51 カラス VS 山賊(5)
クリックありがとうございます(●^o^●)中学2年、帰りのホームルームで担任の女の先生が真剣な話をしている時、思い出し笑いをしてクスクス笑っていた私に「〇〇君、何がおかしいん?私、真剣な話をしてるんやで」と言われて、ドキッ(○゜Д゜)!として「いや、笑ってないですよ。元からこんな顔です(-_-)」って言った所「いや、あんたはそんな顔やない。もっと真面目な顔や」と言われ「お前が俺の何知っとんねん!(*`Д´*)ノノ」って言ったら放課後に職員室に呼び出しくらったひとりぼっちの桜ですw
いやいやいや!ツッコミやんw
基本的に私は年上の方や初対面の方には絶対敬語ですからw
というか、先生、俺の事、全然分かってないやん( ゜Д゜)y
そしてその後、職員室で長々と「あんたは礼儀分かってへん」と言われ「いや!ツッコミやから!━(lll゜д゜lll)━」という言い合いがあったそうな……。
今回のお話ですが、前回に引き続き原稿用紙11ページ超えちゃいましたw
文字数も5千ぐらい…まぁ、3連休ですし、ゆっくり読んでいただければ幸いです(笑)
では今回のお話もどうぞお楽しみくださいませ~
そのまま動かなくなったオケトラ。
それをしっかりと確認して、ワークスは息と共に力を抜いた。
「はぁ!はぁはぁ。。」
震えが止まらず喉がカラカラ、満足に声も出せないワークス。
「はぁはぁ」
ホッとして崩れるようにその場に座り込む。
足が鉛のように重かった。
しばしへたり込み、そのまま大の字になって地面に横たわる。すると日中、太陽の温かさに照らされ続けた地面の温かさが背中に伝わってくきた。
「………」
そして思いを廻らすように空を見上げる。
視線の先には、青々とした葉の隙間から差し込む夕日を介したオレンジ色の光。
彼はポツリと呟いた。
「危なかった、本当に」
1つでも手順を間違えたら殺されていた。
あの増援がオケトラの手伝いに入っていたら…。
今頃、俺は死んでいただろう。
とは言え、、
「まさか慎重なこの俺があの兄と同じような賭けまがいの戦い方をすることになるなんて」
オケトラをあの場所に誘導できなかったら終わり。
オケトラがツタに足を引っ掛けなかったら終わり。
オケトラがすぐ起き上がっていたら終わり。
オケトラにビリビリに破れた自分の上着、これが首を絞めているときに引きちぎれたら終わり。
「我ながら策とは名ばかりの奇跡だな」
ワークスは未だ仲間が窮地であるにも関わらず、少し口角を上げて苦悶の表情で絶命しているオケトラを横目に見る。
もう二度と動く事無いただの肉。
そして笑みを浮かべる。
「勝った、勝ったぞ、、これだけ強い敵に俺が!」
自身の額から大粒の汗が吹き出るのを気付かないぐらい笑った。
アドレナリンが過剰に分泌されている。
でもそれぐらいオケトラという女は強かった。
「アジトに帰ったら兄貴に言ってやろう、いつもバカにしやがって、、俺は兄貴と同じぐらい強い敵に勝ったって言ってやろう、、ハハハハ」
あとそうだ、弟にも言ってやらないと。
今回の捜索では見つからなかったが、あいつの事だ、どうせ部下を連れて近くの街などで遊び歩いているんだろう。
「…………」
ワークスは寝そべったまま腕を天に突き立てる。
兄弟3人で作った山賊、その活動が活発化してからまず命がけとまでの言える戦いは無かった。
だからこそ、今回のこの戦いはこの上ないほどの充実感であった。
「へへ、、ハ…ハハハハ」
そして一頻り笑い、荒い息を整え終えると、ワークスは次の行動をするために脳を切り替えた。
「よし、次だ」
ムクっと起き上がる。
考えるべきは今の状況だ。
「戦った感覚から推察するに、おそらくこの女の実力は不気味なカラスの仮面を付けた奴らの中でも一二を争うぐらいの実力者だろう。でも他の仮面の奴らが著しくオケトラより実力が下とも考えられない、、おそらくだが…多少下って所だろう。。そう考えると俺以外だと間違いなく勝てない」
ならどうするか?
