98 どうせすぐ見つかるさ
クリックありがとうございます(*^^*)好きなタイプは?問われたら「2B!!(」〃>Д<)」と答えるひとりぼっちの桜ですw いやね、つい先日ニーア・オートマターの1周目をクリアーしたんだけど、そのラストで2Bの目隠しが取れるじゃないですか♪それであの声であの素顔を見た瞬間、、私は恋に落ちていた…(*゜ー゜)ぽわぁ
だから私はこれから一般人に聞かれても「好きなタイプは2Bです!!('Д')!!…え?2Bをご存じない?2Bとは女神のような存在でアンドロイドです!!」って答えてやりますとも!ええ!
では私は2周目やろうかな♪どうやらこのゲームは周回プレイが前提みたいなので2周目が楽しみだ♪
では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪
領主の屋敷において一番高い所であり、一番広い部屋。
その豪華な部屋に続々と戻ってくる黒いフードを被った一団。
「あ~疲れた疲れた、肩が凝っちまったぜ」
「カイル、貴公肩凝るおかシい。貴公笑てただケ」
「あー?何言ってんだホリー。あのジジイを牢にぶち込んだの俺だぞ」
「その程度で肩凝ル貴公なノか?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ、んなもん楽勝だっつの。俺が言いたいのは笑い疲れて肩も凝るって言ってるんだ」
「笑イ疲れる?」
「調子乗ってるじじいが部下の前で雑巾を口に突っ込まれるんだぞ。今思い出しても…クク。なぁリックス?」
「ああ、確かにあれは爆笑もんだった♪ナイスだカイル」
彼らはとても愉快そうに会話を交わす。
そして、その後に部屋に入って来たマリアンヌ。
彼女は1人難しい顔をしていた。
そんな中、カラスの大柄な女、ノアール。
「さすがはマリアンヌ様!!素晴らしい一手ですわ!」
心に深く突き刺さった”恐怖心”という楔。
ペリモンが殺された一件から完全にマリアンヌの敬虔な信者となっているノアール。
彼女は仮面を外し、そのデカイ図体で大きく、だがマリアンヌの怒りを買わない程度の音量に抑えた拍手をしてマリアンヌの行動を賞賛する。
一方、何を言っているか分からない大半の面々。
代表する形でカーナ、リックスがノアールに問いかけた。
「素晴らしい一手だって?どういう意味だノアール?マリアンヌ様は今回質問してただけじゃないのか?」
「ええ、リックスの言う通りです。何かマリアンヌ様がされたと?」
疑問符を浮かべる2人にノアールはお得意の小ばかにした笑い声を漏らす。
「んふ♪ボスもリックスも気付かなかったのね。 ええ今回、マリアンヌ様が最後に言った”明日1日外部と連絡を取るな”あれは凄い一手よ。まさにボスの言う通り英知の化身たるマリアンヌ様にしか思いつかない一言。あの様々な意味を持つ一言であの場を全て掌握、内通者も今頃テンテコマイなはず」
嬉しそうに笑うノアール。
皮肉混じりに問いかけるリックス。
「様々な意味?なんかあの言葉に意味あるの~?俺には、またマリアンヌ様の理不尽な命令の1つかと思ってたけど」
「リックス!マリアンヌ様に理不尽な命令なんて1つたりともありませんよ!訂正しなさい!」
「いや、あるじゃん。いっぱい…あ、なんでもないっす。だから睨まないで、殴りにこようとしないで、暴力反~対♪で、ノアール、マリアンヌ様の最後の一言、あれにはどんな意味があるんだ?」
ジリジリ寄って来るカーナから避けるようにノアールに話を戻すように促すリックス。
どこまで本気でカーナを恐れているのか…。
リックスはあくまで飄々(ひょうひょう)と言葉を紡いでいる。
ノアールはやれやれと首を振る。
「あなたの短所はその軽いノリね。いつか身を滅ぼすわよ」
どこぞのペリモンみたいにね…と心の中で続く文言にリックスはまたしても軽口を返す。
「いいからいいから、早く話を続けてくれ。でないと俺がボスにしばかれちまうよ」
「はぁ~いいわ、分かった、話を続けましょう」
コホンと1つ咳払い。
ノアールは語り始める。
「今この国に起こっている事態を、内通者とそれに通じている反乱分子、レジスタンス側になって考えてみなさいな」
「レジスタンス側?内通者側?それは何がどう違うんだよ?」
部屋に備え付けられた噴水、その近くでドシリと座るカイル。
もちろん彼にもノアールが何を言っているのか分かっていない。
というか、今回マリアンヌが最後に言った言葉の意味、それを完全に理解しているのはノアールとウィノぐらいだろう。
「黙って聞いてなさいなカイル。まずは反乱分子、レジスタンス側に立って考えてみて。急に現れたプルートの皇女、その人間は自分達の宿敵である領主をタコ殴りにした。おそらくあの場を見ていたであろうレジスタンス側の人間は思うはず、、。 皇女殿下はどんな人間なんだ? 自分達の味方なのか? あの後ろカラスの仮面を被った不気味な奴らはなんだ? 領主を殴っていたが自分達に手を貸してくれている内通者との関係は? きっと様々な疑問を持っているはずよ…」
