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97 皇帝の真意

クリックありがとうございます(^^)皆さん2日ぶりだね♪30連で『好敵手・猪狩守』を手に入れたひとりぼっちの桜ですw

皆さん!やりましたよ!私はやってやりましたw前回の後書きで「20連で当ててやる!('Д')」って豪語していましたが、、正直無理かな~( 一一)って思いながら回した30連目でSR好敵手ゲットです(^_-)-☆

しかも20連目に『十全たる一ノ瀬PSR』も当てちゃったので、30連で笑顔の撤退が出来そうです♪石消費も10連目150、20~30連目は200個だったので合計550消費ですんだし、これで年末に備えれそうです(^^)/よかった~人権失わずにすんだ(笑)



さて今回のお話ですが、前回も言った通り、今回遂にマリアンヌの父親である皇帝の策がすべて明かされます。今回のお話を読み終わった後、皆さんが「皇帝ヤバいな。さすがはマリアンヌの父親!」っていう感想を持ってもらえるように気合を入れて書きましたw


ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ~



「どういう事だろう?」


 ず~~~と、疑問に思ってたんだけど。


”なぜコイツをここの領主に置き続けている?”


 父上がコイツを嫌っているのは知っている。

 だからこの片田舎に島流し?

 でも、そもそもそれが分からなかった。


 われなら気に入らない人間は殺す。

 貴族だから殺せないのか?

 だからこんな田舎に…。


「いや、われなら殺す。貴族であろうが何であろうが。でも父上はそうはしなかった…」


 こんな無能にこの土地を任せる。

 しかも徐々に兵を減らして、増援は一切無し。

 定期的に物資を送るだけ。


 この行動はつまりはサンティエール、ひいてはこの地方すべてを切り捨てるという事を意味している。


 父上の目的はそこにある?


「ぐぁ!!!やめっ!!助け!!」

「うるさいな。カイル、そいつの口を塞げ」

「クックック。へ?」


 自分は身元はバレてはいけない身であるカラスという身分にも関わらず、領主の殴られている姿を見て、その職務を忘れ声を上げて笑っているカイル。

 マリアンヌの命に嬉しそうに頷く。


「おう、了解了解♪ あ~じゃあ何か口に突っ込ん…お!」


 そしてカイルが見つけたのは、この部屋の隅っこに置いてあった雑巾。

 おそらく従者だちが床や花瓶などを拭いたものであった。


「いいもんあんじゃねーか」


 そして彼はゆっくりと領主に近づいていくと、カーナが現在進行形でボコボコに殴っている領主の口元に雑巾を突っ込んだ。


「ちょっと失礼♪じいさん許せよ」

「んーーー!!んーーー!!」

「ほら、頑張れ頑張れじいさん♪ボスの一撃なんて気合で耐えろ、所詮は女の拳だ。ハッハッハ」

「カイル。あまり五月蝿くすると、次私に殴られるのはあなたになりますよ」

「はいはい。悪うございました」


 口に雑巾を突っ込まれ、それで殴られ続ける領主ヤン。

 それを見てやはり手を叩いて笑うカイル。


 一方のマリアンヌ。

 既に殴られている領主という存在には一切の興味を失っていた。


 椅子から立ち上がり、熱し火照ほてっていく脳細胞を冷やすため窓際に移動すると夜風に当たりながら思考に入る。

 口元は小さく疑問を口にし始める。


「今は内通者の事は一度思考のすみにでも置いておこう。先にコイツ…そう、ここに来るまでの移動中もずっと気になっていたのは父上がプルート兵を引き上げさせたこと、なぜこの地にこの無能を配置したのかだ。この無能な領主をこの領地に置き続ける意味とは?」


 事前の調査で父とこの無能な領主の関係が悪いことは知っていた。

 だがそれでも辺鄙へんぴとはいえ一応プルートの領土である国を、こいつに任せ続けていることに疑問は持っていた。


 暴動が激化しているこの街。

 そんな中、自身は過剰な豪邸を建てて民達の反感を買っている。

 目先の欲に目がくらみ、上昇志向はない、現状を保とうとするだけ、現実を見ない現実逃避、そのくせプライドだけは高い。


 救えないゴミ。

 いや、ゴミ以下だ。


 よくこんな人間をここの領主に置いたな父上。

 しかも本国の兵まで引き上げさせるなんて。

 耄碌もうろくしたな父上よ。


「これはわれが皇帝の椅子に座る日も近いという事かな?…いや、待て」


 耄碌もうろく

 あの父上が?


