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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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37 出発時刻の理由と思惑

クリックありがとうございますヽ(○´w` ○)ノ。最近急に寒くなってストーブを出したひとりぼっちの桜ですw 寒いのには結構強いほうなので12月ぐらいまでNo暖房器具でいけるかと思ったのですが、急激な気温変化にはついていけませんでした(>_<)皆さんも無理せず、暖房器具は使いましょう~♪


さて今回のお話から遂にマリアンヌの出発になるわけですが、どういう風に描いていくか凄く悩みましてね(*-_-*)なんと言ってもほら、ランたちの視点を描かないといけないでしょ?そのタイミングを何処に入れようかな?って、、。だから時間を使って紙にマリアンヌの時間軸と、ランたちの時間軸を書きながら奮闘中です(><汗)いや~大変です(でもそれが楽しかったりしますw)

では今回のお話もどうぞお楽しみ下さいませ~♪



 まだ朝日も薄っすらと顔を出し、石畳を温かく照らし始めた午前5時。

 城内の貴族街に続く正門前には馬車がずらりと一列に整列して待機していた。


 ハキハキとした声。


「ここから急げば夜には大きな町に着きます、そこで今日はマリアンヌ様にはお休み頂くように」


 その連なる馬車の近くで、最後の申し送りをメイド(もちろんカーナは除く)達に行なっているシグレ。

 メイド達も何度も聞いたと嫌気が差すわけでもなく、真剣に耳を傾けている。


「「はい、分かりました」」


 マリアンヌという皇族に仕える重大性を全員が心から認識しているためだ。


「アトラス領に入るまでのお休み頂く宿に関しては既に話をつけています、全て貸切状態ですので、皆さんはマリアンヌ様が休まれる最高級の部屋の近くにの部屋で休んでください」

