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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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23 2ヶ月前(6)

クリックありあがとうございますヾ(=´・∀・`=)♪学生のときにあった合唱の行事は全て口パクで乗り切ったで有名、ひとりぼっちの桜ですw

皆さん、一見バレそうに思うでしょ~?大丈夫!前方から見ている教師陣からはまず分かりません!大切な事は他の人よりも大きな口を開ける、それだけです。口が小さい=声を出していないと教師たちは判断しますので(笑)

証拠として私はこの方法を取った時に褒められたことがあるんですよ~w「〇〇、よく口開いてて大きな声出してるな。ええ感じや!」それを聞いた中学生の時の私はこう思いました(お前の耳も最高やな( *• ̀ω•́ )b グッ ☆)ってねw



今回のお話ですが心理学の要素がいつもより少し多く入ってくるので、出来る限り分かりやすくをモットーに書いてみました。皆様に楽しんで頂ければ幸いです♪

ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ~♪



「とりあえず第一段階は成功かな」


 マリアンヌは先ほどまでいた部屋にはしっかりと外から鍵を閉めたことを頭に置きつつ、以前アンジェラの寝室に使われていた部屋を横切るようにして、最高級本革仕立てのソファーに深く腰をかけた。

 すると後を付いてきたカーナがドアを閉めながら開口一番に言った。


「それにしても、マリアンヌ様は本当に博識ですね!」

「は?」


 大きく瞬かせる瞳。

 その視線、言動からには尊敬の念が多分に含まれていることは説明する必要な無いほど。


 若干、嫌な予感がしながらもマリアンヌは首を傾げる。


「え~と、何が?」

「まさか二重人格を治すなんてことも出来るなんて!天はマリアンヌ様に二物、三物を与えたのですね!しかも慈愛溢れる言葉の数々、感動しました!人の心を一瞬で魅了するそのカリスマ性は音に聞いた、亡きマリアンヌ様のお母様、リーシャ様を見ているようでした!」


 急に思いもしなかった名前を挙げられてマリアンヌは幼い時に見ていた母親の横顔を思い出しながら答えた。


「母上のやっていた行動と、今、われが行っている、行おうとしている行動は本質的に違う。それに母上のは意識してやってなかったから、そこに計算という概念がそもそも無かった。それはイコールどれだけ努力しようが母上の真似事まねごとわれには出来ぬということだ」

「いえいえ!ご謙遜を!そんな事はありません!特に『今まで辛かっただろ?よく耐えたね』という文言もんごんは聞いていて私も目頭が熱くなってきました!理由はどうあれ、今まで誰も助けなかった、助けることが出来なかったシアに手を差し伸べた優しさに、器の広さ、まるで女神のような慈愛溢れる振る舞いでした!」


 ……


 矢継ぎ早に襲来する褒め称える言葉の数々。一瞬、どんな言葉を返すべきか悩んだマリアンヌだったが、結局そのまま真実を答えることにした。


「分かってないようだから言うけど、二重人格を治せるかなんて分からぬぞ」

「えっ!?」


 衝撃の発言を真顔で受けるカーナ。

 ワナワナと表情が崩れていく。


「あ、え、でも、今さっき、治してやるってシアに、治療方法を知っていると仰ったような気が」

「嘘だよ」

「嘘」


 数秒間の沈黙があった。

 その間も室内に入ってくる初夏の風がカーテンを気持ちよさそうになびかせていた。


 カーナは言った。


「嘘…だったんですか」


 カーナさ~、毎度毎度そのガッカリした顔するのやめてくれない?

