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59 あの日、マリアンヌは気付いた。

クリックありがとうございます(^^高校時代のことです、英語の授業中、先生が時間が余ったのでクラス全員に心理テストをしたのですが、その結果教室を重たい空気にしてしまったひとりぼっちの桜ですw

あの時は重かったな~w まず先生はこう言いました。「思いのほか時間余ったから心理テストしよか♪」そして最初からそのつもりだったのでは?と思うぐらい颯爽と心理テストの本を取り出すと


『皆の前には100本のバラがあります。しかし、そのバラはいずれ枯れてしまいます。でも冷凍保存したら枯れません。あなたは何本冷凍保存しますか?』


と、言いました。

クラスの皆はそういうのが好きだったんでしょうね(-_-;)皆、口々に本数を言っていきました。そして私の番、先生は言いました「〇〇は何本冷凍保存する?(^^)」私は言いました「0本」

先生も意外だったのでしょう。それもそうです。クラスの人間は大体50~80本ぐらいが多い中、少ない人でも30本。その中、私1人が0と答えたのですから…。先生は答えを言う前に私に問いかけてきました「なんで0本?」私は少し考えた後、こう答えました「僕は冷凍保存することを美しいとは思えないので0本って言いました。確かに冷凍すれば見た目はそのままで綺麗だとは思うんですよ。でも、それは歪っていうか…何か変やと思うんです。形あるものはいずれ朽ちる。それは人間だろうが物だろうが花だろうが一緒、僕は…朽ちていくまでの過程、どんなに美しいバラだろうが蕾から花を咲かせて枯れていく過程を美しいと思うので、無理やり冷凍する事を美しいとは思わないんで0本って言いました」この答えを聞いた先生は一言「なるほど(-ω-`;。)」と言って納得してくれました(笑)

そして回答。先生は皆に向かって言いました「このテストはナルシスト度を測るテストです。バラを冷凍した本数であなたの自分の好きな%が分かります」普通なら盛り上がる所だったのでしょう。でもその時は違いました。その答えを聞いた後、先生はもちろん、教室の皆も黙って私を見ました。そう……私は0本と答えていたからです。

大学で心理学を学んだ身からしたら、心理テストって大体眉唾ものです。でもこのテストだけは当たっていましたねwなぜなら、私は私の全てが………


大嫌いです。


さて!(*´∀`p楽しい心理テスト話も終わった所で、皆さんは何本って答えましたか?100本って答えた人、私には眩しく映っちまうぜw



今回のお話ですが、出来れば読む前にこの章の『36 1ヶ月前(6)』を先にご覧になって頂けると嬉しいです(^J^)♪時間軸的にはシグレに魔道具を与えた後になるのでw

そして今回のお話、いつか書かなくてはと思っていた内容なのですが、ここで入れよう!と思ったので気合を入れて書きましたwどうぞお楽しみくださいませ~♪

まぁその結果ページ数は原稿用紙14ページ越えの7千文字になってしまったのですが(゜_゜i)タラー



「マリアンヌ様、かぬ事をお伺いしますが」

「ん?」

「もはやマリアンヌ様の”魔道具の声が聞こえる”というお言葉、疑うつもりなど全くございません。やはり神は偉大であったと言わざるおえません」

「そりゃ…どうも」


 はぁ? こいつは何が言いたいんだ?

 毎回だが、こいつの前置きは回りくどすぎて本題を掴める気がしない。

 まったく、こっちは眠いというのに。


「で?世辞はいいから本題はなんだ? われは部屋に着き次第、すぐ眠るから着くまでに話を終えろ」

「はい、では僭越せんえつながら」


 シグレは手にしている魔道具、手の平大の馬車の模型を大事に胸に抱えながら問いかける。


「マリアンヌ様が仰られる魔道具の”声”というのはどういう意味ですか? 我々が普段口にしている人間の言語と考えてもよろしいのでしょうか?」

「え?」


 急な話題転換、少しの間を置き、


「いや…それはちょっと違うな」


 過去聞かれた事も無かった質問に少し戸惑うマリアンヌ。

 今までは、その能力の真偽について疑われる事はあっても、詳細を聞いてきた人間など皆無であったから。


 故に、答えに困る。

 更に言葉にするのにも困る。


「正確に言うと雰囲気、、いや、色?いや、、音としょうしたほうがお前には分かりやすいかも知れん」

「音ですか?」


 明らかに首を傾げているシグレ。


「その魔道具から発せられる音で燃費などが分かるのですか?」


 燃費?

