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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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63 2つの陣営と2つの思惑

クリックありがとうございます!(^^)!そして明けましておめでとうございます( ^^) _旦~~。年末にアップしようと思ったんだけど、書いている内容に納得いかなくて全部書き直したひとりぼっちの桜ですw


ごめんね~((+_+))「よいお年を~」って言いたかったんだけど、どうしても納得いかなかったのですよ( ;∀;)でもね!そのおかげで納得できる内容になったと思っています♪

初見の方がこのお話から見ることは無いのは、もう知っていますがwそれでも、もし初見の人がここから見た場合「へ~この作者ってこういう書き方好きなんだ~」って思っていただける、私っぽい書き方に出来ているので、皆さんどうぞ今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♬


えっ?文字数ですか?

いや、たいしたことないですよwほんの原稿用紙16ページ、8千文字ぐらいだからw

             ×   マリアンヌ陣営    ×



 草木も眠る丑三つ時。

 心地よく揺れ動く馬車の車内、身体が不規則にグラグラと揺すられた。


「マリアンヌ様、マリアンヌ様」

「うぇ?」


 手で目蓋まぶたこすりながらマリアンヌは目蓋を開ける。

 そしてまだ眠そうな顔で


「ふぁああ、あ?着いた?」

「はい、最近この辺りで出回っている地図には記載されてはいませんが、殺して山に捨てた山賊の話によると、この先に奴らのアジトがあるはずです」

「そっか…今、何時?」

「深夜3時30分です」


 夏とはいえ、まだこの時間だと暗い。

 窓の外を眺めると、まだ真っ暗であった。


 もう一眠りしたい。


「マリアンヌ様、もう起きないと」

「分かってる、分かってる」


 口ではそう言うものの、腰を上げる気が起こらない。

 身体が重い。

 岩が身体に乗っかっているようだ。

 2時間なんて中途半端な時間、寝るんじゃなかった。

 2時間前の自分に言いたい「寝るな」と。


「眠いよぉ、ツライよぉ」

「マリアンヌ様は何か飲み物でも飲みますか?」

「何あるの?」

「え~と、今用意できるものは…」


 ――コンコン


 カーナが荷物をゴソゴソとあさっていると、走行中の馬車の扉が叩かれた。

 ピタリと動きを止めるカーナ。

 手を止め、鋭い視線は扉に向けられる。


「誰ですか?」


 すると扉の外から暗く掠れた声が返ってきた。


「ホリーでス。ボス」

「ああ、ホリーですか。マリアンヌ様、少々お待ちください」

「ん?ああ」


 名を聞き、気さくに扉に近づいていくカーナ。

 そして少し扉を開け外にいる人物と話すと、一度扉を閉めた後、再びこちらにやって来た。


「マリアンヌ様、カラスからの報告なのですが」


 お前らにとってさ、走行中の馬車を移動するのってマストなの?

 馬車を停止されてから移動っていう発想は無いわけ?


