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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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77 助け舟

クリックありがとうございます(^^♪生まれてこのかた、募金はおろかボランティア1つしたことがないで有名、ひとりぼっちの桜ですw 

いや!皆さん、そんな目で私を見ないでください!(>△<)!皆さんだって、私がボランティアや募金活動をしていたら『何か変な物でも食べたの?』『何処かで頭打った?』『病院行きましょ?ね?』って言うでしょ( 』゜Д゜)!?



さて、今回のお話ですがアップしようかと思ったら17ページだったので、半分に別ける事にしましたw

流石に原稿用紙17ページはアレでしょw

もう完成してるので次回のアップも早い……かも?(笑)

では今回のお話もどうぞお楽しみ下さいませ~



「お待ちくださいませませ」

「…何だ、貴様」

「ウィノでございます」


 仮面を取り、落ち着きのある丸眼鏡を押し上げながらウィノはマリアンヌの前で足を折る。

 マリアンヌの見下ろす視線は恐ろしいほど鋭く冷たい。


「そう。今、お前なんか呼んでないけど?」


 高圧的にそう言ってくるマリアンヌに、ウィノは焦る事無く深々と頭を下げ物腰柔らかく「ここは建設的な議論をしましょう」と前置きをした。


「確かに今回、彼が行なった行動は実に愚かです。それに対して私がマリアンヌ様に何か言うつもりなどまったくございません。ただ、1つだけ考えていただきたい。彼は性格には少々難がありますが、戦闘能力には目をみはるものがあります」

「………」

「昨日もご覧になったかと思いますが、彼の握力は異常です。彼は数多くの強者をその尋常ならざる握力でほふってまいりました、そしてその人並みはずれた握力はボスすらも凌駕し、その実力はカラス内の実力でも上位に位置します」

「で?」

「実に簡単なお話です。彼は今、殺すには惜しい存在かと思います」

「………」


 なぜウィノという男はこのような提言をマリアンヌにしたのか?

 かたわらには昨夜、絶対的な力を全員に示したカーナが目を光らせ控えているというのに。


 命が惜しくはないのか?