 何を言って…?

 あ~、

 そう言えば、さっきその魔道具の燃費が悪いと言ったからか…。


「それは違う、燃費うんぬんは経験測からくるものだ」

「経験則ですか?」


 マリアンヌはそう言うと歩く速度を少し緩めた。

 そしてどうやって説明したものか…、としばし考え込む。


「順序だてて話していこう。その方がお前には分かりやすかろう」


 指を1本上げる。


「まず、我らが魔道具の置かれている宝物庫に入った途端、ザワザワザワザワやかましい騒音が鳴り響いた。われはそれを五月蝿いと感じた」

「あの時、音が鳴っていたんですか!?」

「ああ、、非常~にやかましかった」

「なるほど、だからマリアンヌ様はいらつくと仰ったのですね」

「そういう事、そしてお前に室内を歩き回らせた。あの行動で分かるのは、魔道具たちがお前の事をどう見ているからだ」

「あの時、魔道具たちは私を見てたんですか?」


 いちいち驚くシグレに、うん、と迷い無く頷くマリアンヌ。


「言っておくが、魔道具に目があるのか?なんて下らぬ質問はするなよ。 われだって魔道具に目があるのか、あるなら何処なのか、なんて知らぬのだからな。だが間違いなく見ていた事は我が名を賭けても断言できる、そして魔道具というのは性格が千差万別でな、好き嫌いが多い者もいれば、所有者なんて誰でもいいやなんて考えている者もいる。われが今回お前に与えようと思ったのは前者、好き嫌いが多い者、お前でないといけないと考える魔道具だ」


 まるで魔道具を人のように称するマリアンヌ。


「な、なるほど。つまり私の事を気に入った魔道具、その存在をマリアンヌ様は音で聞こえたのですね」

「いや、その時は音の雰囲気かな。だいたいさ~、好き嫌いの好みなんて言葉じゃなく雰囲気で察するものだろ?」

「え?ああ、はい!そうですね!確かに」


 神のみに分かる感覚の同意を求められても…と、シグレは自身が抱えているもの言わぬ魔道具を見つめながら頷いた。


「なるほど、音の…雰囲気。。なるほど、音、雰囲気」


 音に雰囲気?と更にシグレを悩ませる言葉の数々。

 それを見たマリアンヌ「あ~やっぱり」と、誰にも理解されないと理解しつつ声を重ねていく。


「話を続けるぞ。そしてお前を見て一番喜んでいた魔道具をお前に手渡した。すると更に魔道具は喜んでいた、ここでわれは確信を持った間違いなくシグレなら使えると。だがここでお前が魔道具を使おうとしたら、その魔道具は強い拒絶を発した。なぜかな~?と思ってわれが耳を近づけると拒絶の音は小さくなった。お前を選ぶ魔道具にも関わらず、今使わせないようにする、つまりここでは使うなという魔道具からの言葉と考えた。そして最後に燃費だが…これは何ていうか…やっぱり雰囲気なんだよな」

「音の雰囲気というやつですか?」


 違う、と首を横にマリアンヌは、どうやって伝えればいいのか?と、額に指を押し当てる。


「見た目って言うか、内から発する力強さと言うか、、多くの魔道具を幼少期から見ていると燃費の悪い魔道具はそれだけ強力な事が出来たりする事を気付いたのだ、それで何となく見たら強力な魔道具かは分かるようになっていてな」


 マリアンヌは「まぁ~だからと言って、燃費=魔道具の強さとはならないのが、魔道具の面倒な所だな」と鼻で笑う。


「それで何となく分かったのだ。この魔道具は燃費が悪いと。まぁ、お前も例に漏れず信じられないだろうが、、安心しろ、今までの的中率は100%だから」


 正直、100人の人がいたら100人が「マリアンヌ頭がおかしい」と思う内容であった。

 だが元々狂信者であったこと、しかも特別に魔道具も与えられ、完全にマリアンヌを神と信じきっている今のシグレにはそれすら神の啓示であった。


「なるほど、正直私には分からないことばかりですが、これだけは言えます。まさに神に選ばれた人間だけが持つに相応しい能力というわけですね」

「騒音問題に悩まされ続けるのが神になる条件ならば、われはずっと民草になりたかったよ」

「それこそ人では分からりえない神のみぞ知る悩みでございます」

「フッ、神か…。まぁ、慣れれば気にしないで日々を過ごす事も出来るようになったけどな」


 話が終わったとマリアンヌはパンっと、手を叩いた。


「さて!君の疑問が解消出来た所で、そろそろ眠く」

「マリアンヌ様。今までは、私のような従者がこのような差し出がましい事を言っていいのか悩んでおりましたが、今のお話を聞いて、やはりこれはマリアンヌ様に言っておいた方がいいのでは?という事があるのですが、言ってもよろしいでしょうか?」


 ん?


