18 2ヶ月前(1)
クリックありがとうございます 人´Д`*)ありがとぉ☆
サッカー……残念でしたね(>_<)2点取った時は「勝った!これ勝ったわ!」って確信したのに…、まさかその3点って…って思ったひとりぼっちの桜ですw
今回の優勝は何処でしょうね?私の好きなスペインとドイツ、消えちゃったしな~、もう何処でもいいかな(笑)
さて2ヶ月前ですよ(^^)ノそしてそのまま1ヶ月前と繋がるわけですが、読んでいる皆様が混乱しないように色々試行錯誤してみたので、今回もよかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです♪(6千文字ほどw)
因みに今回のお話にはこの章のラスト辺りの伏線がいっぱい入っているので、忘れた頃に時々見て頂ければ「マリアンヌはこの時には計画していたんだ」って思って頂けるかとw
ではどうぞ今回のお話もお楽しみ下さいませ~(っ´∀`c)
ひと月という月日は恐ろしいほど早く過ぎ去っていった。
右大臣から情報を得て1ヶ月。
いつものように手に入れた情報を元に、行ったことの無い町並みや、会った事の無い人間を思い浮かべ、起こった事柄の裏まで見通す。
彼女の得意分野。
だがそれも限界は訪れた。
「このままでは推理ではなく推測を通り越した妄想になってしまう。そんなあやふやなものに自分の命運は託せない」
絢爛豪華な自室にて、寝間着である黒いネグリジェに身を包んだままの彼女は手を拱く。
視線の先にいたのは
「カーナ、ちょっとこっちにおいで。お前に聞きたい事がある」
そして紅茶をゆっくり傾け、喉を潤すマリアンヌ。
目の前の机にはシグレに調べさせたサンティエールという都市、バ・ラン地方についての詳細な資料の数々が横たわっていた。
そこに掃除の手を止め、小走りで近づいてくるカーナ。
「はい、何でしょうか?何なりとご質問くださいませ、私に答えれることなら何なりとお答えいたします」
「うむ。主観、感情論は要らん、第三者の客観的な考えのみで言葉を紡げ。単刀直入に聞くぞ、お前はクルウェイよりも強いのか?」
改めて問われた言葉に机を挟んで立ち尽くすカーナ。
数秒間、瞳を閉じてじっくりと考えを纏めた。
そしてゆっくりと口を開くと語り始めた。
「クルウェイさんは…いえ、クルウェイ将軍は私の父の教えを受けた数少ない人間の1人です。つまり私からすると兄弟子になるのですが、だからと言いますか…、小さい頃から何度も組み手や稽古をしてきました、その結果、クルウェイ将軍の強さ、戦い方、使用する魔道具についてなどは他の人より知っている方だと思っています。そしてそれらを踏まえた上で、今の私では万に一も勝ち目は無いと思います」
”勝ち目は無い” という言葉を受けても、さして驚くわけでもなく、落胆するわけでもなく、表情1つ崩さないマリアンヌ。
まるでおおよその予想をしていたかのように口を閉ざし考えに耽っている。
「………」
真剣に考えるその精錬な顔立ちの、主人であり神であるマリアンヌ第一皇女。
それを見て不安、焦り、焦燥感に駆り立てられるカーナ。
急に冷や汗も溢れ出てきた。
「えっ、あれ?、あの」
私は発言を間違えた?
勝てないまでも『勝負は時の運なので分かりません』とか言ったほうがよかったのか!?
だがマリアンヌ様に嘘は付けないし…。
現状自分がクルウェイさんと戦っても私に勝ちの目はほぼ無いだろう。
だって私の勘が言っている”絶対に勝てない”と。
しかし、だが!でも!このままだとマリアンヌ様に戦う意志が無いとみなされて”役立たず”と思われてしまう!
それは嫌だ!困る!困るのです!
未だ沈黙を守るマリアンヌに、冷や汗混じりのカーナはどう声を掛けていいのか分からないままだったが、とりあえず口を開いた。
「えっと、ただ!ただですね! 本気出して、命をかければ、たぶん相打ちぐらいには持っていけるとも思っています!はい!」
ゴシック風に彩られた部屋にて虚しく響く声。
俯くマリアンヌがゆっくりと顔を上げた。
爪でカツカツと叩かれる机。
その顔はとても怪訝そうだった。
「だからさ~、そういうのはいいから。ちょっと考え事してるから許可するまで喋るな」
「はい、すみません」
右大臣から情報を得てから1ヶ月、更に情報を集めれるだけ集めた。
バ・ラン地方のある程度の実情は掴んだと言ってもよいだろう。
まだ朧げだが、いくつかの策も出来つつある。
しかしどの策を採用するにしても重要となる人間がいる。
それがカーナ・マキシマム。
目の前に居る赤髪の女だ。
こいつがどれだけ強いかを出来る限り正確に掴んでおきたい。
最良で進まなかった時の予防線として。
最悪を防ぐため防波堤として。
「そう言えば聞きそびれていたのだが、お前手に入れた魔道具は使いこなせているのか?」
「使いこなすという意味では問題ありません、元より手にした瞬間から馴染む感覚があったので」
その後、ただ…と言葉を濁すカーナ。
「ここ1ヶ月、色々とやることがありましたので本格的な修練というものはしておりません」
「ふ~ん、なるほどねぇ~」
ん?
