53 カラスは一枚岩にあらず
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いや~久しぶりに懸賞当てましたよ( \・ⅴ・○)♪最近は良い事が全然なかったので、テンションが少し上がりましたwそして1つの真実に気づきましてね。。
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では今回のお話もどうぞお楽しみ下さいませ~
ワークスがカイルの一撃で敗北し、気を失ってから10分ほど。
森は戦闘が始まる前と同じようにセミの鳴き声がするいつもの森に戻っていた。
暗闇に閉ざされた意識の中、ゆっくりと目覚めたワークス。
視界は真っ暗であった。
「…う、ここは?」
どうやら自分は目隠しをされているようだ。
しかも身体が動かせない。
背中に感じる木の幹、ご丁寧に木に縛り付けられている。
それも相当キツく縛られている。
どうしようか。
そう考えようとした、すると少し離れた所にはいくつかの気配があることにワークスは気付いた。
咄嗟、息を潜めるワークス。
視界が塞がれ、身動きは取れず、少し離れた所には敵が複数いる。
この状況を考えると、そっと逃げとおすことは難しいだろう。
寝たふりを続けることこそが一番自分の命を永らえる手段。
だが、それだけをしていても仕方ない。
ワークスはまだぼんやりとした頭で考える。
「………」
なぜ俺は殺されていないんだ?
敵の主戦力であるオケトラという女を殺した事を考えると、すぐに殺されてもおかしくないはずなのに。
それなのに未だ命がある。
なぜ?
そう言えばノアールと名乗った女が言っていたな。
”自分達に仲間意識は無いと”
仲間意識が強い自分達にとっては信じられないことだが、もしも奴らが金持ちに雇われただけの傭兵ならあり得る。
それは味方であると同時に商売敵でもあるわけだから。
でも、それが本当なのだとしても俺を生かしておく特段の理由は無いだろう。
雇い主には俺の首でも持っていけばそれで事足りる。
それにもう1つ不思議な事がある。
”俺はなぜここで縛られている?”
記憶の最後に微かに覚えているのは…巨大な何か。
その”何か”が俺に当たった。
たぶん。
あれが何なのかは分からないが、気を失った俺を殺す事は容易だったはず。
それをしない理由…。
理由…。
”俺から情報を聞きだす”
「それしか考えられないな」
小声でそう呟いたワークス。
視界も塞がれて、縛られて身動きが取れない中、彼は次の行動を起こそうと思案する。
そんな最中だった。
どうしようか考えている最中、陽気な声が聞こえてきた。
「それにしてもオケトラが死んだのは予想外だったな」
おそらく不気味な仮面を被った敵たちだろう。
ワークスは、逃げることがままならないなら、今は情報が少しでも欲しいと考える。
そして今、出来る事といったら耳を澄ませて情報を少しでも得るぐらい。
「………」
寝たフリをしたまま耳を澄ませる。
すると、目が見えないことで鋭敏となった耳が、セミの鳴き声の中に混ざっているいくつもの話し声を拾い始めた。
陽気な声に次に続いた声はとて知的な声。
「確かに確かに、こんな所で1人死ぬとは」
「そうか?仕方ないだろ。あいつは俺達の中で一二を争うぐらい弱かった」
「エロい身体はしてたんだけどな、グヘヘ」
「誰か助けてあげればよかったのに」
「私は助けようとしたわ。でもオケトラが断ったから」
「我々の中死人出ルとは、マリアンヌ様会わセる顔無い」
山賊に襲われているこの場に不釣合いなほど、和やかに交わされる会話。
だがそれはある事実を聞き耳を立てているワークスに悟らせた。
自分達以外の仲間がどうなったのかを。。
おそらく全員死んだか、良くて自分と同じ捕虜。
つまり自分達は完全な敗北したわけだ。
絶望的な状況、だがそれでもワークスには仲間の事よりも、1つ、どうしてもさっきの会話で聞き捨てなら無い事があった。
それは…
”仕方ない、あいつは俺達の中で一二を争うぐらい弱かった”
ワークスは考える。
「………」
こいつらが死んだ仲間というのはおそらく自分が倒したオケトラという女の事だろう。
さっき、やつらの会話にもその名が出てきたから間違いない。
と言う事は。
あの女が弱い?
自分が今しがた命をかけて何とか倒した女が弱かった?
いくつもの死の試練を潜り抜けてやっと倒した敵が弱い?