「果たして現皇帝グローリー・ディ・ファンデシベルはそんなに落ちぶれているか?」


 父は今回言う事を聞かないわれにお灸をすえるため、自身が傀儡かいらいにしようとしているロキを次の皇帝にするために、われにサンティエールへ行くように仕向けた。

 われへの嫌がらせと自身の未来を思い描いた策。


 だがその策にこの無能な領主が必要とは思えない。


「そんな綿密な計画を立てていた父上が耄碌もうろく?なにか引っかかる」


 父の性格を一言で言い表せば”強欲”1つ、2つではなく全てを得ようとする。

 そこに妥協の2文字は存在しない。

 昔から見てきた、そこは間違いない。


「そんな人間が耄碌もうろく…?」


 マリアンヌは首を傾げる。

 そして言った。


「しないだろ」


 という事は、どういう事だ?

 まさか。


われが出発前に考えた父上の策。あれは完璧ではなかった?」


 つまりわれへの嫌がらせ、

 ロキの傀儡王計画。

 この2つの計画はマスト。


 プラスαの計画が隠されていた。


 そう考えねばならない。

 そして、そのαこそがわれが引っかかっている所。


 推理に根本的な欠陥があるわけではない。

 推理の方向性は合っているはず。

 だが”何か”が足らないんだ。


「考えろ…考えるんだ…。足らない何か。ありえないと否定するのではなく、想像力を膨らませて考えるんだ。何か…ある。隠された何か」


 1つずつ考えていこう。


 このバ・ラン地方のサンティエールという場所は、そもそも戦略的価値は無い。

 紛争の事も考慮すると放棄もありえる場所だ。

 当初はこの土地を得たことを喜んでいた父上も内心今では放棄したかっただろう。

 しかし、今のところはヤンが有力貴族という事もあり放置。


 そんな中、7年の月日でわれというカリスマの化身たる存在が現れた。

 父親として娘がこれだけ優秀だとさぞプライドが傷ついただろう。

 かわいそうに。

 そしてわれとの関係が徐々に悪化。

 いや、まぁ元から合わなかったけど。


 父上は思った。

 自分より優秀な奴がこの世に存在してはならない、娘のマリアンヌにはお灸をすえよう!

 まったく、最低な親だな。


 そしてここからが大切だ。


 3ヶ月前に父上はある策を立てた。

 だがその策には欠陥がある。

 父上は魔道具をカーナが手に入れたが使えるかは知らない。

 魔道具には適正があるからな。

 そして魔道具を手に入れたカーナがファゴット際から、どれだけ魔道具で強くなったかなんて知るよしも無い。

 そんなカーナとわれだけを当初はこの地へ送り込もうとした。


 自分にとってまったくいらないこの土地に。


「ここまではいい。ここからだ…」


 居るのは無能な領主と、その従者たち。


 われに出来る事など何も無い…と誰もが思うだろう。

 3ヶ月前、カラスと魔道具を持ったカーナがいないと思っている父上ならなおの事。


「確かに無能な領主であればあるほどわれへの嫌がらせにはなるだろう、そしてそれは結果的にロキを傀儡王にも出来るだろう。でもその代わりに失うものはなんだ?」


 まずはこの土地。

 これは絶対だ。

 反乱軍どもがこの土地を支配する。

 そしてそれは同時に裏で支援しているアトラスが支配することを意味する。


「自分の策の成功の為ならこの地をアトラスへ渡してもいいと考えたのか?」


 瞬間、マリアンヌは自分の父親の顔を頭に浮かべながら首を振る。


「いいや、ありえない。あの父上の性格を考えたら、最大の敵国であるアトラスに領地を取られるのを良しとは考えない、それがどれだけ必要の無い土地であってもだ。われと違ってプライドが服を着ているような人間だからな」


 だが実際はアトラスにこの土地一帯を渡すような行為をしている父上。

 そして、そんな場所にわれとカーナだけを送り込もうとしていた。

 これではこの土地を反乱軍に取られて、ひいては最終的にアトラスに取られる。

 それを推進すいしんしている。


「前提を考え直そう。自分が父上になったと思って考えるんだ…。つまりは父上の計画が全て計画通りに進む。。われが右大臣から情報を得ていなくて、何も準備していなかったとしたらどうだろう?」