って、あれ?
色々とやること、だと?
って言うか、コイツに何かやらせてたっけ?
雑務ぐらいしかやらせてないのだが。
でもそういえばシグレの所に行かせてから何かコソコソやっているようだが…。
まぁ、でもどうでもいっか。
我の不利益にならなければなんでも。
「話を戻そう、さっき”現状の私では勝てない”と言っていたが、それはこれから努力すれば勝てる見込みがあるということか?」
相当に厳しい質問だった。
なぜなら相手は生きる伝説であり、最強を体現しているような存在。
秀でた戦いの才能を持った人間がいたとして、その全員が努力しても勝てないと言い切るであろう存在。
それに単機で勝てるか?など、妄言に近いのと同じなのだから。
だがカーナは今度は考える事無くはっきりと断言した。
「可能性は高いと思います。彼に才能で負けたと思ったことはありません」
「ふ~ん」
ここで2ヵ月後の自分がクルウェイに勝てる可能性など問うた所で、コイツには無駄だろうな。
さっきみたいに感情論で述べられても困るし。
他人が言う絶対という言葉ほど絶対に信じられない言葉は無い。
というかクルウェイってそんなに強かったのか。
他の騎士たちともあんまり変わらないし、そんなに強そうには見えないのだが。。
人は見た目じゃないんだな。
「……よし!決めた!」
と、マリアンヌは手を叩く。
「お前は出発までの2ヶ月少し、ひたすらその魔道具を使いこなせるように、そして力量を伸ばすため己の研鑽に務めよ。因みにそれに対して必要な物や人があったら遠慮なく言え、訓練相手などはいくらでもくれてやる。目標は2ヵ月後にクルウェイ以上だ実力だ」
「しかしマリアンヌ様!私がいなければマリアンヌ様のお世話をする人間がいなくなってしまいます!」
いるよ、いっぱい。
そしてお前は不思議に思っていないのか?
最近やんわりとベッドメイキングすらやらなくなって、最後の砦である紅茶を入れる係りからもフェードアウトしている自分の立ち位置とか。
最近、私掃除ばかりやっているな~とか。
てか、護衛が主な仕事で、暇なとき掃除って、、。
それもう、ぶっちゃけメイドじゃないよね?
でもな~コイツにはメイド辞めろって言いづらいんだよな~。
あ~あ、あの時、コイツの入れた紅茶が旨いなんて言わなきゃよかった。
だってあの時は感傷的になってて、味覚が混乱してたんだよ。
過去を思い返し、自分の羞恥に赤面したくなる気持ちを抑えてマリアンヌは頭を振り、気持ちを切り替える。
「大丈夫だ、それらはシグレや他のメイドにやらせるつもりだ。お前は気にせんでよい」
「他のメイドはともかくシグレさんに私の仕事が勤まるでしょうか?」
この女はどれだけ自分の事を過大評価しているんだ?
お前の仕事は護衛だよ!
「この紅茶は今朝シグレに入れさせた物なのだが、飲んでみろ」
「え…、あぁ、はい」
マリアンヌからカップを受け取ると一口飲むカーナ。
そして次にカップに顔を近づけて匂いを嗅ぐ。
それを見てマリアンヌ。
何で飲んでから匂い嗅ぐの?
普通逆じゃない?
てか冷えてるんだから、そもそも匂い嗅がなくてもよくない?
そんなマリアンヌの心の声など知らないカーナ、最後にもう一度紅茶を飲む、今度は口いっぱいに、そして口の中で転がす。
ゴクンという飲み込む音が聞こえた。
彼女は自信満々に言った。
「私の入れたのと同じですね」
うん、味覚が消失してるんじゃないの?
お前の入れたのとは月とスッポンだよ。
「聞いたところによるとだな、シグレはそういった事は昔からメイドにではなく自分自身でやっていて、ただいつも自分に入れるように入れたとのことだ。だからこのレベルなのかもしれんな」
「ああ、なるほど。だからこのレベルだったんですね」
どのレベルだよ?
