令で領主を見張っていたはず!
私の勝手な判断でマリアンヌ様の部下を動かす事は出来ない!
「でもそうなると頼れる人間がこの屋敷には……ハッ!」
そ、そうだ!
わたしはなぜ気付かなかったのだ!?
この国にも居るじゃないか。
兵士達が!!
私は横に居るボランの部下の1人に問いかけた。
「ソウス兵士長は今何処に!?」
ボランの部下は答えました。
「分かりません。じゃあ私たちも自分達の身を守るために食堂の奥、調理場に立てこもるので失礼します」
「あ~~もう!!」
私は全力で駆け出した。
遠くでは食糧庫である蔵の戸を無理矢理開けようとしている音が聞こえた。
【庭士・ゴーツ】
食堂、中庭。
あの兵士長がいつも部下達とドンチャン騒ぎをしている場所はすべて巡った。
今も1階廊下を走りながら右へ左へ顔の向きを変えている。
でも居ない。
居ない!
居ないのだ!
ソウス兵士長だけじゃない、その部下達の姿も一切見えない!
外には出かけていないはずなのに!
「いったい何処に!?」
「ゴホゴホ」
その時、不意に咳き込む声が聞こえた。
私にとっては聞き慣れた声。
「っ!?」
すると1階の玄関付近、ステンドグラスの光の下で庭士のゴーツを見つけました。
相変わらずの無精ヒゲにボサボサの髪とボサボサの作業着。
彼は私を見つけると鉢植えに水をあげながら言いました。
「ん?あ~コロナさん。どうかされました?」
どうかされましたか?
ですって!?
「聞こえますよね!?この地響き!!」
「あ~なんか来たみたいですね」
「攻め込んで来たんですよ!反乱軍が食糧庫を略奪しに来たんですよ!!屋敷の外の反乱分子達の暴動ですよ!!」
ゴーツさんは驚くような表情1つ見せず、死んだ魚のような目をして言った。
「あ~そうみたいですね。ゴホゴホッ。興味無かったので申し訳ありません」
「きょ!?」
興味が無いって何!?
今、まさに自分達の住処が襲撃を受けているですよ!
興味無いって答えはおかしいでしょ!?
「さっきから何でそんなに他人事なんですか!」
「何でと言われましても…物事はなるようにしかならないものでしょ?」
他人事のように話すゴーツの言葉に私は目を細める。
「も、もういいです!わかりました!それはもういいですから、ソウス兵士長様はどこにいるか、それだけ教えてください!」
「屋敷から外に出ていないなら、中庭か食堂ではないですか?」
「居ませんでした!」
「う~ん、それなら…」
彼は小さめのジョウロ片手に考え込み、1つの可能性を口にした。
「自室じゃないですか?」
「あの人、自室に居る時とかあるんですか?いつも、部下の人たちと一緒に飲んでいるイメージが…って言うか!ソウス兵士長の部下の人たちも居ないんですから、今もきっとドンチャン騒ぎをしているわけで、広さから考えて部屋って事は無いでしょ!?」
「ゴホゴホッ。いいえ、彼の部屋は領主殿と同じぐらい広いですよ」
「え?」
【兵士長・ソウス】
「ここがソウス兵士長の自室か…」
2階の1室、そっと耳を戸に近づくと部屋の中からは楽しそうな笑い声が聞こえた。
「間違いないようですね」
軽くノック。
しかし、室内の笑い声によってかき消される。
私はドアを開けた。
「ソウス兵士長!ここにいらっしゃいましたか!反乱軍が食糧庫を…って酒臭っ!?」
その広い部屋は酒のにおいで充満していた。
沢山置かれた丸いテーブルに椅子。
そこでソウス兵士長、そしてその部下達は楽しそうに酒を飲みながらカード賭博をしていた。
国を守る兵士が何をしているんだ!と、集まる視線すべてに言いたくなる気持ちを抑えながら私は言った。
「ソウス兵士長、大変です!」
「あ?お前はだれだ?…あ~確かマリアンヌ様のメイドの」
これがソウス兵士長が領主に頼んで作ってもらった部屋…。
なるほど、確かに領主に頼んだだけあって広さはマリアンヌ様が寝起きしている領主の部屋と同等クラスの広さ。
部下の兵士たち含めて全員居る。
「反乱軍の暴徒達が正門を突破しました! 現在は庭にある食糧庫から食料を奪おうとしています、早く対処の方お願いいたします」
「………」
酒を飲み続けるソウス。
いや、ソウスだけじゃない、部下達30名ほども全く焦るようすなく酒を飲み続けている。
「あの…早くしてもらえません?」
すると彼は急ぐわけでもなく、机に足を乗せたままぐーと背を伸ばし窓の下へ視線を向ける。
そして首を横にした。
「ありゃ~ダメだな」
「ど、どういう事ですか?あなた達は剣も持ってるし、鎧も盾もある。あんな素人同然の反乱分子達なんてどうってことないですよね!?」
緊張感の無い大きなあくび。
「俺達が全員で何人居ると思ってんだよ?敵の数は俺達の3倍は居るんですぜ、しかもあの感じはオートの奴らも多い」
「だから何ですか!?」
「だからって何って…。プルートのお強い奴らが居なくなっちまった今、俺達じゃしんどいって話ですぜ。だよな?お前ら」
ソウスとその部下達は互いに顔を見合わせる。
そして笑い出す。
「ああ、違いないですよ~!兵士長♪」
「俺達が手も足も出ないってね」
「そのと~~り!」
「「「ハッハッハ!!!」」」
「いや!笑い事じゃ」
「そんなに何とかしたいなら、マリアンヌ様にお願いしたらいいんじゃないっすかね~?俺達じゃ無理ですぜ」
これが兵士長の言葉か!?
