155 3日目⑫ 領主の尻拭い
クリックありがとうございます♪家のリフォームの仕事を2件同時で受けることになって軽く死にかけているひとりぼっちの桜ですw
…もうあかんてw 我が家としては2件目は断りたかったけど、大工さんがどうしてもって言ったのと、この大工さんにうちの家のリフォームもお願いしているので断りづらかったから泣く泣くやる事になったけど、、これはマジで過密スケジュールだ(X_X)
皆さん、もしも街中などで家のリフォームなどを業者さんたちがしているのを道端から見かけたら「頑張れ(´∀`*)」と心の中で応援してあげてくださいねw
さて、では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪( ^^) _U~~
あっ、因みに今回のお話は原稿用紙7ページ、4千文字ほどです♪はい、ええぐらいの分量ですw
領主の館 ― 地下。
この国の牢屋は領主の館の地下にある。
そう、、先日まで領主自身もそこの1室に入っていた、その牢屋だ。
「ここ、カビ臭いな。ちゃんと掃除してるの?」
マリアンヌはコロナと別れたその足で反乱軍の人間達が捕まっている牢屋に向かった。
後ろを付いてくるのはもちろんカーナとカラスたち。
カーナは人差し指で壁をツーと触って、取れたホコリを見て言った。
「一応しているみたいですよ、領主の使用人とかメイドとかが」
「一応って何? 掃除に一応とかいう言葉無いから。コロナとかやってないのか?」
「コロナさんとか他のメイドなどは、マリアンヌ様が移動するであろう場所に関しては掃除をしていますが、このような来る事を想定していないので完全に手付かずですね」
「あ~やだやだ、変な虫とか出てきそう」
外は真夏だというのにひんやりとした空気。
地下の壁に反響する声とヒールの甲高い足音。
ひたすら文句を言い続けるマリアンヌ。
「あの~やはりマリアンヌ様は部屋で待機されていたほうが…牢に入っている反乱軍の人間ならば私が解放しておきますよ」
「それだと解放する恩恵の半分しか我が得れないではないか」
「反乱軍のメンバーを解放するのは奴らの頼みをきいて信頼を得るためでは?」
「他にも色々あるのだよ」
そしてマリアンヌは「お前に言ったとて、どうせ理解できぬだろ?」と言って首を振った。
「それはそうと、もうそろそろか?」
「あぁ、はい、もう到着です」
そして鉄格子が並ぶ牢屋群を石畳をコツコツと鳴らしながら進んでいくと、他よりも物々しい鉄格子が取り付けられている牢屋が見えてきた。
「マリアンヌ様、この最深部が反乱軍のメンバーたちが入った牢屋になります。今から開けます」
「うむ、ちゃっちゃとやってこの場を去ろう」
カーナは手にした鍵束を前へ。
「え~と、これが、ここの鍵で…次に、これが」
ガチャガチャと開けられていく牢屋の鍵。
そして手際良くすべての牢屋が開放される。
同時に折の中から聞こえてくる声。
「え…扉が勝手に開いた?」
「開いてる?」
「本当だ!開いてるぞ!」
すると、まるで汚らしいドブネズミがねぐらから出てくるように恐る恐る次々と出てくる男達。
マリアンヌは流れる銀の前髪の隙間からそいつらをの顔を窺った。
「ふ~ん」
捕まっている人間達はおおよそ10ほど。
思ったより少ないな。
成人男性ばかり。
年齢は20~40ぐらい。
クシャクシャの髪、平凡な顔、着ている服は村の奴らと同じでボロボロ、栄養が足りていないのか皆衰弱している。
筋肉はあるもののカラス達に比べたら…。
「………」
鍵を開けてからずっと黙っているマリアンヌ。
それをどう解釈したのか、その横でカーナが誰も頼んでもいないのに口を開いた。
「貴様ら喜べ!そして恐れ慄け! このお方こそあなた達をこの地下牢から外に出してくれる慈悲深き女神!マリアンヌ・ディ・ファンデシベル様であらせられる!頭が高い、皆の者!崇め奉れ!」
いきなりの事で未だキョトンとしている反乱軍の人間達…と、マリアンヌ。
そして牢に入っていた人間たちの反応を目の前にしてマリアンヌはこう思う。
「………」
カーナ、予定を思い出せよ。
お前が口を開くには早すぎるだろ。
まぁ、我を褒め称えようとしているのは、胸を通り越して心臓に痛いほど伝わってくるんだけどさ。
でもその言い方だと、こいつらは我を恐れ慄けばいいのか、崇め奉ればいいのか、どっちかな?
