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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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35 1ヶ月前(5)

クリックありがとうございます(^^)ハッピーハロウィン♪ひとりぼっちの桜ですwまぁハロウィンといっても私は特別何かするわけじゃないんですけどね(--;)え?「ハロウィンだし仮装するんでしょ?」ですって?


そうそう♪

1人で仮装して鏡に向かってハッピーハロウィ~~(^o^)~ン♪

お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ☆

って、イタズラする相手がいないっちゅーねん(・∀・)

ハハハ

ハハ

……

(つд⊂)



さて1ヶ月前も今回を合わせて残り2話、今回からは皆様の最後の疑問、なぜシグレは魔道具を持っていたのか?が明かされていきます(10ページ、6千文字超えちゃいましたがw)

ではどうぞ今回のお話もご覧くださいませ~



「バ・ラン地方ですが、我らが最大の敵国である、アトラスの領土内に存在する場所でございます」

「な、なんだってぇ!!」


 そのオーバーリアクション気味の発言が出たのは、マリアンヌを含めた皇族全員に招集がかかる2日前にまで迫っているある日のことであった。

 自室にてマリアンヌはテーブルの上に置いておいたティーカップに手を伸ばすと、紅茶を一口飲んで口をうるおす。


「ふ~旨い。 因みにシグレ、1つ聞きたいのだが、ロキのクソ野郎が行くところ、ロクール地方のアミアン?だったか。 そこはどのような場所なのだ?温泉があるのか?温泉があるんだろ?温泉か~。いいなぁ~いいなぁ」

「距離という単純な物差しで言うのであれば、他のご兄弟、マリアンヌ様の行かれる場所に比べても3倍以上の距離があります。ですが…」


 本番さながらに息を飲む演技で間を置くシグレ。

 一方、演技をする気が全く無いマリアンヌは可愛らしく身体を揺らす。


「一々、われに気を使って話を止めるな♪」

「はい。では…これが先にどちらかが紛争を解決出来るかの勝負となれば話は別です。ロキ様が行かれる場所は紛争とは名ばかりの完全なプルート領、紛争ふんそうがあったのも数年前までの話で、そこにいるクルウェイ将軍が全ての反乱分子を討ち取ってからというもの平和そのもの、現在プルートの兵が居るのもプルートに対して不穏な考えを持っている者がいないかという監視活動、正直申し上げますと、、おそらくロキ様は行って帰ってくるだけの…慰問いもんというより観光に近いものになると思われます」