 正直なところ、ウィノは命が惜しかったし、このペリモンという男を個人的には助けたいとも思ってはいなかった。

 でもそれでも行動を起こした。

 理由は1つ。

 自分の為。


 いや、自分達の為。

 この圧倒的な握力を得る為。


 そして付け加えるなら、彼には成功体験があったから。

 前回、カイルがカーナに殺されかけた時それを救った体験。

 それがあったからこそ、彼は動くことを決めた。


 ウィノはレンズの奥の瞳を細めると、続けざまに口を開いた。


「今回の彼の愚行、許してみてはいかがでしょうか?」


 以前の交渉相手、カーナにはこう言って丸め込んだ。

 カーナへは「マリアンヌの利益になる人間を独断で殺してしまっていいのか?」そう問いかけた。

 結果カイルは生きた。

 その後も特にこれといって音沙汰おとさたが無かったことを考えると、おそらく、報告を聞いたマリアンヌがカーナに「殺すな」と命じたのだろう。


 つまりウィノは間接的とはいえ、一度マリアンヌへの交渉を成功させている。

 特にウィノは昨夜の一件から更にマリアンヌの頭脳を買っている。

 そしてその頭の良さを正確に理解していた。

 ウィノが出した結論は。


【マリアンヌという人間は、自分に有益な人間を簡単には殺さない】


 というもの。


 故に今、必要なのは、抜いたほこを収める、マリアンヌが納得する折中案せっちゅうあんを提言すること。


「ペリモンを殺す事での利益と、ペリモンが死んだ事での損失が噛み合いません」


 しかしウィノはマリアンヌの性格を正確には理解していなかった。


 見誤っていたのだ。

 マリアンヌという人間の本質を、


「彼も今回の一件で心から反省したでしょうし」


 時に彼女は…


「どうでしょう? ここはマリアンヌ様の寛容かんようさを、ここに居る全員に見せてみるのが一番良い行動だと具申いたします」


 損得勘定という理性よりも…


いては事を仕損しそんずるとも言いますし」


 今、自分が不愉快だ。という感情を優先させる…


「それに、彼を生かしておけば今後マリアンヌ様にとって」


 暴君であることを…


「うん。で?」


「え?」


「で?」


 ウィノは「何だ、この隅々まで見透かされているようなプレッシャーは?息が…」と思いながらも頭の中で言葉をめぐらす。


 マリアンヌが喜びそうな提言を。

 マリアンヌが納得しそうな進言を。


 でも


 上手く口が動かせなかった。


「あの…ですから」

「で?」


 その間も微笑を崩さないマリアンヌ。

 だが、、


 空気がきしみ始めていた。

 と、同時にマリアンヌの苛立ちは最高潮に達していた。

 怒り、憎しみ、いきどおり、全てが限界を超えた。


 気がつけば、あれほど五月蝿かったセミすら口を噤むほどに。


 そしてマリアンヌの声色が完全に変わった。


「言いたいことがあるならはっきり言え」

「マリアンヌ様にとって、あの…何が有意義であるかという提言を」

「ふ~~ん、提言?提言?へ~~懇切丁寧な提言ありがとう♪で、ウィノ君、君は結局”何が”言いたいの?」


 その心臓を射抜くような視線に、ウィノを含めてその場にいた全員の身体がビクりと跳ねた。

 そしてピリピリとした空気が全員の背筋を走りぬける。

 息をするだけで身体が重くなるような。


「いえ、あの…ですね」


 そこに居たのは歴然とした王者。

 悪魔的な高貴さを持ち合わせた王。

 今しがたまでのワガママお姫様はどこへやら。

 まるで別人。


 纏う空気は次代を担う覇者のそれ。

 この広く広がるプルートの大地を支配する絶対的な王者、

 いや、でも、こんなものは王者ではないのかもしれない。


 そう…これはまるで。


 魔王の立ち姿であった。


 マリアンヌは圧倒的な格の違い見せ付けるように言った。


「回りくどく言葉をろうするのが好きなようだが、まさかと思うけど、お前はわれに意見がしたいのか?」


 ウィノを含めた全員の背にも嫌な汗がにじむ。


 この人間に反論してはいけない。

 歯向かってはいけない。

 足を折ってひざまずかないといけない。

 従うしかない。


 いや、従うべき。


 全員の共通本能がそう言っている。


 息をすることすらはばかられる空間とまで化した場所で、まるで悪い魔法をかけられたかのようにめまいを覚えながらウィノは立ち尽くす。

 と、同時にウィノ脳内に走馬灯のような形で、あの日のランの言葉が蘇る。

 2人しかいない空間。

 ランはウィノに向かって言った。


”気をつけなさい、あの女は急に雰囲気がガラッと変わり、悪魔が乗り移る”


 という言葉を。


 やがて、そんな悪魔はウィノの耳元でささやいた。


「ウィノ~?聞こえているのか?」

「ウィノ、早く答えなさい!それに恐れ多くもマリアンヌ様に口答えなんて」

「カーナ五月蝿い!!今、われはウィノと喋っている!口を挟むな!殺されたいのか!」

「も、申し訳ございません!マリアンヌ様!」

「ハァ~~苛立つな。ほんとさ…。あ~すまないね、ウィノ、耳ともで大きな声を出して。で、そろそろ教えてくれる?」


 ウィノは決めた。

 そう、あの握力だけが異常な男を諦めることを。

 首を横にする事に。


「いえいえ、私はマリアンヌ様に意見などしておりません。するわけもございません。ただ”そういった考えもある”と提言、いえ、戯れ言を申したにすぎません。そもそも私如きがマリアンヌ様に意見などありえません。どうぞ忘れて頂いて結構かと思われますます」


 この時、ウィノは完全にペリモンを見捨てた。


 このペリモンという男の命はここまでだ。

 助けることは出来ない。


「そう?もういいの?」

「はい、それでは私は下がりますます」

「うん。あ、ちょっと待って、お前に1つだけ言いたい事があるのだけど」

「はいはい。なんでございましょう?」

「昨日も言ったけど、カーナと違ってわれは君の事はある程度評価しているが、次からわれの性格を読んで喋るようなさっきのようなマネは事はやめろ。飼い犬に手を噛まれているようで、不愉快という感情を覚えずにはおれぬ」


 その言葉にウィノの目は見開く。


「っ!?」


 こちらの考えを読まれた!?

 あの少ない会話だけで!?

 この女はどこまで知っている!?

 どこまで見抜いている!?


 いや、、いやいやいや、冷静になるんだ私。

 ええ、冷静になるのです私。


 流石にたったあれだけの会話で、こちらに含みがあることまでは知られているとは思えない。

 おそらくだが、考えながら喋っていた私の表情で判断したというところだろう。

 鎌をかけているだけ。


 だけ。


 だけだろうが…

 おそろしい女だ。


 まるで”本当に”こちらの心を見透かされているような感覚におちいる。


 何にしてもこの場に長く留まるのは悪手。

 これ以上、この女の前にいるのは危険。

 離れましょう。


「……はい、申し訳ございませんでした」

「分かればよろしい。下がってよいぞ」

「は」


 ウィノは一礼をするとそそくさと離れていった。

 その背中を絶望的に見送るペリモン。

 彼にとってウィノの背中は最後通告を意味していた。


「さて、くだらない話で邪魔が入って申し訳なかったな、そして君への沙汰だが…、ペリモン、君に人的価値は既に無い。故に…」


 そしてマリアンヌはそっと両手の指を合わせた。


「命令だ、すみやかに自決じけつしろ」



閲覧ありがとうございましたm(_ _ )m

また次回お会いしましょう(^_^)/~




以前、私が前書きで「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」面白いよ~♪って言ったと思うのですが、実は今再放送で深夜やっているんですね。

それで是非皆さんにもう一度オススメせねばと使命感に駆り立てられた私は今パソコンをうっていますw (」゜O゜)」お───!!


では詳しく説明しましょう(。╹ω╹。)


今、私の地域では今週9話が放送予定なのですが、次回ヴァイオレット・エヴァーガーデンでも神回と呼ばれる10話が放送されるのです。

皆さん来週の10話は内容はネタバレになるので語りませんが、ヤバイですよ……泣くよ。もうハンカチが手放せないレベルで泣くよ。・゜・(ノД`)・゜・。

心が凍っていると言われ続けている私でも泣くのです、皆さんならバケツ2杯は泣くと思うですw

私、2度目の視聴になるわけだけど、今から涙腺が……(;´Д⊂)


って事で、お住まいの地域でもしも来週の10話が観られるようなら是非とも観て見てね♪

ほんと…すごいから。。

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― 新着の感想 ―
[一言] 流石は、マリアンヌ様。ウィノの浅はかな思考を読んでたね。何事においても自分本意なマリアンヌ様は、正直カーナ以外はそこまで思い入れが無いんじゃないのかな。 カーナは信者だから裏切らないし、一番…
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