そしてコイツ…、全部飲みやがった。
普通、味見は一口だろうに。
「そう言えばシグレさんはどうされたのですか? 今日、姿を見て無いのですが」
「奴は今メイド長の所に修行に出している」
「えっ!?なぜ、あんな女の所に!?」
驚きからその場で飛び退きそうになるカーナ。
あまりのオーバーリアクションに肩を竦めるマリアンヌ。
「なぜそんなに驚く?奴には使用人としての才が有ると感じたのだ、だから修行だ。だがどれだけの才があろうが磨かねばただの石だからな、何か問題があるのか?」
「マリアンヌ様」
「なに?」
「シグレさんいびられますよ」
お前の中のメイド長はどんな人間なんだよ?
「シグレの件はもう決定事項だ、奴がどんな目にあおうが我の知った事では無いし、たぶんお前の心配するそんな事は無いだろうよ」
「いや~どうでしょうかね~、あの女は人に物を教えるよりも嫌みを言う方が多い人間ですよ。シグレさん何か得れますかね?私は何も得れませんでしたよ」
………。
うん、お前だけだよ。
「そんなくだらない…、ホントくだらない事よりもカーナ、1つとんでもない事が分かったぞ。お前はこれを見てどう思う?」
顎で机の上に置かれた資料を指すマリアンヌ。
カーナはその資料を手に取ると視線を落とした。
「これは…サンティエールの土地をプルートが手に入れてからの記録ですか?」
ああ、と頷くマリアンヌ。
そして自身の銀の髪を指でクルクルと絡ませながら付け加える。
「反乱記録と言い換えてもよかろう。なんと言っても、このサンティエールという都市を手に入れてからというもの領主側、つまりプルート側に対しての周辺の村も巻き込んだ反乱、暴動には事欠かないレベルで頻発している。これに加え強盗騒ぎもあるわけだが、、ここを任されている領主がよほど不適格者なのかは知らぬが…、こんな事なら最初にクルウェイを使って土地を手に入れたときにでも、先住民を皆殺しにしておけばよかったものを」
「それだと土地を手に入れても人がいなくなってしまいますよ」
「そんなのはプルートの従属国の中から要らん人間を選定して数万人ほど送ればよかろう? そしてそこで一生暮らさせれば、晴れて前に住んでいた奴らに入れ替わって移住組みが先住民となるではないか」
皮肉に満ちている言葉を無垢な瞳で言い放つマリアンヌに、カーナは「なるほど、さすがはマリアンヌ様!素晴らしいアイデアです!」と相づちをうつ。
マリアンヌは続ける。
「で、本題だが、その資料を見ていて不思議に思ったことがあるのだが」
分かるか?と目で問いかけてくるマリアンヌにカーナは少し悩んだ後、答えた。
「結構色んな事が起こっていますね」
「アバウト過ぎるわ!」
やれやれと首を振るマリアンヌ。
「小国が大国を叩く場合、お前が小国に属していると仮定したならどうやって大国を叩く?」
「私なら単機で大国に乗り込んで、敵大将を討ち取りますね」
「ああ、、そう」
それやろうと思うのは世界でお前だけだよ。
「一般的には小国が大国に戦いを挑むのなら、まず大国を疲弊させて弱らせていくのがベターだ。パワーバランスの変化が必要だ、その上で戦う。シグレの報告によるとサンティエールは現在、度重なる周辺からの暴動に悩まされているそうだ。それに伴って本国であるプルートに増援や物資を請求している」
だが、それが許可がされている形跡は無し。
むしろサンティエールを放棄したいかの如く、兵を逆にプルートに帰還さしているまである。
これも資料を読んでいて少し不自然に思った点だな。
プルートは…いや、父上はこの土地をどうしたいだ?