「観光だと!!許さぬぞ!」


 両手を机に叩きつけながら怒りを表すマリアンヌ。

 シグレはその演技を一切気にする事無く、その後も話を進める、そして自分のパートが終わると声色をガラリと変え、普段よりも高く、軽い喋り方へ変化させる。


「もう遅いぞマリアンヌ。既に両大臣や父上様の耳に入った、俺達の勝負は既」

「はい、ちょっと待ってシグレ」

「はい?」

「前も言ったけどさ~、ロキはもっと馬鹿っぽい喋り方だから、もっとリアリティを追求しろ」

「な、なるほど、申し訳ございません」


 リアリティを追求しているのですが…と思いながらも、「いや、違う。今求められているのは」とシグレは今マリアンヌが求めている事を考えて実行した。


「マリアンヌひゃっほ~!既に両大臣や父上様の耳に入ったぞ~、僕ちんたちの勝負は既に公式のものとなったのだ~。賭けの内容は覚えているなぁ?逃がさないぞぉ~」


 一瞬の沈黙。

 さすがにここまでやるとは思っていなかった。

 しかも真顔で。


 マリアンヌも目が点になった。

 シグレは言った。


「で、どうでしょうか?マリアンヌ様」


 ご期待に添えましたか?と問い掛けてくるシグレにマリアンヌは手を叩いて笑う。


「ハッハッハ!そうそう、そんな感じ。最高だな!今までで一番真に迫っておるぞ、お前はわれの望むことをよく分かっている!」

「お褒めに預かり光悦至極でございます」

「うむ、ではそのまま次の父上の方に移れ」

「ハッ」


 命令に従い、次は声を低く、威厳を伴った喋り方に変化させたシグレ。


「マリアンヌ、お前は今回ムンガルの兵を1人も使うな!お前と、そこの薄汚い赤髪の女だけ慰問に行って来い」

「なぜ私だけが兵を使うことが許されないのですか、クソジジイ」

「理由を言わないと分からないか?」

「な、なんだというのですか?」

「アンジェラの事、ファゴット際の事、忘れたとは言わせんぞ」

「忘れたよ、割とマジで」

「貴様のそういった考え、突き通せると思うのなら今回の慰問を…」

「うむ。疲れたし、これぐらいでよかろう」


 シグレは数枚の紙を手に持ったまま問う。


「よろしいのですか?まだ結構な量がありますが」

「いや、もう逆に十分だろ、十分笑ったし、ここから先の父上とのパートで笑える所などなさそうだからな」

「しかし念には念を、なんと言っても本番は明後日ですし。何かミスがあってからでは!」

「そう言われて先週から何回通しでやったよ?お前だってもう覚えているんだからその紙いらんだろ。それに本番を間近に控えているからこそ、事前練習をし過ぎるのもよくない、やりすぎると本番での応用がきかなくなる可能性があるからな。特にシグレ、お前は応用力に乏しい所が多分にあるからな」

「なるほど、確かにマリアンヌ様の仰るとおりですね。差し出がましい問いかけ申し訳ございませんでした」

「構わぬよ。だから、もしも、お前が予期せぬ会話に巻き込まれた際は適当に流せ。無理そうなら、その時はわれがフォローしてやる」

「何から何までありがとうございます」


 まぁここで述べたシグレに対して予期せぬ会話に巻き込みそうなのはロキか、父上、おそらくロキだろうから、それを考えると対処も容易いだろうしな。


「それにしてもマリアンヌ様には感服いたしました」

「何の事だ?」


 シグレは紙を大切に手に持ちながら、


「渡されたこの紙の束です。まさか事前に王の間で交わされる会話内容、マリアンヌ様の兄上であるロキ第二皇子だけでなく、皇帝陛下の言われるであろう文言までご用意されるとは。正直、この紙を渡された時、私はマリアンヌ様は亡きお母上リーシャ様同様に未来が見通せるのだと確信いたしました」

「そのような褒め言葉はよい。われの頭脳を持ってすれば、道具などに頼らずとも人の思考を読むなど容易い事だ」


 どこまで当たってるかは分かないけどね。

 ただ奴らの思考は長い付き合いも相まって読みやすく、相当以上に自信はあるが…。

 ここから先は明後日の本番で答え合わせだな。


「流石は初代皇帝の生まれ変わりたる、私が信仰するマリアンヌ・ディ・ファンデシベル様。仰られる言葉1つ1つに重みがございます」

「う、うむ。お前も回を重ねるごとに演技力が良くなっていたぞ」

「ありがとうございます、全てはマリアンヌ様のご指導の賜物たまものです。この未来が書き記されている福音書」


 いや、ただの無機質なペーパだよ。


「このシグレ・ライムストーン。このマリアンヌ様から頂いた福音書を、自身の持つ皇族教典同様、死すその時まで肌身離さず持ち運ぼうと思っている所存であります」

「絶対やめてね。覚えたら捨てて。ってか燃やせよ、明日最後に読んだら絶対に、絶対にだからな!人に見られたらわれの計画が露呈する恐れがあるんだぞ」


 すると心から残念そうにリハーサル用紙を眺めるシグレ。


「確かに私のミスによって神の足を引っ張るなどあってはならない。了解…いたしました。誠に無念ですが、、この福音書は明日にでも焼却処分いたします」

「………」


 本当にこいつ燃やすかな?

 ちょっと不安になってきたぞ。

 今も燃やすのを勿体無いと言わんばかりにずっと見てるし。


 ここで1つ仮定をしてみよう。

 もしもこいつがリハーサル用紙を捨てずにいたとして、

 それを何かの拍子ひょうしに第三者に見られたら、、。

 見られたとしたら。。


 そう考えた瞬間、マリアンヌの背筋が凍りついた。


「良く聞けシグレ」

「は、はい」


 ヤバイ!急げ!考えろ!