「疑問を持ったらどうなるっつーんだよ?」
「疑問を持てば解消したいと思うのが人間の性」
今のあなたと同じよ。
そう言うかのごとくノアールは続けた。
「特に内通者と繋がっているレジスタンスの主要メンバーは何としてでもこの屋敷に居る内通者と連絡を取りたいと思うはず、しかし内通者からは何の連絡は一切無し。なぜ?それはもちろん我らがマリアンヌ様がこの屋敷に居る全員に”明日1日外部と連絡を取るな”と命じたから~♪」
ノアールは両手を広げその場で笑顔のままクルクルと回る。
「これは天才の為せる技よ!たった一言!たった一言で全てを思いのままに操る!我らが主は万象を操る神よ~!あ~~~今、内通者は内心焦っているはずよ~。上手くマリアンヌ様の目を誤魔化せたかと思ったら手足を縛られていた。そんな気持ちのはず、、。んふ♪そう、完全にマリアンヌさまが完全優位に立っている。あとはゆ~~~くり内通者をみつけだす・だ・け」
喝采の言葉、話を終えるノアール。
自然とカラス達から「おーー」という感嘆の声が聞こえてくる。
自分達の主人がいかに頭が切れるかを実感していた。
カーナは手をポンッと叩く。
「な、なるほど!ノアール、私にも分かりましたよ!」
そりゃ1~10から説明したんだからこれで分からないとおかしいだろ。
と、ノアールが表情に出さずに思っている横でカーナはマリアンヌに駆け寄る。
「さすがはマリアンヌ様ですね!マリアンヌ様は万象を操るんですね!」
「………」
だがマリアンヌは反応無し。
先ほどから噴水の傍で椅子に座り考え事をしている。
苛立ちを表すように足だけが揺れていた。
「マリアンヌ様?」
この状態のマリアンヌに躊躇無しに話しかけられるのはカーナかヤンぐらいだろう。
カーナは尚も続ける。
「マリアンヌ様、どうかされたのですか?真剣な表情をされて」
「……考え事」
「考え事ですか?いったい何を? ノアールの話によるとマリアンヌ様は完全に内通者を凌駕していると」
「カーナ、先行した3名の報告書は持っているな?」
「はい、もちろん」
「全部寄こせ」
「あっ、はい。分かりました」
カーナは急いで部屋の隅に追いやっていた自分の手荷物を漁る、漁る、漁る。
だが、そこで何かを思い出したかのように背後に顔を向ける。
「でもマリアンヌ様、確かシャルドネ以外の報告書は不要だと仰っていたような…」
「そうも言ってられない事態になってきた。いいから早く見せろ」
「はい、どうぞ♪」
カーナの両手に持たれた数枚の紙がヒラヒラと夜風に揺れる。
マリアンヌはそれをジーと見た。
そして真顔で言った。
「いや…あのさ、どうぞ♪と、笑顔で言われても…。手折れてるんだけど」
「あっ!そういえばそうでしたね。うっかりしてました」
”そういえば”じゃねぇだろう。
”そしてうっかり”じゃねぇだろう。
「私がお持ちしましょうか?」
名乗りを上げたコロナ。
マリアンヌは逡巡、首を横にした。
「いや、いい。 お前は今回…いや、お前達メイドと使用人たちはこのサンティエールに居る間は我が今行なっていることに関わらなくていい。我たちが話している内容についても耳を塞いでおけ」
内通者が初見で見つかっているならまだしも、この先混迷する可能性がある。
ならこいつらは戦力外だ。
他の事をさせよう。
「コロナ、お前はメイドたちを連れて夕食の準備に取り掛かれ。おそらく料理長のボランが準備をしているだろうが、お前が味をみて問題があるようなら作り直せ」
その言葉を聞き、粘るわけでもなく、不満を口にするわけでもなく、礼儀正しく主人の命令に頷くコロナ。
他のメイド達も同様に。
「「了解いたしました、マリアンヌ様」」
カーナに対してこれがメイドだと言わんばかりに、そして彼女達は部屋を出て行く。
マリアンヌは座ったまま顔を上げる。
「カ~ナ~、ではランの報告書1ページ目から、捲れ」
「はい」
その後、読むこと数分。
マリアンヌはスーと目を細めペラペラと次のページ、次のページへと目を走らせる。
だが……
「どうですか?マリアンヌ様」
「………」
「あの~3往復目いきます?」
「いやもういい。ダメだ!分からん。 シャルドネの報告書との違いは、見ている点が主観というよりも客観的な程度、内通者が誰かを特定するには至らない!」
「マリアンヌ様、報告書は…?」
「ああ、もういいよ。仕舞ってよい」
マリアンヌは椅子に座ったまま目蓋を閉じる。
鳴るのはギィという椅子の音だけ。
「………」
ダメだ、どう考えても振り返っても内通者が分からない。
我だけでは限界があるのか?