「え、ここから出してくれるんか?」
緊張した面持ちで1人の男がそう言った。
「本当に出てもええんか?」
次々と檻の中から出てきたのはそう言ったのは凶悪犯…などではなく、昼に見た反乱軍に入っている若者達と同じ平凡な男性たちであった。
なまった言葉も多数いる。
次々に扉から出てくる男達。
十中八九、自分の後ろに控えているカラスの方が凶悪犯揃いだと口元を緩ませるマリアンヌ。
「ああ。今日、この日をもって君達は解放される、何処へなりとも行くがよい」
目の前の彼らを見ていると領主は反乱軍の戦力を削ぎたいが為にこいつらを牢屋に入れたのではなく、人質として自分の屋敷を襲撃されないようにするために牢屋に入れたんだろうと推察する事ができるな。
フッ、実に姑息な手法だ。
「嘘だ!あの領主が俺達を出すわけがねぇ!」
1人の男がマリアンヌを指差しながら言った。
「そうだ!きっと何かの罠か何かだ!」
違う牢屋から出てきた男も追随して言った。
「ふむ」
まぁ領主が圧制を敷いている国で若い女が急に「お前たちは今日から自由だ」とほざいた所で怪しむなと言う方が難しいか。
よし、では予定通り。
「カーナ」
「はい」
するとカーナは事前に用意していたかのようにスラスラと説明を始めた。
「あなたたちがこの状況を不信に思うのも無理は無い。しかし、この御方は超大国であるプルートの王位継承権第一位、マリアンヌ・ディ・ファンデシベル様であらせられます。どれだけ領主が偉かろうがマリアンヌ様以上の権威などありえません、故にあなたたちが心配する事など1つもありません。慈悲深いマリアンヌ様は遠く離れたプルートの地から、領主の圧制で牢屋に入ったあなた達の身を案じていたのです、だからこそあなたたちをこの牢獄から出す事に決めたのです……え~と、うん、以上です」
「説明ご苦労、下がっていろ」
「はい」
「我が嘘を言っていないという事、分かったかね?」
まだ半信半疑、そんな目の男が一歩前へ。
「じゃあ本当に俺達は自由に?」
マリアンヌは自信に満ち溢れた声で答えた。
「そこの赤い髪のメイドも言ったが我は領主よりも上の存在だ。つまり今後あの領主が君達に何か危害を加える事は無いだろう。さぁ~分かったなら、そんな狭い場所から出てきて各々温かい家庭に戻るが良い。あ~そうそう、マリアンヌ・ディ・ファンデシベル。プルートから来た皇女に助けてもらった、その旨をしっかりと帰ったら皆に言うのだぞ。我は領主ではなく君達の味方だと」
怪しくその言葉は地下に響く。
ポカーンとする囚人達。
だが数秒後。
「やったぁぁ!!!」
「俺達は自由だぁぁぁ!!!」
疑惑、恐怖、それらを超えた自由という甘い蜜。
地下牢すべてに響き渡るような声。
身体いっぱいで喜びを表現する囚人達。
「ありがとうございます!!」
「あんた神様だよ!!」
「女神様!!」
まるで本当の神を崇めるようにマリアンヌに礼を言う囚人達。
跪いて涙を流している奴らもいる。
それは、マリアンヌの事前に予想をしていた反応を軽く超える反応だった。
おそらくあの領主ではもう出る事は出来ないと思ったからだろう。
「リックス」
「え?なんすか?急に喋っていいんすか?」
「今からコイツらを屋敷の外まで案内してさしあげなさい、もちろん無駄話は無しでだ」