まぁこれはカーナに言う必要は無いか。
「小国の方は何度も何度も暴動を繰り返すだけでいい、少ない費用で大国が弱っていく、逆に自分達は相手の食料、金銭を奪うことで大きくなる。というか…攻めるよりも守るほうが一般的に労力がかかるから勝手に疲弊していく、物資の補充が出来れば問題ないが、現状許されてはいない。大掛かりな粛清をすれば力によっての統治で周辺の村々も黙らせれるかもしれないが、現状では、やはり兵が絶対的に足らない」
「サンティエール側は八方塞がりですね」
「うむ、現在反乱分子どもはサンティエールに対して、とても理にかなった戦術を仕掛けていることになる」
そこで空っぽになったカップに目を落とすとマリアンヌはポツリと言った。
「これを先導している人間はまったくの馬鹿というわけでは無さそうだよ。さぁ、そこで問題だよ、カーナさん」
「か、カーナさん?あ、、はい、何ですか?」
「こんなのは兵法の基本だ。兵糧が枯渇した敵に対して何度も何度も繰り返して攻撃し続ければ、攻めよりも守りの方が疲弊するというのは。しかしだぞカーナ、お前はこんな方法を知っていたか?」
「いいえ」
「そう!お前ですら知らない、…まぁお前は単機で敵国に乗り込もうとするアレだからアレだけど。 兵法とはそれ相応の教育を受けた人間が身に付けるものだ。それをだぞ、なんで兵法なんて考え方を、こんな田舎の猿どもが知っているんだ? シグレによって調べさせたが、あの地域の教育レベルは低い、読み書きすら出来ない人間も多い、そんな人間達が兵法?兵法だぞ!?ちゃんちゃら可笑しいわ」
「マリアンヌ様と同じで本とかで勉強をしたとか」
「文字を読めないのにどうやって本を読むんだ?」
「読める人間も多少はいるのでは?」
む、そう言われると反論に困るな。
カーナのくせに生意気な。
マリアンヌは訝しげな表情で、そうだなと呟き、こめかみを掻く。
「もしそんな人間がいたとしても本があるかは微妙だぞ、本屋のような物が無いのは調べがついている。元々本を持っていたのだとしたら、本は貴重品だ、このような貧しい村々などならまず本から売るだろう、残っているとは思えない」
「領主側から奪ったという可能性は無いのですか?さきほどマリアンヌ様は強盗があったと仰ってたので、それだけ貴重なものなら本を売るために奪って売る前に読んだということもあるかと思うのですが」
むむ、それは…ある…かも。
庶民が気軽に手に入らないものならその売却時の価格も推して知れる。
ならば賊が窃盗時の盗むであろう優先度も高い。
しかし、何を盗まれたかまではシグレの資料にも無い。
ゆえに否定しきれない。
カーナのくせに小生意気な。
マリアンヌは頭を振ると「ありえない」と付け加えた。
「あるわけ無いだろう。今日食べる物にすら困っているのだから、すぐに売るに決まっている、タンスの肥やしにしておくような余裕はないはずだ。元より人間というのは知識欲よりも生命に対しての欲の方が強く働く」
「では、、え~と、頭の良い人間が試行錯誤して兵法を思いついたとか」
むむむ、また現段階では否定しきれない反論をしよって。
カーナのくせにクソ生意気な。
まぁ確かにお前の言うことにも一理あるね。などとは死んでも言いたくないマリアンヌ、少しだけ頭を働かせる。
そして糖分補給の為に用意した中身の入っていない紅茶のカップを見ながら話し出した。
「まぁ、この地域に長い兵法の歴史を一足飛びするような、そんな天才が偶発的に生まれたという可能性も無くは無いが…試行錯誤したのなら失敗もしてないとおかしい、その形跡がほとんどない、よって普通はもっと違う可能性を考えるべきだろう」
「違う可能性ですか」
「現状において一番可能性が高い事だよ、分からないのか?」
少し黙った後、カーナは言った。
「はい、すいません、私程度の頭では見当付きません」
「仕方ないな~まったくお前バカなんだから。まぁ我もついさっきこれに気付いたとき自分の頭の良さに自分が神だと理解したぐらいだからな、お前が分からなくても仕方ない。仕方ないから教えてあげよう」
なぜか少し勝ち誇った表情をするマリアンヌに、カーナは不思議に思いながらもそのまま頷いた。
するとマリアンヌは2人以外、人が居ないにも関わらずカーナの耳元に顔を近づけてきた。
「いいか、良く聞けよ」
「はい」
確信めいたひらめきに後押しされたマリアンヌは断言する。
「おそらくサンティエール占領時からいる者の中、つまりプルートから最初にサンティエールに行った者たちの中に。。反乱軍の内通者、裏切り者がいる」
閲覧ありがとうございましたヽ(≧▽≦)ノ
ではまた次回お会いしましょう♪♪
痛いよ~(><)もう10日ぐらいたつのにまだ抜いた奥歯の辺りがズキズキするよ~(/_<)
先生は「奥歯の使ってない親知らずだし、麻酔かけるから大丈夫!(〃´・∇・ `)b」って言ってたけど、抜くのに1時間半かかって麻酔効きづらかったし、その後もツライお~(;´Д⊂)
最近は3食、うどん食べてますw
因みに先生に「残りの出てない3つの親知らずの歯はどうします?現状はそんなに急いで抜かなくてもいいんですけど…虫歯の治療終わってからでも抜きます?」って言われたので「大丈夫!今は大丈夫!!」って逃げてきたw