「え?まだあるの?」

「はい」

「まさか今から本題?」

「はい」


 今までの…前置きだったんだ。


「まぁいいけど、、言ってごらん」

「私のような者がこのような提案を神にするのは大変差し出がましいのですが」

「何を言っているかと思えば、、。 われはお前を大変評価している、今回の魔道具も、その評価有ってこその褒美、ゆえに採用するかは別として提案がどのよなものであろうが発言することを許そう」

「では僭越せんえつながら」

「簡潔に言ってね。もう眠いから、ホントに、マジで」

「はい、もちろん」


 シグレは咳払いを1つ挟む。


「マリアンヌ様のその能力の事なのですが。それは、あまり人に言いらすようなマネはしない方がよいのではないでしょうか」

「え?」


 シグレの言葉にマリアンヌはぽかんとする。

 そして言葉の真意を探るように


「言いらすようなマネはしてないだろうが」


 首を傾げるマリアンヌへ、しかし、すまし顔でシグレは断言した。


「いえ、騎士の中でも結構噂になるぐらいには聞こえ広まっておりましたよ」

「それは…さ、全体の騎士の上澄み部分、つまりお前のような爵位持ちの騎士たち限定の間で広まっていたって事だろ?一般の騎士が知ってるわけ」

「いえ、入隊したての騎士を含め、一般の騎士全員と考えて差し支えないかと」

「えっ、マジで?」

「はい」

「この軍事国家のプルート騎士全員?」

「はい」


 え、そんなに広まってたの?


「べ、別にどうせ誰も信じないだろうが。信じないんだから言っても問題は無い。……因みにだけども、、どんな感じに噂になってたのだ?」

「マリアンヌ様は魔道具が嫌いで、魔道具の声が聞こえると」


 それ完全にヤバイ奴じゃねぇか!!


「それは酷いな」


 今日1でショックな出来事だよ。

 もう早く眠りたい。

 くるまった布団から出たくない。


「実際、私も最初に聞いた時は、魔道具の声が聞こえるというのは比喩表現ひゆひょうげんか何かと思っていましたが、、」


 マリアンヌは落ち込みがてら、重い溜め息をつく。


「で、君はわれの悪評をこれ以上広めるべきでは無いと言いたいわけだな」


 その後すぐムス~とした表情で不機嫌そうに眉間にシワを寄せるマリアンヌ。

 シグレは即座に全力で首を振った。


「いえ!いえいえ!私が言いたいのは悪評がどうこうではなく、有益に使えるのではという事です!」


 ん?どういう事だ?

 この呪われた能力が有益だと?

 睡眠に悩まされ、イラついて殴ってもこちらの手が痛かっただけ、という忌むべき能力が?


 マリアンヌはシグレの言葉に眉を寄せ、黒い口紅が塗られていないプニプニとした桜色の唇に人差し指を当てた。

 そして落ち着いて話すために足を止め、壁に背を預ける。


「続けなさい」


 するとシグレの声が事の重大性を理解させるかのごとく低くなる。


「今、マリアンヌ様は皇族争いの渦中かちゅうにおられます。私からすれば、初代皇帝の生まれ変わりであるマリアンヌ様以外が次期皇帝などありえませんが、それでも皇族争いは苛烈をきわめるかもしれません。そんな中、マリアンヌ様の魔道具の声が聞こえるという選ばれし者しか有さない能力を有効に使えば、、もちろん私如きの頭ではどのようにすればいいかわ分かりませんが、明晰めいせきな頭脳をお持ちのマリアンヌ様ならその能力をうまく活用でき、皇族争いを有利に進めれるのではないかと考える次第です」

「………」

「マリアンヌ様?」

「………」

「あの、マリアンヌ様?」

「ああ、大丈夫、聞いてる」


 マリアンヌにとって、そのシグレの発言は青天の霹靂へきれきであった。

 指先を組み合わせてあごを乗せる。


「だからこそ、この能力の事は」

「あまり触れ回らない方がいいというわけだな?」


 シグレは嬉嬉として首を縦にする。


「はい、その通りでございます!流石はマリアンヌ様!」


 自慢じゃないが、今までどれだけ言っても見せても誰も信じなかった。

 だから魔道具の声が聞こえるという事は疑われすぎて自分自身も、その活用法を考えもしなかった。


 今まで眠気眼だったマリアンヌの瞳に明確な思考が灯り始める。


「なるほど、なるほどな」


 例えば普通に”魔道具の声が聞こえる”などと言うのではなく。

 祭壇さいだんか何かで、祭事さいじと言って祈りを捧げたふりをしてから神々しく”魔道具の声が聞こえた”言えば、シグレやカーナといった者以外でもわれの事を神と思うのではないか?

