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162 4日目② 反乱軍との約束②

クリックありがとうございます♪1人でご飯を食べに行くと、よく店員に話しかけられるひとりぼっちの桜ですw

なんでだろうね~w話しかけやすいのかな(・△・?

え?


「そういうお店には足繫く通うようになるんですか?」


ですって?

ハッハッハ!((´∀`))ケラケラ!

そりゃ~もちろん…いいえ(T_T)二度と行きません(T_T)話しかけられるの嫌いなんで。人の顔を見てると飯がマズくなるんで(T_T)

でもさ、そうしていると行く店が減ってね~最終的にはお弁当屋さんで持ち帰り、家で食べるに落ち着きますw



では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪



 マリアンヌは首を傾げた、


「どうかしたのかい?顔色が良くないが?」

「コフが血だらけでさっき村はずれに倒れてるのが見つかったらしい。どうやら朝早くに誰かに呼び出されて袋叩きにされたみたいだ。重症で意識も無くて、腕と足も折られてる」

「コフ…?誰だ、それ」

「お姫様が金貨をやったんだろ?」


 金貨?

 あ~掲示板に紙を貼っていた内通者を見たガキか。

 何の役にもたたなかったな~。

 それが血だらけで…。


 ほ~~かわいそ~うに♪


「ふ~ん、名前なんて知らなかったよ。ふ~~ん、コフって言うんだ~かわいい名前だね~」

「それだけか?」

「…ん?」


 なんだその言い方は?

 殺すぞ。


「お姫様が金貨をやったからこうなったんじゃないのか?」


 シジモルーナの真っ直ぐな視線。

 不快…。


「どういう意味だい?」

「コフは昨日、村に帰って来てからあんたに金貨を貰ったと自慢していた。だから誰かにねたまれて襲われたんじゃないのか?」

「酷い言いがかりだ、そのコフとやらが”勝手に”貰った金貨を自慢したのが原因なのではないのかね?」

「子供なんだから言いふらしたくなるのも仕方ないだろ!さっきからずっと笑顔で、心が痛まないのか!」


 痛むわけ無いだろ、あんな役立たずのガキが血だらけになった程度で。

 むしろ清々しているよ。

 われに大した情報もよこさなかった罰だ。


 だが…少しこの状況は予定外だな。


 まさかガキが1人血だらけになった程度で、リーダーであるコイツがこんなに怒りをあらわにするとは。

 このままではわれが行なった牢屋から村人を助けるという善行より、われが金貨をあげたせいで男の子が瀕死ひんしという不幸がまさってしまう。

 早急にこの場の空気をわれの色に染めないと取り返しが付かなくなる。


「1つ聞きたいのだが、なぜわれが心を痛めなければならないのだ?」

「それはコフが怪我をしたから」

「流石にさ~その言動や行動は礼を失しすぎるとは思わないのかね?」


 決して怒りに任せて声を大きくしたわけではない。

 しかし雰囲気は確実に重くなり、周りを取り囲む若者達は冷や汗をにじませる。

 それからも確実に語気を強めていくマリアンヌにシジモルーナも自然と硬く凍りつく。


「無条件で牢から君達の仲間を助け出したにも関わらず、その態度は…さぁ~」


 マリアンヌは自身の中で燃えつつある怒りの炎を抑えつつ、やれやれと大きく息を吐いた。

 そして不機嫌混じりに言葉をつむぐ。


「さっきの話を軽く聞いただけだが…犯行現場が村はずれであった事、朝早くに行なわれた犯行である事、昨日村に帰ってからコフとやらが自慢してそれが原因で狙われた事。その3点を考慮すれば犯人は十中八九、村人の誰かだ」


