78 ペリモンの奥の手
クリックありがとうございます)^o^(寝相はかなり良いひとりぼっちの桜ですw
言っときますけど、皆さんが今考えられているものの数倍、私の寝相は良いですよ(笑)はっきり言いますが、ほぼ動きませんw8時間なら8時間、ほぼ寝返りもせずにピターーo( ̄▽ ̄o )ーー。って寝てますwそう……それはまるで死んでいるかのように……。
では今回のお話も少し長いですがどうぞご覧くださいませ~♪
その声は威厳に満ちていた。
「命令だ、速やかに自決しろ」
恐怖は全身に駆け巡る。
既にこの数分で一気に20歳は老け込んだようなペリモン。
彼は助けを求めるように周囲のカラスたちを見渡した。
「お、お前ら!俺様を助けろ!!」
最後の頼みと仲間に縋るペリモン。
一癖も二癖もあるカラスの面々。
彼らはそのペリモンの切望にこう返した。
「何言ってんだ?」
「踏んだな地雷」
「ざまぁみろ」
「馬鹿ナ男ダ」
カラスたちから返ってきたのは侮蔑の言葉のみ。
カラスたちは仮面の下で冷めた笑い声で嗤う。
嗤う。
笑う。
「くくぅぅぅそぉぉ」
ペリモン自身、分かっていた事とはいえ、
「ふざけんな!てめぇ…っ!?」
と、同時に、その足音は確実にこっちに向かっていた。
燃えるような赤い髪、
手には先ほど殺した女の血がベットリと付着している。
「おいおい、うそだろ」
カーナは進む。
カーナは進む。
一歩。
また一歩。
「く、来るなよ、化け物」
自分に向かって来る。
自分を殺すために。
圧倒的な戦闘能力が。
主人であるマリアンヌの望みを叶えるために。
「い、いやだ」
それをただ正面から見つめていたペリモン。
恐怖に支配されて身体が動かない。
膝がガクガクと震える。
「ペリモン」
「ボス!許して下さい!」
すがり付くような思いでペリモンは跪くと、カーナの足にしがみつき額を地面に叩きつけるように何度も何度も土下座をする。
そもそも恥じも体裁も気にしない性格のペリモン。
それが命の危機に陥っているのだ。
何でもやるさ、
何でも。
「もう二度と!もう二度と!こんな愚かなマネはしません!お願いです!だから!」
逆境苦境を乗り越えてきた土下座は何度も続く。
しかし、
「ペリモン」
数回の瞬き、その後カーナは小首を傾げた。
「ペリモン、あなたが私に何を期待しているかは知りませんが、私はいつもあなた方に口すっぱく言ってますよね?」
「へ?」
「私の部下にマリアンヌ様の命令に背くような愚か者は必要ありません。必要なのは忠誠を、従順を、その魂をマリアンヌ様に捧げれる者のみ」
言葉には感情というものが無かった
カーナの瞳は何処までも機械的でまばたき1つしない。
そしてペリモンの眼前にナイフを差し出した。
「同情心を誘っても無駄です。神の命令は絶対です、抗うことなど誰にも許されない。そして神の定めに反旗を翻した人間、そいつが行き着く先は死です」
そして「さぁ死になさい」と手渡してくるナイフ。
そのナイフはカーナの魔道具。
刃の長いナイフ。
刃の長さを考慮すれば間違いなく致命傷だろう。
「昨夜はマリアンヌ様のご慈悲でいい思いが出来たのでしょ?もうこの世に未練などないはず。さぁ、我らが神はあなたの死を望んでおられます」
しかしペリモンは首を必死に横にする。
「い、嫌だ」
「何度言えば分かるんですか。誤解しないで下さい、あなたに拒否する権利はそもそも無い」
「死にたくない!」
大きな溜め息。
受け取りを拒否するペリモンにカーナはナイフを引っ込めるとこう言った。
「はぁ~、往生際が悪い」
そしてカーナは腕を伸ばす。
もちろん普通に伸ばすのではなく、ペリモンが反応できないほどの異常な速度で。
「うわっ!」
それは気がついたらペリモンの胸ぐらに伸び、がっちりと掴んだ。
そして急速に引き寄せられる巨漢の肉体。
「フガァッ!?」
顔面にめり込むカーナの拳。
頭蓋骨まで軋み、脳細胞をえぐるような恐ろしい一撃。
顔面に叩き込まれたその拳は必殺と呼べるものであった。
魔道具無しにおいてこの異常さ。
殴られた後、直後ではなく1テンポおいて”殴られた”と自覚するほどの拳の速さ。
「ぐぅぅぐふぅ」
顔が歪に歯が欠け落ち、鼻血が止まらない。
カーナの拳で顔面を砕かれたペリモンは顔を抑えながら後ろずさる。
視界がグラグラと歪み、気が遠くなるのを耐える。
ただの拳にしては明らかに威力がおかしい。
「いでぇぇぇよぉぉ」
ペリモンは悟った。
今の1撃で改めて分かった。
カーナの力を持ってしたら、自分など鎧袖一触。
立ち向かっても無駄。
何をしても勝てる気がしない。
「くそぉぉ」
そうだ!