 これはイコールわれの神話性と繋がる。


 例えば逆に魔道具の声を聞こえるなどと言わずに魔道具の選定をしたとしよう、今回のシグレに選んでやった事と同じ事をする。普通はいくつもの魔道具を試して試しての所が、われなら1発で所有者を選ぶことが出来るだろう。

 それを見た人間はどう思うだろう?

 マリアンヌは見る目がある?いや、それだけじゃない。

 何度も何度も1発で当てていったら、それは最早奇行に有らず、きっと見た人間は母上以上のカリスマ性をわれに見るのではないだろうか?

 つまり、われが母上と同じ英雄のようになれるかもしれないという事か。


 例えば以前カーナと戦った男、名前は忘れたが玉座の間でわれが行なった魔道具の擬音から八百長を推理したあれ。

 冷静に考えて見ると、あれは奴らにしてみたら心がマリアンヌに読まれたと錯覚させれていたのではないか?

 あの程度なら何度でも出来る自信がある。

 幼き頃からつちかってきた観察力、それを駆使すればたあい無い。

 という事はイコール、マリアンヌは人の心が読めると第三者に錯覚させることが出来るだろうよ。


「フフフ」


 即興でこれだけ思いつくのだ。

 出発までの時間で思いつく案はどれだけの数になるのか?


 マリアンヌはギラリと瞳の色を濃くして笑う。


「確かにお前の言う通りだ。というか、、われは馬鹿だな」

「いえ!そんな!マリアンヌ様が馬鹿だなんて事はございません!」

「いや、今世紀最大の大馬鹿者だよ。そしてお前は天才だ、シグレ君」

「いえいえ!私など!」


 謙遜しながらも頭を下げるシグレ。


「私はマリアンヌ様の手足となる、それこそが至上の喜び。この秘密も墓まで持っていく覚悟でございます。決して誰にも公言しないと誓いましょう」


 公明正大こうめいせいだいな誓いを宣言したところ悪いが。。


 それは違うよシグレ。


 この情報は敵に渡ったとしても大したマイナスにはならない。

 むしろプラスにすら働く。

 なぜなら、そもそもシグレの指摘で一番使えると思ったのはブラフに使えるという点だ。


 そもそも大前提として


”マリアンヌが魔道具の声が聞こえる”


 それを聞いた人間どう思う?


 第一声、皆こう言うだろう。


”ありえない”


 と、

 確かに、頭の悪い盲目的な人間なら信じるかもしれない。

 カーナとかな。


 でも普通の人間は信じない。

 狂信者であるシグレすら比喩表現だと思っていたぐらいだからな。


 ならば頭のいい人間なら?


 答えは簡単。


 一蹴するに決まっている。

 そもそも頭のいい人間なら魔道具の声が聞こえるなどといった妄言は信じない。

 魔道具の声が聞こえるなど誰が信じるものか。

 知ってるよ、今までの苦い経験でな!

 あの母上ですら信じなかったぐらいだからな。


 だがそれも、何度も何度も目の前で見せて、結果が伴っていればこう考える人間は出てくるかもしれない。”マリアンヌは何かしらの方法を用いて魔道具、または人の心を見る事が出来る”と。