 そろそろ気付いてくれないかな、われにとって嘘とハッタリは挨拶みたいなもんだろ。

 その対応をされると、こっちも続きを言うの嫌になるんだぞ。


「あのな~以前、多重人格性障害は症例が多くないと言ったであろう? 症例が少ないということは治療方法が確立されてないということだ。なんでわれが知ってるの?」

「という事は…シアは良くならない、という事ですか?」

「それは答えずらい質問だな。われはこれから本に書いてあった事を解釈して、自分なりのアレンジを加えてやっていくつもりだが、、それが失敗しないとは言い切れないな」

「失敗した場合はどうなるのですか?」

われの見立てではだが。過度なストレスによって第3の性格が生まれて更にこんがらがってしまうか、1つになっても訳の分からない性格になってわれに敵対するやもしれんな。だからこそわれはシアを使った素敵な実っけ…治療を思いついたのだよ。だから失敗した場合はカーナ」


 その言葉はまるでおもちゃを踏み潰すような言い方だった。


「シアを殺しちゃおっか」


 純真無垢じゅんしんむくな子供のような笑みから発せられた言葉。


「それに伴ってカーナ、お前には残り2ヶ月、鍛錬だけしていろと言ったがアレは変更だ。少しだけ仕事を命じる。だが、お前に命じた鍛錬の時間をおろそかにされてはわれの計画上よろしくない。つまり何を言いたいかと言うと、鍛錬の時間は減らすな睡眠時間を削ったりしてうまくやりくりしろ」

「了解いたしました」

「うむ、良い返事だ。ではカーナよ、今から注意事項を述べていく。絶対に守れ、いいな」

「はい、もちろんです」


 マリアンヌはこれから行われるシアの幸せな改造計画を頭で整理整頓させながら言葉を紡いでいく。


「まず大前提だ。今から24時間、われがいいというまで絶対にシアを部屋から出すな」

「それは大丈夫だと思います。あの部屋はどうやらアンジェラが誰かを軟禁するために作ったようです。扉も重厚な鉄製、なので外鍵さえかければシアが外に出ることはまず不可能かと」

「ふむ、そうか。それは何よりだ…」


 ん?ん~あれ?

 というかそもそも論だが、アンジェラは何のためにそんな部屋を作ったのだろうか?

 囚人用は地下に牢獄があった訳だから違うだろうし。

 自分の部屋にしては狭いし、てかわれが今いるここが元々アンジェラの部屋だったわけだし。

 部下を軟禁する意味は無い。

 念のためかな?でも念のための、念が思い当たらない。


 ………

 ……


 まさかとは思うが、われを監禁する為ではないだろうな?


「あのクソ女め」

「どうかなさいましたか?」

「いや、別に」


 殺しておいて正解だったな。


「今から言うことは必須事項なのでメモを取れよ、そのつどお前には言うつもりだが間違いは許されない」

「はい」


 サッと胸元からメモ帳とペンを取り出すカーナ。

 マリアンヌが目をやると、不思議とメモ帳には使った形跡が無いほど綺麗だった。

 しかも今から言うことを表紙をめくった1ページ目に書こうとしている。

 メイドなら常日頃使うはずなのだが。。


「マリアンヌ様どうかされましたか?」

「いや、別に」


 もはや何も言うまい。


 マリアンヌは仕切りなおすように咳払いを1つする。


「まず閉じ込めると言ったがそれは単に閉じ込めるという意味だけではなく、外部との接触を完全に遮断するという意味だ。だから基本的に今後シアに会うのはわれだけ、他の誰もあの部屋には近づけるな、第三者が会うという状況がよろしくないのだ。あとシアの食事もわれが持っていく、お前は護衛として付いて来るだけでよい。出来れば姿も見せないで欲しいが、それだとわれに危険が及んだときに困る、だから存在感を消しながら近くにいろ。食事の件はとても大事な事だ。いいな? われ以外の人間が食事を与える事はありえない」