え~~!?みたいな声にならない声をカラスの仮面の奥から放ち、その後カーナに睨まれた事で渋々10名ほどの罪人の前を先導していくリックス。
「ふ~~これで終わりっと♪…ん?」
だが1人、1番年上であろう40代の男がなぜか一団に付いて行かず通路の真ん中で座り込んでいた。
「俺は梃子でもこの場を動かないぞ!」
「お前は?」
堂々と座り込むというよりも、目の前のマリアンヌたちに不安と恐怖を覚えながら男は言った。
「む、娘を返してくれ!それまでは」
「ちょっと!手を伸ばさないでください! 誰がマリアンヌ様に近づいていいと許可しまし」
「いいんだよカーナ、届いてないし。 で、娘とはなんだね?」
急に娘を返せと言われてもこちらとしては見に覚えも無いんだ。
「し、知らないのか!?あんな事までして!?」
「我は3日前にここに来たんだぞ、知ってるわけ無いだろ」
「そうなのか。お、俺は領主に娘をさらわれたんだ、メイドとしてこの屋敷に居るはずだ、なんとかなんないか!」
あのジジイ。
村から美しい娘をさらっていたのか。
やりたい放題。
あ~だから部下のソウスもあんな感じだったのか。
「本当に人間の業とは度し難い…、カーナ」
「はい」
「あとからこの男の娘とやらを屋敷の中から探し出して村まで届けてやれ」
「はい、分かりました」
やれやれ、なんで我があの領主の尻拭いなどせねばならんのだ。
「というわけで娘の事は心配せず、君は一足先に帰りなさい。奥さんもきっと家で待っているだろう」
「断る、俺は娘と一緒でないと帰らない!」
「はぁ!? あなたはマリアンヌ様が信用できないと言うのですか!?」
「娘をさらったのはお前達だろう!」
「だからそれは領主であってマリアンヌ様ではないんですって!マリアンヌ様がそのような下卑たマネなんてするわけないでしょ!」
言い争う2人を前にマリアンヌはやれやれと首を振る。
「分かった」
「マリアンヌ様」
「カーナ、今からコロナを呼んで来い」
「よろいしいのですか?」
「仕方ないでしょ、そうしないとここから離れないって言うんだもん」
帰ってもらわないと困るんだよ!こっちは!
「分かりました。それでは行って参ります」
コロナを呼ぶために走るカーナの後ろ姿。
それを横目に、
「おい、今からメイドを1人ここに呼ぶ。 そいつと一緒にお前の娘とやらを屋敷から探せ」
「あ、ありがとう!本当にありがとうぅぅ!!」
あの老害の尻拭い。
なぜこんなことまでしないといけないのか…。
そう思いながらマリアンヌはカーナとコロナが来るまでの間、何度も何度も、深い、とても深い溜め息をつき続けるのであった。
「ハァ~~~~~~」
閲覧ありがとうございました('◇')ゞ
それでは私は明日に備えて寝るでござる!ではまた次回お会いしましょう♪( ´Д`)ノ~バイバイ
おやすみライオ~ン♪ ( ˘ω˘ )zzz
PSストアにセールが来てたので『どれか買おうかな~(。-_-。)』って悩んだ結果、【閃の軌跡2】を買うことにしました♪
正直【レッドデッドリデンプション2】も悩んでいたのですが、こういう時に安パイを選んでしまう、それが私だったりしますねw
で、やってみたんだけど…
やっぱり安パイだわ~(*^^*)というか、むしろ実家に帰って来たような安心感すらあるゲームでしたwもうね~ストーリーがあるようで無いあの感じ、良いな~~これww
さぁ~ゆっくりでいいので進めていこうかな♪