 ①われが何も策が無く。

 ②カーナ魔道具無し。

 ③カラスという予備戦力が無ければ紛争を抑えることなど困難。

 ④しかも精鋭のプルート兵は本国へ帰還していない。


「そう考えると…」


 どんどん領主側の状況は悪くなるだろう。

 われが居るこの領主の館も反乱分子どもに攻め込まれる。

 これは仮定ではなく現実に起こり、時間の問題だろう。


「あの暴動風景を見る限り領主は高確率で殺されるな。われは…悪漢どもに捕まるといった所かな?」


 なんといっても、われは紛争を解決するまでプルートには帰れないのだからな。

 イコールそれはこの館から出ることなど出来ない事を意味している。

 というか、暑いから出たくないし。

 捕まるというのが一番確立が高そうだ。


「おそらく殺されることは無いであろうが、、ではわれが反乱軍に捕まればどうなる?」


 独裁国家であるプルートの第一皇女が捕まる。

 これが意味することは…。


「答えはプルート軍がここ、サンティエールに乗り込んでくる」


 それも今までここに居た兵を上回る実力を持ったプルート正規軍が。

 おそらくだが、プルートの最大戦力であるクルウェイも来るだろう。

 そうなったら例えこの地をアトラスの兵が守っていてもゾウ対アリであろうな…。


 そしてプルート『第一皇女の奪還』という大義名分を得たプルート軍が報復の意味もこめ、周りの村を含めて焼け野原にする…。


「あっ!ぁぁぁぁ」


 その瞬間、マリアンヌの頭の奥に痺れるような感覚が走った。


「これなら全てが叶う」


 父上の望み。

 われにお灸をえる事もでき、ロキの傀儡王にする策も道筋がつき、気に入らない領主は死に、そして…。


「この地をアトラスに渡す事無く消し去ることが出来る」


 われへの嫌がらせする事、あと1つは皇帝の思惑とはロキを傀儡王にする事。


 だけだと出発前までは思っていたが。


 違う。


 本当は隠された3つ目の目的が父上にはあったのだ。


”いらないこの地をアトラスに渡す事無く放棄し、尚且ついらない領主ヤンを葬り去る事”


 ロキの傀儡王、マリアンヌへの嫌がらせ、体面を保ちつつこの地の放棄、ヤンの殺害、この全てが一度で手に入る策こそがマリアンヌ・ディ・ファンデシベルのサンティエール慰問。


「父上が立てた策の全貌は全てが叶うことが出来る唯一の策。おそろしい…これが60を超えた老人が考える事か」


 何度も何度も腹を殴られ、気を失った領主の傍ら。

 カーナは「ふ~」と汗を拭っていた。

 そしてそんなカーナにマリアンヌは言った。


「カーナ、父上って頭良いな」


 念のためにあと2発ぐらい、と思っていた最中、領主を殴る手をピタリと止めるカーナ。


「えっ?あ…はい、そりゃ、もちろん!マリアンヌ様のお父上なのですから聡明でないわけがありません!でもマリアンヌ様の方が更に聡明で英知の化身だと思っています!」

「まぁわれの方が頭が数倍良いからな」


 なんといたって父上の全ての策を読みきったのだから。


 やはり移動中にも感じた違和感などは放置してはいけないな。

 自分の勘は信じないとね。


「さて、ではカーナ。もう殴るのやめていいよ」


 ロキが慰問を終えるまで最短でも1ヶ月。

 それまでに内通者を見つけ出して、われの策を完遂させる。


 既に懸案事項けんあんじこうの1つであった父上の策は全て看破した。

 あとは内通者。

 見つけ出してやる。


「この愚かな領主の部下である君達に言っておくっことがある」


 領主がメイドにタコ殴りにあっている状況に唖然とする領主の部下達。

 ひざまずく彼らに向かってマリアンヌは言う。


「そこに転がっている愚かな領主はわれへ刃向かった罰として牢にぶち込んでおく、いかなる理由があろうが外に出したりはするな。それと、これからはわれがお前達の領主だ。つまり今後、われの言う事には”はい”とだけ言え。われは口答え嫌う、暴力などではない、即刻首を落とすぞ。そして一番大切な事、領主の部下である君達は…」