マリアンヌを人質に!
そうすればこの化け物も止まるはず!
いや!いや!いや!!
む、無理だ!
絶対に殺される!
このまま何もしなくても殺されるわけだから、結果としては一緒。
ならやる価値はあるかもしれない。
でも、そもそもボスが近くに居る状態でマリアンヌを人質に取れると思えない。
なぜならマリアンヌに危害を加えようとすればボスは間違いなく昨日の魔道具を使う。
俺の手が少しでもマリアンヌに向いたら魔道具を発動。
そしてその瞬間、俺の首は無くなっているに違いない。
ということは…
逃げるしかない。
逃走こそ最善策。
だがどうやって…
そうだ!!
「………」
ペリモンは自分のローブの内をチラリと見る。
外かは見えないように隠しているそれ。
鼻血で赤く染まった手でそっと触れる。
「ある」
確かにそこにある事を確認。
危機的状況であることは相変わらす変わりないが、ペリモンはほっと、胸を撫で下ろす。
まだ自分には死以外の道がある。
それこそペリモンの奥の手であった。
『はぁ~い。これがご希望の物でぇす♪使い方は簡単、地面に叩きつけるだけ、それだけで半径20メートルは視界、あと嗅覚も利かなくなるよ。 え?1個しか無いのかって?もう1個欲しかったら、倍額ちょ~だい♪なんなら宝石でも良いよぉ~』
製作者の甘ったるい言葉を思い出しながらペリモンは呟く。
「やるしかない」
これがどれほどの効果があるかは分からない。
ましてや、今目の前に居る化け物から逃げ切れるかなんて分かるはずがない。
もう1個あれば事前に効果を試すことも出来たのに。
そもそもこんな所で使うはずじゃなかった。
だがもうそんな事なんて言ってられない。
分からないが、使うしかない。
一瞬でも視界が遮られれば、何とかなるかもしれない。
こんなつまらない所で最後を迎えるなんて考えたくも無い。
ペリモンはへし折れた歯、血みどろの顔で叫んだ。
「いくぞ!!カーナ・マキシマム!」
「やっと死ぬ気になりましたか? ええ、どうぞ。かかってきっ!?」
カーナが言い終わる前にペリモンはローブの中に手を突っ込む。
手の先にあるのは大きさ5センチほどの球体。
そのボールを取り出すと勢い良く地面に叩き付けた。
「「ッ!?」」
ボールが弾ける音と、その瞬間、周囲一帯がむせ返りそうな白い煙霧に飲み込まれた。
そしてカーナの目の前から消えるペリモンの姿。
「煙幕!?」
「なにこれ!?」
慌てふためく使用人やメイド達。
その中でマリアンヌの近くに数人のカラスが居ることを確認したカーナ。
大声で指示を出す。
「シア!ホリー!!そこ居ますね!あなたたちでマリアンヌ様を守りなさい!私はペリモンを追います!」
その指示に返事は迅速に返ってきた。
「了解シた」
「わかったよ!僕がママを絶対に守る!」
この場においてカーナが信用できるのはホリーとシア。
この2人が了承した。
これによってマリアンヌの安全を担保したカーナ。
姿を消した敵に対して忌々しげに目を細めながら、魔道具であるナイフを取り出す。
「まさかこんな物を事前にペリモンが用意していたなんて。早く追いかけないと、しかし…」
360度、視界が真っ白。
おまけに鼻が利かない、ニオイが追えない。
「おそらく消臭性のある葉か花を製作段階で混ぜたんでしょうね」
煙幕についてはある程度の知識がある。
だが自分が知っている煙幕より、この煙幕は煙の飛散の仕方が異常に広い。
しかも数倍レベルで濃密。
果たしてこれほどの物が市場に出回っているだろうか?