実力で言えば魔道具を持っている山賊の頭領である兄と同等クラスの実力を持っていたあの女が。
生身であの強さの人間が弱い!?
虚勢か?
だが繰り広げられている会話の声質からはそんな感じはしない。
いや、そもそも戦闘が終了した現在、今更そんな嘘をつく必要ない。
俺が目覚めたと気付いている様子もないし。
………
という事は真実なのか。
あの女は弱かった。
少なくとも”こいつら”にとっては。。
ここでようやく、ワークスは自分たちが襲おうとしていた相手が化け物たちだったと理解した。
「………」
腹の底からやってくる圧倒的なほどの絶望感。
唇を噛み締める。
自分の判断力の無さを恨みながら。
そんな時だった。
「こいつ起きてるぞ」
ワークスの心臓がドクンと跳ねた。
近づいてくるドシドシという足音。
カラスの1人が大きく手の平を開く。
そして身動きが取れないワークスの首を掴み、潰そうと伸びてくる。
「ぐっ!」
「ほんとだ、寝たふりしてたのか、よく気付いたなカイル」
「ふざけテル輩だ」
「寝たふりなんて悪い子でちゅね~」
力が徐々に加えられていく。
5本の強靭な指が首の肉に食い込んでいく。
どう頑張っても逃れることは不可能な力なのは明らかであった。
「ぁァァ」
口から泡を吐き始めたワークス。
カラスの1人が呆れたように首を振る。
「カイルさっきの聞いてた?生け捕り、生きて捕らえる」
「うるせぇな!聞こえてたよ!」
「なら手を放せ」
「早くしないと死んじゃうよ~」
「チッ、ほらよ」
「クハッ!?ハァ、はぁはぁ」
今の一連で目隠しがズレた。
ワークスの目に映ったのは仮面を被った不気味な連中、その数7人。
「さっきも言ったけど、まだ怒ってるの?早く忘れたほうがいいわ。その方が精神衛生上もいいわよ」
「忘れれるわけ無いだろうが!くそが!あの女!!」
「それ、どっちの事を言ってるんの?ボス?それともマリアンヌ様?」
「両方に決まってんだろ!」
「それは聞き捨てナらん。マリアンヌ様へ暴言許サン。そもそもあれ貴公悪い、マリアンヌ様の怒りヲ買った貴公がな」
「んだと!?」
「本当の事だから腹立つ、違うカ?」
「…どうした?ホリー。今日はやけに喋るじゃねーか。汚ぇ口でよ」
売り言葉に買い言葉。
カイルにホリーと呼ばれたカラスは、すると、仮面をゆっくりと上にずらした。
露になった口部分、そして彼は口を大きく開けた。
「カイル」
その口から生えている歯は全て牙のように鋭く尖り、歯並びは凶悪そのもの、まるでノコギリ、刃物、食べ物を租借するというよりも怪物や魔獣が得物を噛み殺す為に特化したような歯であった。
しかも少し薄らいではいるがまだ新鮮な血がベットリと付いている。
「お前ヲ」
彼はドス暗く掠れた声で言った。
「噛み殺スぞ」
「いいね~、その殺意、胸が高鳴るぜ」
そしてカイルはまた仮面を脱ぎ捨てる。
「いい機会じゃねぇか~、マリアンヌマリアンヌうるさいお前とは、一度白黒つけたかったんだよ」
「マリアンヌ様ヲ呼び捨てするナ!!!」
「ホリー、私にはカラス間の殺し合いは禁止って、偉そうに言ってたわよね?」
ホリーは怒気を強めて吼えた。
「マリアンヌ様へノ冒涜死値すル!!今すぐ全員デカイル殺すベきダ!!」
「それを決めるのはあなたではなくマリアンヌ様ではないですか?」
「痴れ者マリアンヌ様御前に晒ス言うカ!!」
「熱くなりすぎだろ?てか、ホリーさっきから恐すぎでしょ」
「ホリー、どうしようが構わないけど。。私は何も知らないよ。見なかった、聞かなかったことにしてね」
「僕も興味ないから勝手にして。ママが来るまであっちにいるよ」
誰もホリーに加担しない。
見て見ぬ振りがカラスたちの基本姿勢である以上は致し方ない。
つまりはホリー1人でカイルに挑む事となる。
「どうした?1人だと恐いのか?ホリー」
ホリーはギリッとその凶悪な刃を鳴らす。
