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31 1ヶ月前(1)

クリックありがとうございます(^^ゞ『rest room』って文字を見るたびに「トイレって書けよ(o゜□゜)o!」って、思っているひとりぼっちの桜ですw トイレ→お手洗い→休憩室→化粧室→rest room。。全部トイレでええやん!一本化しろよ!!正直、最初見たときはトイレって分からなかったからね、私w



今回から1ヶ月前になります(_ _)あまり長くならない予定なのでよかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです♪ではどうぞ今回のお話もご覧くださいませ~♫



 もう分からない。

 分からないんだ。


「助けて!!!!!」


 どれほど叩いただろう?


 どれだけ叫んだだろう?


「誰か!!!!!!」


 少年は喉が破れるほどに大声を張り上げる。

 カラカラにかわききった唇、瞳孔が開ききり正気を失った瞳。


 自分以外が存在しない空間にひたすら閉じ込められること、それがこんなにも恐ろしいなんて知らなかった。


「助けてくれ!!誰か!!!!」


 最初は別に気にならなかった。

 むしろあのがらの悪い連中と離れることが出来て、しかも個室を手に入れる事が出来てラッキーだとも思った。

 そしてここに連れて来てくれたマリアンヌ様に感謝もした。


 でも、違ったんだ。


 あの人は正真正銘の悪魔だ。


 どんな暴力もこの空間よりはマシ。


 何の変化も無い閉ざされた部屋。


 本当の恐怖はここにある。


「お願いだから、ここから出して!!!頭がおかしくなる!!!」


 振動が伝わらないほど分厚い鉄製の扉。

 それを何度も何度も何度も何度も、手が血でまみれるほど叩く。


「狭い!せまい!!助けて!!!壁が!!壁が迫ってくる!!誰かぁぁ!!!」


 窓が無いから今が昼か夜かなのかも分からない。

 そもそもこの部屋の周りに人が居るかも分からない。

 でもそんな事を考える余裕は無かった。


 彼は叫んだ。

 三日三晩。

 叫び続けた。

 声が枯れるまで。


 しかし、

 どれだけ助けを呼んでも…。


「助けてくれぇぇ、、誰か、、、誰かぁ」


 助けを求める悲痛な声に答える者はいなかった。



             ×             ×



 雑音1つすら聞こえない部屋。


 鉄の壁を殴り続け、疲れ果てた少年は1人部屋のすみで膝を抱えて座り込む。


 寒いわけじゃないのに、震える身体。

 目に生気は無く、希望なんてあるわけがない。

 今もただ朧気おぼろげな意識でロウソクを見ているだけ。

 口は息をするだけの道具。


”周りは見ない、見てはいけない、見ると壁が迫って来る錯覚におちいるから”


 これが彼が唯一この部屋で学んだ事だ。


 机などは既に取っ払われた。

 有るのはロウソクとロウソクの入った小箱、床に転がるノートとペンのみ。


 シアはノートに目をやると少し昔を思い出す。


 今では懐かしい記憶だが、最初の1~2週間は定期的にあの人たちが僕を殴りに来た。

 そのつど記憶は何度も消えた。

 最初それを僕は気絶しただけだと思っていた。


 マリアンヌ様の言う事は嘘だと思っていた。

 自分の中には誰もいない。

 この心は僕だけのものだ、と思っていた。


 だが何度も繰り返していくうちに不自然さに気付き始めた。


 きっかけとなったのは、ある日「今月から暴力撲滅月間になったので、今日から暴力はしませ~ん。暴力反対~♪」と言ったマリアンヌ様の意味不明な一言。

 よく分からないけど、殴られる恐怖から解放された。と、思ってとりあえずホッとした。


 だが次の瞬間、マリアンヌ様が手を叩いたら・・

 記憶が消えた。


 それはまるで心の中で糸がプチンと切れるような感覚だった。

 そしてそれが数回ほど行われたその後に渡されたノート、これで僕はもう1人の自分の存在に気付くことになる。



【始めましてシア】

【君は誰】

【クロ】

【クロ?】

【あの人が付けてくれた名前】

【あの人?】

【恩人だよ】



 その後行われた数多くの質問に対して返ってくる嘘偽りない答え。

 そこでマリアンヌ様が言っていた事が真実だと確信した。

 と、同時に今まで自分を待ってくれていた事実と直面した。



【今までありがとう】

【別にお礼なんてかまわない】

【でも僕を守ってくれていたんでしょ?ならお礼は言わないと】

【いらない、お前を守ることは俺を守ることだ】

【でも】

【お前を守るために俺は生まれた】



 ではこれは治療なのか?

 こんな恐ろしいことが?

 でも実際、成果は目に見えて文字と言う形で現れていった。

 それは文字を書いて目を閉じ、再び開くと、目の前に文字が書かれているほど。

 ここまでくると、もう目の前に人がいてノートに書きあうのと変わらない。



【ということは僕は人殺し?】

【違う、人殺しは俺だ】

【でも君は僕なんだよね?】

【違う!俺は俺だ!】

【ごめん、そういうつもりじゃなかったんだ】

【いや、俺も悪かった】

【変な感じだね】

【どんな?】

【昔から傍に居た、でも会った事の無い兄弟みたい】



 だが自然にノートを使った会話が出来るようになってきた、その辺りからマリアンヌ様がピタリと来なくなった。

 理由は不明。

 来なくなる寸前までマリアンヌ様に不自然な所は無かった。

 前日もいつものように食事を持ってきていたのにも関わらず、突然。

 前までは1日数回来ていたのにも関わらずだ。



【恐い、怖い、こわい、部屋が、壁が】

【見るな】

【どうすればいい?助けて】

【あの人が来るまで待てばいい】

【無理だよ、待てない】

【信じろ。今まで誰がお前を助けたと思っているんだ?】

【分かったよ】



 もう1人の自分が耐えろと言っているんだ。

 今まで守ってくれていた人間がそう言っているんだ。

 もうちょっとだけ……と思った。

 しかし無理だった。


 壁が…恐い。

 自分の心臓の音が耳から離れない。


 殴りに来るだけでもいい、

 誰か来て、

 ここから解放して。



【大丈夫】

【無理】

【無理じゃない】

【もうダメだ】

【キツくなったら俺に代われ】

【ありがとう】

【気にするな】



 空腹で思考力も低下している。

 いや、これに関しては逆に幸運だったのかもしれない。

 2日ほど前から空腹のおかげで恐怖が和らいでいる気がする。


 誰も来ない・・。


 唯一の救いであったもう1人の自分との会話ノート。

 自分は1人ではないという感覚。

 しかしいつからか、

 その最後の頼みの綱でさえも・・。


【助けて】

【助けて】

【助けて】

【助けて】


 筆跡だけは違うものの、


【助けて】

【助けて】

【助けて】

【助けて】


 同じ文言が続いてるだけとなってしまった。



閲覧ありがとうございましたm(_ _ )m

1ヶ月前の始まりの1話目、皆さんがワクワクして「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」って思っていただければ幸いです(笑)

ではまた次回お会いしましょう(^^)/~~~



延期されていた『BEATLESSビートレス』がファイナルステージという謎の形で21話から24話、放送再開され始めましたね(w^J^)私としては動くレイシアが再び見れて嬉しいです♫ヾ(嬉'v`嬉)ノ

でも同時に私は世界に問いたいよ。


いつレイシア、一般販売されるの(・ω・`)?


……ってね(-_-;)


買いたいな~レイシア。。。

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