山賊の中でも一番慎重な男であるワークス。
彼の答えは決まっている。
「生き残った奴らを連れて一度兄貴のいるアジトに戻ろう。一ヶ月前に消息を絶ったあいつ等には申し訳ないが、これ以上こんな不気味な奴らとは関わるべきじゃない」
そうときまれば急がなければ。。
正当防衛みたいなものとはいえ、こちらは敵の主力であろう女を1人殺しているのだから。
相手側からしたら相当な痛手であろう。
敵が怒り狂うのは目に見えている。
「よし!あいつらが、このオケトラの死体を見つけて復讐に駆り立てられる前に撤退を」
ワークスは小さな木製の手の平サイズの笛を胸から取り出す。
そして息を吸い込む。
これが鳴る時は無条件の完全撤退を意味する。
独裁的な兄に無理矢理にでも採用させた盗賊団のルール。
大きな集団になればなるほど、攻めるだけではダメだ、いかに窮地を脱する事を考えるかが大事。
実際、このルールのおかげで何度も窮地を潜り抜けることが出来た。
後は息を吐くだけ、そう思ってワークスが笛に口をつけた時であった。
「あ~あ、やっぱり負けちゃったか」
突然耳元で囁かれる女の声。
少し野太い女の声だった。
夕日に照らされた笛がポロリとワークスの手から地面に滑り落ちる。
冷や汗が一気に噴出す。
ゆっくりと視線を動かす。
でも。
そこには誰もいない。
「誰だ!?」
声は相当遠くまで届いただろう。
慎重な彼にとってはあまりに不用意な行動と言わざるおえない。
しかしそれだけ彼がパニックになっていたということだろう。
「誰かいやがるのか!!」
前後左右、必死に見渡す。
が、周囲、振り返った先には誰もいなかった。
「上か!」
やつらは森の動物のように容易に木の上を移動する。
それこそ本物の猿のように。
もしかしたら…。
とは思ったが
「流石に…それは無いよな?」
木の上は深緑美しい葉が揺れているだけ。
ワークスは念のため、もう一度周囲を必死に見渡す、今度は目を皿のようにして。
「いない…よな?気のせいだったのか?」
いや、でもさっき聞いた声は、確かこのオケトラと名乗った女と喋っていた体格のいい。
「んふ♪呼びましてぇ?」
「うわぁ!って、、あれ?」
今、目の前に何かが現れて、即消えて、しかも視界の隅で何かが横切った気がしたのだが…。
やっぱり誰も居ない。
でも確かに気配はある。
あるのだが、、誰も居ない。
もう訳が分からない。
「いない。もう…いったいどういうことだ、意味が分からねぇ」
「んふ♪そんなに驚く事?」
「うわぁああああ!!!」
その場で倒れこみ、尻餅をつくワークス。
目の前にいたのは…
「でも、そんなに驚かれるとショックだわ、私も女なのにね」
新たに現れたデカイ黒い物体。
もちろん敵。
先ほどのオケトラと同じくカラスの仮面を被っている時点で、間違いなく敵。
「…………」
返す言葉も見つからず、尻餅をつきながらもワークスは視線を上げる。
「ンフ♪」
顔はカラスの仮面でやはりまったく分からないが、声からしてやはり女。
でもローブ越しでも分かる、ガタイが自分よりガッシリしている。
本当に女か?
女はそんなワークスの思考を読んでか、少し声を尖らせる。
「女だけど」
「えっ!?」
その反応を見てデカイカラスの女は呟く。
「やっぱり思ってたか」
「お前は…さっきのやつか?」
こんなデカイ女が何人もいるとは思えない。
だが、ほぼ間違いないとはいえ、ローブに仮面、別人ということもあり得る。 だから確証が持てないから問いかけてみる。
すると人をあざ笑うような笑い声が聞こえた。
「ンフ♪ ええ、さきほどはどうも」
既に限界を超えている状態のワークス。
ふらつきながらも立ち上がる。
そして満身創痍でありながらも剣を構えた。
「今度はお前が俺の相手ってわけか」
「ええ、まぁそうなるかしらね?あとさっきのアレなんだけど、、」
「アレ?」
「ンフ♪復讐がどうこうってやつ。アレね、何を勘違いしているのは知らないけれど、私達に仲間意識なんて無いわよ」
「何を言ってる?お前らは仲間なんだろ?俺はお前達の仲間オケトラは殺したぞ」
「ええ、もちろん知ってるわ。そこに転がってるものね、あなた、あの状況から上手くやったわね」
含みのある”上手くやったわね”という言葉に一抹の疑問を持ちながらもワークスは問う。
「じゃあ、、復讐は?」
「何のために?」
「あの強いオケトラを俺は単独で倒した。お前らからしたら主戦力を失ったわけだろ、なら復讐を考えるのが普通だろ。それとも復讐しても死んだ命が蘇るわけではない、みたいな説法を言い出すんじゃないだろうな?そんな不気味な仮面を付けておいて」
色々語っているワークスではあったが、
だがカラスの女はそんな事を聞いちゃいなかった。
なぜなら、そんな事よりもカラスの女が引っかかるに足りえるワードが違う箇所にあったから。
「オケトラが…強い?主戦力?」
仮面越しにこめかみ部分をコンコンと小突く。
「強いね~…ふ~ん、そう、なるほどなるほど♪」
「なんだ?俺が間違って」
「いえ、なんでもないですわ」
そして相手をあざ笑うような笑い声。
「ンフ♪それでは私も気合を入れないとね。”あの”オケトラが負けてしまうほどの相手なのだから」
「戦闘は避けられないようだな。俺の名前はワークス、お前の名前は…え?」
一瞬だった。
一瞬目を離した次の瞬間、目の前に居たデカイ女。
それがまた消えた。
「な…」
あのガタイの大きさで、さっきからどうやって消えているんだ?