「なに?」

「前方、少し行った所に物見やぐららしき存在を2つ確認しました。灯りが見えることから敵がいるようですが」


 物見やぐら…か。

 大規模な山賊のアジトであれば、まぁ当然あるであろう品物かな。


「いかが対処致しましょうか?」


 その言葉にマリアンヌは悩む事無く即答した。


「いかがするも何も、許されざる行為だ。 われの上に人など存在してはならぬ、ましてやわれを見下すなど万死に値する。即刻破壊しろ」

「了解しました。では早急にカイル、ペリモンにやらせます」

「うむ」



           ×     山賊陣営      ×



 陽気な歌声や楽しそうな声が聞こえてくる。


 そこは周囲が石壁で取り囲まれた町のようになっていた。

 いくつもの建物が立ち並び、食材や武器、様々なものを売る店のような建物すらある。

 まるで小さな集落。

 ここが山奥とはとても思えない。


「三猿にカンパーイ!!」


 そこで行なわれているのは山賊たちの大宴会。


「「「カンパーイ!!」」」


 積まれた酒や豪華な食事、飲んで騒いで、ドンチャン騒ぎ。

 これが三猿という山賊たちのアジト。


「「「三猿の栄光に!!!」」」


 しかし、最初は何も無かった。

 そこから兄弟三人で財を積み上げた結果がこれ。

 数え切れない町や業者を襲って得た成果。

 山賊業の栄華を極めたと言ってもいいだろう。


「ガッハッハ!」

「おい!次はお前一発芸しろ!」

「ええ~、俺さっきもやったし勘弁してくださいよ」


 広場中央、いくつもの木々を組み合わせることで天高くまで火が昇る。

 そのき火を取り囲むように山賊たちは毎晩、夜遅くまで繰り広げられる宴会騒ぎ。

 決して油断ではなく、自分達の山賊の力を信じているからの馬鹿騒ぎ。

 腕自慢の山賊たちは既に周辺諸国の討伐隊程度では太刀打ち出来ないほどの規模と力を有していた。

 だからこそ、これは油断ではなく揺ぎ無い自信なのだ。


「わかったよ。じゃあ後1回全員がやったら終わりにしてやるよ」

「最初に誰がやるんだ?手ぇ~挙げろ!」

「へい!俺がしまーす」


 時間を考えればそろそろお開きかと思っていた。

 そんな時だった。


 遠くから建物が崩れ落ちるような音が地響きと共に聞こえたのは。

 それも2つ。


 まるで雷でも落ちたような音だった。


「っ!?」

「うわっ!?」

「えっ!?」


 山賊たちは音をした方を見る。

 しかし見えるのは石の壁のみ。

 当然だ、この強固な石の防壁がある以上、見えるものは壁以外ありえない。

 簡単に乗り越えられるぐらいの壁の高さなら防壁の意味を持たない。


 だが…


”何だ、今の音?”


 いくつもの修羅場を潜り抜けてきた猛者たちが集う山賊のアジトでも聞いた事の無いほどの爆音。

 皆、焦って音の正体を確かめるように口走っている。

 だがそんな中、1人だけ鋭い眼光で違う言葉を吐いた人物がいた。


「獣が来るな」


 ドスの利いた声。

 それを口にしたのは、焚き火から見てもっとも上座、自身で狩った凶暴な魔獣の毛皮で出来た絨毯の上に鎮座している男であった。


 ワークスたちと同じ猿顔。

 彼こそ、この三猿の首領。


「獣?」


 首領の周りに居た屈強な男達は三猿の幹部。

 その幹部の男達は首領に対して胡乱うろんな目を向ける。

 そして言う。


「首領、この辺りには魔獣はいませんぜ」

「そうですぜ。もう酔いが回っちまったんですかい?」

「ハッハッハ、大方イノシシが木にでも当たったんですよ」


「…………」


 それから少しして


「首領!敵襲です!!」


 カラス達から逃げ延びた男は大声を上げてやぐらから帰ってきたのだ。



            ×  マリアンヌ陣営   ×



 無残に崩れ落ちた物見やぐらと死体たちを横目に静かに止まる馬車。

 その馬車は先行してやぐらを落とした馬車よりも豪華な造り、乗っているのはもちろん。


「マリアンヌ様のご指示の通り、1人わざと逃がしました」


 するといつものメイド服から、黒く動きやすい戦闘用に着替えたカーナは言った。

 マリアンヌは肘掛に置いた手を躍らせる。


「そう」

「今、それをリックスが追っています」


 リックス?

 リックス?

 ……ああ、あのナイフを投げる、ずっと喋っていたやつか。


「おい、カーナ。あいつで大丈夫なのか?」

「はい、彼の潜伏能力と身のこなしならば、まず撒かれる、気付かれるということは無いかと思います。これでマリアンヌ様のお望みの通り、奴らのあなぐらまでの詳細な道も余す事無く知ることが出来るかと」

