90 考えても出ない結論
クリックありがとうございますm(_ _ )m今日から稲刈りが始まったひとりぼっちの桜ですw
3日間におよぶ稲刈りその1日目が今日終了したのですが……うぅぅ地獄だ(>_<)あと2日もこれが続くなんて、今日なんて大量のイナゴが私の足元に……((( ;゜Д゜)))
さて今回のお話ですが、前回の続きで原稿用紙10ページほどの分量になりますwつまり「ちょっと1話追加してみよう♪」という軽いノリが前回のページ数7ページと考えると、実際は17ページだったわけで…(笑)
いや~1話追加してみようって私が考えるとこうなってしまうわけですねw
まぁちょっと多いページ数ですけど、連休ですし、ゆっくり読んでいただければ幸いです♪
では今回のお話もどうぞお楽しみ下さいませ~
「ぅぅぅぅぅぅ」
すすり泣く声。
それは止むことが無い声。
マリアンヌが見て見ぬフリをしていた声。
「………」
嫌々な表情でマリアンヌは横を見る。
すると椅子に座り。
「ぅぅぅ、マリアンヌ様の手が、、手が」
未だボロボロ涙を流し続けるカーナがいました。
子供みたいに泣きじゃくっている。
正直、ここに来てからずっと泣いています。
治療中だって泣いてました。
うるさかったです。
このままだと身体から水分全部無くなるんじゃね?
ちょっと引くレベルで泣いている。
正直、関わりたくない。
カラス達も普段のカーナとのギャップに戸惑ってるし。
だが、かと言って放置しても鬱陶しいし…。
「カーナさんさ~、我が悪かった。今後気をつけるからさ、泣くのやめてくんない?うざいし、イラつくし、迷惑だから」
すると涙を流しながらカーナは言った。
「私のせいで…私のせいで…」
「いや、別にお前のせいだとは毛ほども思って無いけど」
「でも半年も…手が、半年も不自由になるマリアンヌ様が不憫で不憫で、お労しくて…私が止めていれば…止めていれば…お美しい手が、、」
あれ? 話聞いてた?
見た目も含めて完全に治るまでに半年。
動かすだけなら2ヶ月って言ってたじゃん。
「治るよ。ってか、お前が泣くことでこちらが余計不安になるんだよ」
「本当に治るんですか?私にはコロナさんがこの場を治めるためについた嘘だとばかり思っていたのですが…」
「やめて!そういうこと言うの!我が不安になるだろ!治るわ!」
ピタッと止まる涙。
「本当にですか?」
「本当に決まってるし、そうでないと我が困る!」
「コロナさん本当に治ります?この惨劇の手が」
するとコロナは血相を変えて、カーナにあと1歩でぶつかりそうな距離まで駆けて来た。
「治るに決まってるじゃないですか!私がここで嘘なんてつきませんよ!変な事を言わないでください!」
「そ、そうですか!なら良かった!」
ニッコリと微笑むカーナ。
涙はピタリと止まった。
本当に急激に泣いたり、かと思ったら笑ったり、こいつは機械か何かなのでは?
「泣き止んでなによりだけど、それはそうと、、治療中も思ってたんだけど、なぜ部屋に噴水があるんだ?」
マリアンヌはそう言って部屋の中央に目をやると、そこにはなぜか噴水があった。
しかも割としっかりとした造りで、大きい、水ももちろん出ている。
よく公園にあるアレ、
アレとほぼ同じ等身大の噴水。
「治療中は激痛でそれどころではなかったが、改めて見ると邪魔だな…」
カーナはカイルを睨む。
フードと仮面を脱ぎ捨て部屋の端で果物を食べているカイル。
彼にマリアンヌの身を案じている様子など見受けられない。
だからだろう、カーナの声も自然とキツくなる。
「カイル、なぜ噴水があるんですか?」
「そんな睨まれても知らねぇよ。この屋敷には室内に何個もそれと同じような噴水があったぞ、領主の趣味じゃねぇの?」
「そんな事は聞いてません。私はなぜこの邪魔な噴水がここにあると聞いているのです」
「俺はちゃんと先にここに来て、あの領主の持ち物全てそこの窓から投げ捨てた。後は知らねぇよ」
「だから、この邪魔な噴水が残っているでしょうが」
「これを投げ捨てろって?備え付けだから外せないだろうが」
「あなたなら素手で壊せるでしょうが」
「聞いてねぇよ」
「言われないと出来ないと?この蛆虫が。マリアンヌ様に口答えする気なら頭蓋をかち割って殺しますよ」
これが、さっきまでボロボロと泣いていた人間の発言かね?