オケトラも速かったから、こいつも…。
いや、あのガタイで速いは無い。
まさか兄貴と同じ魔道具?
それを使っている?
だとしたらマズイ。
魔道具使い相手に、生身で単独はありえない。
そんな事を考えながらも周囲を必死に見渡すワークスに視界から消えたカラスは、ドン!と背後から両肩を掴んだ。
「っ!?」
「私の名前はノアール・ナップ。オケトラよりも弱いから手加減してね。って、わっと」
背後に居るノアールを振り払うように剣を振るワークス。
「グッあ」
既に戦える状態ではないワークス。
激痛が身体全身に通過する。
「ググゥゥ」
激痛に歪む顔、ふらつく身体、剣を持つ手が震えている。
それらを見たノアール。
まるで赤ちゃんをあやすように
「痛そうね、、そうだ!参ったしたら許してあげまちゅよ♪」
「舐めてんのか!」
「そんな事ないでちゅよ♪本当に、その限界をとうに超えているだろうに、それでも剣を構えるあなたの姿勢に、根性に、勇気に、敬意を表しているだけでちゅよ♪ぷぷぷ」
「クソがぁ」
「なんでそんなに怒るんでちゅか?だって少しでも攻撃したら、たぶんあなた死ぬわよ。チョン」
そう言って、一気に距離を詰めてきたノアール。
ワークスの身体にある無数の傷口から、一番傷が深い首部分を指で突く。
激痛が走る。
「カハッぁ!」
「ほら、すぐ蹲っちゃって。かわいいわ。オケトラとの戦いでもう立っているのも限界なんでしょ?」
「そんなわけあるか!お前ぐらい、お前ぐら」
剣を振り上げようとした時、一瞬目眩でグラリと倒れそうになった。
「これしき!」
頭をブンブンと振る、そして歯を食いしばりながら剣を振り上げると。、
「いない」
「こっちこっち♪」
また背後に急に現れるノアール。
しかも、赤ちゃんのハイハイを呼ぶように手を叩く。
「鬼さんこちら手のなる方へ♪」
完全に舐めきっている。
さっきのオケトラよりも酷い。
流石に怒りに支配されそうになるワークスであったが、しかし、今の一連の出来事で、ワークスには1つの仮説が生まれた。
「もしかしたら…」
今、俺は一瞬あいつから目を離した、次の瞬間奴は背後にいた。
俺以上の巨体でどうやっているのかは分からなかったが、さっきの一気に距離を詰めていた脚力があるのなら説明はつく。
こいつは魔道具を使っていない。
ただ異常なまでに巧妙なんだ。
人の死角に入り込むのが。
人間の視野は水平方向なら約100度程度が限界。
つまりそれ以上は見えない死角となる。
こいつはそこに巧妙に入り込んでいる。
「わかったぞ、お前のトリック」
「ンフ♪あなたが魔道具だと思っているこれのこと?ええ、これはタネも仕掛けも無い、ただただあなたの”後ろ”にいるだけ。トリックなんて大袈裟なものでもないわ。オケトラがやっていたものに比べたら安いものでちゅよ」
「くだらない技だ、今たた切ってや…」
また目の前から忽然と消えるノアール。
だがもうネタはあがっている。
今、奴は敵は俺の背後、死角に入り込んでいるんだ。
ならばそこに狙いを定めて剣を、
「こっちよ」
「は?」
「違う違うこっち」
「は?」
「はいはい、鬼さんこちら」
常に背後から声が聞こえる。
視界をグルグルと回すワークス。
しかし視界の端で黒いローブが横切るだけでその巨体はしっかりと捕らえることができない。
セミの鳴き声しか聞こえない森でカラスは笑う。
「本当に焦った人間の心は手に取りやすくて面白いわ。さぁ、素直に謝ることが出来ない悪い子のようだし、そろそろオケトラの仇でも討とうからしら。まぁどうでもいい女だったけど」
その時であった。
森の木々、その1角が「ガサッ!」っと音を立てて開いたのは。
「敵はどこだぁぁぁ!!!!」
「は?」
「へ?」
目を見開く2人。
その視線の先に映ったのは、邪魔な木々をまるで小枝をへし折るように突進してくる巨大なカラス。怒りのオーラを発しながら、憤怒の声と共に拳を振りかぶった姿であった。
「カイル!?」
閲覧ありがとうございましたm(_ _ )m
ではまた次回お会いしましょう♫
大型の台風が近づいてますね…(>_<)
どうやら今回の台風は相当強いらしいので、皆さん気をつけてくださいね)´・ω・))「注意一秒 怪我一生」ですよ(^^♪