軍でも持っているか分からないほどの出来。
「まさかペリモンが作った?」
いえ、そんなまさか…ね。
「なんにしても急がないと逃げられる」
何か考えがあるのか、カーナは煙の中で足を一歩前へ。
恐れる事無く。
そして
駆け出した。
一方ペリモン。
「ハァハァ」
ペリモンは走っていた。
でかい図体、中年太りした腹とは思えぬ速度で。
「高い金をあの守銭奴に支払った甲斐があった」
思わず唇から笑みがこぼれる。
「これはいけるぞ!いける!」
事前に女を逃がそうと思っていた方向へ向かってひた走る。
「この方向ならこのアジトから出て半日ぐらい走れば町があるはず、まずは煙から出てその後は振り返らねぇ!」
直、煙幕の範囲外に出る。
そして煙霧の向こうに腕を伸ばした。
「じゃあ、よーい、スター」
「させませんよ」
その声は煙霧の中から。
夏の日差しが地面を照らす場所、そこに足を一歩出した時、背後何も見えない白い空間からその声は聞こえた。
「っ!?」
ペリモンは背後を振り返ろうとした、同時に追跡者の身体を掴もうと手も伸ばした。
だがそれらよりも先に追跡者の手はペリモンの襟を掴む。
と、同時に一瞬で引き寄せ、流れるような動きでペリモンの横腹へ1激を与えた。
この間、コンマ1秒。
強者であるペリモンですら反応すら出来ない。
そして正面を向いた所で躊躇い無く振り下ろされるナイフ。
ザクリ。
「ァッ!」
顔を下へ。
するとペリモンの胸、心臓には赤いナイフが突き刺さっていた。
その赤色はもちろん自分の血。
正面に居たのはもちろん。
「あなたが逃げる選択を選ぶことは分かっていました、何かそのローブの下に隠している事も。。でもまさか煙幕なんてあなたが持っていたなんてね。あなたがそういった物を頼る人間だとは思いませんでした。何処で手に入れたんですか?」
「ぅぅぁぁカ」
「良い出来の煙幕です、まさかあなたが作ったのですか?視界が真っ白でまったく見えませんでした。しかもまさかニオイまで消すとは…作るときに消臭性のある葉か花、何かを混ぜたというところでしょうけど。ですが、私を本気で止めたいなら毒性が多少なりともある煙幕を使うべきですよ」
「ちくしょぉ、どうし…て…俺が逃げるって…分かった」
「分かるに決まってるでしょ、あなたは私を馬鹿にしてるんですか?そもそもあなたが私に挑むような気配は一切無かった。終始あなたから感じるのは私から逃げようとする気配だけ。因みに、逃げるおおよその方向は逃げる前の視線や足の微妙な動きで判断しました。それにそもそもですが、どれだけ出来の良い煙幕でも人が動けば風の流れが出来る。流れが出来るという事はその流れの先にはあなたが居る。ペリモン、それを私が感じ取れないとでも?」
「化け…物」
「それは褒め言葉ですか?それとも侮蔑の言葉?」
胸の中で深くエグられるナイフ。
「がぁぁぁあぁぁ!」
「ほんと情けない部下ですよ、あなたは」
赤く生温かい液体が溢れ出てくる。
ダラダラとナイフを伝って落ちる血液。
止まらない。
ペリモンはその太い手を伸ばす。
「ぬぅぐぅカぁぁーナ」
伸ばした先に有るのはカーナの首。
だが震える手の速度は遅い。
「死んでぇぇたまるかぁぁぁ、お前がぁぁ死ねぇぇカーナァァァァ!!」
自分を含めた実力者ぞろいのカラスたち。
その全員が異口同音に化け物と呼んだ反則的な強さ。
それがカーナ・マキシマム。
それに立ち向かった人間の結末は。。
「ゲスな男だと思っていましたが、最後ぐらいは男らしい所をみせましたか。でもね」
引き抜かれるナイフ。
「グハっ!?」
倒れゆくペリモンの目に映るのは、噴水のように飛び散る血液。
間違いなく致死量。
「あなたが私に挑むには絶望的なぐらいの力の差がある」
弾け飛ぶようにバタッと地面に倒れこむペリモン。
そしてうつ伏せに倒れこんだまま動かない。
急速に失われていく命の灯火。
地面に広がっていく血液。
最後にカーナはペリモンに言った。
「このクズが」
閲覧ありがとうございましたヘ(;´Д`ヘ)<<感謝>>( ノ;´Д`)ノ
今回のお話いかがでしたか?
ペリモンの死、予想されていましたか?それともマリアンヌがペリモンを最後には許すと思っていましたか?皆さんの期待?に答えられたなら幸いですww
因みに今回のお話で、私が皆さんに伝えたかったのは【マリアンヌは気に入らなかったら味方でも容赦なく殺す人間】という事です^m^
これは今後の展開を考えると、とても大切な事で、どうしても避けては通れない道でしたwまぁ何が言いたいかというと…ペリモン……彼は、登場した時から私の中で死が決まっていたのです(笑)ρ(。 。、 )くすんっ。
そしてまだ終わりませんよ~w裏切り者はもう1人いるでしょ?……そう、果たしてノアールは生き残るのか?皆さん、是非、次回も見ていただけると嬉しいです(^^♪
現在サクスペで石をコツコツ貯めていっています(´。・ェ・)
理由はそう!皆さんの想像通り、配信1500日がもう目の前に近づいているからです!
きっと何かしらの大きなガチャが来るはず…まぁあの運営がそこまでウマいガチャを用意するかは分からぬがwでも、もしも良いガチャなら引かないとまずいですからね!(^^)!因みに現在の石は、かなり減った所から持ち直して1800ほどです♪来週の終わりぐらいには1500日きそうだし、それまでに2千個は貯めたいものですね♪
 