いっそ他の人間の意見も聞いてみるか。
カーナは…
ダメだな。
こいつに聞くぐらいなら、その辺に寝転がっている犬コロにでも聞いたほうが幾分か建設的だ。
あとは…。
そういえばノアールだったか?
さっき我の言葉の真意を読み取っていたな。
やつはある程度頭は切れるようだったし、、
よし、聞いてみるか。
「ノアール」
「は!?はい!」
黒い肌に真っ赤な口紅。
ノアールは怯えているように視線を落とす。
その理由を何となくマリアンヌは想像しながらも言葉を続けた。
「さっきお前は我が完全に内通者の優位を取っていると言っていたね?」
「はい、そう思いますわ」
「ではお前の目には怪しい人間はいたか?」
「いえ、、私の目には…残念ながら。でもマリアンヌ様ならきっと」
「まったく分からんかった」
「はい?」
「分からなかったと言ったんだ。聞こえなかったか?」
「いえ!聞こえましたわ!もちろん」
溜め息。
「ウィノ」
「はい、なんでございますか?」
「君の目にはどうだ?」
ノアールと違って仮面を外したウィノは眉1つ動かさない。
彼は眼鏡の奥の瞳を薄っすらと閉じると言った。
「怪しい人間ですか?」
「ああ」
「残念ながら私の目にも内通者が誰かは分かりませんでした」
「そうか、残念だ」
言葉とは裏腹にマリアンヌも大して2人の答えを期待していなかったのだろう。だから、それ以上2人の考えを聞くことは無かった。
そして数秒後。
「ノアール、これが現段階における我々結論だ。だからこそ、もう一度ランたちの報告書を読み直した。あの4人に会ってからだと違う印象を持てるかと思ってな。だが結果は…」
黙って首を振る。
「この部屋に帰ってきて、冷静になって振り返ってみた。報告書も読んだ。しかし答えはお前と同じだ。怪しい人間などあの4人の中には居ない…。我が考えたにも関わらずいくつもの残された謎。。ここまで来ると神か悪魔の悪戯としか思えぬわ」
忌々(いまいま)しげに天井を見上げるマリアンヌ。
ノアールは怯えた瞳で言った。
「ま、マリアンヌ様が神なのできっと悪魔の悪戯ですわ!」
すると案外ウケたのか、マリアンヌは鼻で笑った後、なるほど、と頷く。
「悪魔か……フフ、お前面白いな。ならば手ごわいのも致し方ない、神である我が正義の鉄槌を与えてやろうかね。なぁカーナ?」
「はい、それがよろしいかと。最後は正義が勝つと教えてやりましょう」
「フフ、正義が勝つは常識だからな。さて、では切り替えよう」
マリアンヌは立ち上がる。
「カラス諸君、現状はノアールの言った通り我が内通者の手足を縛っているのは事実。内通者は明日1日動けない、動けばそいつが内通者だ。さて、ここでお前達に命令だ」
その声に反応するように全員の背筋がピンと張る。
「あの4人の顔覚えたな?」
頷くカラスの面々。
「潜伏能力の高いカラス4名で明日1日、内通者候補の4名を見張れ。明日からは我直々に内通者探しといこうぞ」
閲覧ありがとうございました♪ ^^) _旦~~
次回からマリアンヌの内通者探しが本格化してきます♪皆さんの疑っている容疑者を[より怪しく、より自然に]、なるように頑張りますね~w( ^ω^ )♪
ではまた次回お会いしましょう( ´Д`)ノ~バイバイ