「はい」

「念を押すが、それなら餓死させた方が数百倍マシという意味だ」

「は、はい。分かりました」

「と、同時に、定期的に人格の入れ替えを行う。期間的にはそうだな…最初は6時間交代ぐらいに設定しようか、6時間おきにシロとクロを入れ替えだ」

「因みに入れ替えはどのようにして行うのですか?」

「毎回お前が殺そうとすればいいだろうが、シロに戻るのは放置でいいのかも知りたいしな」

「なるほど、分かりました。殺そうとして殺さないように努力します」

「そしてシロとクロを会話させる」

「え、会話ですか?」


 密室にシアを閉じ込める意味もよく分かっていないカーナ、あからさまに疑問符を浮かべた。 なんなら「マリアンヌ様の頭がおかしくなった」的な目を向けてきたので、マリアンヌはちょっとイラついて舌打ちをする。


われの説明に何か不満な点でもあるのか?」

「いえ、滅相も無い! ただ…1人の人間でどうやって会話するのかな~と思って」

「ノートか何かを用意しろ、それで治療にふんして会話させる。この実験段階に入った時点で、われの予想では人格の入れ替えはスムーズになっているはずだから、ノートで会話させるようにもっていく」

「なるほど!1人交換日記ですね!」

「お…あ、うん」


 え、何それ?


「私もやったことありますよ!」


 何のために?


「少々チープに聞こえる所が嫌だが、まぁそんな感じだと思っておけ。そして最終段階、あの閉め切った小部屋からロウソクを、全ての明かりを取り上げる」

「ロウソクですか?」


 もう完全に意味不明な状況のカーナは遂に聞くことにした。


「部屋もそうなのですが、ロウソクなんてあろうがなかろうが、あまり変わらないと思うのですが…。私なんて眠るとき暗闇の方が落ち着きますよ」

「眠るときの暗闇と、密閉状態の暗闇は心に与える情況はまるで違う。そしてお前のような人外な者には分からんかもしれんが、人というのは明りがなくなるだけで大層不安になるのだよ。しかも既に密閉された部屋に長期間に渡って閉じ込めて精神を追い込んでいる、そこに完全な暗闇、これで精神は崩壊する」

「崩壊するとどうなるのですか?」


 マリアンヌはさぁ?と首をすくめると


「実験だと言ったであろう」

「治療ではないのですか?」

「ああ?」

「すいません、何でもありません」

「奴は多重人格性障害、二重人格だ、特殊な部類な人間。そんな人間の人格というあやふやなものを密室と暗闇で狂わせていくわけだからな。何が起こるかなんてわれにも分からんよ」

「因みに何も起こらなかった場合はどうなさるのですか?」


 マリアンヌは苦笑混じりに答えた。


「起こるまでやるんだよ、カーナ君。いいかい? あの部屋は言うなればわれの箱庭だ。何かが起こるまで閉じ込めて閉じ込めて閉じ込めて閉じ込め続けるんだ、そしてわれはそれを観察する。その結果彼が何かしら不幸な事になった場合はとおとい犠牲と考えようではないか。もちろん彼がその犠牲になってしまうのはまこと遺憾いかんだが仕方ない、だって科学の発展に犠牲はつきものだからね」


 それは子供がいたずらをした時のような、無邪気で小さな笑みだった。

 最後にマリアンヌは「なぁ、お前は知っているか?」とカーナに問い掛けた。


「人間ってさ~実にもろい生き物なんだよ。それは長時間、密室に1人で閉じ込められるだけで頭がおかしくなるほどに。そして暗闇というスパイスはその恐怖を更に増徴させる、普通では考えられないような恐怖感に襲われる。しかも光が無ければ時間の感覚すら無くなるだろう、数時間で精神は衰弱していって、そしてそのまま続ければ精神の崩壊、正気を失う。そういった狂気がこもる場所でないとわれ画期的かっきてきな実験結果は得られないのだよ。分かるか?フフ、アハハハッ」


