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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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85 張りぼての王国

クリックありがとうございます(^v^)ではここで一句『母上が、聴いてたスマホで、あいみょんを』

やぁ2日ぶりだね♪ひとりぼっちの桜ですwそれはそうと聞いてよ皆!今日、めっちゃショックな事があったのですよ(>_<)

夕方さ、うちの母親がスマホで音楽を聴いてたのね。いや、それはいいんですよ、私も契約手伝ったし、使いこなしているわけだから。でもね、どんな曲を聴いてるのかな~?って思ったらあいみょんですよ(>n<)いやいやいや!うちの母親結構な歳よwにも関わらずあいみょん……私なんてあいみょんさんほとんど聴いた事ないのに…ていうかほとんど知らないのに(-△-;)しかもその時母親、私に何て言ったと思います?

「あんた、あいみょん知らんの?遅れてるなw」


……しばいたろかな?って思いましたw


では今回のお話、文字数は5千文字近くになっちゃいましたが、どうぞお楽しみ下さいませ~♪



 サンティエールという都市はお世辞でなく裕福な都市ではない。

 周囲の建造物は他のプルートの従属国にある建物に比べるとボロボロ、この国の生活水準の低さが見受けられる。


 にも関わらず、、


「ふざけるな!!!!」


 その大声が鳴り響いたのは、街の中央に鎮座している大きな館であった。

 館は明らかに豪華な造り、

 内装の豪華さは元より、敷地面積はそこまでではないが、それでもプルートの皇族が住んでいる皇居に似た外観。

 そこで今、まさに雷のような大声が落ちたのだ。


「ふざけるな!どういう事じゃ!!!またワシの兵がプルートに戻っただと!!しかも今度は精鋭ばかり!」


 目をひん剥いて大声で怒鳴り散らす老人。

 怯える従者たち。

 だがお構いなしに老人は拳は壁をドン!と叩く。


「もうワシを守る兵は50を切ってしまった!このままでは奴らに、忌まわしい反乱分子どもにワシの国が乗っ取られる!」


 凄い剣幕。

 領主の屋敷で怒り狂う彼こそ、このサンティエールの領主。

 ヤン・メイザール。


 体格は痩せ型、歳はプルートの皇帝と同じ60代。

 白髪混じり。

 だというのにその肉体はエネルギーに満ち溢れていた。


 ヤンはイライラとした口調で言う。


「これではワシの国が、、統率が取れなくなってしまうではないか…いや!そもそも、どうやって精鋭たちはプルートに戻った!?プルートに続く大橋はどこぞの馬鹿共に破壊されたはずじゃ!!」


 領主の怒号の向かう先、それは昔から領主の従者であった男達。

 7年前、一緒にプルートからここに飛ばされた不運な人間たち。

 総勢20人ほど。

 彼らは直立横並びの直立不動。

 そして怯えた目をしながら答えた。


「そ、それが、精鋭たちは、どうやら船を使って戻るようにとの本国からのお達しがあったそうです」

「船?船だと!?船なんぞ何処にある!?この国にはそんな何十人も乗れる船など無いぞ!あるのは漁で使う数人程度の小船ぐらいのはずじゃ!」

「船はプルートが用意していたようで」

「ふ、ふざけるな!!そ、そんな、、ふざけた命令ワシは聞いておらんぞ!!!」


 そこまでしてプルートは自分から兵を取るのか!?