「それは素晴らしいね、案内役の男がどっかに飛んで行っちゃったからね♪」

「はい。ではリックスが帰ってき次第、出発としてもよろしいでしょうか」

「ああ、それでよい。ゆっくり正面玄関から行こうではないか。その方が奴らも我らを迎え撃つ準備が出来てよかろう」



              ×   山賊陣営   ×



「首領!敵襲です!!」


 裏道の1つから血相を変えて走ってきた男。

 その男は最近山賊に入った新米の男であり、やぐらで敵の襲来を知らせるのが仕事の男であった。


 ぜぇぜぇと息を切らしながらも彼はもう一度言った。


「敵が攻めてきました!」


 場が驚きに包まれる。

 山賊たちは久しく聞いていない言葉であった。

 自分達が攻める事はあっても逆は無い。

 そう信じきっていた。


「え、うそだろ?」

「なんかの冗談じゃ」


 そんなセリフも出てくるほど。

 だが、1人だけ突然の知らせにもあせる素振り1つ見せない人物がいた。

 それはもちろん首領の男。


「へ~、そうか」


 首領の男はそのまま飲んでいた酒を胃にかっ込む。


「俺達にケンカをふっかけてきやがったか」


 一方、幹部の男達は知らせを伝えに来た男に詰め寄る。


「お前、最近入って来た新人だよな?なんでお前だけがここに来てんだ?」

「そうだ、まず2つのやぐらから火矢で迎撃しろって言ってんだろ?逃げてきてんじゃねーよ。まだ仲間は戦ってんだろ?まったく、これだから新人は」

「それが…その…、物見やぐらは2つ全て落とされました。味方も全員、たぶん死にました」


 それを聞いた首領の周りにいる幹部の男達、プライドがさわったらしく、顔は怒りにしかめられる。


「ああ~?何、寝ぼけた事言ってんだよ?1つのやぐらに重装備の奴らを10人は控えてんだぞ。簡単に負けるわけ」

「負けたんです!全員!」

「……例えそれが本当だとして。本当なら、それこそお前、舐めてんのか?やぐら落とされて、仲間皆殺しにされて、それを見ておめおめと逃げ帰ってきやがったのか?自分の命惜しさによ!」

「それは…その」


 幹部の男達は次々に威圧的に言葉を発する。


「でも、仕方なくて」

「てめぇ!ふざけ―」


 と、尚も食い下がってきかけた男達の言葉を首領の男が制した。


「構わねぇよ。お前ら黙ってろ」


 いかつい猿顔。

 野性味溢れる肉体。

 仕留めるのが困難な魔物の毛皮は己の実力を顕示するかのごとく。

 まさに強者足りえる男は、膝元に置いてある1本の剣、魔道具を携えて言った。


「フフフ、最近暇だったから楽しいじゃねぇか。で、敵の数は?」

「暗闇でよくは分かりませんでしたが、でかい馬車でそいつらは来ました。でもやぐらを落としたのは1人です」

「1人!?」


 山賊全員の口が驚愕の形となる。


「1人でやぐらを2つ潰して全員皆殺しにしたのか?」

「いえ、それは違います。まず、遠くに馬車が止まりました、そしてこちらのやぐらに近づいてきたのは1人。太った男…いや不気味な仮面やローブで男か女か分からないですが、たぶん男です。そいつはやぐらの足元まで近づいてくると、おもむろにやぐらの足場を握りつぶしていったんです。まるで…そう、豆腐でも握りつぶすように」


 にわかに信じられないような報告。

 まるで夢物語のような報告だった。

 しかし、その必死に逃げてきた手下の男の形相は、とても嘘を付いているようには見えなかった。


 幹部の1人は聞いた。


「お前ら上から矢を撃たなかったのか?」

「もちろん撃ちました。でもそいつは…当たらないんです。どれだけ撃っても、暗闇で仮面をつけて視界も悪いはずなのに、避けて、避けて、当たらないんです! なぜ俺だけ生きてここに帰ってこれたかは分からない、分からないんです。でも今でも悪寒が止まりません。あの手、あれに掴まれたら、、掴まれたら」