 そして頭のキレる人間が考える何かしらの方法とは”マリアンヌは魔道具を持っている”となるかもしれない。

 魔道具は1つしか持てない。

 これは絶対。

 そこで例えばわれが他の魔道具を持っていれば、敵の虚を突くことが可能に……いや、魔道具は嫌いだから絶対に持たぬが。

 だがそれでも、頭のいい敵ほど的外れな推理を繰り返すだろう。

 答えの見えない自問自答。

 そもそも第三者に答えなど分かるわけわけがない。

 なぜならわれにだって、なんでこんな特異な体質なのか分からないのだからな。


 それに先ほどのシグレの語ったわれへの噂。

 われが魔道具の位置まで分かるという噂までは広がっていない。

 これは相当にプラス。


 しかもまだ誰にも言っていないこともある。

 魔道具の性格で能力も大体だが分かることもある。

 もちろん、能力の詳細までは分からないが、過去の経験上、攻撃的な性格であれば能力も攻撃系、静かな性格であれば守備的な能力。そういった傾向が強い。

 とか。


 自分の所有者を選ぶ際に、好き嫌いが多い魔道具。

 その方が強力な魔道具が多い。

 とか。


 言っていないこと。

 バレたとしてもマイナスにはならないこと。

 われさえ黙っていれば秘密の露呈がしづらいこと。


 つまりプラス要素しかないんだよ。


 ここまでくれば、バレようが何しようが、われにはマイナスにはならない。

 常にボールはわれが持っている状態なのだから。。


 だがそれをシグレに言ったところで詮無せんなき事か。


「…………」


 マリアンヌは取りつくろうために、適当な言葉を口にする。


「シグレ、君の忠節を信じよう。君ならわれの秘密をカーナと違ってベラベラ喋らなそうだしな」

「勿体無きお言葉、我が忠節、信じて頂きありがとうございます。そのご期待に添えるとお約束いたします」

「うむ」

「後これは興味本位でお聞きするのですが」

「なんだい?今のわれは非常に機嫌が良いので何でも答えてあげようじゃないか♪何ならわれのスリーサイズでも教えてあげよう」

「いえいえ!そんな!滅相も無い!」


 マリアンヌはシグレの心の内を見透かしたように笑う。


「フフフ、冗談だよ。お前はほんとクソ真面目だな。 で、なんだ?」


 今、マリアンヌの頭にはこの”魔道具の声が聞こえる”を、今後どのように利用するかで頭がいっぱいであった。


 今日は眠れそうにない♪と、そんな鼻歌混じりのマリアンヌ。

 シグレは言った。


「なぜマリアンヌ様はそのような有能な能力をお持ちにも関わらず、魔道具がお嫌いなのですか?」


 その時、空気がピタリと停止した。


 ハッとシグレは口をつぐんだ。

 なぜならマリアンヌの瞳は、その時、想像を超える憎しみが宿っていたから。


 シグレは慌てて魔道具を置くと今日の拳を床につけて謝罪する。


「申し訳ございません!私如きがお聞きするには過ぎた事柄でありました!どうぞお忘れください!」


 深々と下げられる頭。

 見下ろすマリアンヌは、空に浮かぶ月を見上げながら口を開いた。


「別に構わぬ」


 そして答えた。


 黒々とした瞳で。

 その奥に、確かな殺意を秘めた瞳で。


「普段は偉そうにグチグチと五月蝿いにも関わらず、いざという時は所有者を守らない、そんなゴミのような魔道具がいるからだよ」


 何の事を言っているのかは分からない。

 まだマリアンヌの部屋に着くまでは少しある。

 しかしシグレはこの後、マリアンヌの部屋に到着して「お休みなさいませ」と口にするまで一切口を開くことが出来なかった。


 それほどその時のマリアンヌの顔は憎しみに…


 いや


 悲しみに耐えているようだった。



            ×               ×



「君達のアジトは、ここだ」


 瞬間、ゴクリという音が聞こえた。

 鳴らしたワークスの喉音は、マリアンヌが指した先が正解である事を物語っていた。


 その指の先には明らかにワークスたちが言った1ヶ月かかる場所ではなく、ここから半日程度で着く場所であった。



閲覧ありがとうございました( *゜∇)/☆

今回のお話も前回、前前回と同じく原稿用紙10ページ越えになっちゃいました(>_<汗)切ればいいだけの話なのですが、そうするとどうしても美しくなくなっちゃうんでw

次回とかは少なめ?wになる予定なので(あくまで予定ですw)ご容赦くださいw

ではまた次回お会いしましょう(^_^)/~




今までパワプロ・サクセススペシャルの運営をボロカスに言ってきた私ですが、この度その考えを改めねばならないかと思っております(-n-;)

なんと!14日連続、毎日10連ガチャ無料!が来たのです!(; ゜ ロ゜)ナン!( ; ロ゜)゜ デス!!( ; ロ)゜ ゜トー!!

正直、最初見たときは我が目を疑いましたよw「あのクソ運営が140連無料!?」ってねw しかも、7日目と最後の14日目はSR以上1枚確定にしてくれてるし……どうしたんだろう?運営陣総入れ替えでもしたのかな?(笑)

何にしても無料でガチャれるのはありがたい♪こちとら年末に向けて石を貯めている時期ですからねw

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