 こいつが絶対にリハーサル用紙を捨てる文言。

 今、この場で捨てさせるという選択はしたくない。

 もう予行練習は必要ないとはいえ、出来れば本番前にでも自室で1度は目を通しておいて欲しいというのが本音だからな。

 つまり、その紙に何の価値も無い、とシグレに分からせる為の言葉選びが重要。


「…お前がこれからもわれに付き従うなら、その…未来を見通す福音書的な?出来事には数多く直面するだろう。ならばそのたびに胸に刻み付けろ、神を信じるのなら紙などに頼るな」


 我ながら上手いこと言ったな。

 これは絶対捨てる。


 などとドヤ顔のマリアンヌが顔を横にすると


「おお神よ」


 シグレが感激して泣いていました。

 ちょっと引きました。


「時にシグレ、泣くのは大いに構わんが、われの出立の準備は出来ているんだろうな?」

「全て十全に整いました」

「そうか、ご苦労。涙拭くか?その辺にハンカチあると思うが」

「大丈夫です、自分のがありますので」


 胸ポケットからハンカチを取り出すと涙を拭うシグレ。


「みっともない所をお見せして申し訳ございません。もう大丈夫です。 それで準備の方ですが、念のためにチェック項目も作っておいたので、後から不備が無いかお手数ですがマリアンヌ様の確認の方をお願いいたします」

「別によい。お前のやることにミスなどないだろう」

「信頼していただきありがとうございます」


 これがカーナだったら何度も穴があくほど確認するが、マニュアル人間のこいつなら任せきれる。

 こういう点がこいつの良い所だよな。


「よし、お前との演技レッスンも十分だし。後は本番に備えて休め、明日は休息日とする」

「お気遣いしていただき、ありがとうございます。それでは明後日にまたお迎えにあがります」


 姿勢よく頭を下げるシグレ。

 一糸乱れぬそのお辞儀は、マリアンヌから見ても熟練の執事のそれであった。


「そういえばお前、執事の訓練が終わったんだってな」

「はい、よくご存知ですね。昨晩の事なのですが全ての修了課程を終わらせました」

「さっきお前が来る前メイド長が言っておったのだ。思ったよりも早かったな、てっきりわれが慰問から帰って来るまでかかると踏んでいたのだが」


 通常の使用人の訓練でも極めるまで数年かかるといわれている中、この栄光あるプルートのメイド長による訓練。

 しかもカーナの話を聞く限り、非常に厳しい訓練。

 いかにシグレに使用人としての素養があるといっても半年はかかると思っていた。

 だが結果は3ヶ月で免許皆伝。


 感心するマリアンヌにシグレは謙虚な姿勢を示す。


「私が凄いのではなく、教育係としてついていただいたメイド長様の教え方が良かったからだと思われます。手取り足取り教えていただき、誰にでも分かるほど熟練された説明でした」

「いやそれは無いよ」

「えっ!?」


 それならカーナはアレ何なんだよ?

 今朝なんてな朝食を片付ける際、フィンガーボウルを見て「それお嫌いですか?」って真顔で言ってやがったぞ。

 フィンガーボウルに好きも嫌いも無いだろ!

 手を洗うやつだよ!!

 飲まねーよ!!


「どうかされましか?」

「いや、気にしなくてよい。ちょっと頭痛が」


 同じ人間に教えられてこの違いはなんだ。

 月とスッポンめ。


「まぁ、比較対象があったおかげで、お前の優秀さが更に分かってよかったよ。どれ、さっきのロキのモノマネも面白かったし。今、われは大層機嫌がよい、卒業祝いでもやろう」


 何がいい?と続けて問い掛けてくるマリアンヌにシグレは首を横に振る。手にはいつもの教典を手にして。


「神に見返りを求めるなど敬虔けいけんな信者である私の心が許しません。なのでお気持ちだけありがたくお受けしておきます」

「あのな~」


 マリアンヌは視線に怒気をにじませる。


われがやると言っているだ、お前は『ありがとうございます』とだけ言えばよい。過剰な固辞は不愉快だぞ」


 その言葉にシグレは思い返す。


 今、手に持つ教典にも書いてあるではないか。

 皇族の方が仰られたことこそ正しい。

 ならばここで固辞するのは間違い。

 本当の敬虔な信者ならば、受け取るべきだった。


「申し訳ございません、私が間違っておりました」

「ふ~、うむ、それでよい。それで何にしようか、どうせお前には…要望は無さそうだし」

「はい、私はマリアンヌ様から頂ける物でしたらなんでも」


 何でもいい、が一番困るんだよな。

 う~む。


「………」

「………」


 その後もどれだけ催促しようが答えが返ってくる気がしなかった。

 マリアンヌは考える。


 元よりこいつの事を三ヶ月間見てきたが、いまいち欲というものを感じない。

 そういう意味ではカーナと似ているな。

 だから気が合うのかもしれぬが……

 ん?カーナ?


