60 命をかけた質疑応答(5)
クリックありがとうございます(人''▽`)☆最近買って良かったな~って思ったのは、セキセイの「ドキュメントスタンド アドワン」のひとりぼっちの桜ですw
簡単に言うとA4ファイルがいっぱい入るスタンドなんですけど、これが非常に使いやすく、整理整頓がしやすいんですよね( ^)o(^ )♪因みに私はこの小説の人物などのファイルをこれで見やすくしていますw
値段も千円いかなしい、おススメですよ~
では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~♪
「お前達のアジトはここにあるのだろ?」
笑顔と共に指差された場所にワークス、部下達は息を飲む。
正解だった。
深い森の中、岩岩に囲まれたその場所。
指された場所は間違いなく自分たちのアジトの位置。
顔を蒼白にする山賊たち。
なぜピンポイントでその場所を指差せたのか?
偶然?
いや、そんな偶然はありえない。
アジトの場所を事前に知っていた?
ならあの質問の意図は?
色々な考えで頭がごちゃごちゃになる山賊たち。
考えが纏まらない。
そんな中、マリアンヌの口元に微笑が浮かぶ。
「この場所なら半日あれば着きそうだな~。なっ、お前たち?」
指された場所を確認したカーナ。
大きく頷く。
「はい、マリアンヌ様。おそらくは…え~と、う~んと、そうですね~、、ウィノ、正確にはどれぐらいかかりそうですか?」
「そうですね…おそらく、今から出たとして……明朝3時ぐらいには到着といった所ではないでしょうか」
「マリアンヌ様、3時です」
「別にその中継いらないよ、十分聞こえてるから」
「深夜か…面白くなりそうだぜ、グヘヘ」
「今日は目の回る濃い1日になりそうね」
和気藹々(わきあいあい)と話し合うマリアンヌたち。
それを山賊たちは唖然と見ていた。
だが次第に山賊たちの動悸が早くなり、息苦しさが心臓を締め上げていく。
理由はもちろん…
「君達が嘘をついているのは、首領の持つ魔道具の能力を知らないとほざいた時から知っていた。だから本来だったら全員殺すところだが」
やはり来た。
山賊たちは死を覚悟した。
だがマリアンヌは言った。
「我は慈悲深い」
口元は緩む。
「最初に本当のことを言った人間1名、助けてあげる。アジトの場所は分かっても、道案内ぐらいは欲しいからね」
助けてやる。。
その言葉は1本の糸となって急に山賊たちの目の前に降りていたのだ。
これは全員が感じた共通理解。
つまり、これは冗談ではない。
助かるのだ。
この絶望的な状況から。
「…………」
「…………」
「…………」
今、自分たちの前には一本のクモの糸が垂れ下がっている。
その糸に掴まれるのは1人だけ。
だが掴めば裏切り者の謗りを受けるだろう。
一方、ワークス。
掴むものなどいない。
そう思っていた。
確信していた。
自分達の絆はそんなにやわなものではない、と。
しかしマリアンヌは違っていた。
さっきの山賊たちに言った最後の『本当にアジトまで1ヶ月かかるのか?』という質問に解答しなかった山賊がいた。
その山賊は青い顔をしたまま、ただ黙っていた。
マリアンヌはその黙っていた山賊を見ていた。
そして確信していた。
「お……」
マリアンヌは知っている。
恐怖が人に及ぼす影響を。
マリアンヌは知っていた。
人の本性がどれだけ醜いかを。
マリアンヌは理解している。
人が人をどれだけ簡単に裏切るかを。
「俺が道案内をする!さっきは嘘を付いていた!許してくれ!知りたがっていた首領の魔道具についても教える!だから俺を助けてくれ!」
マリアンヌはその山賊の1人がそう言うであろうことを分かっていたのだろう。
すぐにこう付け加えた。
「よし!では君だけは助けてあげよう。カーナ、そいつの縄を解け」
「はい、マリアンヌ様」
「さて、ではそろそろ君達には死んでもらおうか」
その一連の流れを唖然と見ていた他の山賊たちであったが、ハッと気付いた。
そしてまるで夢から覚めたかのように次々と口を開く。
「ちょっと待ってくれ!俺の方がそいつよりも上手く道案内できる!俺を助けてくれ!」
「いや!俺の方が道を知ってる!裏道を教える!!」
「俺が一番この中で古株だ!助けるなら俺が一番だ!」
我先にと生にすがり付こうとしてくる山賊たち。
次々と裏切りを表明する声。
おそらく、自分達が死ぬという未来が明確に見えてきたのであろう。
まるで決壊した川であった。
それを見たワークスは強く唇を噛み、憎しみと憎悪を吐いた。
「お前ら!ふざけるな!裏切るつもりか!!俺達兄弟に拾われた恩を忘れやがって!!」
「ふざけてんのはお前だろ!」
「そうだ!俺達はまだ死にたくないんだよ!」
「そもそも、こんな危ない奴らに攻撃しようと決めたのはお前じゃないか!俺達は関係ない!」
「俺達はお前ら兄弟の玩具じゃないんだよ!!」
フフフ、醜いな。
実に醜い争いだ。
今までは慕っていた部下が手の平を返す、そして冷静さを失って怒り狂う上官。
間近で観ていて、心を満たす充実感と、心の奥をくすぐる高揚感。
あ~これこそが人の本性だ。
我が見たかったものだ。
まるで心が顕れるようだよ。
「…き…きさまら」
ワークス君、見通しが甘かったな。
君にとって三猿という山賊は命をかけるに値するものなのだろう。
しかし、それは全員がそう考えているとは限らない。
価値観は人によって千差万別。
君にとっては宝でも、
「兄貴の前でも同じ事を言えるのか!今からこいつらは兄貴の所に行くんだぞ!お前らは裏切り者として兄貴に殺されるぞ!」
「殺されるわけないだろうが!どう考えたって、こいつらの方が強いじゃないか!!」
「そうだ!返り討ちになんてあわねーよ!全滅するのが目に見えてる!」
「勝ち馬に乗って何が悪い!」
他人にはゴミ程度の価値ということはままある。
ではゴミの為に死ねと言われた時、何人がそれを受け入れるか?