 この時、マリアンヌは意味ありげな流し目で周囲に集まった100名ほどのナントの若者達を見回す。

 すると数人が明らかにマリアンヌから目をらした。


「はぁ~~~」


 今の反応だけでコイツらが犯人だとシジモルーナに告発するのは難しいな。

 にしても、たかが金貨1枚で自分の村の子供を襲って奪うとは…馬鹿な事を。

 コイツらからしたら、今、われと敵対するのは百害あって一利もないだろう。

 金に目が眩んだが。

 愚かしい。


「まぁ、だがここに居る誰が犯人なのかなんて分からないからね。これは迷宮入りかな♪」

「何で俺達の仲間って決め付けるんだ? まだソウスが犯人っていう可能性もあるだろ?あんたは知らないかもしれないけど、あいつは俺達の村で好き放題」


 無い無い、と首を振るマリアンヌ。


「犯人が兵士長ソウスなのだとしたら、わざわざ村はずれで男の子が発見されないよ。君が言う傍若無人ぼうじゃくぶじんなソウスなら、金貨を自慢している男の子を村の真ん中でタコ殴りにするだろう、そして金貨を奪い取るだろう。 しかし実際は朝早くに村はずれで犯行は行なわれた、これは犯人が顔を見られたくなかった、犯行の発覚がされたくなかったからだと考えられる。ソウスならそんなまどろっこしいマネしないでしょ?故に犯人はコフとやらが昨日金貨を手に入れたことを知る事が出来た村人の誰か、金貨を使う前にも奪い取りたかったのかも…もしかしたらここに居る誰かかもね。でもそんな事は聴いた瞬間、君も分かってるはずだよね?頭の良いシジモルーナ君は」

「っ!?あ、ああもちろん」


 この程度の問題、考え込む必要すらなく瞬時に思考し、マリアンヌの口から繰り広げられる推理劇。

 それをただ唖然と目の当りにしたシジモルーナがマリアンヌの話について来れていないのは目に見えて明らかであった。


 そしてこのシジモルーナの反応を推理をする前から予想していたマリアンヌ。

 顔を曇らせ、悲しそうに溜め息を漏らす。


「そう、分かっている君が子供を襲った犯人を捜すでもなく、褒美をやったわれが悪いと?どう考えても子供を襲った犯人の方が悪いだろ?それでもわれが悪いと君が言い続けるのならば…こちらにも考えがある」


 マリアンヌはそこで言葉を切り、そっぽを向く。

 そしてスーとシジモルーナに背を向けた。


「さっき言った明日の食料の件は無しだ。仲間の件も考え直させてもらう、カーナ、帰るぞ」

「は~い、マリアンヌ様♪ こんな失礼な奴らにマリアンヌ様の慈悲をくれてやる必要ありません。カラス全員、帰りますよ」


 1歩。

 2歩。

 3歩。


 ゆっくりと離れていくマリアンヌの背中。

 反乱軍のメンバーである人間達は声をあげた。


「ちょっと待ってくれ!!」

「そうよ!違うの!!」

「行かないでくれ!」


 必死に引き止める反乱軍のメンバーたち。

 彼らに背を向けたマリアンヌ、その口元が『計算どおり』と言わんばかりにニタ~と歪む。

 そしてじっくりと間を取り、振り返ると言った。


「じゃあ1つ頼みを聞いてくれ。これだけ君達の為にわれは動いているんだ、1つぐらい構わないだろ?」


 張り詰めた空気の中、とても反乱軍の人間達が断れない空気を作るマリアンヌ。

 黙っているシジモルーナにこう言った。


「毎日毎日君達の仲間が屋敷の前でやっている、あのうるさい抗議デモ。あれ、止めてくれない?うるさくてわれの眠りが阻害されるんだ」


 お姫様のお願い。

 どんな無理難題を押し付けられるか分かったもんじゃないと思っていたクチャネ。

 ホッと胸を撫で下ろした。


「もう領主も捕まってるみたいだし、それぐらいなら別にいいわよね? ね?シジモルーナ?」


 それだけの妥協で食事に困らなくなる。

 クチャネじゃなくても、この場に居る誰もが喜び飛び乗るような条件。

 でも、シジモルーナは渋い顔をしていた。


「でもアレを勝手に俺が止めさすのは…」

「何言ってんだよ?シジモルーナが皆に指示してアレをやるように言ったんじゃないか」

「それは、、まぁそうだけどさ…」


 悩み続け、眉間にシワを刻んでいるシジモルーナに対してマリアンヌはまるで背中をそっと押すようにこう付け加える。


「何を悩んでいるかは知らないが、君達にとって”何1つマイナスにならない条件”だよね?仲間達の誰もが、君を責める事が無い条件。ただわれがゆっくり眠りたいだけなんだから」