プルート本国なら即打ち首だぞ!?
私の怒りを他所に、ソウスはまた大きなあくびをする。
「それにどうせ狙いは食料だろ?ここに居りゃ~まぁたぶん大丈夫じゃね~ですかね?」
「このままだとあなた達が飲み食いする食料が奪われてしまうんですよ!」
するとソウスはあっさりとこう返答した。
「そうなったら、またプルートから食料なんかを送ってもらえばすむ事ですぜ」
狂ってる。
この屋敷に居る奴らは全員狂っている。
【軍師・フイレルン】
「もう…ダメだ」
打つ手無し。
途方に暮れるように私はソウス兵士長の部屋から出た。
その時、遠くから私に向かって走ってくる人間が1人。
彼は私の所までやって来ると息を切らしながらこう言った。
「あっ!あなたはマリアンヌ皇女殿下のメイドの方ですよね!?」
気弱そうな彼にしてはとても強い口調、軍師フイレルンだ。
私は軍師1人でこの場を納めることは出来ないと思いつつも、わらをも掴むで首を縦にした。
「はい!そうです!反乱軍が!」
「マリアンヌ皇女殿下は今何処に!?」
「ナント村です!」
「ナント村!?」
「ええ、だから今から呼んでくるにしても時間が無くて!」
あの赤髪メイドが居れば!
あの仮面を付けた誰か1人でも居れば!
「ソウス兵士長も全然頼りにならなくて! でもこのままだとマリアンヌ様の寝泊りしているこの場所を反乱軍という粗暴な者たちが荒らしたという不名誉が!」
「じゃあ…マリアンヌ様は今居られないんですね?」
「え?ああ、はい」
「そうですか」
今、心なしかこの男、ホッとしなかったか?
いや、まさかそんな事はないか。
だってこの人はこの国の軍師なんだから。
「あの、、フイレルンさん?」
「では僕は自室に戻りますので」
はぁ!?!?
「いやいやいや!軍師として何かこの状況を打開する秘策は!?このままではここに攻め込んでくる可能性もあるんですよ!」
「たぶん大丈夫ですよ。彼らだっていくら人数が多くても、武器を持ったソウス兵士長が居る屋敷に攻めてくるような事はしないですよ」
「いや!分からないですよねそれは!?」
現実のソウス兵士長は酒飲んでダラダラしてるだけなんだから!
攻め込まれたら終わりだ。
「彼らが欲しいのは食料だけですよ。では失礼します」
「ちょっと!!」
本当に自分の部屋に戻っていく軍師フイレルン。
信じられない…。
1つの方策も提示せずに帰ったよ。
「軍師だよね?アレ」
私は2階の小窓からこっそりと下を見た。
今居る位置がちょうど屋敷の正門と食糧庫の中間ぐらい位置だったため、下を見ると反乱軍たちの姿が目に入る。
「反乱軍…持っている武器はボロッちい剣もあるけど、基本は農作業で使うクワなどなんだな。って言うか、漁等で使うモリなんかも持ってる。服装も鎧なんかじゃなく普通の服」
彼らは大した屋敷側の抵抗がなかったことを喜びながら、荷車に食料を積んで帰っていく。
私は拳を震わせる。
「あんな軍とも呼べない村人の集まりに仮住まいとはいえ、神の庭が荒らされているなんて」
でも見ている感じ、9割以上の人間が屈強な男性だ。
確かにあれだけの屈強そうな肉体を持っている反乱分子達相手では、剣やら盾やらがあろうが昼間から飲んで騒いでのソウス兵士長率いるぐうたら兵士たちが分が悪いと言うのも理解できる。
「理解は出来るが、だからと言って防衛任務に付かずに酒を飲んでいるのは兵士として違うでしょ」
どうしたらいいんだ?