自分の実力はおそらくカラス内で上位5位に入るだろう。
しかしカイルの実力は、カラス内でも間違いなくトップ3に入る。
単独で戦っては勝ちの目は薄い。
だが、だからといって、ここで退く事は出来ない。
なぜならカラス内において。 いや!世界中で一番マリアンヌを忠誠を誓い、敬愛している自分がここで退く事など出来ない。
ここで死んでも本望だ。
ホリーは仮面を外し、戦闘に入ろうとした。
すると予想外の人間が言葉を挟んできた。
「そうだな、ホリー、お前の言う通りだ。カイル、お前が馬鹿なのが悪い」
他の者たち同様、カラスの仮面を被ったそいつは、黒いローブに隠し切れない中年太りの大きな腹を揺らしながら「グヘヘ」と下種に笑う。
怒りの視線のカイル。
「はぁ?ペリモン、今、何て言った?」
「マリアンヌ様を侮辱したお前が悪いつってんだよ、カイル。ホリー、マリアンヌ様が来る前にカイルをぶっ殺すなら、この俺様も手伝ってやるぜ」
カイルはその傷だらけの顔を怒りに歪ませた。
そうじゃなくても、ここ最近はマリアンヌにこけにされて腹が立っているというのに、アンジェラがいた時は自分に従っていた子分のような存在からの明確な反旗。
カイルという人間のプライドに障らないわけがない。
「お前が俺に楯突くってのか!殺されたいようだな!」
「グヘヘ、俺様は正しい者の味方なんだよ」
怒りに身を任せ、ペリモンに近づこうとしたカイル。
だが…。
咄嗟に飛び退く。
太った中年男性のような丸々とした腹を揺らすペリモン、一方筋肉で武装されたカイル。
パッと見、戦闘において、このデブよりカイルの方が上であろう。
それは誰の目にも明らか。
だが、カイルは警戒して飛び退いた。
「どうした?カイル、近づいてこないのか?」
手を開き、いつでもカイルの四肢を掴めるぞとほくそ笑むペリモン。
カイルの視線を向けた先、ペリモンの腰には縄で繋がれた山賊3匹の頭。
その3つ全て、首の骨ごと引き千切られていた。
「俺様を殺すんじゃなかったのか?」
「ふざけた握力が」
「ホリー、マリアンヌ様が来る前に一緒に殺ろうぜ。お前が殺るってんなら協力してやるぜ」
ホリーはペリモンを仮面越しに見る。
ペリモンの実力はカラス内で自分の少し下ぐらいだろう。
戦闘能力としては役不足だが、それでもペリモンにはその戦闘能力を覆すだけの異常な握力がある。
一発逆転の手。
この握力なら、掴まえさえすればその部位は握力で潰される。
それはあの強靭な肉体を持つカイルとて同じ。
それをカイルも分かっているから、ペリモンから飛び退いて距離を取った。
ならば勝ちの目は大いにある。
不忠者をマリアンヌ様に会わせるわけにはいかない。
「俺背後から狙ウ、ペリモンは前カらいけ」
「ぐへへ、了解だ」
もう止める者などいない。
そう思われた時、夏の夕暮れ、カラッとした風に乗って石鹸の香りが漂ってきた。
すぐに反応したカラス。
「おい!皆!マリアンヌ様が来られたぞ!」
瞬間、カイル、ホリー、ペリモンは拳を納めた。
だがその3人、相変わらず目つきは鋭く、殺意は一切納めきれない。
しかし、その殺意をあざ笑うように聴こえてくる鼻歌。
その鼻歌は陽気に踊る。
「いやはや、この時間になると涼しくなるからよいなぁ~。昼の残暑の苦痛が嘘のように気温が落ち、心にも余裕が出来るというものよ」
閲覧ありがとうございましたm(_ _"m)ペコリ
今回のラスト、ちょっとだけマリアンヌが出てきましたね(b'∀♪そして次回からマリアンヌが本格登場です(^^)……でも実は不安があってね、、、入院前から結構たっているので、またあの感じが書けるかちょっと不安wまぁライオネルとモルドレッドの時も、なんやかんやで書けたから大丈夫かな(@^◇^@)と、信じましょう(笑)
ではまた次回お会いしましょう(≧▽ ≦)ノ バィバィ!