「「はい」」


 馬車は合計で6台。

 1台はマリアンヌの乗る絢爛豪華な馬車、続く2台目と3台目は暗殺部隊であるカラスが乗る馬車、そしてメイド達が乗る馬車、家財道具運搬用馬車、家畜用の馬車と続く。

 もちろん馬車を引く馬たちも、事前にシグレから聞いていた通り鍛え抜かれた足を持ち、毛並みにまで気品を漂わせる馬達だ。


「シグレさん、警備の問題もあるので私たちが近くでいいのでしょうか?」

「その辺りは貸切ですし、カーナ様が居るので大丈夫だとは思うのですが…。そうですね、一応カーナ様に聞いてから休む部屋は決めた方がいいでしょう」

「「はい」」


 そんな真剣に話し合いが行なわれている空間。

 その横を今、ヒールが石畳を蹴る音と大きなあくび声が通り抜けた。


「ねむぅいよぉ~、ねむいぃ~」

「マリアンヌ様、こっちです。そっちは馬車は家畜用です」

「うぇ~?あ~~かちくぅ?なにそれぇ」

「食べる用です」

われは今夢を食べたいよぉ」

「あ、それ知ってます!バグですね!」

「うるさいよぉ、あとそればくな」


 夢というまどろみの中で生きているマリアンヌは、並んでいる中で一番豪華な自分の馬車に足を掛けると室内に入る。

 室内は高品質で揃われた内装ばかり。

 そして革張りの黒いソファーに腰を下ろすと、ヒールの高い靴を脱ぎ捨てて足をパタパタ、気だるそうに天井を見上げた。


「あ~~疲れた。もう今日頑張った、われは今日1日分頑張った。カ~ナ~膝枕」

「はい!どうぞ!」

「うむ、、あ~いい、この何というか筋肉量がいいよね」

「あ、ありがとうございます!鍛えていて良かったです!」


 後はもう少し声のトーンを落としてくれればありがたいんだけど。

 そんなツッコミをする元気すらありません。


 するとカーナが閉め忘れた開いたドアの先から声が聞こえた。


「おはようございます、マリアンヌ様」

「ん~?あ~その声はシグレか。おはよう」


「「マリアンヌ様、おはようございます」」


 寝起きにも優しい気遣いの行き渡った低音ボイス。

 マリアンヌは膝枕に横たわったまま視線だけを向ける、開いた扉の前には頭を下げているシグレとメイド達が並んでいた。

 何人かはマリアンヌも何度も見たことのある非の打ち所の無い優秀なメイドたち。


「お前らがわれについて来るメイドか」


 メイド達は整った顔つきでお辞儀をする。


「はい、至らぬ点が多いとは思われますが、私達メイド一同、全身全霊を持って今回のマリアンヌ様の慰問のお手伝いをしたい所存でございます」


 そしてメイドの1人はみなを代表して口を開いた。


「ところでシグレ様のお話の前に今少しだけよろしいでしょうか?」

「ん~、ん、いいよ」

「マリアンヌ様、朝食はいかがなさいますか?軽いものであればすぐにご用意できますが」

「まだ食欲がかない、紅茶だけもってこい」

「はい、すぐに入れてまいります」


 すぐに後ろにある馬車に移動していくメイド。

 続くように次々と他のメイドたちも口を開く。


「マリアンヌ様、お化粧はどうしましょう?」

「今むりぃ、昼立ち寄る休憩地点の街でせよ」

「はい」

「マリアンヌ様、お召し物は?」

「寝巻きだが、このままでよい。どうせ馬車の中で寝るから」

「はい」

「以上になります、では私どもはメイドの馬車にて待機しておりますので御用の際はなんなりとお声掛けください。紅茶はすぐに先ほどのメイドがお持ち致します」

「うむ、ご苦労であった」


 メイド達が居なくなったのを確認するシグレ


「マリアンヌ様、準備は全て整いました。武器などはカラスの乗る馬車に、ランたちの送ってきた密書などはマリアンヌ様の馬車に。そしてもちろんマリアンヌ様の部隊であるカラス全員も既に馬車の中に。あとはマリアンヌ様が出発を命じて頂ければいつでも出発可能です」

「ふむ、問題は無かったか?」

「シアがマリアンヌ様と一緒の馬車に乗りたいと少しごねておりましたが、納得させて押し込みました」

「素晴らしい選択だよシグレ。やはりめんどくさい作業はお前に任せるに限るよ」


 さすがに朝から、あんなのの対処はご免蒙めんこうむる。


「ありがとうございます。因みにお帰りはいつのご予定になりそうでしょうか?」

「う~む、そうだね~」


 マリアンヌは首を持ち上げて天井を見上げる。

 見上げた先には豪華なシャンデリアがあった。

 しばらくボーと見上げ、やがて口を開いた。


われが大枠として事前に用意した策は2つ。あとは現地にわれ自らおもむくのだから、臨機応変に対応可能。それにもしも全ての策が水泡すいほうに帰したとしても、盤上をひっくり返す手段も用意している。なんにしてもそう時間はかかるまい、お前は魔道具の訓練でもしながら吉報きっぽうを待て。なに、大丈夫さ。お前も知っての通り、こちらは既にランからの報告で反乱分子の”大体の構成人数”、”反乱分子の次に起こす行動”、”リーダの名前、性格”を掴んでいる。情報とは力だ、これでわれの頭脳が加われば万に一の敗北すらもありえない」


 あと、問題を挙げるのだとしたら内通者という存在だけだが…。


 ランたちも1ヶ月ちょっとでは掴みきれなかった。

 まぁランたちは反乱軍側に寄らせる動きをさせているから、領主側に居る内通者は時間をかけても掴めるかは疑問だが。

 なんにしても、われが行った時には内通者の存在を考え、細心の注意をしなければ足元をすくわれるやもしれんな。

 行動には注意しよう。


 見計らったようにメイドが紅茶を持って来た。


「マリアンヌ様、お紅茶でございます」

「うむ、お前も他のメイド達同様、自分の馬車にて待機していろ」

「はい、失礼致します」


 芳醇ほうじゅんな茶葉の香りが車内に充満する。

 低血圧に悩むマリアンヌは「よっこいせ」と起き上がるとメイドの1人から渡された紅茶を1口。


「あ~~~眠い、眠すぎて味が分からん」

「マリアンヌ様、顔色が悪いようですが、本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない、紅茶が熱いことだけしか分からん」