私や使用人たちが戦ったほうが…
いや、使用人たちは戦闘訓練を受けていない人も多い。
私だって使えるのは護身術程度。
あんな筋肉隆々の男達に勝てる気がしない。
もしも私の判断でマリアンヌ様の使用人が怪我ないし死亡してしまったら、それはイコール、マリアンヌ様の不利益に直結する。
それだけは絶対に避けないといけない。
つまり私に出来る事は無い。。
「なんて私は無力なの」
膝を抱え、私は思う。
今だけはカーナという存在が羨ましく思う。
今、ここに居るのが私でなく、カーナだったら全ての問題は解決している。
そういう意味では”なぜこんなに不幸が重なるのか…”
「唯一の幸運は神の所有物が外に無い事ぐらい」
幸い、本当に反乱分子達が屋敷内に攻めて来ないなら、マリアンヌ様の所有物が奪われるという最悪の事態は防がれる。
体面上であれば食料は領主の所有物なのだから。
マリアンヌ様が許すかは別問題だけど…。
「みんな!!金だ!!すげぇ量だべ!!」
「え?」
金ですって!?
そんな物、屋敷の外に置いてあるわけが!
私はもう一度、小窓からチラッと下を見た。
すると、そこには麻の布が剥がされた荷台。
そう、山賊の財宝がそこにはあった。
「っっっ!!?」
声が出ないぐらいビックリした。
そして思い出した。
あそこに置くように言ったのは私だ。
嫌な汗が止まらない。
「あれはマリアンヌ様の所有物…?でもマリアンヌ様は山賊の財など汚らわしいと仰っていたし…でも…体面的にはマリアンヌの物であって」
そして私の混乱を他所に今、まさに集まった反乱軍たちは荷車ごと山賊の財宝を運び出そうとしていた。
「おおおおおお!!!すげぇぇ!!!!」
「オラたちもこれで大金持ちだ!!」
「やった!!!」
ちょっと待って!
ちょっと待って!!
ちょっと待って!!!
マリアンヌ様は『汚らわしい山賊の財など屋敷に入れるな』と仰っていたが、それイコール、マリアンヌ様が所有権を放棄しているにはならない。
故に、私としてはあの反乱軍たちが今取ろうとしている金銀財宝はマリアンヌ様の所有物と考えた方が無難。
それにそうだ!
あの中には魔道具があったんだ!
山賊が持っていた魔道具。
プルートでは魔道具に関しては手に入れた皇族に所有権がある。
つまり、あれはまぎれもなくマリアンヌ様の所有物!
あれに手を付けるのは神への冒涜。
許されない。
許されない行為だ。
「私に出来る事…現実的で…尚且つ、最善の私が取るべき選択…」
冷静に私は考えを巡らせる。
そして考え抜いた私の身体は自然と1階に向けて駆けていた。
全力で廊下を蹴りながら裏口から屋敷を出て、高い塀をよじ登って敷地外へ。
私はナント村の方角へ全力で走る事を選んだ。
………
……
…
走るのは得意だ。
メイド服を着ていて少し走りづらいけど問題ない。
昔から男性にも殆ど負けたことが無いぐらい自信があるから。
そんな私の目に映ったのはマリアンヌ様の神々しい馬車。
私は大声で言った。
『マリアンヌ様!!屋敷が反乱軍の襲撃を受けました!!!』
閲覧ありがとうございました( ^^) _U~~いかがでしたか?コロナパニックw
因みに今回のコロナパニックには色々なものが隠されています。。あえてねw
ではまた次回お会いしましょう♪ヾ('ω'⊂ )))Σ≡サラバ!
聞いてよぉ~読者えもんのみんなぁ~(´;ω;`)サクスペ運営が僕たちユーザーをいじめるんだよぉ~。読者えもんのひみつ道具で運営を懲らしめてよぉ( ノД`)シク
さて、何があったかっていうとね。。
今、サクスペにおいて『6周年とパワプロ2022の発売が重なっている』一番と言っていいぐらいアツい時期なんだけどね、ビックリするぐらい静かなのw凪なのw無風状態なのw
周年の前とかってどのソシャゲでもいっぱいイベントやるじゃん?でもサクスペは何を思ったのか『毎日PR以上無料単ガチャ』という毎日1回しか回せない、なんとも盛り上がらないゴミイベントぐらいしかなくて(笑)
しかもソシャゲの花形であるガチャは、皆が欲しがる強キャラは復刻3回目であろうが激渋ガチャを用意しているだけの集金ガチャオンリー(涙)
ん?なになに?
「コナミだって営利企業なんだから強キャラが出づらいのは当たり前でしょ」
ですって?
そりゃそうなんだけどさ~限度があると思うの。
最近のガチャは全てそれなんだよ(>m<)!こっちの足元を見たガチャばかり!引く気なんてなくなっちゃうよ~(つ△<)運営の金欲し~~い!オーラがヤバいww
しかも配布石は減ってるし…これじゃ~6周年も全然期待できないお(´・ω・`)ショボーン
もしかしたら私は6周年付近のガチャ、全スルーしちゃうかもですw
 