 無慈悲な笑い声が天井にこだまする。


「実に愉快だね~愉快愉快、楽しいな~」


 とても残酷な笑い声だった。

 だがシアがこの声を聞くことは無い。

 それは救いだったのかもしれない。

 彼は今も、自分に名前を与えてくれたマリアンヌという人間が部屋に戻ってきてくれることを心待ちにしているのだから。


「にしても、あの涙見たかね?」

「涙…ですか?」


 追い討ちをかけるようにマリアンヌは続ける。


「最後、われが言葉をかけてやった時に泣いていただろ?傑作けっさくだったんだから、ちゃんと見ておけよ。 ほ~んと、今、思い出しても笑いが止まらぬわ。本気で奴はわれが助けに来てくれたとでも思っているのだろうな~。バカめ、なぜわれがお前程度を助けねばならぬのだ?『お前はただの実験体だ!』と、笑いながら言ってやりたかったな~。果たしてその時にシアはどんな顔をするんだろうね? 絶望で泣き崩れるのか~?もしかしたら逆上ぎゃくじょうして襲い掛かってくるかも、そしてカーナに返り討ちにあい、地べたから見上げる表情たるや…あ~~考えただけでやってみたくてしかたなくなるよ。ゾクゾクする。彼は色々な方法で楽しめる本当~に!いい玩具だ。だからカーナ」


 そこまで語り終えるとマリアンヌの愉快な雰囲気はりをひそめ、急速に瞳が暗がかく。

 それはあのカーナすらも背筋をゾクゾクとさせたほどであった。

 静かな声はこう言った。


「絶対ミスするなよ。われの楽しみを奪うなよ、分かったな?」


 流石のカーナもここまで赤裸々(せきらら)な話を聞くと思うことは色々ある。

 確かに彼のこれまでやってきた大量殺人という罪を考えれば当然の報いといえるのだろう、それでも今後シアに起こるであろう生き地獄を想像すると少しだがたまれない気持ちになる。


 だが彼女がその考えは口に出すことはありえない。

 頭の端にすらあってはならない考えだから。

 心の中で首を振り考えを消し去る。


「はい、かしこまりました。それもマリアンヌ様のシアに対する愛だと思います」

「愛?愛か…う~む、面白いことを言うなお前は、まぁそういう解釈も出来るかな」


 そしてスッと座っていたからソファーから腰を上げるマリアンヌ。


「さて、ではシアの所に戻ろうか。あまり長居すると怪しまれる、それに本格的に閉じ込めることをあの玩具おもちゃに教えてあげないと。あ~分かっているとは思うけど説明はわれがするから、お前は口を出すなよ」


 考える必要は無いのだ。

 私はマリアンヌ様の為に存在する。

 この方の為に生きて、この方の為に死ぬ。

 それが一生揺らぐことの無い自分の生き方だ。


「了解いたしました」


 そして彼女はただ自分の在り方を体現するように絶対的な主人に対して頭を深く下げた。


「この世にある全ての事柄はマリアンヌ様の望むままに」



閲覧ありがとうございましたm(_ _ )mシアの洗脳……教育プログラム、いかがでしたか?もし読んで頂けている方の中に子育て中の方などがいらしゃっいましたら、今回のお話がその方々の子育ての一助になれば幸いですw

PS.もし捕まっても、私の名前を挙げちゃダメだぞ☆


ではまた次回お会いしましょう(^m^)/~~~




今回のお話でマリアンヌが言った「科学の発展には犠牲がつきもの」という言葉、皆さん誰の言葉かご存知ですか?

ええ、その通りです。パワプロの悪魔、ダイジョーブ博士の明言です(T_T)ヤツの改造手術に魅入られた人間はすべからく手術を受ける。かくいう私も魅入られた1人です。そしてシリーズを通して、何人も何人も何人も犠牲になっていきました(-_-;)

そして数々の犠牲の末、パワプロアプリ(サクセススペシャル)ではダイジョーブ博士の改造手術は遂に、遂に!…劣化しま、した。。(;´Д⊂)成功率はそのままに、強化幅は縮小、正直言って恩恵は少ない。確かにソシャゲなんで分かるんですけど、それでも今までシリーズを通して大量の犠牲を捧げてきた私はこう言うしかありません。


「科学発展しとらんやんけ!!今までの犠牲を返せ(;□;)!!」


ってね。

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