91 4人の容疑者たち
クリックありがとうございます(^^♪今週、あと4話アップしようかな(=_=)って悩んでいるひとりぼっちの桜ですw
皆さん驚いたでしょ(o´罒`o)ニヤリ
なんと言っても1週間に5話アップですからねwでもね、さすがにそれをしちゃうとまたストックが無くなっちゃうのでキツイかな~って思ってたりもしますw
どうしようかな(;一_一)今週はこのお話を含めて3話、来週2話ぐらいっていうのが一番良いのかもしれない…。
あっ、因みに今のところ、この後の4つのお話はだいたい1話原稿用紙3~6ページって感じだからサクッと読めそうです…まぁ文字数が増えなければですがww
では今回のお話もどうぞお楽しみ下さいませ~♪今回のお話はいつも通り原稿用紙8ページぐらいですw
領主の館にある1室、プルートの玉座の間に似せた広い間取りの部屋。
そこに集められた大人数の人間達。
彼らは片膝を立てた状態で跪いている。
先頭には顔を包帯でグルグルと巻かれた領主のヤン・メイザール。
その後ろには30数名の従者たち。
内訳は20人ほどが兵士、メイドを含めた料理を担当する者、雑務をこなす者たちが10名ほど。
合計30数名、これが現在のサンティエールの全戦力。
そして目の前には皇帝の座る椅子に瓜二つの椅子。
いつもそこに座っているのはもちろんヤン。
しかし今日は違う、
今日は…
「領主ヤンよ、早速だがこの手を見てもらえるかな? これ、全治6ヶ月だそうだよ」
ヤンが座ればただのレプリカの椅子だろう。しかしマリアンヌが座るだけでレプリカの椅子がまるで本物の王の椅子に思えるほどの品格が宿っていた。
「誰の責任だと思う?」
堂々と領主の椅子に座るマリアンヌ。
そこから降り注がれる視線は鋭く、重い。
顔を包帯でぐるぐる巻きになったヤンはその視線に耐え切れず、目を逸らす。
すると間髪いれずマリアンヌは両手をかざした。
「お~~い、我の手を見ろと言っている。聞こえなかったか~?」
マリアンヌとの間には相当な距離があるにも関わらず重く圧し掛かって来る重圧。
ヤンは声を振るわせながら
「え…それは…その」
「誰の責任かを言え」
怒りに満ちた棘のような視線。
「お、お、お言葉ですが!私の顔も同じぐらいの怪我を負って」
「お前の顔の話など誰が聞いた?」
ピーンと張り詰めた空気。
全員の口の中がカラカラになるような緊張感。
マリアンヌは膝を組み替えながらも言う。
「お前のような遥か昔に島流しにあった、高貴の何たるかも分からない田舎者には理解しかねる問題なのだろうが、本来であればいかなる理由があろうが我に対して怪我をさせたなど即死罪ものだ。今、お前の命が有るのは我の女神の如き慈悲深さによるものだと知れ」
ヤンの従者達が禁句にしていた”島流し”、”田舎者”、それら辛辣な言葉を次々と、そして平然と口にし、尚且つ傲慢な物言い。
当然、憤りがヤンの喉から出てくる。
「随分な言いようですな、流石は”あの”皇帝のご息女というわけですな」
そのいい口に目を細めるマリアンヌ。
あくまで自分の事しか考えないヤン。
しかしそれを超えて自分の事しか考えないマリアンヌ。
両者の違いはマリアンヌの傲慢さ、傲岸な態度は生まれ持った王としての資質である所だろう。
「今の発言に対しての勇気だ・け・は、認めてやろう。本国では我にそこまでの嫌みを言える人間はそうはおらん。だがね…それが通用するのはプルートの支配下以外の場所でだ。そしてその老いた心に刻み付けろ。もう一度同じような嫌みを言ったら、、殺しちゃうぞ♪」
言葉と裏腹に口調だけは冗談めかしたマリアンヌ。
だが瞳は冗談とは言っていなかった。
「因みにコロナどう思う?我の目にはこの領主は大袈裟に包帯をぐるぐる巻きにして、自分も怪我を負ったから喧嘩両成敗だよね♪で、済ませるためのパフォーマンスにしか見えないのだがね」
マリアンヌの背後に控えているカラスやカーナたちと違って扉の近くに居たコロナ。
彼女は遠目で領主を見ながらも断言する。
「はい、私もそう思います。マリアンヌ様同様に骨が折れているという事になるのであれば顔全体を殴られた事によって頬の骨なども折れた事になりますが、顎や頬の骨などが折れていればそのように流暢には喋れません。激痛で動かすことは困難となりますので。おそらく鼻の骨ぐらいは折れているかもですが、あとは大量の打撲、切れやすい唇、口の中などの裂傷程度ではないでしょうか?必要なら私が見ますが」
「だよな、我も同意見だ。我は手が全く動かせないのに、こいつはめっちゃ喋れてるもんな。おい領主、コイツに診てもらうか?」
「え!?」
「そこにいるメイドに診てもらうか?と問うておる。そこのメイドは腕が良いぞ~、しっかりと診察してくれるだろう。因みにお前が言ったことが嘘だったら…分かってるよな?」
「そ、そんな!わざわざ、マリアンヌ様の従者の方にそのような」
嘘がバレる!?