 その答えを聞き、声色に困惑をにじませながらもシグレはたずねる。


「マリアンヌ様の決定に異を申し上げるつもりなど毛頭無いのですが、マリアンヌ様の体調を考えるのであれば、出発は昼でもよかったのではないでしょうか?」


 するとマリアンヌはふーと息を吐く。

 そして呟いた。


「やっぱりかぁ~やっぱりだったか~」


 朝から脳細胞を働かせるのはしんどいが、今、教えておかねば計画が崩れるしな。


「それだと真実味が薄れるだろう」

「真実味ですか?一体何の?」


 やはり全然分からなかったのか。

 出発の時間を伝えた時に驚いていて、その後何も聞いてこなかったから、そこから違和感を覚えて自分なりの答えを導き出したかと期待していたが。

 眠くてしょうがなかったが、仕方ない。


「これからお前の身に起こる事を予言しておいてやる」

「私の身に起こることですか?」

われが出発したことはすぐに城内に伝わるだろう」


 余りにも唐突とうとつな話の切り出し方にシグレは一瞬答えに困ったが、マリアンヌが言ったことを噛み砕くように頷く。


「はい、それはもちろんそうですね。伝わると思います」

「そしておそらく昼ごろには城を越えてプルート中に伝わるだろう」

「確かにマリアンヌ様が外出することはまれですし、これだけの馬車を引き連れていれば」

「だろ?そうするとどうなると思う?」

「どうなる…ですか?」


 シグレの内心が動揺で揺らめくのを感じ取ったマリアンヌ。

 まるで全てを見通しているように、シグレを見つめるマリアンヌの眠気眼ねむけまなこな瞳が急速に暗くかげっていった。


「いいか、心して聞け。われが出発した後、お前の前には複数の人間が現れるだろう。大まかに別ければ、①義理の兄弟である他の皇族たち。 ②皇帝である父上。 だがおそらくそのどれもがお前に直接接触してまで情報を取りに来ないだろう。来るのは手の者、つまり部下である人間だ。直接来ないと思う理由は他の皇族たちに関しては、以前からもそうだが、アンジェラの一件以降はわれに関わりたがらないからな、自分で来るような勇気のある人間などおらん。父上に関してはプライドが許さないから十中八九、部下が来る。そしてこいつらに関しては、本人が来ないので、何を聞かれてもお前は適当な返事で返していればいい。だが一番気をつけねばならないのは ③今回の賭け勝負の相手、ロキだ」

「ロキ第二皇子ですか?」

「ああ、ロキに関しては間違いなく直接、お前に接触してこようとしてくるはずだ。そしてその時こそ、われがお前を王の間に連れて行った本当の意味が発揮される」


 ロキもまさかここまで計算しているとは思うまいて。


「お前はわれの従者であり最近はずっとわれの傍に居る、ムンガルなども配下ではあるがずっと傍に居るわけではない。王の間でもそれを印象付けた、第三者から見ればお前の方がムンガルよりもわれの情報を得ていると思うだろう」


 まぁ実際そうだしな。

 ムンガルのあの巨体が近くに居ると息が詰まる。


「そんなお前がわれから離れて城で1人いるなら、情報を得たいと思うのは普通であろう?特に王位継承権を賭けで戦っている相手なら尚の事」

「ロキ第二皇子にはなんと言えばよいのでしょうか?」

「ロキには『マリアンヌは急いで城をあとにした』とそれとなく伝えろ。お前はロキに気に入られているようだったから、ロキの前をうろついていれば自然とそういった話になるだろう。それだけ伝えればそれでよい。現在、疑心暗鬼におちいりそうなロキには安心出来る材料となるだろう。だがそこで重要なのは出発時間だ。われが朝に弱いのは有名だろう?にも関わらず、この時間にわれが出発することで、お前が言う”急いで”というその言葉にも真実味が増す。そしてそれは同時にロキの優位性にも繋がる、奴は大層油断するだろう、勝負事において油断とは何の得にもならん、油断がもたらすのは損失だけだ」


 今回の慰問は実質はわれと父上の戦いではあるが、あくまで戦うのはわれとロキ。

 ロキが油断すればするほど父上の不利に働く。

 もしかするとロキが出発を遅らせるかも…。


「なるほど、そこまで考えられての出発時間の決定でしたか、感服いたしました」

「当たり前だろうが。じゃなかったら、何が悲しくてこんな朝早くに出発せねばならぬというのだ。こんな時間に起きているのは老人か、朝から鳴きわめくニワトリぐらいだぞ」


 長い話を締めくくるようにマリアンヌは紅茶を飲み終えると、カップをシグレに手渡した。


「それではそろそろ行ってくる。くれぐれもロキの件は頼んだぞ」

「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ。我が神マリアンヌ様」


 頭を下げるシグレ。

 馬車のドアはゆっくりと閉められる。

 そして馬は石畳いしだたみを進みだす。

 城の門を超え、貴族街を超え、プルートの正門を超え。


「カーナ、窓を開けろ」

「はい」


 開けられた馬車の窓からは爽やかな夏の風が入って来た。

 肺を満たしていく新鮮な風。

 マリアンヌは再びカーナの膝に頭を乗せると目蓋をゆっくりと下ろすのであった。


「さぁ、快適な旅の始まりだ」



閲覧ありがとうございました<(_ _*)>

ではまた次回お会いしましょう~♪




紅白歌合戦の歌手が発表されましたね(^^♪

私は米津玄師さんが大好きなので、事前にニュースで「米津玄師紅白確定!」みたいな情報が流れて、やったー(v≧∇≦)v ー!ってなってのですよ♪

そして発表を見た瞬間「おらんやん!!」ってなりましたw


でもまだワンチャンあると思っているんですよ。だってDAOKOさんが出ますからね!って事は歌うのはもちろん『打ち上げ花火』でしょ?そして打ち上げ花火は米津さんとのコラボ曲!きっとNHKはサプライズとして、DAOKOさんが歌い始めたら横から米津さんが現る!みたいな事を考えているに違いないわけですw

いや~ニクいねNHK♪演出がニクいよ♪いや~楽しみだな~紅白歌合戦♪


え?(@'ω'@)?

『喜んでいるとこ悪いけど、Mステの時みたいに米津パートはカラオケでDAOKOが1人で歌うんじゃね?』

ですって?


そ…それは…確かにあり得る可能性ですが…<(゜ω゜lll)>≡

わ、私は諦めませんよ!諦めたらそこでゲームセットって安西先生も言ってたから、ひとりぼっちの桜は諦めないよ(>◇<)!

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