 理不尽な命令にヤンの怒りが込み上がってくる。

 ギリギリと鳴る歯軋り、血走る瞳。


「プルートはワシから全てを奪うつもりなのか!!くぅぅぬぅ!憎い!!グローリー!」


 ヤンの拳は強く握り締められる。

 そして怒りの向かう矛先は…


「すいません、ヤン様。我々も聞いておりませんでしたので…朝起きたときには」

「ふざけるな!!」


 強烈な平手打ち。

 バチン!!という音。

 従者は顔の痛みに耐えながらも、そのままの体勢を崩さずに頭を下げる。


「も、申し訳ありません、ヤン様」


 言い返すわけでもなく、ただ頭を下げ続ける従者に領主は横に居る従者を睨みつける。


「ふざけるな!!ふざけるな!!」


 そして20人程いる従者たち、彼らは端から次々とヤンに平手打ちをされていった。


「ふざけるな!!ふざけるな!!ふざけるな!!」


 しかし、これはいつもの事。

 殺すまでいかないまでも、理不尽な暴力は日常茶飯事にちじょうさはんじ

 それがヤンという領主。

 だから、この後に起こることも、いつもこの国では起こっている事なのだ。


 一通り平手打ちしていって、終盤に立っていた男。


「フイレルン!お前は軍師じゃろうが!!なぜプルートからの伝令をもみ消さなかった!!」


 そう言われたのは眼鏡をかけた丸顔の気弱そうな青年であった。

 顔は生傷だらけ。


「っ!?いえ…」


 若くして軍師としてここ、サンティエールに配属された彼は言いよどむ。


「その…それは」


 そんな事を出来るわけがない。

 伝令の最後には皇帝、グローリー・ディ・ファンデシベルの名が記載されていた。

 つまり、これは勅命ちょくめいを意味する。

 それをもみ消した日にはプルートという大国を敵に回すのと同意。

 やれるわけがない。

 でもそれをこの領主に伝えたところで…。


「この裏切り者が!!」


 迫り来る平手。

 気弱そうなに見えるフイレルンという青年は生傷耐えない顔で覚悟を決めた。


「も、申し訳ございません。お伝えするのが遅れて」

「お前はワシを馬鹿にしているのか!!」


 他の従者たちよりも強く力の込められた平手。

 フイレルンのかけていた眼鏡が吹き飛んだ。

 だがそれだけでは終わらなかった。


「ワシを馬鹿にしているのか!答えろ!」

「いえ!決してそのような事はございません!」


 2発

 3発

 4発

 何度も何度も平手打ちがフイレルンを襲う。


「どういうことだ!!!貴様はわざとワシに黙っていたのか!!そうなのか!?」


 領主のヤンは既にフイレルンからの返答など聞く気はない。

 ただ、自身の鬱憤うっぷんを晴らすかのように何度も何度も平手打ちをする。


「申し訳!申し訳ございません!」

「お前はワシをおとしいれるつもりだな!そうはいかんぞ!!ワシが!!ワシがこの辺りの秩序を守ってきたんだ!!」


 60代、筋肉隆々というわけではない。

 そんなに早い平手打ちというわけではない。

 だが避けることすらも許されない、顔を背ければ更なる怒りを買う。

 この小さな国で生きていくためには仕方ない。


 この領主に逆らってはならない。

 そのことが分かっているから軍師フイレルンは耐えるしかなかった。


「申し訳、申し訳、申し訳ございません」


 周りの従者達はその光景を恐れながら見ていた。

 これが従者達とこの領主の関係。


 そして最後に領主のヤンは近くにあったテーブルに目をやる。


「最初から、お前のような裏切り者には期待しておらんわ!!」


 手にはガラス製の灰皿。

 従者たち全員の背筋に嫌な予感が走り抜ける。


「ここは!この国は!ワシの作った最後の楽園じゃ!!誰にも犯させわせぬぞ!!」


 ヤンはその灰皿でを部下である気弱そうな従者に叩きつけた。


「っ!?」


 鈍い音。

 ヤンは大声で言った。


「分かったか!この反乱軍の手先め!!」

「ぁぁ」


 小さくうめく、軍師、フイレルンはうづくまり、頭を押さえながら痛みに耐える。

 額の上の方からツーと流れる血。

 フイレルンは蹲りならがも口を開く。


「私が、、全て悪うございます。なのでこの罪は私だけで、他の者たちには」

「なんだその言い草は!?貴様は…ワシが八つ当たりでもしてると言うか!ワシをどこまで愚弄する!!」

「ヤン様、てぇへんですよ!」


 その声は今殴られている従者たちと違って怯えていない声。

 声の主は堂々と扉からやってきた。

 領主は手に持った灰皿を握り締めたまま声のしてきた方へ顔を向ける。


「なんじゃ!!」


 大変と言う割には、さして焦った素振りを見せない190cmをゆうに超える大柄の男。

 腰にはえらく立派な剣。

 男は言う。


「ヤン様、大変な事があるんですぜ」

「ああ…兵士長のソウスか。どうかしたのか?」


 手にはガラス製の灰皿。

 その灰皿は血が付いていて、絨毯の上で蹲る若い軍師。

 ソウスと呼ばれたガラの悪そうな兵士長は「あ~いつものことか」と口元を綻ばせながら答えた。


「ヤン様、ちょっとめんどくさい事になってきましたぜ」

「めんどくさいこと、じゃと? また町の人間が暴動でも起こしているのか?それとも村の奴らか?どっちにしてもお前が先頭をきって全員叩きのめせ」


 ソウスはチンピラのようなヘラヘラした口元で


「いや~そういうのなら今更報告なんてしないんですけど。実はプルート国、第一皇女、マリアンヌ・ディ・ファンデシベルっていうやつが、もうじきこのサンティエールに到着するらしいっすよ」