カイルは舌打ちをすると着ていたローブを投げ捨てる。
「はいはい分かったよ。そこまで言うなら、今からぶっ壊してやるよ。その代わりこの部屋がどうなってもしらねぇからな!」
「いや、ちょっと待てカイル」
マリアンヌはカイルを制止させると部屋を見回す。
「この部屋に入ってから思ってたけど、この部屋って妙に涼しいよな?もしかしてこの噴水のせいか?打ち水効果ってやつじゃないのか?」
カーナは開けられた窓、そこから噴水の辺りを行き来すると言った。
「確かにこの辺りは外気よりもだいぶ涼しいですね。マリアンヌ様の仰られるとおりかと思われます」
「ふむ、なるほど…ということは、これが領主の暑さ対策というわけか。水音を聞いていると心地よいし、これを残しておいたのは正解だな」
「カイル、よくこの噴水を破壊せずにいましたね。グッジョブですよ♪」
さっきまで頭をかち割ると言っていた人間が、次の瞬間には笑顔でグッジョブと親指を立てている。
「チッ、もうなんなんだよ」
苛立ちを隠そうともしないカイルを横目にマリアンヌは改めてこの部屋の内装を見回す。
「にしてもこの館を外から見たときに思ったのだが、内装も悪趣味なアールが好みそうなだな」
完全に泣き止んだカーナが問う。
「第一王子のアール様ですか?」
「ああ、奴は金銀財宝、宝石、価値のあるものが大好きだからな。特に噴水なんて大好物だろうな、昔なんて…ん?」
手の痛みが和らいだ事でアールの昔話にも花が咲きそう、そんな時だった。
窓の外から急に声が聞こえてきたのは。
『俺達の仲間を殺す領主はこの国から出て行け!!』
『出て行け!!』
『出て行け!!』
罵声、罵声、罵声。
それは民衆達の抗議の声であった。
マリアンヌはスーと椅子から立ち上がる。
そして窓際まで移動すると外を眺めた。
因みに下の庭にはカイルが投げ捨てた領主の家財道具、タンスや椅子が砕け散っている。
「カーナ見てみろ!凄いぞあれ!」
敷地の外、そこには抗議の声を上げている。
成人男性だけじゃない、女性、老人、子供に至るまで門兵に詰め寄るように声を上げている。
民衆達は普遍不満を命を掛けて抗議していた。
「剣を持っている門兵に負けずに抗議か、こんな露骨な抗議活動が起こっているの?」
「はい。現状のサンティエールではこのような形になってしまっています」
「マジか」
もう夜になるんだから帰ってご飯でも食べたらいいのに…。
暇人共が。
というか、事前に想定していたよりも暴動のレベルが上がっている?
「カーナ、事前に聞いていたよりも暴動が盛り上がっているようだが、今まではどうやって暴動を取り締まっていたんだっけ?」
「ラン達から報告によると、今までは暴力を伴った取締りで暴動を抑えていたようです」
「ふ~ん」
「マリアンヌ様が領主を運ぶように命じた大男、覚えてらっしゃいますか?」
「うん」
「奴が率先して民衆を抑えていたようです。過剰な暴力によって」
過剰な暴力。
まぁ言葉を弄するよりも簡単ではあるな。
「ですが我々がここに到着する数日前にやりすぎたようで、1人殺してしまったようです」
「殺したのは?」
「もちろん兵士長のソウスです」
「…なるほど、だからここまでヒートアップしているわけね」
兵の減った所に暴動の熾烈化。
タイミングが良すぎる。
誰かが後ろで糸を引いているようにしか思えぬ。
もしソウスとやらが内通者ならこれ以上簡単な話しは無いのだが…。
「どうやって殺したの?」
「この国では一定以上の人数が集まって抗議をする事を禁じています」
「それは知ってる」
「どうやら死人の出た日は、”たまたま”相当数の人数が集まったようで」
たまたま?
不自然な偶然にマリアンヌが考える傍ら、カーナは説明を続けた。
「当然領主側は当然すぐに対処、これもまた当然兵士長のソウスが出張ってきます。そして、どうやらそこで揉め事があったようで」
「そこで民衆の1人が死んだと」
「はい」
「そこの詳細はもっと分からないの? 大切な事何だけど」
頭を下げるカーナ。
「申し訳ありません、そこはランも人伝えで聞いたようで実際には見ていなかったようなのです。マリアンヌ様のご覧になっているシャルドネの報告書には書かれていないのですか?」
「全然、アイツは信頼性には足りるが、こっちが書いて欲しいことはあまり書いていないな。そもそも奴には他の事を調べさせていたし、奴の本当の仕事は…まぁ~それはいいや。で、続きは?」
「これは後日談ですが、ソウス本人は正当防衛だと主張したようです」
マリアンヌは「ふむ」と一瞬考え込むとこう言った。
それは問いかけるというよりは、確認するような口調だった。
「今の話だと民衆側に目撃者が多数居るから、嘘をついてもすぐバレるだろ?」
「はい、だから暴動が熱を帯びて、その日を境に領主は外を出歩けなくなりました」
「なるほど。という事は2日前と今日、我を迎えに来た時は久々の外出だったわけね」
そういえば、あの時、護衛みたいなのいっぱい居たな。
我が睨んだら動かなくなっちゃったけど。
「にしても…街の中でやるならまだしも、館の前でこのような暴動。よくあのプライドが高そうな領主が怒らなかったな。我なら城の前でこのような事をされたら全員殺すぞ」
「以前までは暴力で対応していたようですが、1人殺してしまい民衆が激怒したこと、プルート本国から兵を引き上げよという命令を受けて、ここサンティエールの兵が激減し、今では暴動を抑えることが難しくなりました」
「だから完全放置か」
「そうなりますね」
「でもそうなると門兵がかわいそうだな、今もいつ殴られてもおかしくない感じだぞ」
「マリアンヌ様はなんとお優しい。ですがそれが彼らの仕事なので仕方ありません」
お前、ちょくちょく厳しいな。
「人間の数がそのまま兵力の差となるわけね。数は力なり、というわけだな。それにしても情けない、本国から兵を引き上げさせられたらこれか。相手は剣も持ってない民草だというのに」
ん?