軍事国家が脈々(みゃくみゃく)と続くプルートなら”忠義・忠節”という名目で受け入れよう。
だが、寄せ集めの山賊ならどうだろうか?
「もう三猿は皆殺しにされるんだよ!現実を見やがれ!!」
「そうだ!たかが魔道具持ってるだけでこいつらに勝てるなんて馬鹿じゃねぇのか!!」
「見通しが甘い奴に付いていくほど俺達は馬鹿じゃねぇんだよ!!」
自分達のリーダーが群れ全体を守るためとはいえ、自分達の命を助けるのを諦めた。
本来、人間は人よりも自分を優先する。
生物にとって、死は恐ろしく、生という誘惑に勝つのはとても難しい。
ならば、生きる道を各々が模索するは自明の理。
だから彼らが生きるために自分で何とかする、例えそれが裏切るような行為だとしても、つまりこの流れは自然というものなのだよ。
だってさ、目の前には天国から降りてきた1本の糸があるのだから。
掴むよね?そりゃさ。
「お前ら!!」
マリアンヌはこれ見よがしに溜め息をついた。
そして目蓋を閉じ、指でこめかみを押さえるとやれやれと首を振る。
「必死になっているところ悪いが、助けるのは1人だ」
「そんな!」
「俺の方が役にたつ!!」
「くどいぞ。もう一度だけ言ってやる」
マリアンヌは有無も言わせぬ口調で
「2人はい・ら・ん。カーナ殺しておけ」
「はい」
「お待ちくださいマリアンヌ様。是非その役目、このペリモンにお任せください」
「え?あ~」
手を上げたのは太ったカラス。
彼は中年太りの出たお腹に下卑た笑い声。
腹がローブから大きくはみ出している巨漢のカラス。
「どういう事だ?」
「私もマリアンヌ様にいい所を見せたいのです」
任せるといっても、あと殺すだけなんだから別に…。
「構わぬが、時間はそうない」
「ぐへへ、問題ございません。俺なら実に面白くこいつらを殺せます、それも短時間で」
「ほぅ~そうか、ではお前に任せよう。せいぜい面白いものを見せてみよ」
「ありがとうございます。では1人目ぇ~と」
正面から首を鷲掴みにされ、凄まじい握力で締め上げ、引き千切られていく。
周囲から聞こえるカラスたちのクスクスという笑い声。
「やめてくれ!!!」
「頼む!!何でもするから!!!」
絶叫を上げ、目の前で次々と首が引き千切られていく。
その光景を見てマリアンヌは目を丸くする。
「ほぅ~凄い力だな。まるでカニの身を引き抜くように首を引っこ抜いているぞ」
「彼の握力はカラスの中でも群を抜いておりますので」
「へ~カラスには凄い人間がいるんだな、知らなんだ。こいつに任せて正解だったな」
「はい、マリアンヌ様の名采配の結果でございます」
「いやだぁあああ!!!触れるなぁあああ!!」
マリアンヌは悲痛に、恐怖に、叫び狂う山賊たちなど気にする素振りも見せず、声に笑いを滲ませながら、
「なぜ叫ぶ? なぜ死から逃げようとする? お前達は覚悟を決めたのでは無かったのか?フフフ、まぁ~もうどうでもいいけど」
最早、聞く耳を持っていないマリアンヌ。
一度は話は終わったと背を向けたが、何かを思い出したかのように足を止めた。
「ああ…そう言えば、我が何者なのか、まだ名乗っていなかったな。このまま語らずともよいが、それではお前達も三途の川で暇を持て余すだろう」
背後では今、ワークスの首にペリモンの手がかかった所だった。
「我の名前は……」
閲覧ありがとうございました<m(__)m>
ではまた次回お会いあしましょう( ´Д`)ノ~バイバイ
少し前から「この小説家になろうってサイト色々変わってきたな~」とは思っていたんですけど。。
この度、自分の小説欄を見ていて「えっ( ゜Д゜)!?」ってなったんですよ。。
なんかね…【誤字報告受付】っていうのがあったの。しかも私、受け付けないになってて、、「いやいやいや!ナニコレ!?こんなんあったっけ!?」て、思って変更しておいたんですけどw
こんなのあったけ?(。◕ˇдˇ◕。)/私が入院している時にできたのか…それとも元々あったのか?
まぁ、私は運営からのお知らせ見ないから、あった可能性は否めないのですが(笑)
なんにしても知らない間に色々機能が追加されていてビックリしたおww
 