領主の包帯の下、額に大量の冷や汗が浮き出ていた。
なぜならマリアンヌの言う通りこの包帯は部下に大袈裟に巻かせたものだったからだ。
昼の1件でマリアンヌに難癖を付けられることを嫌ったヤンが事前に部下にやらせた。
バレる事は無いと高を括った行動。
つまり包帯の下は…。
「コロナ~ダッシュ」
「はい、今すぐ」
そんなヤンの心配もよそに、トコトコと軽い足取りで近づいてくるコロナ。
ヤンは大声で言った。
「ワシに近づくじゃない!!この薄汚いメス犬が!!」
ピタッと止まったコロナの足。
空気も止まる。
メイドの代わりにヤンの下に訪れたのは息遣いさえ聞こえてきそうな静寂であった。
当然、今の一言でヤンの嘘はマリアンヌたち全員にバレた。
そして同時にマリアンヌの後ろにいるカーナ、数名のカラスから溢れ出す殺意。
マリアンヌは深く溜め息を吐く
「やはり、また下らない嘘だったのかね。そういう忠誠心の感じられない所が、我や父上の怒りを買うとなぜその歳になっても理解出来ないのか…」
自分の仕事は終わったと、さっきまで居た所定の扉に戻っていくコロナ。
ヤンは必死に弁明をしようとする。
「あの…ワシは違うのです!これは!」
だがそれを聞くマリアンヌではない。
「あ~もう謝罪は結構だ、心に無い謝罪に意味は無いし。それに頑固なままここまで生きてきた老人に改心も難しかろう」
見限るようにそう言うと、マリアンヌは履いていたヒールをコツンと鳴らす。
「生産性の無い話はここまでにして建設的な話をしようと思う。お前はなぜ我がここに来たと思う?」
その問いに疑問符を浮かべるヤン。
彼は戸惑いながらも答えた。
「それは…慰問では?」
ヤンの答えに微笑を浮かべたマリアンヌ。
そして彼女は威厳を持った声でヤンの従者達全員に聞こえるように言った。
「いいか良く聞け。我はこの国の紛争を終わらせるために来た。無能なお前達にここで断言しておいてやる。この地で起こっている様々な問題は我が早々に片付けてやる。期間はそうだな~1週間かからんだろうな」
「「「っ!?」」」
サンティエール側の人間達がどよめいた。
プルートからやって来た皇女のただの慰問だと思っていた所に予想外の言葉。
そしてまるで甘美な毒のように全身に回っていく。
だからヤン、特に彼は腰が抜けそうな勢いで叫び声を上げた。
「いったいどうやって!?どのような方法で!」
「…………」
「ん?ま、マリアンヌ皇女殿下?」
黙ったままのマリアンヌ。
動きが無い。
あまりにも長い沈黙にもう一度ヤンは問いかける。
「あの…マリアンヌ」
訝しむ領主ヤンを余所にマリアンヌは必死に瞳を動かしていた。
彼女の目つきが完全に変わっていた。
「…………」
「あの!聞いてます!?」
その瞳は凄いスピードで動き、ここにいるヤンの部下30人以上の反応を同時に見ている。
もちろん自分の目の前、先頭に居るヤンを完全無視。
「…………」
マリアンヌは知っている。
人は予定外の事態に遭遇すれば何かしら表情、動作に現れる。
と。
だが…。
「チッ」
マリアンヌの目から見た従者達30数名、
全員の反応はヤンとほぼ一緒であった。
全員が「本当にそんな事が出来るのか!?」という表情。
怪しい点が一切見られない。
小さく呟く。
「小癪な」
まぁ、こんな簡単に尻尾を掴ませる程度の相手では歯ごたえがないというものか。
我がここまでわざわざ出向いたのだ、逆にこれぐらいの歯ごたえは欲しい。
「マリアンヌ皇女殿下!」
「何度も何度も言わんでも聞こえ取るわ。お前のような年老いた耳と同じだと思うなよ」
そしてマリアンヌは一拍置いて言葉を紡ぐ。