 呪文のような言葉だった。

 するとシジモルーナの顔は自然と頷いていた。


「ああ、そう、、だよな。うん」

「うむ、そうだとも。じゃあわれは今日のところは帰るけど…」


 そしてわずかな間を置いて、マリアンヌの囁くような声が岩場に行き渡った。


「最後に言っておくが、食料などを工面するのは君達が正義だと思ったからだ。そして何度も言うが、君達とは良き関係をきずきたい。それに必要なのは君達がわれを裏切らない事だ、同盟関係に一番必要なのは信頼関係だからね。決してわれを裏切らないでくれたまえよ」


………

……



           ×               ×



「お疲れ様です、マリアンヌ様」

「本~当に疲れたよ、カーナ」


 領主の館への帰り道。

 心地よい揺れを楽しむマリアンヌに対面するカーナ。


「今日しないといけない事って、まだ残っているのですか?」


 夏の涼しげな風が窓を伝って馬車の中に流れ込む。


「い~や、今日はもう終了だよ」

「じゃあ、この後は屋敷でゆっくり出来ますね♪」

「うむ、そうなるな」

「それはよかった♪最近マリアンヌ様は連日働き詰めでしたから心配していたのです」


 確かにな~。

 毎日何かしていた気がする。

 激務の毎日。

 城に居たころはこんな日が来るとは思ってもいなかった。


「よし。じゃあ、今日はゆっくりと」


 そう言ってマリアンヌが背筋をぐーと伸ばしかけた時だった。

 馬車の手綱を握るマリアンヌの使用人が大声を出したのは。


「マリアンヌ様!前方からコロナがこっちに向かって走ってきます!」


「「え?」」


 マリアンヌとカーナが窓から顔を出す。

 すると、御者の言う通り必死の形相のコロナが、もちろんメイド服にてこちらに向かって全力疾走してきていた。

 まだちょっと少し距離があるが、大声で何か言っている。


「おい!馬車を停め…ん?なんか、言ってるな」

「あっ、本当ですね。今日の夕食の献立でしょうか?」

「そんな馬鹿な」


 耳を澄ます両名。

 すると


『マリアンヌ様!!屋敷が反乱軍の襲撃を受けました!!!』



閲覧ありがとうございました('ω')♪今回の最後の部分でコロナが出てきましたね…全速力のw次回はなぜ彼女が全力疾走をする羽目になったのかを描こうと思っております。良かったら次回も読んで頂けると嬉しいです(^^

では今回もいつもの挨拶でお別れしようと思います♪



さ~て、次回のコロナさんはヾ(*´∀`*)ノ?



コロナです。


畏れ多くも皇族の方々のお世話をさせて頂いている過程でいつも思うのです。。

アンジェラ様にマリアンヌ様、なぜアイツばかり皇族の方々の寵愛を受けるのか?先祖代々皇族に仕えてきた私よりもなんちゃってメイドのやつが寵愛を受ける理由、そんなものがあるのだろうか?…………いや、無い!


さて次回は「マリアンヌ様を見送った後」「襲撃!?突撃!?反乱軍!?」「4名の容疑者たち、そして私が取るべき選択肢」の3本立てでお送り致します。


それではまた次回も観て下さいね、じゃ~んけ~ん、ポン(^^)v。ウフフフ♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] 遂に、マリアンヌ様の懐刀で殺戮マシーンのカーナさんの活躍の場が来る!。やっと日の目が見られるのか!。もう、誰にもポンコツメイドなんて言わせない!!。 といった感じで、カーナ大活躍の回が見…
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