 あの轟くような音の正体を聞いて、ゴクリと生唾を飲み込む山賊たち。

 でも猿顔の男は、予期せず訪れた強敵に胸を躍らせる。


「そうか、凄い力でやぐらを素手で落とす、しかも1人で。フフフ、そんな奴らか」



            ×   マリアンヌ陣営    ×



 ――約30分後。


「マリアンヌ様、どうやらリックスが帰還したようなので、少し失礼致します」

「うむ」


 まだ抜け切れぬ睡魔。

 するとハスキーな男の声が扉の外から聞こえてきた。


「ボス、そんなに怒ったらせっかくのべっぴんさんが台無しですよ」

「あなたはカイルとは別の意味で私をイラつかせますね。リックス、必要な事だけ口にしなさい」


 仮面の下、苦笑を浮かべながらリックスは首をすくめる。


「口が勝手に動いたんですよ」

「次、いらない言葉を言ったら殺しますよ」

「了解了解、了~解」


 あいつ、部下に対して二言目には”殺す”って単語を使うな。

 もしかして、あいつにって殺すとは”おはよう”とか”こんにちは”ぐらいのフランクな意味合いがあるのかも。


 などとマリアンヌが考察していると、カーナが帰ってきた。


「マリアンヌ様、リックスの報告によると、これから先は馬車での移動が困難となりますので。恐れ多いのですが」

「うむ、分かった」


 仕方ないか、これも予想の範囲内。

 山賊業が軌道に乗れば乗るほど、本国から討伐隊が差し向けられる可能性も高くなる。ならば、それを打ち返すために自然の防壁を利用したいというのは理に適っている。


「さて、では庭掃除に行こうかね」

「はい、マリアンヌ様、どこまでもお供いたします」



              ×   山賊陣営   ×



 慌しく動き回る山賊たち。

 その山賊たちに命令をしているのはもちろん三猿の首領たる、猿顔の男。


「おい、お前ら寝てる奴も全員叩き起こせ。敵は岩肌を上って来るだろうから、岩の上にも弓兵を控えさせとけ」

「へい!抜かりなく!」

「女、子供は邪魔だから背後の物置にでも入れとけ」

「へい!」

「あと…」


 首領の男の視線が奥の武器庫の方に向く。


「念のため”アレ”も用意しとけ」


 アレ、という言葉に幹部の1人は目を丸くした。


「アレって、アレですか!?でもアレは、もし討伐軍が来た時用に使うからって」

「だから用意しろ」


 元々、弟であるワークスが「必要だ」と言って購入を断行した一品。

 慎重な弟以外は必要ないと言った品物。

 当時、ワークスは言った「俺達が大きくなればなるほど脅威となる敵もでかくなる。兄貴、絶対必要だ」と。


 それが必要になったッという事は…。


 幹部達は黙る。

 まさか、今から来るのは。


「首領、まさか」

「ああ、遂に来たようだな」


 ここまで大きくなった俺達に夜中とはいえ正面からケンカをうってくる奴ら。どこかの国の討伐対である可能性が高い。

 驚異的な力、魔道具を持っている可能性すらある。


 信頼している弟2人が居ないのは戦力的に不安が残るが、自分には魔道具があり、何より危機的状況を何度も乗り越えてきた絶対的な力がある。

 それに背後にはアレがあるなら不安は無い。

 たとえ魔道具持ちが来ようが蹴散らせるだろう。


「準備は万端だ」



            ×   マリアンヌ陣営   ×



 馬車を降りてからマリアンヌたちは人気の無い山道を長らく進んだ。


「おい!もっと綺麗な道は無いのか!足が痛いぞ!」

「リックス!マリアンヌ様がこうおっしゃってるんですよ!補そうされた道は無いんですか!」

「まぁまぁ、そう言わずに。もうちょっとなんで、サクッと行きましょう」

「ヒールでこんな山道無理だろうが!常識を考えろよ!」

「なんでそんなん履いてくんだよ」

「ああ?お前、何か言ったか?」

「いえ!俺は何も言ってないであります!」

「カーナ、背負って。もうこれ以上無理」

「はい、喜んで」


 すると、やがて道は拓け見晴らしのいい場所に出る。

 だがそう思ったのもつかの間、直に現れたのは一面に広がる岩肌。

 タイマツの灯りで照らされた岩壁は険しい傾斜で登る気を失わせる。


「リックス、これはどういう」

「ちょっと待ってくださいね~」


 案内役のカラスは、その簡単には登れなさそうな岩壁を見上げ。


「この辺りですよ」


 その言葉と共に岩肌を回り込むようにして歩いた先に、人1人が通れるほどの抜け穴があった。


「ここです、ここ♪ ここを通った先に敵のアジトがありますよ」

「えっ、ここ?」

「ここっす」


 言われて薄汚い洞穴を覗き込むマリアンヌ。

 目を細める。

 そして少し犬のようにうなったあと


「ええ~ここ通るの?汚れるではないか~」

「リックス!本当にここしか無いんでしょうね!他に道あるんじゃないんですか!」

「いや~あるかもしんないけど、俺には分かんないっすよ。だって逃がしたあいつはここを通ったって話をしてるだけですから」

「本当でしょうね!?」

「ここで嘘付く意味ありますかね?てか」


 リックスは高くそびえる岩肌をポンポンと叩く。