ということは、兵士長のソウスとやらの実力は大したことはないというわけか?
「ねぇねぇカーナ、1つ聞きたいんだけど」
「はい、なんでしょう?」
「ソウスとやら、奴は実力としてはどんな感じなの? ぶっちゃけ強いの?」
「いえ、弱いです」
その言葉には確信めいた響きがあった。
「そうなのか?」
「街にいるチンピラと同レベルですね。あれが兵士長なんて片腹痛いです、たぶんコロナさんでも余裕で勝てるのではないかと」
「無理ですよ!」
私を巻き込まないでくれ!と言わんばかりに扉のあたりから声を上げるコロナ。
マリアンヌは
「お前が笑う側に回るという事に純粋に驚いているが、、まぁそれは置いといて、そんなにアイツは弱いのか? 当たり前だけど、奴が戦っているところなんて見てないわけじゃない?それは立ち姿を見ただけで分かるものなのか?」
「身に纏ったオーラで分かります。激弱です」
オーラってなんぞ?
まぁ、コイツが言うならそうなんだろうけどさ。
「そうかソウスは弱いのか…」
自分が弱いからこそ、コソコソと裏で動く。
それは我が出発前に内通者をプロファイリングした性格と合致する。
兵士長ソウスが内通者?
でも、果たして7年間も味方を欺いている生粋のスパイ。
そいつがこんな分かりやすい事をするだろうか?
我ならしない。
我だったらソウスに民を殺させるようにもっていって、自分は安全な場所にいるだろう。
つまりソウスは容疑者から外すべき……
いや、まて。
そう誰もが普通は考えると見越しての行為だったとしたらどうだ?
7年も身を隠していた人間がこんなあからさまな事をするわけがない。
故に優秀じゃない人間である兵士長ソウスは容疑者から外される。
そう考えてソウスが暴動の火蓋を切るマネをした。
それなら話は、、
でも…
そうなると…
我の存在、言うならば内通者を調べている人間が居ることを、内通者が知っていることになる。
それはありえないだろ。
我がここに来たのは今日が初めて。
先行して、この地に来ているランなどが裏切れば話は変わるが。
シャルドネにはランを監視させている。
まず、ありえない。
という事は…。
え~~と、
う~~~ん、
う~~~~~!
分からん!!!
「いかん、頭が沸騰しかけた。しかも、これはもう推理じゃなく妄想の領域じゃないか。ここでこれ以上考えても時間の浪費、詮無きことか。こちらから動かねば事は進まない……よし!決めた!」
そう前置きをするとマリアンヌはコロナに向かってこう言った。
「コロナ、今から屋敷の全員を集めろ」
「今からですか?もう夜も遅くなっています、マリアンヌ様の手の事もあるので、今日はあまり無理をされないほうがよろしいのでは?」
「ダメだ、今すぐだ。ここからの時間のロスは我の命取りとなる可能性がある、走れ、ダッシュ」
いちメイドであるコロナはマリアンヌの計画など知るよしも無い。
しかし、マリアンヌの声は揺るがない意志を持っていた。
そう感じ取ったコロナはメイドとしての職務をこなす。
「了解いたしました、では行って参ります」
コロナは礼儀正しく一礼すると部屋を出て行った。
廊下を走るコロナの足音。
マリアンヌはカラスたちに顔を向ける。
「さて、我が愛しきカラスたち。我はこれからサンティエール側の人間を集めるわけだが、、お前達は基本何もしなくていい。でも1つだけ」
顔に薄っすらと笑みを浮かべながらマリアンヌは言う。
「今から言う4名の名前、そいつらの顔はしっかりと脳内に焼き付けておけ。いいな?これはとても大切な事だ。では、まず1人目は…」
閲覧ありがとうございました(´▽`)アリガト!
また次回お会いしましょう(^^)/~~~
PS5が遂に発売日決定しましたね♪まぁ、すぐに予約締め切りになっちゃいましたがw
私としては「このスペックで5万なら安い(○>д<)!」と思って通常版を狙っているのですが、発売日すぐに購入はしないと思います(><)いや、正直言うとかなり欲しいけどねw
理由としては予約戦争に単純に負けたこと、転売屋から買いたくない、あとはどうしてもPS4とかもそうでしたが初期型はどうしても色々問題が起こりがちなのでw(ファンの音がうるさかったりw)
って事で、私としては少し待って、特別色とか出たタイミングで買おうかな♪って思ってます(^^♪個人的には金ピカゴールドモデルとか出ないかな~(ノ3`)o