「そう言えばお前、以前魔道具がどうこう言っていたな?」

「はい。ですがアレはムンガル卿が持たないからという理由だけで、部隊全員が持たないという意味不明な暗黙の了解へのアンチテーゼとして言ったに過ぎず」

「あ~そういう方便とか今求めて無いから。あの時のお前の表情、言葉の節々(ふしぶし)から滲み出ていた不満や鬱憤うっぷんわれが見逃すと思うのか?」


 その瞬間、シグレは騎士時代から自らの心の中にあった不満や疑念が丸裸にされたような錯覚を覚えた。


「確かに欲しいとは思っております。神を欺こうとした事、どうかお許しください。ですが確かに、確かに、欲しい気持ちはありますが、私以上に力の持っている騎士はこのプルートには何人もいます。その人間達を差し置いて私が持ってしまうのはプルートの利益にも…」

「それは違うぞ、シグレ」


 きっぱりと言い切ると、再びティーカップを口に当てるマリアンヌ。


「このプルートにおいてわれが持てと言った人間こそが魔道具を持つ権利を有する者だ。それ以上でもそれ以下でもない」

「流石はマリアンヌ様でございます」

「まぁな」


 だがそれでも実際に今それを行えるのはわれではなくて父上。

 世代交代前とはいえ、それが現実。

 大層に不愉快だな。

 絶対に叩き落してやる。


 マリアンヌは切り替える。

 そして理論立てて、シグレにいかにして魔道具を持たせるかを説明していく。


「王位継承権を持つ皇族の中、その中でも上位の継承権を持っている皇族には自分の権限で1つ魔道具を要求する権利がある。実際にロキ、アール辺りは要求して既に手に入れている。因みにアールは自分を守る騎士に、ロキは何をとち狂ってか知らんが自分で持っている。われの場合は、今まで特段その権利を行使しようとは思わなかったが。いい機会だ、従者であるお前に持たせてやろう」

「あの…マリアンヌ様、お話の腰を折ってしまって申し訳無いのですが、1つお忘れになられている事が」

「何?」

「既にカーナ様が持たれておりますが」


 マリアンヌはやれやれと首を振った。

 銀線の長い髪も笑うように宙を舞う。


「カーナのアレは闘技場で自分で勝ち取って手に入れたのであって、われが与えたわけではない。つまりカーナが持っている魔道具はノーカウント、われ関知かんちしていない事柄だ」


 自分は間違ってない、と胸を張って豪語するマリアンヌ。

 一見すると無理がありそうな理論であることは明白であったが。だが、このマリアンヌという人間なら、相手が誰であろうがそれを押し通すであろうことも又同時に明白であった。


「なるほど、ですが本当によろしいのですか?そのようなマリアンヌ様にとって大切な権利を私のような新参者に」

「お前が自分の事をどのように評価しているのかは知らんが、われはお前の働きに大いに満足している。正直、最初の印象がアレだったから評価が低かった事もあるのかもしれぬが、それを差し引いてもお前は非常に有能だ。お前なら護衛という名目で魔道具を持たせることに何の迷いはない」

「マリアンヌ様…そこまで私の事を」

「ただし五月蝿うるさくないやつな」

「え?うるさくない、、やつ、でございますか?」

「だって、お前がこれからわれの近くにいる事を考慮すると五月蝿かったら困るだろ」


 いったいどういう意味ですか?

 道具に五月蝿いとか、五月蝿くないとかいう概念があるのですか?

 それとも神には何か自分達が聞こえている物意外の何かが聞こえているのですか?


 などと考えつつもシグレは頭を深々と下げる。


「私が持つべき魔道具はマリアンヌ様のお決めになったものが正しいと心得ます」

「うむ、素晴らしい答えだよシグレ君、安心しろわれにかかれば魔道具の適正など一瞬で見抜いてやろう」


 そしてその夜……



閲覧ありがとうございました<(_ _*)>

次回はそんなに長くならないと思います(予定では…ねw)ではまた次回お会いしましょう(^^)/~~~



今プロ野球の日本シリーズが盛り上がってますね♪

私は特に何処の球団押しというわけではありませんが、広島の新井選手のラストイヤーという事なので、この日本シリーズは広島を応援しようと思っています(o・`ェ・o)ノ

毎日激戦で凄く面白いので良かったら皆様も観て見てね~♪

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