「この岩肌を上るより何倍もマシだと思うんですがね?この抜け穴は罠も無かったし、ここを通るのがベスト」

「ぬぅ、、マリアンヌ様…大変申し訳ないのですが」


 マリアンヌは盛大な溜め息を吐いた。


「分かったよ。通るよ、通ればいいんだろ。仕方ないな、今回だけだぞ。だがもしも少しでもドレスが汚れたら許さんからな」

「リックス、マリアンヌ様のお召し物が汚れたらあなた殺しますからね」

「わーい、忠実に任務を果たした部下に対して頂ける労いが、理不尽な罰。俺は本当に良い上官を持ったな~最高だな」

「おい、リックス。これ俺入んねぇんじゃねぇか?」

「俺様もだな、これ」


 そう口にしたカラスたち、他のカラスよりも一回り大きいガタイ。

 仮面やローブで隠しても、間違いなくカイルとペリモン。

 カイルは身長2メートル越えで筋肉隆々、ペリモンは背だけなら何とか屈めばいけるかもだが、大きく出た中年太りの腹が厳しい。

 彼らはカラスの仮面の下に作られた不満そうな顔をそのまま声に乗せる。


「おい、俺はどうすんだ?壁壊して進めってのか?」

「俺様も入れねぇぞ。壁を掘り進めってことか?」


 リックスの体格は中肉中背、背丈も成人男性の平均値。

 でも彼は、カイル、ペリモンに臆する事無く軽口を続けた。


「いいか?カイル、ペリモン、良く聞いてくれ」


 両手の手の平を上に、そして肩の辺りまで持っていく。


「知らないよ~。俺が知ってるわけがない。入れないなら岩肌登ったらいいんじゃないかな?お前らなら寝ながらでも登れるだろ?」


 一方、カラスたちの会話も無視して、マリアンヌは穴の前で立ち止まったまま。

 そして、その目やはり今から入る洞穴を覗き込む。


「…………」


 なんか上からポトポト水落ちてる。

 下はぬめってそう。

 四方八方コケがいっぱい。

 奥が真っ暗で何か居そう、まるで暗闇の奥から怪物でも襲ってきそうだ。

 気持ち悪い。

 それに何か臭くないか?

 あっ、今奥からハエみたいのが飛んで来た。

 ………。


「まったく。あ~あ」

「ほらっ!リックス。あ~あ、ですよ」

「偶然ですねボス♪俺も、あ~あ、ですよ♪」



             ×    山賊陣営    ×



 迎え撃つ形で正門の前で仁王立ちする首領。


「首領。準備、整いました」

「こちらも整いました」

「アレの準備も万端です」


 石の壁の上には矢を構えたまま待機している部下50人。

 自分の周囲には戦闘に特化した幹部達。

 しかも背後からは圧倒的戦力が控えている。


「負ける気がしねぇな」


 自分の強さは自分自身が良く知っている。

 修羅場の潜った数が違う。

 例え敵が魔道具持ちがいたとしても負ける気はしない。


 首領の男は腕を振り上げた。


「お前ら!!久しぶりの大物だ!!丁重に迎えてやれ!!!」


「「「「オオーーーーーーーー!!!!!!」」」」


「野郎ども!!楽しい時間の始まりだ!!!」


「「「「」オオオーーーーーーー!!!!!」」」


 その時だった。

 背後から仲間の声が聞こえたのは。


「首領!裏道から奴らが来ました!!」

「何だと!?」



             ×   マリアンヌ陣営    ×



「やっと抜けた~」


 暗い岩穴を抜けた。

 マリアンヌの手を引くカーナ。


「お疲れ様です。マリアンヌ様」

「そんな疲れる道じゃないでしょうよ」

「リックス、なんか言いましたか?」

「いいえ!何も!聞き違いじゃないですかね~?それよりも皆さん、どうぞどうぞ、前を見てみてください」


 言われてマリアンヌ達は前を見た。

 前方にはこちらを背にして武器を構え、臨戦態勢にある山賊たちの姿。


 滑稽こっけい


「ハッ、、、フフフフフ」


 マリアンヌは口元を三日月のように歪めた。


「お前達見てみろ、我が庭に蔓延はびこる害虫どもだ。これは駆逐しがいがあるな。殺して殺して皆殺しだ」



閲覧ありがとうございました('ω')ノ

ではまた次回お会いいたしましょう♪(T_T)/~~~




皆さん、またですよ。

また正月にもかかわらず、酷いガチャがサクスペに来たんですよ(。◕ˇдˇ◕。)/

去年も正月ガチャ、70連とか回して最後『バナーキャラPSRが52%で当たります』とかいう訳の分からないガチャが来ましたが、今年は80連回して最後『バナーキャラPSR45%で当たります』が来てね。

こっちは言いたいわけですよ!『なんで正月から80連も回して半分以上の確立でハズレキャラ当てないといけないんだ( ゜Д゜)!バナー確定にしろよ!』って。

で、スルーしようかな~"(-""-)"って考えてんだけど、でもバナーキャラは全員強キャラなんだよね~。


【無敗の魔球 鳴海・モネちゃん・オクタヴィア】


欲しい($・・)/

全員持ってないんだよねw

引こうかな…でも80連は…40連ぐらいなら…う~~~ん('_')悩みは尽きないw

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