「どうやって紛争を解決するかだったな?だが、その前にしなければいけない事がある」
我がこの後、どのような方法を取るにせよ、味方の情報を敵に渡す内通者。
スパイ、両方の陣営に対して味方のフリをするまるでコウモリのような。
そんな奴が味方の中にいたのでは天も仰げん。
まずは探し出す。
内通者の跳梁跋扈を許すわけにはいかない。
「カーナ」
「はい」
内通者、スパイと思われる容疑者は反乱分子どもが活動を始めた時期を考えると、この国に領主と共に来た『初期メンバー』。
そしてサンティエール側の警備の穴を突けるという事から、警備情報を事前に知りえた人物。つまり『ある程度の地位を与えられたもの、もしくは○○長』と名乗っている人間。
事前に調べたら、それらの条件に当てはまる人間は4名居た。
その4名こそ…。
「今から言う4名は前に出てマリアンヌ様にご挨拶なさい」
「え、なぜ4名?」
領主のヤンからすれば当然の疑問。
暴動の事、反乱分子の事、聞きたいことがあるのは分かる。
だがそれなら領主である自分に聞けばいい。
にも関わらず、自分ではない従者達とマリアンヌが話をする?
これにいったいどんな意味が?
「あの…お美しい赤い髪のメイドの方。なぜワシではないのですか?ワシでは何でも答えれますが」
尋ねるヤンにカーナは事前に打ち合わせしていたかのようにスラスラと答えた。
「その4名こそがあなた同様、罪深いからですよ。 何もせず、今の今まで反乱分子を野放しにした。その結果、マリアンヌ様、御自らこんな所まで来て頂くことになったのです。一言ぐらい挨拶とお詫びをするのが筋でしょ?違いますか?領主ヤン・メイザール」
さっき自分の顔を診察しようとしたメイドと明らかに毛色が違うメイド。
ギョッとする赤い髪はもちろんだが、でもそれよりもヤンが恐怖を覚えたのは…いちメイドとは思えない殺意のこもった視線であった。
プロポーションのとれた身体、整った美人といって差し障りのない顔。
だがそれが悪鬼羅刹のような瞳。
マリアンヌとは別の意味合いを持つ瞳。
「そ、そうですな。確かに挨拶と謝罪は必要ですな」
包帯の下で「こいつ本当にメイドか?」と怯えた表情のヤンがそう言うとカーナはニッコリと頷く。
「ええ、そうでしょう、そうでしょう。マリアンヌ様の言われる事は全て正しいのです♪ では1人目、軍師フイレルン・トルトン。前に出なさい」
ビクンと跳ねる身体。
集団の中で立ち上がった彼は
「は、はい」
眼鏡をかけた丸顔の純朴そうな青年であった。
閲覧ありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
また次回お会いしましょう♪そして今から今週あと何話アップするか検討しなくちゃw
では~(。・ω・)ノ゛アデュー
皆さん、アルファポリスなんて無かったんや…(  ̄- ̄)トオイメ
そして分かった。
スタートダッシュなる技は「才能のある人限定の必殺技」だったんだ(ーー;)
さて、もうちょっとしたらアルファポリスは消しちまいますが、それでもね、、心残りが無いわけでは無いのですヾ(・´ω`・寂)゜
だって数人、めっちゃ読んでくれてる人いるんだもんw
その人たちにとって、ある日突然小説が消えたら絶対ショックだよね(><)
なんとか連絡取れないかな(/_;)
その人たちが感想とか書いてくれたら「もうちょっとしたらこれ消えるんで、小説家になろうにおいで♪今読んでいる所のかなり先まで書いてるよφ(^∇^〃)」って言えるんだけどな~。
う~~ん(>_<)消す1ヶ月前にでもあらすじの所に「小説家になろうで書いてます」って書いとこうかな(◎-ω-)。o○
悩ましい限りですw