 その名を聞いてピクリと領主の耳が反応する。


「マリアンヌだと? 2日前にワシが半日も待っていたのに来なかった、あのマリアンヌか?」

「ええ、そのマリアンヌですぜ」


 大きな舌打ち。

 そして灰皿は近くに投げ捨てられる。

 椅子に座るヤン。


「ふぅ~、やっと来よったか」

「で、どうします? 今からまた出迎える花やらメシやらを用意しますか?花なら庭士のゴーツに言えば確か…造花?でしたっけ?それならすぐに用意するでしょうし、メシなら料理長の馬面のボランの野郎に言えば用意するでしょ。まぁ…間に合うかは絶望的って感じですが」

「何も用意せんでよいわ」

「ふぇ?」


 全然兵士に見えないチンピラのような風体の兵士長ソウス。

 流石の彼も自分の耳を疑った。


 今から来るのはちょっとしたお偉いさん程度ではなく、プルート本国のお姫様、しかも次の皇帝第一候補。

 現に前回、2日前のことだがサンティエールの正門、馬車が通るところにはたくさんの花を設置、うたげの為の豪華な料理も数多く用意した。


 まぁ全て、見事に無駄にはなったが。


 そしてそれに対して領主が怒りを覚えるのは分かる。

 実際に暑い中用意した自分達ですら怒りを覚えた。

 でも、それでも今回、何も用意しないのは…。


 失礼を通り越して侮辱と受け取られるのではないか?


 そう全員が不安を感じていると領主は憎憎しく言った。


「2日前あれだけ暑い中、半日待っても来ず、来たのは1通の手紙だけ。内容は『到着が遅れる』というそれだけ。理由も書かれていない。こちらを馬鹿にしているにもほどがあるわ!あのような失礼な手紙をよこした張本人に歓迎の宴など不要じゃ!」

「そうですか…、じゃあとりあえず今から向かいますか。今からならちょうどいいぐらいの時間になりそうですぜ。俺は兵士どもを呼んできま」

「いや、まだよい」


 その発言にソウスは不思議そうにもう一度問う。


「え?まだいいって…今からか行ってたぶんちょうどいいぐらいですぜ」

「あのような傲慢な男の娘、少しぐらい待たせればよいのだ」

「ヤン様!!」


 生傷耐えない若者軍師、フイレルンは自身の額から流れる血を押さえながら首を振った。


「考えを、もう一度お考えをお直しください!マリアンヌ様はプルートの第一皇女、王位継承権は1位。つまり次の皇帝になる可能性がもっとも高いお方です。それを待たせるなんて事をしたら」

「うるさい!このワシに口答えするな!!」


 怒号にフイレルンの身体はビクッと硬直する。

 領主、ヤンは更にどっしりと、もう立ち上がる気は無いと言わんばかりに椅子に腰掛ける。


「ふん、まぁ見ていろ。第一皇女なんぞと偉そうな肩書きではあるが、実際は小生意気な小娘じゃ」

「マリアンヌ様にお会いになった事があるのですか?」


 ヤンは僅かに口角を上げる。


「ああ、名前はマリアンヌだったか?確かに会った。ここに来る前、7年ほど前に皇居でな」


 そして方をすくめて笑う。


「実際見たがアレはダメだな…。あの小娘に皇帝の器は無い。世間に対して無知で、そのくせ高飛車で箱入り娘が堂に入っておった。しかも、御付きの人間を何十人も付き従えて人に守ってもらわないと外に出ることもしなかった。そのような権力だけ持った小娘、少しぐらい待たせたほうが、世間の厳しさが分かるというものよ。そうじゃ!この際だ、ワシを2日も待たせたことを詫びさせようではないか!ワッハッハ!」


 ヤンは豪快に笑う。

 笑う。


 かくして、今から来るマリアンヌに対してサンティエール側の対応が決まった。

 50年前と違い、今回のヤンの選択は正しかったのか?

 それは数十分後に分かる。


 そう……


 数十分後に……



閲覧ありがとうございました(*∩ω∩)

ではまた次回お会いしましょうε≡≡≡ヾ(。ゝω・。)ノ━廾ィナラ━ァ☆






実は今、8月26日に行うとある計画を立てています。

8月26日…ええ、私の誕生日ですね。

その計画とは……いえ、それはまた今度、8月26日が近づいたら発表するとしましょう(TmT)

今言っては楽しみが半減してしまう(。-ω-)


え?「でも気になる」ですって?


う~~ん、そうですね。

確かにそれだけだと皆さんもモヤモヤするでしょう。

では、1つだけヒントを(。ì _ í。)


【とても面白い実験】


と、だけ今は言っておきましょう(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] おいおい…、死んだぞ此奴www。 [気になる点] フイレルンは、忠誠心と思考力が強そうだから、上手くやればマリアンヌ様に気に入られそうに感じるな。 忠誠心の高い正規の軍師ポジションはマリア…
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