 マリアンヌの計画は動き出す。

 ファーストコネクションで内通者が見つけ出せなかった場合、念のために用意していたマリアンヌの策。


 手に包帯を巻きつけた怪我人のマリアンヌ。

 だが彼女の爛々(らんらん)と輝く眼光はまるでこの場に居る者たちの魂を喰らうかのような威圧感を放っていた。

 そして最後の一言は今も息を殺して隠れている内通者に向けて言った。


「明日1日、、貴様らは屋敷から出ること、外部と連絡を取ることを一切禁じる」


 マリアンヌはほくそ笑む。



 先手は取ったぞ内通者。

 さぁ楽しもうか。

 まぁ一方的な戦いになるであろうがな。


 逃げ隠れ出来るものならやってみろ。

 見つけ出して首を落としてやる。



閲覧ありがとうございました(b゜v`*)いかがでしたか?皇帝の頭の良さ、そしてそれを看破するマリアンヌ、皆さんが少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。

ではまた次回お会いしましょうヾ(。・ω・。)ノ マタネー♪




ちょっと聞いてよ皆!('Д')今日うれしい事とちょっとだけイラッてする事が同時に起きたですよ!


事が起きたのは数日前の事です…、

私の大好きな作家さんが1か月前に新作を出していると知り、調べてみると既に初回版はプレミア価格で1500円から6000円相当まで値上がり…( 'ᾥ' )ぐぬぬぬ転売ヤーどもめぇぇ。

怒り心頭な私、信条として転売屋から物は買いたくないので頑張って色々探してみました( ;´д`)するとイオンの本屋さんに発注してもらえる事が分かったのです!私は喜びました。。

そして今日、仕事で大工さんと打ち合わせする前に買いに行ってきました┌(;・_・)┘トコトコ


本屋さんに着くとおばさんの店員さんが2人いたんだけど…


「あの~すいません。ネットで取り寄せ注文した〇〇なんですけど」

「あ~はいはい(^^)♪これですね…えっとぉ( 一一)チラッ、ぁ、、はい」


まぁ別にいいんですよ。そういう反応になるだろうな~とは薄々思ってたし。

でも表情に出し過ぎじゃね?とは思ったけどw

それでね、このあとですよ!


「1500円になります」

「はい」

「ありがとうございました」


ん?あれ?袋は?(。´・ω・)?


「あの…袋は?」

「え?有料になりますけど…」

「はい」

「1冊ですし、いります?」


いや、この本を手に持って歩けと!?( ゜Д゜)!?


「いります(-_-)」

「あ、じゃあ4円になります」

「はい」

「ありがとうございました」


いやいやいや!この本は袋いるでしょ!私が手ぶらの時点で聞いてよ!ってか、この本を手に持って歩いていたらセクハラになるでしょうが(>◇<)!


って事が有ったんですよ('_')

まぁ私がマイバックを持ってくるのを忘れたのが悪いのですが…それでも聞くだろ、この表紙と裏表紙見たら。気遣いって無いの?…って思っちゃた1日でしたw

皆さんも本屋さんに行くときは気を付けてね♪今は全部袋有料ですからね。

では~



ん?どうかしたんですか?皆さん?話は終わりですよ。

え、何々?


「いや、その話は分かったけど、本のタイトルがまだ聞いてない」


ですって(?_?)


いやいや!あの…普通の…あの…か、カレンダーですよ(¬д¬;)

え?


「カレンダーなら丸まってるから袋に入れなくてもいいでしょ?ってか、カレンダーは本じゃないよね?カレンダーを手に持って歩いていたらセクハラになるの?ならないよね? …何買ったの?」


ですって?

いや、あの、、その、、、たいした、あの…(¬д¬;)


……みちきんぐ先生の『アザトメイキング』です((+_+))


いや!違うの!聞いて!

大好きな先生の2作目の作品だったから初回限定版を手に入れたかっただけで、決して【肌色満載!!ALLフルカラー美麗画集 & 初回版特別仕様、めくると脱げる!?ストリップジャケット】が目的ってわけじゃないんですよ!

私は純粋にこの方の書くストーリーが好きだから買ったのです!ええ!!決してやましい気持ちなんてありませんとも!ええ(;゜Д゜)!!編集の佐藤さん?なんの事やら(;゜Д゜)!!

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― 新着の感想 ―
[一言] カイルは、普段から偉そうに踏ん反り返っているお貴族様が、為す術もなく甚振られていく光景が面白くて仕方がないんだろうなw。 皇帝は、てっきりマリアンヌ様が自分と似た思考と気質を持っている事か…
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